BOOK「山が楽しくなる地形と地学 山、それ自体がおもしろい!」

yamagatanosikunaru山が楽しくなる地形と地学
山、それ自体がおもしろい!
広島三郎著
(山と渓谷社:777円+税)

久しく山に登っていないし、山の本も読んでいなかったけど、本棚の片隅に読み忘れていた本を見つけた。たぶん、10年くらい放置していたはず^^;; むかし、山登りをしていた頃、よく、こういう本を読んでいた。それをHPで紹介していたら、山岳雑誌「山と渓谷」の目に止まり、コラムで紹介されるほど読んでいた。
その経験でいうと、登山の入門書のタイトルには「山を楽しく」とか「山を楽しむ」という表現がやたらと多い。好きで山登りをしている人間は、人から言われなくても山は楽しい。でも、多くの人が、山は楽しくないと思っているからこういう表現が増えることになる。そして、そういう人は、こういう本を読んだからといって、山が楽しくなることはない。
でも、山登りの初心者には役に立つんだよ、こういう本は。少なくとも学校で習う地学の授業以上には役に立つ。

BOOK「山岳マンガ・小説・映画の系譜」

sangakumangasyousetu.jpg山岳マンガ・小説・映画の系譜
GAMO著
(山と渓谷社:1,500円+税)

30代から40代にかけて、それなりに熱心に山登りをしていた。その頃は、ノンフィクションや紀行文ばかり読んでいて、小説や映画などにはぜんぜん関心がなかった。
毎月のように購読していた雑誌「山と渓谷」や「岳人」には、連載小説か何かが載っていたけど気にして読んだことはほとんどなかった。
山関係の本はたくさん読んだ。そのおかげで、雑誌「山と渓谷」のコラムに取り上げられてこともあった。でも、元々映画をほとんど見ないし・・・小説といっても新田次郎や夢枕獏を数冊読んだくらいのもので、熱心な読者ではなかった。マンガに至っては、「岳(ガク)」と「でこでこてっぺん」しか読んでいない。
それらを、系譜として総覧したとしても、そういう作品があること自体を知らなかったりするので、何も新しいものが見えてこなかったりする^^;;

BOOK「日本人は、なぜ富士山が好きか」

nihonjinhanazefujisangasukika日本人は、なぜ富士山が好きか
竹谷靱負著
(祥伝社新書:800円+税)
ISBN/ASIN:4396112912

この本では、歴史的文献や北斎の作品などから、宗教的、芸術的に、富士山と日本人について考察している。まあ、むかしからそういう経緯はあるんだろう。否定はしない。
まあ、でも、一言で言ってみれば、幼い頃からの「洗脳」だよな^^; 親や先生が「富士山」をすり込み、テレビや雑誌がそれを上塗りし・・・成長とともに、いつの間にか日本人になっていくと同時に、その一部として富士山が心の中に形成される。
実際、わたしは北海道に生まれ育ち、大学進学とともに上京するまで、「山といえば富士山」という意識はなかったと思う。なぜなら、北海道の地元にある樽前山という山の存在が邪魔をしていたから。・・・たぶん、富士山が見えない地域で、地元に名峰といわれる山のある人たちは似たような感じじゃないだろうか?

雑誌「山と渓谷 2013年1月号」

yamakei_2013-01もういい加減、山には行けない身体になってしまったことを認めなければならないのだけど・・・往生際悪く、いまだ未練たらたらに生きている^^;
そんなわけで・・・せめて、雑誌「山と渓谷」の新年号だけは買わなければ、ということで今年も買った。
というのも、毎年新年号には「山の便利帳」という別冊付録が付いているから。・・・でも実際は、毎年買っても・・・山に行けないのだから、実際に役に立つことはないのだけど^^;;

BOOK「いのちの代償」

inotinodaisyouいのちの代償
山岳史上最大級の遭難事故の全貌!
川嶋康男著
(ポプラ文庫:571円+税)
ISBN/ASIN:4591111581
※古書を購入

