BOOK「国立科学博物館叢書③ 標本学 自然史標本の収集と管理」

国立科学博物館叢書③
標本学

自然史標本の収集と管理

松浦啓一編著
(東海大学出版会:2,800円+税)
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仕事の資料として読んだ本ではあるけど、自分でなにかの標本を作ってみようと思い立ったわけではない。単純に、どんな世界なのかをおぼろげに理解できればと言うだけのことだけど、この本はちょっと詳しすぎかも知れない。
生物標本の多くは生ものだから、変質しない状態にして長期保存できるようにするのが標本作りの基本だろうけど・・・素人的に最も困難なのは、むしろ情報の収集と記録の方だろうと感じる。一体どの情報が必要なのか知識がないし、どう記録するのが良いのかも分からない。味噌汁のアサリの貝殻を取り置くだけでは標本ではなくて、せめて産地の情報くらいは記録しておけ、ということなんだけど・・・産地は食べる前に気にしようよとも思うけど、そんなことすらしないわけで・・・。
そう考えると、いちばん簡単なのは鉱物標本ではないかと思うけど・・・興味がないと、ただの石ころなんだよなぁ^^;; まあ、興味がなければ、すべてのものがただのモノに過ぎないわけだけど。
図鑑のように大判サイズでカラフルな表紙だけど、中はオールモノクロなのが残念。

BOOK「爆発的進化論 1%の奇跡がヒトを作った」

爆発的進化論
1%の奇跡がヒトを作った

更科功著
(新潮新書:720円+税)
※古書を購入

地球上の動物が一気に多様化した「カンブリア爆発」についての本。「膜」「口」「骨」といった体の部位毎に、どのように発生し進化してきたかを解説している。
一般向けに書かれた新書なので、例えを用いてわかりやすく書こうとしているのだろうけど・・・読みはじめてすぐに戸惑った。「膜」の項で、家と掘っ立て小屋といった例えが出てくるけど、非常にわかりにくい。ふつうにそのまま解説してくれた方がイメージしやすいんじゃないかと・・・。そんな部分がいくつか散見できた。
また、体の部位毎に章を分けているので、時系列が遭わなくなるし、どの動物の話なのかが飛んでしまうことも多く、ある意味では読みにくい。カンブリア爆発の話だと思って読んでいると、違う時期の話だったりもするし・・・。ちょっとまとまりがない感じ。
でも、細々と驚くような話はいくつかあった。肺をもつ魚が最初にいて、その肺が浮き袋に進化していったというのはちと驚いた。だから、金魚が水面でパクパクやって酸素を補給できているのか・・・。
で、結局は、ものすごくとりとめのない内容の本だった。

BOOK「江戸の旅文化」

江戸の旅文化
神崎宣武著
(岩波新書:780円+税)
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お伊勢参りについて書かれた本は何冊か読んだことがあり、江戸時代の旅行ブームについてはそれなりに読み知っている。でも、お伊勢参り以外の旅はどうだったのだろうと、この本を読んでみたけど、この本も前半はお伊勢参りについて書かれていた。江戸時代の出版物や浮世絵など、資料が豊富だから仕方がないだろうけど。
後半は大山詣、富士登拝、善光寺や厳島神社といった寺社詣について、そして湯治について書かれていた。なぜか金比羅参りは扱われていない。霊場の巡礼も取り上げられていなかったけど、基本的には同じようなものだったのだろう。
講をつくって代表者を行かせたり、代参させたりしていたくらいだから、誰でも気軽に旅に出られたわけではないだろうけど、日本中にたくさんの霊場や寺社があるわけで・・・江戸の人間はちゃんと働いていたのかと心配になる。いちばん自由に出歩けなかったのは、武士と花魁だろうから、役人と夜の花たちは一生懸命に働いていたのだろうけど^^;;

BOOK「大阪市立自然史博物館叢書② 標本の作り方 自然を記録に残そう」

大阪市立自然史博物館叢書②
標本の作り方

自然を記録に残そう

大阪市立自然史博物館編著
(東海大学出版会:2,500円+税)
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仕事の資料として読んだ本。
化石や鉱物、植物、海藻、昆虫、脊椎動物まで一通り、標本の作り方を説明している実践マニュアル。いままで博物館にはいろいろ行ったけど、こういう知識が必要というわけでもなかったので、この手の本を読むのはこれがはじめて。脊椎動物は別として、標本にできそうな動植物って、意外に身近にありそうだと気が付いた。食べ終えたシジミやアサリの貝殻を取っておいても仕方がないから、実際にはやらないけど。・・・そうか、「ハブ酒」というのも、液浸の標本のようなものだな^^;;
小学校の子どもの頃には、夏休みに標本作りをしたことはある。たぶん、学研の「科学と学習」の付録かなにかの昆虫最終セットを使ったと思う。何年の時かは忘れたけど、そういえば、海藻の標本を作って夏休みの宿題として提出したことを思い出した。それ以降、標本作りはしたことがない。高校時代に、フライドチキンの骨を組み立ててみようとしたことを除けば^^;; そういえば、この本では骨格の組み立てについては、とても簡単にしか触れていなかった。
マダイの耳石の位置を示しているページがあったので、今度、鯛の兜煮で探してみようかな。

