BOOK「ゼロからわかる虚数」

ゼロからわかる虚数
深川和久著
(角川ソフィア文庫:880円+税)
※古書を購入

先日、矢野健太郎の『すばらしい数学者たち』を読んで、なぜか、オイラーが取り上げられていなかったので・・・気になってこの本を読んでみた。理解できたかはともかくとして、読む順番としては正しかった。
「二乗するとマイナスになる実態のない数字」「数字の後に小文字筆記体の i を付けて表記」と高校で習った。確かそう習ったはずだけど・・・余計なことを考えず、そのまま素直に受け入れていた。
いまでも、かんたんな計算ならできる。文系であろうと数学Ⅲまで必修だった変態高校で積み重ねた、とりあえず赤点だけは回避しようとする処世術の賜・・・あるいは弊害だけど・・・このレベルでこの本を読みはじめた。
「虚数」に対する「実数」とはなにかという初歩の初歩から説明がはじまり、自然数、0、整数、分数、小数・・・負の数といった、小中学校で習い、ちゃんと理解していたつもりのことさえ、きちんと理解していなかったと驚かされた。菓子パンひとつ分の値段で買った古本なので、これだけで十分に元を取ったといえるけれど、残念ながら、複素数だガウス平面だとなってくると、かなり厳しくなってきた。足し算、かけ算ならまだしも、三角関数が出てきたところで歯を食いしばってついて行けそうないけないような感じで・・・複素数の微分積分に至っては、必死に読んでも、頭の中が真っ白になっていくだけ。そうか、「頭の中が虚ろになる数」=「虚数」と得心がいった^^; 高校3年の時に読んでいたら、まだ違う結果になったかも知れないけど、176ページ目でギブアップ。

雑誌「milsil ミルシル 樹木の科学」(2018年No.3 通巻63号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「樹木の科学 ~木の形はどのように決まるのか~」。
樹木の形なんて、いままで気にしたこともなかった。盆栽でもやっていれば別なんだろうけど、街中で暮らしていると、樹木と接する機会なんてまずないから。公園の木々や街路樹など、身近に樹木がないわけではない。でも、お花見では花ばかり見ているし、落ち葉の季節には枯れ葉が邪魔くさいと思うだけで・・・樹木そのものを意識することはない。いつもミルシルで驚かされるのは、こういうことを研究している人がいるという事実。
その他主だった記事は、アリと共生している「ハネカクシ」という昆虫と、屋久島国立公園。ニュース記事の中で気になったのは、宇宙が誕生した直後に生まれた最古の星「ファーストスター」由来の電波を捉えたという記事。・・・この号は今までにも増して地味な内容だったな。

BOOK「世界を駆けた博物学者 南方熊楠」

世界を駆けた博物学者 南方熊楠
(南方熊楠顕彰会:500円)

仕事の関係でいただいた冊子。和歌山県田辺市にある「南方熊楠顕彰会」がまとめたもので、顕彰会のHPからも購入できる。A5版64ページ。地方の博物館などが発行したこういう資料は現地に行かないと手に入らない。現地に行っても、タイミングが悪いと売り切れだったりする。
南方熊楠は、昨年、生誕150周年だったので、いろいろメディアでも取り上げられたし、イベントなども行われた。わたしも何冊か本を読んだし、昨年12月から開催された国立科学博物館企画展「南方熊楠-100年早かった智の人-」を見に行った。
南方熊楠顕彰会は熊楠研究の中心となる存在で、博物館というよりは研究所の性格が強いようだ。近年、その評価が変わってきている熊楠だけど、ここでの研究成果が元になっているのだろう。
この冊子は、2017年10月1日の第4刷で・・・2006年の初版以降の改版はないようだけど・・・科博の企画展での印象と異なる内容はなさそうなので、それなりに新しい研究成果も盛り込まれているのだと思う。

