BOOK「深海2017 最深研究でせまる“生命”と“地球”」図録

先日、国立科学博物館で見てきた特別展「深海2017 最深研究でせまる“生命”と“地球”」の図録。価格:2200円(税込)。192ページ。
映像展示はNHKで放送されたものが中心で期待はずれだったけど、テレビ番組より詳細であろうと思い、図録を購入しておいた。実際、夏休みのチビッコがうごめいていて、企画展の会場では解説パネルを落ち着いて読む余裕が全くなかったし^^;;
展示自体、良くこれだけ詰め込んだと思えるくらいに内容は豊富だったけど、その分、通路が狭く混雑が激しかった。チビッコにこういう展示を見せること自体は決して悪いことじゃないんだろうけど・・・幼稚園児や乳幼児を連れた母親が多すぎる。一部の美術館のように、小学生未満の入場を制限するというわけにはいかないだろうけど、もう少し何とかならないだろうか^^;;
わたし自身、興味のある分野だというのもあるし、展示を十分に見られなかったせいもあるけど、読む部分も多いし、写真やCG図版も楽しい。図録としては良くできている。科博の図録としてはかなり出来の良い方だと思う。

BOOK「日本人は人を殺しに行くのか 戦場からの集団的自衛権入門」

日本人は人を殺しに行くのか
戦場からの集団的自衛権入門

伊勢崎賢治著
(朝日新書:amazon:648円)
※Kindle版を購入

わたし個人としては、日本が集団的自衛権を行使できるできない云々は、まあ、できた方が良いのだろうと思った程度で、とくに異論はなかった。むしろ、閣議決定で憲法解釈を変更するだけという、手続き上の手軽さが意外だった。
この本は、かなり煽ったタイトルの割には、意外に常識的な内容で・・・ちょっと肩すかしを食らった感じ。もっと強烈に反対しているのかと思った。でも、紛争解決の専門家としての個人的体験に基づいた論旨で、もう少し大局的な視点で論を展開して欲しかった。
そもそも、集団的自衛権って、世の古今東西を問わず、街のチンピラたちがグループを作ったり、暴走族や暴力団なんかの発想と同じ・・・。国家レベルでいえば、大国にくっついていれば安心だという、倭の奴国や邪馬台国の時代から変わらない発想だったりする。さらにいえば、2度の世界大戦もある意味では集団的自衛権の元で行われたわけで・・・もう少し現代的な、新しい概念で戦争を抑止する方法ってないものだろうか?

コミックス「ゴルゴ13×外務省」

外務省が制作した中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル。
ゴルゴ13という暗殺者キャラを用いた劇画部分と、テキスト部分に分かれた構成。ネットでは死ぬほどつまらない関連動画も公開されている。リアル本は手に入りそうもないので、外務省のHPで公開されているPDFを読んだ。『東京防災』のように、amazonで無料の電子書籍を配布すれば良いのに・・・。岸田外務大臣は、桝添前都知事より気が利かないらしい。
この数年、テロが中東や北アフリカのみならず、欧米やアジアに拡散し、今や在外邦人もテロの標的になっている。 このような状況下、外務大臣は在外邦人の安全対策のためにデューク東郷(ゴルゴ13)に協力を要請。 ゴルゴは大臣の命を受け、世界各国の在外邦人に対して、「最低限必要な安全対策」を指南するための任務を開始した・・・という設定。
たしかに、危機管理という意味で、ゴルゴはプロなんだろうけど・・・プロだから、当然、多額の報酬が必要だ。きっと、領収書が不要で、会計検査院の監査も免除、使途が公開されることはない内閣官房報償費から極秘裏に支払われたのだろうから、報酬の有無や金額が公表されることはないだろう。本業である殺人の依頼ではないとはいえ、でも、世界的な犯罪者に報酬を支払うというのは、道義的にどうなんだろう?
※このコメントはフィクションであり、実在する人物、地名、団体とは一切関係ありません。

BOOK「人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか」

人類と気候の10万年史
過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか

中川毅著
(講談社ブルーバックス:994円+税)

湖の底の堆積物中の花粉や氷河に閉じ込められたガスを分析したりして、過去の気候を解き明かす学問を、古気候学という。地質年代規模のスケールで見ると、1億年前あたりからいまは寒冷化の局面だということは聞き知っていた。でも、昨今の地球温暖化(最近は気候変動というけど)が叫ばれ、日常生活でもそれらしい変化を体験したりしている、ような気がしている。
この本では、100年、1000年、1万年、1億年単位で、気候変動の様子を示している。で、巨視的なスケールでは、たしかに寒冷化している。さらに、福井県の水月湖の地層ボーリング調査から、氷河期はあるとしにいきなりスイッチをオフにしたように終わり、急激に気候が変動していたことが判明した、というようなことをわかりやすく解説している。
どこぞの国のいかれた大統領ではないけれど、こうしてみると地球の温暖化/気候変動はウソなんじゃないかとも思えてしまう。でも、文明による大量の温暖化ガスの放出は事実だし、海水温の上昇、酸性化などは現実のこと。地球という複雑な気候システムに、温暖化ガスがどう影響するのか読み切れないだけなんだろうけど・・・。
だけど、暑さが苦手なわたしの個人的な関心事としては、いま現在の暑さと今後20年間程度の気候。夏が暑いのは仕方がないけど、何とかならないものだろうか^^;

