BOOK「アイヌの歴史 海と宝のノマド」

アイヌの歴史
海と宝のノマド

瀬川拓郎著
(講談社選書メチエ:1,600円+税)
※古書を購入

以前、アイヌについて何冊か本を読んだときに購入して、途中まで読んで放置していた。中断していた理由は特にない。文章も読みやすく、わかりやすい本ではあるけど、途中で飽きてしまったからかも^^;;
この著者のアイヌ研究が学界でどのような位置づけなのか、主流なのか異端なのかもぜんぜん知らないけど、ひとつだけ、わたしのいままでのアイヌ観を覆すことが書かれていた。なんとなく、アイヌ社会は原始共産制のような感じの階級のない社会だったろうと思い込んでいた。農耕社会ではないから、社会的分業も必要がないし、日本的なムラ社会のリーダーも必要がないと思い込んでいたわけだけど・・・この本によると、貧富の差がある階級社会であったらしいとのこと。だからどうということはないけれど。

BOOK「熊楠の星の時間」

熊楠の星の時間
中沢新一著
(講談社選書メチエ:1,500円+税)

最近、仕事の関係で、いくつかまとめて南方熊楠についての本を読んでいる。ただし、あくまでも自然科学系の熊楠について関心があるからで、スピリチャルな方面の熊楠にはあまり関心がない。それでも、一冊くらいはそういう方面の本も読んでおこうかということで、この本を読んだ。
正直なところ、あまりピンとこなかった。
そもそも、破天荒な人生を歩んだとされる熊楠の、頭の中を想像してあれこれいっても、そういうものなのかという気もするけど、あまり説得力がない。こねくり回せば回すほど、どんどん説得力が失われていく。ましてや、この本にも書かれていたけど、熊楠自身が「奇人」であるといわれることを楽しんでいた気配があり、どこに作為が含まれているかも知れないわけで・・・。

BOOK「奇想天外の巨人 南方熊楠」

奇想天外の巨人
南方熊楠

荒俣宏/田中優子/中沢新一/中瀬喜陽著
(平凡社CORONA BOOKS:1,553円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。
中を見ないでamazonで古書を購入したけど、写真が多めの小型MOOK本だった。このタイプの本は、資料として役に立つ場合もあるけど、今回は情報量が足りないという、良くない面が出てしまった。著者の一人が荒俣宏だから、購入前からその部分は最初から捨てて考えてはいたんだけど・・・。おまけに、内容が古いというか・・・最新の研究では否定されている逸話や風雪を誤った内容で紹介していたりする。まあ、最新の本ではないから仕方がない。
捉えどころのない南方熊楠を市松模様のようにちりばめて、訳がわからないでしょ!と放り投げているような本という印象。一部の熊楠ファンにとってはどうなのか知らないけど、資料としてはぜんぜん役に立たない本だった^^;;

青空文庫「アイヌ神謡集」

アイヌ神謡集
知里幸恵 :編集,・翻訳
(青空文庫:amazon:0円)
※Kindle版を購入

今年の初め頃、個人的な勉強のためにアイヌ文化について勉強しようと、何冊かまとめて青空文学の文献を読むことにした。その時読み忘れていたのを、Kindleの中で発見したので、ささっと読んだ。この手の本を青空文庫で0円で読めるというのはありがたい。
説話集なので、一応は起承転結のある物語が多いけど、「アイヌ語(ローマ字)」・「注釈」・「現代日本語訳」の順番にに掲載されていて、現代日本語訳を読んでから、たどたどしくローマ字表記のアイヌ語をなぞっていく感じ。それでも、北海道で生まれ育ったせいが、断片的に読みやすい単語なんかが出てくる。
自然・風土と一体感のあるアイヌの人たちの自然観、人生観などに触れられるような期待を持っていたけど、あまりわたしには伝わってこなかった^^;;

青空文庫「アイヌ語のおもしろさ」

ainugonoomosirosaアイヌ語のおもしろさ
知里真志保著
(青空文庫:0円)
※Kindle版を購入

この一文の初出は『日本文化財 第十五号 アイヌ文化特集号(』昭和31年7月)。底本は『和人は舟を食う』(北海道出版企画センター/平成12年)に収録されたもの。短文ではあるけれど、面白い内容だった。
アイヌ語に限らず、言語を学ぶということはその言語の背景にある文化を学ぶことでもある。だから、直訳しても正しい意味はわからないし、自分の文化的背景で意訳しても正しいとは限らない。この一文で、アイヌ文化独特の考え方をいくつか紹介しているけど、「氷」についての話は以前どこかで聞いたことがあった。
氷のことをアイヌ語では「ルプ(ru-p)といい、意味は「とける・もの」。北海道は寒いから、氷は氷としてまず存在して、暖かくなると溶けていってしまうものという認識なのだろう。氷は水が常態で、温度が下がると「凍ったもの」として意識していう私たちとは逆の考え方だ。・・・たしか、高校のときに、先生か誰かが話していたような気がする。

青空文庫「アイヌ語学」

ainugogakuアイヌ語学
知里真志保著
(青空文庫:0円)
※Kindle版を購入

この一文の初出は『北海道事始め』(楡書房/昭和31年)。底本は『和人は舟を食う』(北海道出版企画センター/平成12年)に収録されたもの。・・・なぜ、細切れ状態で世に出ているのかわからないけど、こういうの、何とかならないんだろうか。
アイヌ語研究の黎明期、ジョン・バチラー博士とバジル・ホール・チェンバレン東大教授の業績というか、研究レベルの低さを皮肉交じりに指摘し、さらに現在もこの二人をアイヌ語研究の権威として奉っていることを嘆いている文章。同時に、アイヌ語研究のマイナーさについても、自嘲気味に嘆いているのだろう。
非常に短い一文なので、タイトルだけみて期待するような内容は全く含まれていなかった。

青空文庫「アイヌ語と日本語の関係」

nihongotoainugonokankeiアイヌ語と日本語の関係
マタギという言葉の存在について

知里真志保著
(青空文庫:0円)
※Kindle版を購入

個人的な勉強のために、アイヌ民族、アイヌ語、アイヌ文化について基礎的な知識を得ようと、まとめて青空文学の文献を読むことにした。思っていた以上に、青空文庫のは文献が少なかった。
この一文の初出は北海道新聞の昭和36年2月3日の記事。その後、『和人は舟を食う』(北海道出版企画センター/平成12年)に収録されたもの。
東北地方で狩猟を生業としていたマタギの言葉に、多くのアイヌ語の痕跡があるという内容。非常に短い文章なので、それ以上でもそれ以下でもない。