BOOK「物語 財閥の歴史」

物語 財閥の歴史
中野明著
(祥伝社新書:820円+税)
※古書を購入

幕末期から明治期にかけて、日本にはいくつもの財閥が形成されて、いわば、資本の原始的蓄積が行われた。以後、金融恐慌やら戦争やら、財閥はそれぞれ栄枯盛衰の道をたどり、いまでもその名をとどめている財閥はいくつもない。非常に良くまとまった本で、財閥の形成の経緯などは期待以上の内容だった。
でも、やっぱりひとつだけわからないことがある。幕末期の日本は、世界史、あるいはアジア史的にみて、特殊な状況だったんだろうか? 江戸時代まで、日本の産出する金銀は豊富で、それなりに貨幣経済も進んでいたけど、どうしてこうも簡単に資本の集中が起こり、経済の近代化の牽引車となれたのか、ここだけはいまだによくわからない。
もうひとつついでにいえば、どうして日本郵船は三菱のスリーダイヤモンドマークを使っていないのか、これもわからない。こちらは、最初から期待していなかったけれど^^;;

BOOK「七つの海で一世紀 日本郵船創業一〇〇周年記念船舶写真集」

7tsunoumide1seiki-1七つの海で一世紀
日本郵船創業一〇〇周年記念船舶写真集

仕事の資料としてお借りして読んだ本。
日本郵船の創業当時からの船舶がいろいろ紹介されている。日本郵船ほどの大企業が作った本なので、100周年社史とは別に作られた物だと思う。クロス張りの大型本で、かなり豪華な作り。
こういう本は市販されていないので、通常ではなかなか目にする機会がない。ある種、こういう仕事をしているが故の御利益という感じ^^ 仕事上、興味のない分野の本を読まざるを得ない場合とは違って、こういう本なら大歓迎だ。
(昭和60年発行)

BOOK「岩崎彌太郎物語 「三菱」を築いたサムライたち」

iwasakiyataroumonogatari.jpg岩崎彌太郎物語
「三菱」を築いたサムライたち
成田誠一著
(毎日ワンズ:1,300円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだのだけれど・・・今回の仕事にはほとんど役に立たないことがわかった^^;; それでも、岩崎彌太郎が生きた時代の起業家、資本家、経営者が注目されている時代なので、興味深く読んだ。以前読んだ類似書とは違った印象を受けた部分もあったし・・・。ただ、この本は彌太郎だけを扱った本ではないので、少し物足りない感じがする。
彌太郎は、九十九商会の時代に、三菱のロゴマークであるスリーダイヤを使いはじめたけど・・・極めて初期の頃を除いて、日本郵船がスリーダイヤを使っていないのはなぜだろう? 海運業は三菱にとって創業時からの事業なのに・・・。一度、日本郵船が彌太郎の手を離れときにでも、何かあったんだろうか・・・。
岩崎彌之助、久彌、小彌太について書かれた本は初めて読んだ。大企業として発展して行くには、創業者だけでなく、それに続く世代も重要なんだろうけど、でも、逸話が受け継がれていくのは、いくら三菱とはいえ、この辺りまでなんだろうな。

BOOK「日本郵船歴史博物館収蔵品展」図録

nihonyuusen_syuzouhinten_zuroku.jpg日本郵船歴史博物館20周年記念して、2回に分けて開催された企画展「日本郵船歴史博物館収蔵品展」の図録。
最初に開催された「Ⅰ 船旅への想い」(2012年4~8月開催)は、戦前の船旅を彷彿させる日本郵船の船旅パンフレットや乗船記念品、当時使われていた食器類などの展示。
次いで開催された「Ⅱ 船員の記憶、船の記録」(2014年11月~2015年3月開催)は、戦前の船員たちが撮影した寄港地や公開中に撮影した写真や関連資料の展示。ともに当時の時代を感じさせる展示内容だった。
残念ながら、この企画展そのものは両方とも見ていない。個人的な好みとしては、パートⅠの方だけでも生で見たかった。
一般的に、博物館の常設展示には、収蔵品の極めて一部分しか展示されていない。その他の収蔵品を見ようと思うと、企画展にこまめに足を運ばないといけないわけだけど、なかなかそういうわけにもいかないんだよなぁ。だから、こういう過去の企画展の図録が手に入ると、ちょっと得をした気分になる^^

