BOOK「大村智物語 ノーベル賞への歩み」

大村智物語
ノーベル賞への歩み

馬場錬成著
(中央公論新社:900円+税)
※古書を購入

2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学の大村智特別栄誉教授についての本。
似たような本を最近読んだけれど・・・細かいことはともかく、アウトラインだけでも記憶に留めておくために、類似書を2冊続けて読むのやよくやることではあるんだけど・・・先に読んだ『大村智 2億人を病魔から守った化学者』と内容が同じすぎる。と思ったら、著者が同じだった。しかも、あとがきに書いてあったけど、この本は前著の普及版という位置づけらしい^^;; 購入時にもう少し慎重に確認するべきだった。内容的には、こちらを読むだけで十分だった。
だからといって、別の著者の本をもう一冊読む気にはならないけど・・・^^;

BOOK「大村智 2億人を病魔から守った化学者」

大村智
2億人を病魔から守った化学者

馬場錬成著
(中央公論新社:2,100円+税)
※古書を購入

2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学の大村智特別栄誉教授についての本。受賞から時間が経ち、古本の値段が下がってきたので、そろそろと思って読むことにした。仕事の資料というわけではないので、急ぐ必要もないんだけど。
日本人受賞者があまり多くはない生理学・医学賞だったので、受賞当時、マスコミ報道や北里大学のHPでいろいろ情報は得ていたけど、やはり、本にまとめられているとよくわかる。2億人を病気から救ったといわれる医療薬「イベルメクチン」を開発した。北里研究所の経営を建て直した。いつも小さなポリ袋を持ち歩き土壌サンプルを集めている。美術にも造詣が深く、女子美術大学を支援したり、私費で韮崎大村美術館を設立した・・・などなど、改めて話題が豊富な研究者だと実感した。

MOOK「南方熊楠の世界」

南方熊楠の世界
(徳間書店タウンムック:714円+税)
※古書を購入

最近、仕事の関係で、いくつかまとめて南方熊楠についての本を読んでいる。
この本はビジュアル主体のムック本なので、読む部分が少なく、情報量としてはちょっと物足りない感じ・・・。でも、ビジュアルはかなり豊富で、本のサイズも大きいので、仕事的には役に立った。
出版されたのは2012年。内容的にもほぼ最新の研究成果が盛り込まれていた。章の立て方など編集方針もわかりやすく、熊楠の入門書としては良くできていた。
ただ、典型的な熊楠像を紹介しているだけなので、他の本を読んだ後では、なにも驚きもなかった。この本が悪いわけではないけど・・・そういう意味では、いちばん最初に読むべき本だったのだろう。

BOOK「奇想天外の巨人 南方熊楠」

奇想天外の巨人
南方熊楠

荒俣宏/田中優子/中沢新一/中瀬喜陽著
(平凡社CORONA BOOKS:1,553円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。
中を見ないでamazonで古書を購入したけど、写真が多めの小型MOOK本だった。このタイプの本は、資料として役に立つ場合もあるけど、今回は情報量が足りないという、良くない面が出てしまった。著者の一人が荒俣宏だから、購入前からその部分は最初から捨てて考えてはいたんだけど・・・。おまけに、内容が古いというか・・・最新の研究では否定されている逸話や風雪を誤った内容で紹介していたりする。まあ、最新の本ではないから仕方がない。
捉えどころのない南方熊楠を市松模様のようにちりばめて、訳がわからないでしょ!と放り投げているような本という印象。一部の熊楠ファンにとってはどうなのか知らないけど、資料としてはぜんぜん役に立たない本だった^^;;

雑誌「kotoba コトバ 南方熊楠 「知の巨人」の全貌」(19号 2015年春号)

正直いって、こんな雑誌があること自体知らなかった。「多様性を考える言論誌」と冠して、英社が年4回発行する季刊誌。読み応えはあるけど、定価で1,440円もする。この号は2015年の春号なので、当然ながら古書を買った。
仕事の関係で、「南方熊楠」についての資料として読んだわけだけど・・・いろいろな著者が様々な視点から文章を寄せて、南方熊楠という「知の巨人」の実像を探し求めている。でも、いかに大特集とはいえ、様々な視点の記事を集めたが故に、かえって熊楠の全体像が捕まえにくい。それでなくても、捉えどころのない巨人なのに・・・^^;;
それでも、最近の熊楠研究の成果・・・脚色された様々な逸話の正しい内容など、いろいろと読んでみた成果はあった。でもなぁ、脚色された南方熊楠の方が断然おもしろくて好きなんだよなぁ^^;;
最後にどーでもいいことだけど・・・表紙の熊楠の写真、いろいろな書籍にも使われていて、熊楠を代表するポートレートだけど、体操の白井健三くんにそっくりだと感じるのは、わたしだけだろうか?^^;;