久しぶりに読んだ「遭難本」。
1962(昭和37)年12月、北海道の大雪山で起きた北海道学芸大学(現北海道教育大学)函館分校山岳部の遭難事故を扱ったノンフィクション。この遭難事故では、11人パーティのうち10人が死亡した。
北海道教育大学は以前、札幌、函館、旭川、釧路、岩見沢の5つの分校に分かれていて(いまは分校とは呼ばないらしい)、各分校はとても小規模な大学だけど・・・この当時、函館分校だけでこれだけ大人数の山岳部があったことがまず驚きだ。しかも、本格的な冬山合宿まで行うほど本格的に活動していたとは。
たいていの遭難事故は、天候などの悪条件と判断ミス、あるいは判断の遅れ、そしてちょっとした不運が連鎖して起きる。普通であれば、どこかで連鎖が断ち切られて、ギリギリのところで事故は防がれるわけだけど・・・事故が起きてしまってから当時を振り返ると、確実に連鎖が続いている。これは山岳遭難事故でも、航空機事故や原発事故でも同じことだ。
だから、連鎖の糸を断ち切り、重大な事故になる前に状況を改善するシステムが必要なわけだけど、「自己責任」の上に成り立つ登山の場合、こういうシステムは経験という形でしか成立しない。しかも、経験は個人に蓄積されるから、毎年人が入れ替わる大学の山岳部のようなところでは、なおさらこのシステムが成立しにくい。
近年、大学の山岳部が大量遭難を起こさない理由は・・・大量遭難を起こすほどたくさんの部員が集まらないという理由が多いだけという気もする^^; その代わり最近は、登山ツアーなどで中高年者の大量遭難がたまに起きる。つまり、この本に描かれた遭難事故当時大学の山岳部にいた学生やその後輩たちが年をとって、再びいま、大量遭難事故を引き起こしているわけだ^^;;

BOOK「山はどうしてできるのか」

yamahadoushitedekirunoka山はどうしてできるのか
ダイナミックな地球科学入門
藤岡換太郎著
(講談社ブルーバックス:880円+税)
ISBN/ASIN:4062577564

地学というか、地球物理の本で、プレートテクトロニクスによる大陸移動から造山運動など、山ができる過程を通して紹介している。ある意味、ユニークなコンセプトで書かれているのだけど・・・山に興味があるから読んだわけだけど、どうしてこういう切り口の本を書こうとしたのか・・・微妙によくわからない^^; もっと別のコンセプトもあったと思うのだけど・・・まさか、いま流行の山ガールにウケるとでも考えたわけではないと思いたい・・・。
でも、このコンセプトだからこそ書かれた部分もありそうで、なかなか面白く読めた。

BOOK「K2に挑む」

k2niidomuK2に挑む
小松義夫 早稲田大学K2登山隊著
(新潮社 とんぼの本:1,100円+税)
ISBN/ASIN:4106019027
※古書を購入

K2は世界第2位の高峰で、標高は8,611メートル。・・・何事も第2位というのは影が薄いらしく、K2も知る人ぞ知る存在。最高峰であるエベレストが植民地的な呼称であるとして、現地名の「サガルマータ(ネパール側)」「チョモランマ(チベット側)」が使われ、広く知られてきたのに対して・・・K2はイギリスの測量隊が付けた記号がいまだに一般的な呼び名として使われている。ちなみに、K2の現地名は「チョゴリ」。
エベレストをはじめとするヒマラヤの8000m峰への商業登山が一般化する中・・・アプローチや難易度の問題があるのかもしれないけど・・・K2への商業登山はほとんどないようだし、やっぱり、2位じゃダメで、1番じゃなきゃいけないのかも知れない。
で、この本は、1981年に早稲田大学の登山隊が西稜から登頂したときの記録。
たまたま、amazonで古本を見つけたので読んだだけのこと。

BOOK「百年前の山を旅する」

100nenmaenoyamawotabisuru百年前の山を旅する
服部文祥著
(東京新聞:1,714円+税)
ISBN/ASIN:4808309381

久しぶりに山関係の本を読んでみようと思い、amazonで見つけて購入した。・・・読み始めようとして気が付いた。表紙をめくった返しのところに、著者のサインがある。・・・なぜ、通販で購入した本がサイン本なんだろう? 「茗渓堂にて」とあるから、サイン会でもしたときの残りだろうか?
・・・ちなみに、茗渓堂は山の本を出している出版社で、神保町に書店がある。
何年も前に身体をこわし、山登りに出かけることが出来なくなって久しい。それでも、山のことが気になり、本やテレビで、未練がましく山の話題には触れている。わたしが山に出かけていた頃でも、北アルプスのメジャーな山小屋ではショートケーキやアイスクリームなどが売られていて、常識のない女性登山者が山小屋に風呂がないとクレームをつけるような感じがあったけど・・・「山ガール」などというものが流行り始めて、さらに様変わりしているんだろうなと想像している・・・。
そうした風潮のアンチテーゼなのか、この本の著者は、「サバイバル登山」などを提唱し、ちょっと話題になっている。装備や食料は最低限、水と食料は出来るだけ現地調達で済ますという登山。・・・国立公園内では勝手に食料調達は出来ないだろうけど、まあ、やりたいことは理解できる^^;
そしてこの本は、100年前・・・日本に近大登山が輸入された時代の装備で、当時の登山ルートをたどった山行記録。ちょっと酔狂な企画だけど、それなりに面白かった。まあ、ちょっと反論したい部分もあるけど、そもそも著者の登山コンセプトに異を唱える気はないので黙っておく・・・。