BOOK「深海2017 最深研究でせまる“生命”と“地球”」図録

先日、国立科学博物館で見てきた特別展「深海2017 最深研究でせまる“生命”と“地球”」の図録。価格:2200円(税込)。192ページ。
映像展示はNHKで放送されたものが中心で期待はずれだったけど、テレビ番組より詳細であろうと思い、図録を購入しておいた。実際、夏休みのチビッコがうごめいていて、企画展の会場では解説パネルを落ち着いて読む余裕が全くなかったし^^;;
展示自体、良くこれだけ詰め込んだと思えるくらいに内容は豊富だったけど、その分、通路が狭く混雑が激しかった。チビッコにこういう展示を見せること自体は決して悪いことじゃないんだろうけど・・・幼稚園児や乳幼児を連れた母親が多すぎる。一部の美術館のように、小学生未満の入場を制限するというわけにはいかないだろうけど、もう少し何とかならないだろうか^^;;
わたし自身、興味のある分野だというのもあるし、展示を十分に見られなかったせいもあるけど、読む部分も多いし、写真やCG図版も楽しい。図録としては良くできている。科博の図録としてはかなり出来の良い方だと思う。

BOOK「ヒト 異端のサルの1億年」

ヒト
異端のサルの1億年

島泰三著
(中公新書:920円+税)
※古書を購入

人類学の本を読むと、いつも消化不良になる。わずかな発掘資料から推測を重ねて、わかっていないことが多いのを良いことに、かなり我田引水的に自説を展開していることが多いから。同じようにこの本も消化不良を起こした感じ^^;; ただし、この本の場合はいままでに読んだ本とは少し意味合いが違う。
オランウータンからはじまり、ゴリラ、チンパンジーといったサル、そしてアルディピテクス、アウストラロピテクス、ホモ・エレクトゥス、ネアンデルタール、ホモ・サピエンスへとサルから人類へと考察を並べているけど、ただ並べただけで著者の主張がない。考察も非常に浅い。各項目単独ならそれなりに読んだ感じはするけど、それを串刺しにする部分の考察がお粗末すぎて、この本でいちばんの消化不良に陥ってしまった。
生煮えの食材を順に食べさせられて、お腹を壊したような読後感・・・。結局、サブタイトル通り、裸のサルという異端さを書きたかっただけなのか? だとしたら、著名を『ヒト』ではなく、『サル』にした方が良かった。

BOOK「植物はなぜ薬を作るのか」

植物はなぜ薬を作るのか
斉藤和季著
(文春新書:880円+税)
※古書を購入

植物は自力では移動できない。だから、防衛や繁殖などに化学物質を利用している・・・という。植物がいかに多様な化学物質を賢く巧に利用しているのかは、わかりやすく書かれていて面白い本だったけど、タイトルが示す「なぜ」には何も答えてはいない。
そもそも、「植物は自力では動けないから」化学物質を活用していると理解するのは違うと思う。だって、自力で移動できる動物だって、たくさんの化学物質を体内で生みだし利用しているから。フェロモンなんかは繁殖に役立てているし、内分泌物質などは生命維持に不可欠な存在だ。さらにいえば、植物の中には、化学物質利用ではなく、種子を風に飛ばしたり、動物に付着させ運ばせたり、河や海の流れを利用したりして繁殖圏を広げるものがある。結果的に、化学物質をこのように巧に使っている植物もあるというだけのことではないか。
まあ、何にせよ、植物の生命活動と繁殖システムは多彩で、どれも良くできている。

雑誌「milsil ミルシル 発生」(2017年No.2 通巻56号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込みの定価420円)
4月4日からはじまる企画展の前宣伝ということなのか、この巻の特集は「発生」。
わたしも含めて、動物はひとつの受精卵が分裂して、進化の過程をなぞった上で、いろいろな組織や器官を作り、一人前の身体ができあがったわけだ。これは中学や高校の生物の時間で習うことだけど、改めて考えると、ちょっとすごいことだと思う。最初から人間の形を形作る方が効率が良さそうなものを・・・。いずれ、人間より進化した生物が現れたとき、きっと彼らも同じことを思うのだろうと思う。
4月には企画展を見に行くことになるだろうけど、いったいなにが展示されるのだろう? 想像するに、あまり見ていて心地よいものは並びそうにない気がする。
他に気になった記事は、コガタアカイエカによる日本脳炎の記事。気候の温暖化で、デング熱やマラリアが日本に上陸するという話があるけど、日本には国名が冠された感染症があったじゃないか。しかも、根絶はできなかったものの、最低限の発症者に抑えることができた実績もある。デング熱、必要以上に恐れることはないという気もするけど・・・東京の住宅地には廃屋が増える一方・・・蚊の発生源はどんどん増えているんだよな^^;;

