BOOK「幕末武士の京都グルメ日記 「伊庭八郎征西日記」を読む」

幕末武士の京都グルメ日記
「伊庭八郎征西日記」を読む

山村竜也著
(幻冬舎新書:780円+税)
※古書を購入

江戸時代の出版事情はなかなかのもので、いまのミシュランガイドのようなグルメ番付がいくつも出版されていた。しかも、江戸版、京都版、大阪版、東海道版といったエリアガイドが作られていた。それだけ外食産業が栄えていたということでもある。
そういう事情は知っていたけど、気になったのは「伊庭八郎」という人物。五稜郭で討ち死にした伊庭八郎と「グルメ」という単語が結びつかなかった。伊庭八郎は幕末の幕臣で、後に五稜郭で最期を遂げた、ということしか知らなかったわけだけど・・・。その数年前、将軍徳川家茂の京都上洛に従ったときの日記が「征西日記」。家茂の時代だから、風雲急を告げるという感じでまだ緊迫してはいなかっただろうけど、伊庭八郎、京都で食べ歩き三昧。
いま、伊庭八郎が生きていてスマホを持っていたなら、SNSでグルメ写真をアップし続けるんだろうな、戦場で自撮りしたりするんだろうななどと、おかしな想像をしてしまうけど・・・あながちあり得ない話ではないだろう。

BOOK「エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ」

エネルギー産業の2050年
Utility3.0へのゲームチャレンジ
竹内純子編著
伊藤剛、岡本浩、戸田直樹著
(日本経済新聞出版社:1,700円+税)

仕事先から資料としてお借りした本。今後の電力事業の展望を紹介している。この本の背後にどういう利害関係があるのかよくわからないけど・・・にわかには納得しがたい未来像も含め、いろいろ書かれている。
わたしが生きてきた間に、2回のオイルショックがあり、スリーマイル島、チェルノブイリ、福島と3つの原子力発電所で大きな事故が起きた。その度に大騒ぎしたけど、大きくいってしまえば、その間に起きたことは省エネへの世界的な転換という一点だけだろう。日本では電力の自由化とかで、いろいろ販売合戦があったけど、とくに何も変わらなかった。この本でも、自由化あたりの動きは過渡期的なものとしている。
「Utility3.0」などとわかりにくい言い方をしているけど、未来の電力会社は電力そのものを売るのではなく、電力を使用したことによるメリットを売る方向に変わるということらしい。大きな流れとしてはわかるけど・・・わたしの頭ではピンとこない。まあ、こういう本を読んでピンと来る人が大金持ちになり、大企業に成長していくのだろうけど・・・残念ながら、わたしではないようだ。

BOOK「健康という病」

健康という病
五木寛之著
(幻冬舎新書:760円+税)
※古書を購入

古本屋で見かけたとき、「どうして五木寛之がこんな本を書くんだろう?」という疑問がわいた。なにか、大病でも患ったのかと、読んでみることにした。
内容は、世に氾濫する健康情報(言いかえると不健康情報)に振り回される人への警鐘というか、批判というか・・・ありふれたエッセイではあるけど、五木寛之の人生観や生死感なんかが垣間見られ、共感できるところもあった。
わたしは幼い頃からいろいろな病気と共存してきたけど、いわゆる身体に良いことはなにもしていない。そんなわたしに、健康オタクの友人がサプリメントなどを勧めてくることがあるけど・・・あまりの気持ちの悪さに、明確に断るようにしている。はっきりいって、放って置いて欲しい。
五木寛之がこの本を書いた理由・・・デタラメな健康情報が氾濫していて、それを不快に思っているからに違いない。確かに、ネットには無茶苦茶な健康情報と商品があふれている。先日も、「STAP細胞は身体を若返らせる」といって、得体の知れないSTAP細胞なるものを売っているサイトがあった。これを信じて買うヤツがいるのか、飲んでるヤツの顔を見てみたいものだと、こころの中で大笑いした。笑いは免疫力を高め、健康に良いそうだ^^

BOOK「縮小ニッポンの衝撃」

縮小ニッポンの衝撃
NHKスペシャル取材班著
(講談社現代新書:740円+税)
※古書を購入

昨年出た本だけど、NHKスペシャルの番組は見逃してしまったようだ。
わたしはバブル経済以前から日本の未来に悲観的だったけれど、その理由は団塊世代と年金問題にあった。団塊世代が都合よくもらい逃げする年金制度がヤバイと思ったから。この問題はその後解決されることなく、団塊世代は「高齢化」という問題になり、同時に「少子化」という二重苦になった。いまでは、「人口縮小」という問題が顕在化した。これは、予測ではなく確定していたことだ。
団塊世代は一夫婦が2人以上、人口を維持できる程度には子どもを産んだ。これが団塊ジュニアだけど、この世代が少子化を起こしてしまった。これは年齢的に確定した。団塊ジュニアはもう子どもを産む年齢を過ぎた。数が減った団塊三世は、「非正規雇用」や「ひきこもりニート化」などで、出産はおろか結婚すらしづらい状況にある。・・・人口縮小のスパイラル。
この本では、北海道や島根県の地方都市、そして東京について書かれているけど、上のような状況は全国的なことなので、どの地域でも避けようがない。明るい話はひとつもなくて、じっとり暗い気持ちになる。
ではどうしたら良いのか? 悲観論者のわたしにいわせれば、解決策などない。ジジババにではなく、若年層に財政を回せともいうけど・・・ジジババがのたれ死ぬような状況を見せられ、将来に不安を感じてしまえば若者は結婚もしないし子どもも産まない。限られた財政で、ブレーキとアクセルを同時に踏むような夢のような政策などあるはずがない。人口が減れば、やがて財政だって破綻する。
せいぜい、大量の移民を受け入れるという禁じ手があるけど・・・日本はこの問題について、まともな議論すらできないのが実情だしなぁ。