BOOK「南方熊楠 日本人の可能性の極限」

南方熊楠
日本人の可能性の極限

唐澤太輔著
(中公新書:amazon:756円)
※Kindle版を購入

南方熊楠については多少の知識はあったけど・・・仕事の関係で急きょ読んだ本。手っ取り早く一冊読もうと、Kindle版を購入した。ふつうにamazonで購入しても翌日には届くんだけど、Kindle版電子書籍ならすぐに読みはじめられるから^^
南方熊楠は、偉人というか、巨人というか、まあ、とにかくすごい人という印象だけど、特に大きな業績を残したわけではないように思う。自然科学や民俗学、宗教学といった、よくいわれる分野で顕著な業績があるわけではない。エコロジストの先駆者として祭りあげられている風潮もあるけど、那智、田辺時代の熊楠は狂気がかっていて、わたしのような凡人には、もはや評価しようもない次元なんだよなぁ^^;;
珍しくまじめに感想のようなものを書くなら・・・南方熊楠を理解することは困難だろうけど、正直なところ、“理解するのが怖い” 存在だと感じた。著者はあとがきで、「熊楠の在り方の特異性(そしてそれは、実は決して異常ではなく普遍性を持っていること)を明らかにできた」と自負しているけれど、熊楠を知れば知るほど、わたしには「異常」だと思えてしまう。
ただ、熊楠は破天荒な人物で、多くのおもしろい逸話があったりして、一部には熱狂的なファンがいる。わたしも、南方熊楠という人物のおもしろさを否定はしない。どちらかというと、実像としての熊楠より、“破天荒にキャラ付けされた熊楠” が好きな人間のひとりだと思っている。

BOOK「研究者」

kenkyuusya研究者
有馬朗人監修
戸塚洋二/舘暲/榊佳之/野依良治/本庶佑/松本元/外村彰/小林誠/北沢宏一/森重文/土肥義治/小平桂一共著
(東京図書:1,800円+税)
※古書を購入

今年もノーベル賞受賞者の発表が近づき、授賞の可能性の高そうな日本人科学者の資料を、ぼちぼちと読みはじめた。でも、今年は日本人は授賞しないのではないかと、わたしは個的に予想しているけれど・・・。仕事柄、科学3賞に日本人科学者が受賞者が出た場合は、迅速に情報収集をしないといけないので・・・ちょっと今年は厳しい。
有力な3名の候補者がいるけど、誰も一般向けの著書を書いていない。さらには、可能性のある研究者が伏兵的に何人もいて、誰が受賞してもおかしくはない状況なのだから。
この本は、監修が有馬朗人、内容的には戸塚洋二、舘暲、榊佳之、野依良治、本庶佑、松本元、外村彰、小林誠、北沢宏一、森重文、土肥義治、小平桂一の12名による共著。この中の野依先生、小林先生はすでにノーベル賞を受賞している。戸塚先生は惜しくも故人だったので、昨年の授賞には間に合わなかった。
そして、今年の生理学・医学賞の最有力候補である、本庶先生の文章が含まれている。現時点では、一般向けの著書がなさそうなので、数少ない貴重な史料となるだろう。

BOOK「新幹線をつくった男 伝説のエンジニア・島秀雄物語」

shinkansenwotsukuttaotoko新幹線をつくった男
伝説のエンジニア・島秀雄物語
高橋団吉著
(PHP文庫:667円+税)
※古書を購入

建設費を過小に提示し、最初の予算を獲得した後から、雪だるま式に建設費が増えるのが、大型公共工事の常套手段。官僚的には、作りじゃじめてしまえば勝ちだから。・・・多目的ダム、地方空港、高速道路、国立競技場と東京オリンピックの競技施設。国鉄時代の在来線もしかり。・・・そして夢の超特急・新幹線^^;; そうだよ、新幹線は経営的に成功したから良いけど、もし失敗していたらただの税金をムダ遣いだったわけだ。
さて、島秀雄は・・・新幹線の開発に当たって、未経験の新技術は使わないという方針を貫いている。新幹線に至る技術が、島秀雄という超一流の技術者を通して、日本の鉄道技術者の間にすでにじゅうぶん蓄積されていた。それが、狭軌の呪縛から解放され、広軌の新幹線で余すところなく発揮された・・・それが新幹線という存在らしい。
たしかに新幹線は経営的に成功した。でも、新幹線開業と共に作られた新駅は栄えないのもまた事実。北海道新幹線の「新函館駅」なんて、栄える要素が皆無だよなぁ^^;;
この本には書かれていないし、テーマとしても関係がないけど・・・この新幹線技術を、二束三文で中国に売り渡してしまった愚かさが悔やまれて仕方がない。