雑誌「milsil ミルシル 生物毒」(2016年No.4 通巻52号)

milsil052国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込みの定価420円)
この巻の特集は「生物毒」。前巻に引き続き、通好みというか・・・微妙なテーマ^^;; かなり昔、「危険生物」について勉強したときに、毒を持つ動植物についての知識はそれなりに得ていたので、なじみがない内容ではないけど・・・。
でも、毒の有無にかかわらず、ヘビはあまり得意ではないので、大きな写真がなくて助かった。まあ、ハブ酒は平気で飲むんだけど^^;;
ジャガイモをたくさん食べるドイツでは、芽に含まれる毒で毎年何人か亡くなっているという都市伝説があるけど・・・どうして毒なしジャガイモの品種改良が行われていないのか不思議に思っていた。なるほど、ジャガイモの遺伝子は四倍体だから、毒のない変異体をふるいにかけにくかったのか・・・。栽培種として、収穫量を増やすための結果なのだろう。
そうなると、当然考えるのが遺伝子操作だけど・・・「ゲノム編集」という手法で毒を作る遺伝子を破壊したジャガイモが研究されているという。当然の流れだろうけど・・・食品として日本人に受け入れられるんだろうか?

雑誌「milsil ミルシル 海藻」(2016年No.3 通巻51号)

milsil051国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込みの定価420円)
この巻の特集は「海藻」。科学雑誌「Newton」や「日経サイエンス」は絶対にトップ記事にはしない地味なテーマ^^;;
聞きなれない「ネレオキスティス」やら「ジャイアントケルプ」などといった海藻の話は、なるほどなと読むしかないけど、食卓でもよく目にする「ワカメ」といった海藻が出てくると、ちょっと注目してしまう。
「世界へ分布を広げる日本の海藻」というタイトルを見ると、思わず日本の海藻もがんばっているななどと応援したくなるけど・・・早い話が、海外から見ると外来生物。いま、世界中の海でワカメが繁殖しはじめているらしい。「世界の外来生物ワースト100」に含まれる海藻は2種類しかなく、そのうちのひとつがワカメなのだとか。
「和食」が世界文化遺産となり、「味噌」がフランスで密かな人気になっているという話もあるから、そのうち、ヨーロッパでもふつうにワカメの味噌汁が飲めるようになるかも知れない。なにせ、駆除するには食べるのがいちばん手っ取り早いから^^;;

BOOK「国立科学博物館 特別展 恐竜博 2016」図録

kyouryuhaku2016zuroku先日見てきた「恐竜博2016」(国立科学博物館)の図録。
恐竜はあまり得意な分野ではないけど、今回は7つのキーワードから恐竜の進化を紹介していて、比較的興味が持てる内容だったし、なによりわかりやすい。わたしはこの手の図録もちゃんと読むタイプに人間なので・・・。
ティラノサウルスのような恐竜は、二足歩行になり、つま先立ちをすることで俊敏に動け、早く走れるようになり、その後の進化に大きな影響を与えたという。人間にたとえれば・・・ハイヒールを履いてつま先立ちしている世のお姉さんたちは、どう進化していくのだろう? たいていは外反母趾になって、やがてはおばさんになるんだけど^^;
A4変型判148ページ、フルカラー
価格:2000円

BOOK「国立科学博物館 特別展 生命大躍進」図録

seimeidaiyakushin_zuroku.jpg上野の国立科学博物館で開催中の特別展「脊椎動物のたどった道 生命大躍進」の図録。
恐竜や哺乳類といった展示が続いていたので、むしろ、カンブリア紀の生物化石などの印象が新鮮だったけど、図録を改めてみると、やはり主役は脊椎動物。ページの半分強が脊椎動物にあてられている。
でも、こういう展示の図録が力を発揮するのは、実物のインパクトが弱い小さな化石の方なので・・・図録の方が、カンブリア紀の小さな生物の化石などをしっかり見られる。しかも自宅でゆっくりと。
会場での販売価格は2,300円。

【東京】
●会期:2015年7月7日(火)~10月4日(日)
●会場:国立科学博物館(東京・上野公園)
【名古屋】
●会期:2015年10月17日(土)~12月13日(日)
●会場:名古屋市科学館 理工館 イベントホール
公式サイト http://www.seimei-ten.jp/