MOOK「図解で振り返る激動の平成史」

図解で振り返る激動の平成史(時空旅人別冊)
(三栄書房:880円+税)
※古書を購入

令和時代は、「新型コロナウイルス」にはじまり、コロナウイルスと共存する全く新しい時代になりそうな気配。この先どうなるんだろうと恐れおののくけれど、「平成」も決して順風な時代ではなかった。
振り返って平成時代は、湾岸戦争とバブル崩壊にはじまり、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、アメリカ同時多発テロ、イラク戦争、ISISの盛衰と焦臭い戦争やテロが続いた。
さらに、自然災害が多発した。雲仙普賢岳噴火、有珠山噴火、三宅島噴火、東日本大震災/福島原発事故、熊本地震、度重なる豪雨と水害、台風被害・・・。リーマンショックと民主党政権も人為的なものだけど災害レベルで暮らしを破壊した。
暮らしを豊かにしたのか破壊したのか、功罪あるだろうけど、インターネットの普及とグローバル化も平成時代に進んだ。国際的サプライチェーン、LCCによる人的移動がなかったら、新型コロナウイルスの被害もここまで急速には進まなかっただろうなと思う。「令和」はコロナではじまったけど、どういう時代になるのだろう。

BOOK「黒部源流山小屋暮らし」

黒部源流山小屋暮らし
やまとけいこ著
(山と溪谷社:amazon:0円)
※Kindle版を購入

amazonプライム特典で0円で開放していた本。
黒部源流の薬師沢小屋で12年働くイラストレーターが書いた山小屋の生活誌。
かつて山登りを趣味にしていたころ、薬師岳、太郎山、黒部五郎岳あたりの「黒部源流」はあこがれの地だった。なにせ遠い。登山口まで行くのが遠いし、その後の行程も長い。計画だけは何度か立てたけど、結局休みが取れず、行くことは叶わなかった。
最も接近したのは、裏銀座を縦走した時の水晶岳。赤牛岳の稜線の向こうにあったはずだけど・・・ずっと土砂降りでなにも見えなかった。最後の方で水晶小屋の名前がちらっと出てきたけど・・・わたしが宿泊したのはお盆休みだったけど、定員30人に対し100人くらいだった。交代制の食事で、土砂降りの中、1時間待ったのはきつかった。でも、あの狭い厨房でカレーではないふつうの食事を作ったと関心したものだ。水晶小屋は、小屋というより箱のようなものだから特別だと思っていたけど、最近では、シルバーウィークに黒部源流のような奥地でも似たような状況が起きるのか。でも、いいところのようだなぁ。
久しぶりに山の本を読んだけど、気持ちだけはむかしのようにうずいている。でも、身体がそれを許さない。

BOOK「ホーキング、宇宙を語る ビッグバンからブラックホールまで」

ホーキング、宇宙を語る
ビッグバンからブラックホールまで

ティーヴン・W・ホーキング著
林一訳
(早川書房:1,553円+税)
※古書を購入

何10年ぶりかで古本を手に取った。すごく懐かしい。
宇宙論の大まかな発展の流れからはじまっているけど、科学的な物の考え方や科学理論のとらえ方など、極めて基礎的なマナーにも触れられていて、文系の学生であった私が、初めて読んだ時に感動しながらメモをとったことを思いだした。
序文で一般向けの本だと言いながら、かなり奥が深いんだ、この本。学校で習ったこと、他の本で読んだこと、自分が理解していることとは別の言い回しで表現されていたりするので、度々脳内変換に時間がかかった。
でも、さすがに今読むとふつうに新書を読むスピードで読める。似たような本を何冊も読んできたから。今読み返すと、所々内容が古くて時代を感じさせる表記が目に付く。例えば、宇宙の年齢を100から200億年前としていりたり、重力波も観測できていないなどと書かれている。特に新発見の多いブラックホールについての記述が古い。名著ではあるけれど、やはり、最新の本を読むべきなのだろう。

