BOOK「トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち」

トラクターの世界史
人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

藤原辰史著
(中公新書:860円+税)
※古書を購入

1892年にアメリカで発明されたトラクター。アメリカのように広大な土地のある国であれば、一大革命なのだろうと漠然と思っていた。
スタインベックの『怒りのぶどう』は高校時代に読んだけど、この本で紹介された内容は、ぜんぜん記憶がない。トラクターによる大規模な耕作地拡大が、大地の荒廃を招き、世界恐慌の引き金になったとか、ファシズムの遠因になったというのは・・・なくはないだろうけど、こじつけめいているようにも思う。
ただ、トラクターと戦車は双子のような存在という指摘は、目から鱗だった。いままで、日本の小型トラクターをイメージしていたので、そういう技術的な視点に気がつかなかった。まあ、軍事転用は仕方がないことだとは思う。逆を言えば、GPSやAIによる自動耕作なんかは、軍事技術の民生転用なんだし・・・。

BOOK「ダムの科学 知られざる超巨大建造物の秘密に迫る」

ダムの科学
知られざる超巨大建造物の秘密に迫る

一般社団法人ダム工学会
近畿・中部ワーキンググループ著
(サイエンス・アイ新書:952円+税)
※古書を購入

テレビニュースで見たことだけど・・・最近、「ダム」が人気らしい。あるいは、「ダムカレー」なるカレーライスが人気なのか・・・。もちろん、「ダムガール」なる人たちもいるらしい。
わたしは特別にダムが好きというわけではないけど、むかし、山登りをしていたときに登山口ちかくのダムを訪れたことはあった。だから、その大きさや迫力は体感しているし、ダムの機能や構造なども取材したことがあるので一通りは知っていた。なので、目新しい情報はあまりなかったけれども・・・ひとつだけ、新たな知見があった。今後のダムの役割。
田中康夫元長野県知事の「脱ダム宣言」以降、ダムへの逆風が吹き、ダムの時代は終わったような気になっていた。でも、いわれてみれば、脱ダム宣言が正しかったのか、考えたこともなかった。地球規模での気候変動がどうこういわれる現在、ダムには本来的な意味で存在意義が高まっているのではないか。記録的な豪雨による水害も各地で頻発しているし、先日の北海道での地震で北海道全域がブラックアウトしたとき、その復旧は砂川の水力発電所からの電力からはじまった。この視点から、もう少し勉強してみようかなという気になった。

BOOK「トップ専門医の「家庭の医学」シリーズ スーパー図解 坐骨神経痛」

トップ専門医の「家庭の医学」シリーズ
スーパー図解 坐骨神経痛
原因を見極め、不快な症状を解消する

久野木順一著
(法研:1,300円+税)
※古書を購入

暖かくなったにもかかわらず、腰痛と坐骨神経痛がぜんぜん改善しない。痛み止めのお陰で、日常生活はどうにかなっているけど、ちょっと出歩くとかなりキビシイ。こういう本を読んだからといって、症状が改善するわけではないけど・・・つい、なにかのきっかけになるのではないかと・・・。
この本、脊柱管狭窄症や坐骨神経痛になったばかりの人には、入門書として良書だと思う。医者に診察を受ける上で、検査法だけでなく検査への備えなども幅広く紹介していて、読んでおくと安心できるないようだと思う。ただ、感染症のように全く予備知識もないまま、ある日突然という人は少ないだろうから・・・診断を受けたときには、検査は済んでいるだろうけど。まあ、その後の治療法、手術なんかも紹介しているから、基本的な知識は一通り網羅されている。

ファンブック「3月のライオン ただいまとおかえりの場所」

3月のライオン
ただいまとおかえりの場所

三月町研究会編著
(DIA Collection:815円+税)
※古書を購入

いまになって、『3月のライオン』のファンブックが何冊か出ていることに気がついた。
物語の舞台、月島には何度も行ったことがあるけど、もんじゃを食べに出かけた程度なので土地勘があるわけでもない。この辺のことかと再確認した。
2016年9月に出たものなので、あかりさんを廻る林田先生と島田八段の攻防・・・フラグが立ったことは紹介されていたけど、最新の情報は含まれていない。あくまで将棋がメインのお話だから、けっこうのんびり進行している。
いちばん気になっていることって、川本家に出入りしているニャーたちのことだったのだけど・・・ニャーたちのページはなかった。相関図にもニャーたちはいなかった。至る所にネコが散りばめられているし、本編でもあれだけネコを立てているのに・・・やはり名前もないらしい。そういえば・・・桐山くんがニャーたちをかまっているシーンがないような気がする。もしかすると、ネコ嫌いなのか?

MOOK「イカロスMOOK 名機250選 マニアの王道 趣味のカタログシリーズ 飛行機生誕1世紀記念出版」

イカロスMOOK
名機250選
マニアの王道 趣味のカタログシリーズ
飛行機生誕1世紀記念出版

帆足孝治著
(イカロス出版:1,800円+税)
※古書を購入

古本屋の店頭で見かけ、これは買っておくべきだと飛びつくように購入してしまった。Amazonでは半額以下の値段で古本が手に入ると気づいてちょっとショック。いつものように、スマホで調べてから買うべきだった。でも、本の状態は非常に良いので・・・納得しよう・・・。
1903年にライト兄弟が「ライト・フライヤー」で動力飛行に成功し、いわゆる飛行機の歴史がはじまった。それ以降の250機の飛行機を紹介している。各機の紹介スペースは1ページで、必ず写真が付いている。文章量は少なくて物足りないけど、各機のアウトラインはわかる。
1997年の出版なので、日本の「MRJ」は影も形も載っていない。MRJが名機に数えられるのか、いまだ未知数だけど。最終ページは「三菱F-2」。旅客機では「ボーイング777」まで。
巻末に世界の航空博物館リスト、旧日本陸海軍機保存リストが付いていて、そのうち役に立つかも知れない。それにしても、旧日本陸海軍機って、ぜんぜん保存されていないな・・・。