BOOK「新・材料化学の最前線 未来を創る「化学」の力」

新・材料化学の最前線
未来を創る「化学」の力

首都大学東京都市環境学部分子応用化学研究会 :編集
(講談社ブルーバックス:940円+税)
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古書の値段が落ちてきたので、ようやく読むことができた。ただ、当初期待していたような内容の本ではなかったので、ちょっとがっかりした。もちろん、それはこの本が悪いわけではない。
科学技術の進歩は文字通りにめざましいものがあり、すべての分野で、さわり程度にでもついていこうとしても、気がつくとどんどん置いてきぼりになってしまい、いつの間にかこんなことになっていたのかと驚くことが多い。ちょっとまえに、分子を一つひとつ見分けられるような電子顕微鏡が開発されたかと思っていたら、いまでは、分子一つ二つを自在に操って新素材を作ることができる、そんな技術が実用化されようとしていたりする。この本にはそんな21の最先端素材について紹介されているけど・・・それが実用化したら、普及したらどんなことになるのか、意外に分からない^^;; もしかすると、開発している人ですら想像できていないのではないかと思える気もする^^;
でも、気がつくといつの間にか身の回りの物にこういう新素材が当たり前のように使われていて、「あれ、むかしは鉄だったのに」「プラスチックにしてはちょっと変だけど・・・」などと思いながら、何の違和感もなく使い続けることになるんだろうな・・・。「どうしてこいつは、相変わらず鉄なんだろう?」なんて思っていたら、鉄は鉄でもぜんぜん違う鉄なんて言うこともあるだろうし・・・。でも、こういうのはまだわかりやすい。製品の中に組み込まれてしまうと、うつ何がどう変わったのかすら気づかずに、当たり前になってしまうんだから。

BOOK「どくとるマンボウ航海記」

どくとるマンボウ航海記
北杜夫著
(新潮文庫:460円+税)
※古書を購入

古本屋で見つけて、あまりの懐かしさに思わず手が伸びてしまった。けっこう新しい版でカバーも新しい。いまでも文庫本として売られているとは思わなかった。
この本を最初に読んだのが中学の時だったか高校の時だったかは憶えていないけど、このシリーズはすべて読んでいた。中でもこの『航海記』がいちばん面白かったという記憶がある。観光旅行で海外に行くのではなく、船医として船で海外の港を渡り歩くというのが新鮮だったし、客船ではなく水産庁の漁業調査船というのも、ふつうの船旅ではなく面白い要素だった。
ただ、40年ぶりくらいに読み返してみて・・・自分が年をとってしまい、情報過多というか、いまではさほど珍しい読み物という感じでもなくなってしまったのは、ちょっとさびしい限り。もちろん、最初に読んだときは、海外旅行を経験する前のことだから、自分も海外に行ってみたいという憧れもあっただろうし・・・。こういう本の影響があったのか、初の海外旅行を含めてちょっと特殊というか、ふつうのパック旅行などで海外に行ったことはほとんどないけど・・・。そういえば、海外ではけっこう鉄道には乗ったけど、船にはあまり乗っていないな・・・。

BOOK「超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義」

超ひも理論をパパに習ってみた
天才物理学者・浪速阪教授の70分講義

橋本幸士著
(講談社:1,500円+税)
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この手の本としては珍しく、ずいぶん前から話題となっていた本。古本が少し安くなってきたので、読んでみることにした。姉妹版にマンガもあるらしいけど、それはいずれ・・・。
本文はタイトル通り、女子高生の娘・美咲に対して、物理学者の父親がレクチャーするかたちで書かれている部分はわかりやすい。まあ、すでに知っている内容だというのもあるけど。ただ、それを補足する「おまけの異次元」の部分は、数式がけっこう出てきてそれなりに難解。ちょっと残念なことは、肝心の超ひも理論そのものについては、最後にちょっと書かれていただけで物足りない感じ。いろいろあるんだよと書かれていた、そのいろいろをもう少し挙げて欲しかった。
本筋とは離れるけど、読みながら思ったことは・・・ふつう、娘は父親の仕事に何の関心も示さないということ。わたしはこんな実例を知っている。OLになったばかりの社会人一年生に、父親の仕事を尋ねたら、会社名は答えられたけど、事務職なのか技術職なのか、その会社で何をしているのか全く知らなかった。父親の給料で大学まで出してもらったというのに・・・。まあ、父親の方からこんなことを言うと、「マジむかつくんですけど」とか言われてお仕舞いだろうけど^^;; むしろ、物理学者の父親の方が興味を持ってもらいやすいかも知れない。