BOOK「菜の花の沖(六)」

菜の花の沖(六)
司馬遼太郎著
(文春文庫:552円+税)
※古書を購入

北海道の開拓と防衛は一貫してロシアの脅威に対抗するためだったから、本能的に北海道人はロシアが嫌いだ。その不信感の発端はこの小説に描かれた時代からはじまる。わたし個人としては、意外にロシア人が好きだったりするけど。
嘉兵衛の観世丸がロシア軍艦ディアナ号に拿捕され、嘉兵衛ほか5人がカムチャッカに連行された。文化露寇やゴローニン事件について、北海道では比較的しっかり習うけど、他の地域ではそうでもないと聞いたことがある。
嘉兵衛を捕虜にしたリコルド少佐は、なかなか見識のある人物だったらしい。この人物でなければ、日露関係はどうなっていたことか。対して、農民層の出自で船乗り・商人になった嘉兵衛が、どこまで近代的な国家観や外交感覚を持っていたか・・・司馬遼太郎の描き方ではかなりの人物。リコルドと嘉兵衛との間に信頼関係が生まれ、自分たちが帰国し、平和裏に事態を収拾させる方策が立った。
帰国した嘉兵衛は最終的に処罰されはしなかったけど、ゴローニン事件を丸く収めた結果、幕府から贈られた報奨金がわずか5両。北前船1回の航海で1000両以上の稼ぎが出るというのに・・・。まだ、個としての日本人が明確に国家を意識していなかった時期に、互いの国の辺境で出会った嘉兵衛とリコルドが通じ合えたことは、結局、時代のあだ花に過ぎなかったのが残念だ。
<完結>

BOOK「菜の花の沖(五)」

菜の花の沖(五)
司馬遼太郎著
(文春文庫:552円+税)
※古書を購入

大坂で建造した官船5艘と高田屋の商船3艘を引き連れ、箱館に帰還した。その船団で、蝦夷地御用掛首座松平忠明のウルップ島までの巡視航海に出かけた。ここに、かの間宮林蔵が乗船していた。
嘉兵衛による択捉島開発は、越冬居住にも問題がなく、新しい漁法の導入も成果を上げていた。しかし、ロシアの動きも活発となり・・・この巻は小説というより、日露外交史、近代極東史の教科書のような内容。これだけ詳しければ、新書でも書けそうな詳しさだ。興味のある事柄なので、これはこれで興味深く読んだ。当時の武士たちの有り様は滑稽以外の何物でもないけれど・・・日本は、幕府という軍事政権でありながら、いつの間にかまともな軍備を持たなくなり、当時の世界で最も平和な国家だったというのは不思議ぎなことだ。
この説明の間に、嘉兵衛は40代半ばになっていた。
ニコライ・フヴォストフによる「文化露寇」・・・ロシア軍艦により樺太や千島列島への襲撃が繰り返され、嘉兵衛が場所を請け負っている択捉島へも攻めてきた。さらにはゴローニン事件・・・嘉兵衛にとっては人生後半のハイライト。

BOOK「菜の花の沖(四)」

菜の花の沖(四)
司馬遼太郎著
(文春文庫:552円+税)
※古書を購入

幕府が東蝦夷地(浦河~知床に至る太平洋側。後に箱館~浦河を追加)を天領とし、奥羽諸藩に北辺警備の兵を割り当てた。箱館を治所とした。ここから、本格的な北海道の開拓史がはじまり、同時に高田屋嘉兵衛の成功がはじまる。嘉兵衛は冬の日本海を渡って箱館に至った。さらに太平洋岸を様似、厚岸まで出かけた。わたしの郷里あたりは、沖走りですっ飛ばされた。だから、明治まで寒村だったわけだ。
嘉兵衛は近藤重蔵と知り合い、国後島から択捉島への航路を拓く冒険に出た。近藤重蔵は教科書にも載っている名だけど、意外に小物という印象。この時期の嘉兵衛は、商売は度外視で、船乗り・冒険家としての行動が中心。役人には嘉兵衛を利用しようという意識もあったのだろう。事実、嘉兵衛は大公儀御用として択捉島の漁場開発を行い、さらに幕府の定御雇船頭として5艘の官船と自分の商船3艘の建造に着手した。明らかに公儀にすり寄りすぎている。サトニラさんの二の舞じゃないか・・・。

雑誌「milsil ミルシル 日本列島の誕生と変遷」(2020年No.2 通巻74号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行)
今回の特集は「日本列島の誕生と変遷」。
新型コロナウイルスのせいで科博もずっと休館になっていて、再開のめども立たない状況が続いている。科博に限らず、博物館美術館はどこも閉鎖されているので、外出しようという意欲も出ない。
この号の特集は「日本列島」。かつて日本列島はユーラシア大陸の一部で、いまの沿海州近くから分裂して島となり、今日の地形を生みだしていった。おかげで、日本列島でも恐竜の化石が出てきたりする。以前、HNKの番組で紹介され、何冊か本も読んだことがあるのでなじみ深い内容だった。
そういえば、子供の頃、小松左京の『日本沈没』という小説がベストセラーになったけど、ここで紹介されている地殻変動の延長として描かれたものではないと記憶している。あれは、どういう理論による創作だったんだろう?