BOOK「京都を古地図で歩く本 平安京から幕末維新まで“歴史の謎解き”めぐり」

京都を古地図で歩く本
平安京から幕末維新まで“歴史の謎解き”めぐり

ロムインターナショナル編
(KAWADE夢文庫:amazon:620円)
※Kindle版を購入

平安京/京都の歴史を解説した本としては、内容に不満はない。とくに幕末期あたりは、詳しく書かれていて読み応えがあった。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んでいたので、そう言えばと思い描く部分もあり、面白く読んだのだけど・・・。
読んだ・・・というところが問題で、あくまでも歴史解説書にすぎなかった。残念なことに、書名から期待していた古地図があまり掲載されていない。京都は暑いし、有名な観光地は混雑しているし、ホテルも予約しづらいので、実際に行きたいとは思わないけど・・・Googleマップと見比べながら楽しもうという目論見にはほとんど役に立たない本だった。今回はKindle版を購入したので、購入時には気づかなかったけど・・・元々が文庫本というサイズでは、そもそも期待するべきではなかったのかも知れない。

BOOK「講座・日本技術の社会史 第三巻 紡織」

講座・日本技術の社会史 第三巻
紡織

編集委員:甘粕健、網野善彦、石井進、黒田日出男、田辺昭三、玉井哲雄、永原慶二、山口啓二、吉田孝
(日本評論社:2,900円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。
なかなか手ごろな本が見つからず、いろいろ探したあげく、ようやくこの本に行き当たった。繊維産業は、かつて日本の花形産業で、明治期以降、外貨をたくさん稼ぎ出していたにもかかわらず、いまではまともな出版物を探すのに苦労するとは・・・。
この本は、先史時代からの日本の製糸、織物について解説していて、すごい本であることに間違いはないんだけど・・・わたしが必要とした情報は近代の製糸・紡績についてなので、後半3分の1くらいしかページが割かれていなかった。この本は近代の機械制紡糸・紡績への移行まで。大正・昭和期についてはまったく触れられていない。しかも、残念ながら、この本のシリーズでは紡織に関する続巻はない。
戦後の化学繊維の時代の資料を別途探さないといけないかも知れない・・・。
巻末の「特論」の「日本の織機」の項が、意外に役に立った。

雑誌「milsil ミルシル 太陽フレア」(2017年No.4 通巻58号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「太陽フレア」。
太陽の表面で起きる爆発(フレア)から、太陽風や放射線などが放出され、地球の極地で見られるオーロラの原因となる云々はよく知られたこと。この特集のメインは、そのフレアの大型版「スーパーフレア」。大量の放射線が地球に到達し、上空を飛ぶ飛行機では致死量に達するかも知れないという予測も・・・。地表では大丈夫らしいけど・・・。同時に、宇宙空間にある人工衛星をはじめ、地球上のエレクトロニクス製品が大ダメージを受け、情報インフラや電力などの生活インフラが壊滅するなど、恐ろしい影響があるらしい。
地震や台風といった、地球が引き起こす自然災害にすら対応できていないのに、太陽が引き起こす文字通りの天災にどう備えるか? まあ、いまのところ、太陽を観測して予測できるようになることを目指す・・・。予測できてからどうするのか・・・根本的な対策はあるんだろうか?^^;;

BOOK「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」

人工知能は人間を超えるか
ディープラーニングの先にあるもの

松尾豊著
(角川EPUB選書:amazon:875円)
※Kindle版を購入

AIに関する本を読んだのはこれが2冊目だけど・・・同時期に書かれた本だから仕方がないのかも知れないけど・・・だいたい同じようなことが書かれていた。要は、ディープラーニング(深層学習)という手法で自ら成長していく人工知能ということ。従来のなんちゃって人工知能との違いなどは、それなりに理解できた。
囲碁、将棋、株式投資アドバイス等々・・・こんなことができる、あんなこともできる、これは実用化された云々、個別の事例を並べられれば、それなりにすごいとは思う。では、将来の世の中、暮らしはどうなるのか、専門家としてもう少し踏み込んだ考察が欲しかった。
わたしは技術者ではないので、知りたいのは自分の暮らしがどう変わるかだ。AIによる音声認識・・・すごい技術だとは思うけど・・・わざわざ声で家電を操作することが便利なことなのか? ドローンが荷物を届けてくれたり、受付嬢がアンドロイドになったりすることが快適なことなのか? ぜんぜんピンとこないんだよな・・・。わたしの感度が鈍いだけなんだろうけど^^;