BOOK「日本郵船歴史博物館」図録

nihonyuusen_zuroku.jpg先日、二度にわたって見学してきた「日本郵政歴史博物館」の図録。
明治期に岩崎彌太郎が海運業を興して以来、戦前・戦中・戦後の日本の海運を支え、今日では陸海空に渡る物流ネットワーク企業へと発展してきた歴史がまとめられている。また、日本が誇る豪華客船「飛鳥」など、リゾートとしての旅客船の魅力も紹介されている。

あまり熱心とは言えないけれど、こういう図録が好きで・・・わたしは購入した図録は隅々まで読み込むという変態的な性格をしている^^;;

展示だけでは見落としがあるし、映像展示などはすべてを見てくることが出来ないので、あとで図録を読むことで理解度は明らかに進む。
もちろん、すべての図録が読んでいて面白いわけではないけど・・・こういう常設展全体をオーソドックスに解説した図録には、ちゃんとしたストーリーがあり、基本的にハズレがない。

価格1,500円でこの大型本が手に入るというのは、好きな人にはリーズナブルだと思う^^ この博物館の四方の会は入会が無料なので、購入前に入会しておくとポイントがもらえる。

BOOK「日本郵船 氷川丸 ガイドブック」

hikawamaru_guidebook.jpg日本郵船歴史博物館にあった氷川丸のガイドブック。
氷川丸には学生時代に一度だけ行ったことがあるはずだけど、なにせ30年以上前のことなので、よく覚えていない。でも、そのうち一度見に行かなければと思っているけど、もう少し涼しくなってから。30年どころか、戦前に作られた船だから、数ヶ月遅くなっても変わりはないだろう。
ずっと氷川丸は客船だと思っていたけど、最近、貨客船であったことを知った。もしかすると、30年前は知っていたのかも知れないけど・・・^^;
船舶は退役後にスクラップにしてもそれなりのお金になるので、こういう「博物館船」は意外に少ない。展示品として屋外展示されているような小型船舶はいろいろありそうだけど・・・船自体が博物館施設となっている博物館船は、たぶん、日本全国で10隻くらいしかないんじゃないかと思う。
青函連絡船、南極観測船、軍艦と種類は様々だけど・・・もしかすると、民間の船会社が所有していた船舶が博物館船として保存されたのって、この氷川丸だけかもしれない。
価格500円。

BOOK「高炉の神様 宿老・田中熊吉伝」

kouronokamisama高炉の神様
宿老・田中熊吉伝
佐木隆三著
(文春文庫:552円+税)
※古書を購入

事件ものが多い佐木隆三にしては珍しい題材を扱った作品。終身勤務の熟練工「宿老」として、98歳まで現役で高炉を見守った、八幡製鉄所の製鉄マン・田中熊吉のノンフィクション。
鉄の原材料である鉄鉱石から銑鉄を作る炉を「高炉」という。製鉄の世界では、高炉を持つ企業を「高炉メーカー」と呼び、銑鉄から様々な鉄鋼製品を加工するだけの企業と区別している。そして、高炉メーカーの多くの社員は、自分が高炉を持つ高炉メーカーの一員であることにプライドを持っているらしい。そういう人たちにとって、「宿老」という立場は、ほとんど神様と同義なのだろう。
近年は、中国に押されて、国内の高炉は減り続けているけど・・・現代中国の製鉄って、元をたどれば日本の技術なんだよなぁ・・・。