BOOK「剱 TSURUGI」

剱 TSURUGI
志水哲也:写真
(山と渓谷社:3,700円+税)
※古書を購入

先日テレビを見ていて、無性に山に行きたくなったので・・・こういう写真集は、古本でもけっこう値が張るので少し迷っていたけど、古本屋でこの本を仕込んでおいた。何冊か山の写真集があったけど、わたしが登ったことのある山の写真集は、この「劔岳」しかなかった。
わたしは夏山シーズンに源次郎尾根から登ったこともあるので、前劔からの一般ルートではない場所から見た劔岳の姿を多少知っている。でも、印象としていちばん記憶に残っているのは・・・劔岳のあの黒々とした岩山の風情は、別山乗越から初めて見たときのものだろうなぁ。黒々としていて、対峙する立山より厳つい、独特の雰囲気を纏っていた。
積雪期の劔には足を踏み入れたことがないけど・・・こういう写真を撮るには、どれだけの苦労があるのか想像も付かない。

BOOK「5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人 ドイツに27年住んでわかった定時に帰る仕事術」

5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人
ドイツに27年住んでわかった定時に帰る仕事術

熊谷徹著
(SB新書:800円+税)
※古書を購入

日本では「働き方改革」なるものを進めようとしているけど、これをやらないことには日本に未来はないという気がしている。でも、政府も自民党も、そして野党もことの本質を見据えての議論をしているようには思えないのが残念だ。
「なになに先進国」といわれることの多いドイツだけど・・・これ本当か?と目を疑いたくなるようなことがたくさん書いてあった。「1日10時間を超える労働は禁止」「残業時間を銀行貯金のように貯めて有給休暇に振り替えられるワーキング・タイム・アカウント(労働時間貯蓄口座)」「ドイツの多くの州では学校の夏休み冬休みの宿題が禁止」などなど。他にも、ドイツ語に「頑張る」という単語がないとか・・・ないわけがないと思うけど・・・。
いろいろ考えさせられる法律や制度が書かれていたけど・・・サブタイトルにある「定時に帰る仕事術」はなにも書かれていなかった。そもそも、こういうドイツ社会では、定時に帰らざるを得ないんだろう。そして、腰巻きに書かれている「なぜドイツは1年の4割働かなくても経済が絶好調なのか?」についても、納得のいくことはなにも書かれていなかった。これがいちばん知りたかったのに。
そもそも、そんな天国のようなドイツから、どうして著者は「社畜王国・日本」にわざわざ帰ってきたのだろう?

BOOK「「揚げる」本。 家で作る揚げ物をプロの技でレベルアップ!」

「揚げる」本。
家で作る揚げ物をプロの技でレベルアップ!
(エイ出版社:648円+税)
※古書を購入

基本的に「脂」は美味しい。最近では「脂味」を甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の5つに次ぐ第6番目の「基本味」に加えようという動きがあったりする。わたしは年をとって食べる量が減る傾向にはあるけど、若い頃は、基本的に揚げ物が好きだった。
でも、揚げ物を自宅でやろうとすると、下拵えと後片づけがけっこう大変。しかもこの季節は暑い。かといって総菜を電子レンジで温め直すと、ぺたっとした最低の食感になってしまう。やはり、自分で作って、揚げたてを食べるのがいちばん美味い。
ということで、こんな本を見つけたので購入してみた。調理としての揚げ物の基本、代表的な揚げ物はほぼ完璧に網羅されている。家庭ですぐにできる揚げ物から、家ではまずやらないだろうなと言うものまで。揚げたての薩摩揚げは美味しいだろうけど、すり身を用意して自分であげることはまずないだろう。同様に油揚げなんかもやらない。それでも、読んでいるだけでも楽しい揚げ物がいろいろ出てくる。

BOOK「マンガ おはなし物理学史 物理学400年の流れを概観する」

マンガ おはなし物理学史
物理学400年の流れを概観する

小山慶太:原著
佐々木ケン:漫画
(講談社ブルーバックス:1,080円+税)
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仕事の資料として読んだ本。
第1章「力学」はガリレオ、ケプラー、ニュートンについて、よく知られた内容だったけど、第2章「電磁気学」は、ホイヘンス、ヤング、フレネル、フーコー、ファラデー、マクスウェルといった感じで、いままで意外にも人物として意識していなかった科学者が登場して面白かった。第3章「量子力学」と第4章「相対性理論」あたりになると、オールスターキャストという感じ。
この本のコンセプトが「マンガ」だから仕方がないけど、わざわざマンガにしなくてもという部分もあったし、どうして登場しないのかと思う科学者も数人いるけど・・・コンパクトにまとまったわかりやすい内容だった。
最後に、湯川秀樹、朝永振一郎、小柴昌俊、南部陽一郎、益川敏英、小林誠といった、日本人ノーベル物理学賞受賞者がまとめて紹介されていたのは、(個人的に)別の面でありがたかった。
こんな感じで、「宇宙論」についてまとめた本を出してくれないかな・・・。