BOOK「農家が教える どぶろくのつくり方」

農家が教える どぶろくのつくり方
ワイン ビール 焼酎 麹・酵母つくりも

農文協編
(農文協:1,400円+税)

どぶろく造りは難しくはないけど、インスタント食品や中食を多用するような現代にあっては、もはや簡単と言えるほど手軽ではない。しかも、それなりに味わいはあるけど、必ずしも美味しく出来るわけではない。お酒としては、市販の純米酒や吟醸酒にはかなわない。
現在、酒税が歳入に占める割合はわずか約2%。収税源としての価値が下がったのに、いまだ解禁されないのはなぜだろう。この本は、文化としてどぶろく造りの継承を訴えている。文化は一度滅んでしまうと、簡単には復活しない。そう思っていないのは、国のお役人と既存の酒蔵だけ。
酒造解禁で登場するであろうベンチャー企業を脅威に感じる既存の酒蔵って、そんなに自分が造っているお酒に自信がないんだろうか。

BOOK「免疫と「病」の科学 万病のもと「慢性炎症」とは何か」

免疫と「病」の科学
万病のもと「慢性炎症」とは何か

宮坂昌之・定岡恵共著
(講談社ブルーバックス:amazon:1,188円)
※Kindle版を購入

積極的に長生きしたいとは特別思っていないけど・・・こういう本があると、つい読んでしまう。「慢性炎症」なんて、いつも身近に感じていることだから。
前半分は炎症と免疫の仕組みの解説。ここでいう「慢性炎症」は一過的な腫れや発熱などを伴う炎症ではなく、自覚症状もなく何週間も続く炎症のこと。この炎症が、肥満・糖尿病、脂質異常症、心筋梗塞、脳梗塞、肝炎、肝硬変、アトピー性皮膚炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺繊維症、間接リウマチ、老化、認知症などなど、様々な病気を引き起こすという。たしかに、わたしは子どもの頃、喘息やアレルギーに苦しみ・・・いまのように医療が進歩していなかった時代から、体質改善だの、アレルギー治療だのと、免疫系にごにょごにょする治療をたくさん受けた。その結果、いまでも生きているわけだけど・・・いろいろ思い当たることがたくさんある。
そして後半、その診断法や治療法などの解説があり、日常的に気をつけることが書かれていた。でもなあ、それが貝原益軒の『養生訓』を引用し、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とは・・・。そのあげくに、禁煙、節酒、食生活の見直し、運動、適正体重の維持などなど。まあ、そうなんだろうけどさぁ・・・。

BOOK「なぜ必敗の戦争を始めたのか 陸軍エリート将校反省会議」

なぜ必敗の戦争を始めたのか
陸軍エリート将校反省会議

半藤一利編・解説
(朝日新書:amazon:950円)
※Kindle版を購入

第二次大戦時中に「陸軍」の中枢にいた人たちが、1977年に行った座談会をまとめたもの。無謀ともいえる日米開戦に至った経緯などを振り返っているけど・・・戦後かなり時間が経ってからの発言なので、いろいろバイアスの掛かった発言だろうとは思う。
それでも、出席者の多くが本音で話しているのは十分に感じ取れる。その理由は、組織的にバラバラで成り行きでそうなったとか、正しい情報が共有されていなかったとか、当事者意識を感じさせない無責任な言い逃れ的な発言が目立ったから。あまり露骨ではないけど、中国大陸で泥沼にはまったまま太平洋戦争に突入した陸軍への過剰な批判を避け、海軍にだって責任があるという気持ちも感じられた。
読んでいてむなしい気持ちになる本だけど・・・せめてもの救いは、「こうしていたら勝てた」的な発想がなかったことくらいだろう。編集の時点で削除された可能性もあるだろうけど。

BOOK「平成史講義」

平成史講義
吉見俊哉:編集
(ちくま新書:900円+税)

5月1日に改元される前に、平成史云々という本が何冊か出版されていた。あらかじめ天皇陛下のご退位がはっきりしていたからのことだろうけど、このタイミングで歴史をまとめる意義があるのかという疑問もあるけど、とりあえず一冊読んでみた。
平成時代は自然災害が多かったとはよくいわれるけど、インターネット、グローバル経済、地下鉄サリン事件、バブル崩壊、民主党政権、大震災、原発事故・・・みんな平成の出来事。いろいろなことがあった。
この本では、各分野毎に識者が短文で平成をまとめているけど、共通していることは・・・戦後の枠組みというか、昭和時代に上手くいっていた仕組みがみんな崩壊して、新しい枠組みを試行錯誤しながら、再構築に失敗した時代というニュアンスが浮かび上がってくる。わたしは、平成になる少し前・・・「Japan as NO.1」なんていわれた時期から、「日本はいまがピークで、今後は降り坂」と思いながらいままで生きてきたので、大筋では異論はないけ。でも、昭和の後半、あるいは戦後って、そんなに上手くいった時代なんだろうか? 戦後の復興、高度経済成長、公害の克服などはあったけど、「むかしは良かった」的な発想でちょっと無批判すぎるんじゃないかという気もする。