BOOK「すばらしい数学者たち」

すばらしい数学者たち
矢野健太郎著
(新潮文庫:438円+税)
※古書を購入

ふらっと入った古本屋で買ったけど、購入時のレシートが挟まっていた。「2008年6月29日(日)10:59」に、「あおい書店中野本店」で購入されていた。学生の多い街だから、さもありなんと思うけど・・・読まれた形跡がなかった^^;;
古代エジプトのアーメス、ギリシアのターレスにはじまり・・・集合論のカントル、ヒルベルトまで、名前すら聞いたことのない数学者から、よく知っている数学者まで、とにかくたくさん紹介されているけど・・・ライプニッツとオイラー、リーマン、ノイマンとか、なぜかこぼれている名前もいろいろある。けっこう知っているなと思ったら、過去に『素顔の数学者たち 数学史に隠れた152のエピソード』片野善一郎著(裳華房)という似たような本を読んでいた。
最初のうちは、小中学校で習うような簡単は内容だけど、当然、時代とともに難解な内容になっていく。2000年以上前に発見されていたことを、小中学校で習っていたのかと改めて驚くとともに・・・分数すらほとんど使わない日常生活を送っているいま現在に、ある意味でちょっとショックだ。
でも、二次方程式の公式とか、けっこう憶えているものだけど・・・たぶん、中学時代に必死に憶えたんだろうなぁ。テスト前の一夜漬けではないことは確かだ。でも、高校の数学あたりから、ぜんぜんわからなくなってくる。・・・高校時代、「矢野健」の参考書で勉強したのになぁ^^;

BOOK「巨大地震はなぜ連鎖するのか 活断層と日本列島」

巨大地震はなぜ連鎖するのか
活断層と日本列島

佐藤比呂志著
(NHK出版新書:740円+税)
※古書を購入

なぜか、地震について気になりはじめて、続けて似たような本を読んでいる。
まだ記憶に新しい熊本地震の話からはじまり、プレート型地震と内陸型地震の関係を分かりやすく説明している。この辺のことは、東日本大震災後のテレビ報道などでも繰り返されたことなので、とてもなじみ深い。なじみ深いと思ってしまうこと自体、地震の多い日本に生まれ育ったサガなんだろう^^;
熊本地震では、本震の後でより大規模な地震が発生した。これが連鎖による地震。熊本地震を「巨大」といって良いのかは別だけど・・・。通常の地震とは違ったという意味で話題に上っていたけど・・・正直いって驚くようなことではないように思っていた。それどころか、南西方向につながっている余震の震源地を示した地図を見て、こうやって中央構造線が伸びてきたんだな、などと勝手に思い描いていた。たかだか80年100年しか生きない人間とは違い、地質年代レベルではある意味での連鎖の結果が、いまの中央構造線なんだろうなと。
プレート型地震と内陸型地震には関連がある、そういう意味で気になるのは南海トラフ地震。ということで、南海トラフ地震についても解説しているけど・・・熊本地震がその前兆だとははっきり書かれていない。そこまで明確なことはいえないというのが現状だろう。

BOOK「人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」」

人類進化の700万年
書き換えられる「ヒトの起源」

三井誠著
(講談社現代新書:800円+税)
※古書を購入

人類学の研究者ではなく、科学ジャーナリストが人類史を紹介した本なので、非常に読みやすい。ただ、専門的につっこんだ部分を知りたい人には物足りないかも知れない。
個人的な偏見かも知れないけど・・・いわゆる研究者といわれるひとたちは、自ら研究せず伝えるだけのジャーナリストを一段低く見る傾向があるようだけど・・・この本は、ジャーナリストだからこそ書けた本だと思うし、かなり野心的にまとめられていると思う。
たとえば、確定的なことが少なく、様々な仮説がモザイクのように絡まり合っている人類学にあって、ジャーナリストは自説を主張する必要がないので、様々な学説や仮説の確かさ・不確かさを評価・判定していること。
同時に、とらわれるべき自説がないので、読者が知りたいであろうことを、ちゃんとつなげて説明していること。いわゆる研究者が書いた本は、学術的に正しいマナーで書かれ、曖昧さを排除して書かれているんだろうけど、自分の研究分野や自分の主義主張にとらわれ、読み手であるこちらの期待に応えてくれないことが多々ある。それに編集者が本を売りたい一心で、内容と合致しないタイトルを付けたりするので・・・。
そうはいいながら、あくまでも非常によく勉強したジャーナリストの認識で書かれたものだから・・・いわゆる研究者にいわせると、いろいろつっこみどころもあるのだろうとは思う。