BOOK「妹さえいればいい。 2」

妹さえいればいい。(第2巻)
平坂読著
イラスト:カントク
(ガガガ文庫:574円+税)
※古書を購入

第2巻になっても、各登場人物の細かな設定を付け加えているだけで、これといったストーリー的な展開がない。千尋くんが実は女の子で、義理ではあるけれど妹でしたという種明かし後の動きもない。ラノベ作家の日常系なのだと言われてしまえばそれだけだけど・・・。
カニ公が、全裸にならないと執筆できないという性癖はなんとなくわかる。わたしも取材先のホテルで夜仕事をするときは、裸でパソコンに向かっていることがある。確かに集中力は上がるけど・・・なぜか、自宅では裸で仕事はしない。
締め切り(仮)と真・デッドラインの話は作家モノにはよくあるけど、週刊誌のラインを持っている出版レーベルには裏技があるというのは本当だろうか? オフ輪を回せるかどうかの違いだろうけど、出版社が自前のオフ輪を持っているわけじゃないだろうし・・・。
この巻で唯一、ストーリー的な動きがあったとすると・・・春斗の『絶界の精霊騎士』がアニメ化され、第1回目の放送があったこと。京の涙で、フラグが立ってしまったんだろうか?

BOOK「妹さえいればいい。」

妹さえいればいい。
平坂読著
イラスト:カントク
(ガガガ文庫:574円+税)
※古書を購入

『はがない』の平坂読の新シリーズ。妹ものなので見送っていたけど、アニメを見て平気だったのと・・・『エロマンガ先生』を読んで耐性が付いたらしいので手を出してみた。イラストは『変猫』のカントク。
ライトノベル作家・羽島伊月・・・どうしようもないくらいの妹キ●ガイ。そして千尋くんは、成績優秀でスポーツ万能、かいがいしく妹キ●ガイの義兄の面倒を見る美少年の義弟くん。アニメの時も、この原作ラノベの最初の挿絵も、完全に出オチ状態^^;; まあ、わかっていても楽しく読める。
第1巻目なので、前半は登場人物を揃えるところから。担当編集者の土岐健次郎。伊月に憧れるラノベ作家・可児那由多。大学時代の元同級生・白川京。イケメンのライバル作家・不破春斗。イラスト担当の恵那刹那。税理士の大野アシュリー。この巻にはストーリーらしきものはぜんぜんなかったなぁ。
エアコンが壊れて寒いといって沖縄に行き、いくらが食べたいといって北海道に行く。バブル時代に流行ったような・・・。売れてるラノベ作家はバブル時代の経済感覚で生きているということだろうか? 儲かってるんだろうなぁ^^;;
TRPGには興味があるけど、リアルではメンバーが揃いそうもない。

BOOK「俺氏、異世界学園で「女子トイレの神」になる。」

俺氏、異世界学園で「女子トイレの神」になる。
周防ツカサ著
イラスト:もくふう
(電撃文庫:590円+税)
※古書を購入

多数の異世界とをつなぐ扉が地球に出現し、異世界との交流がはじまった。その交流を進めるためのモデルケースとして設立された異世界連合学院。そこに転校してきた世良隼也・・・総理大臣の出来の悪い三男。
異世界連合学院には獣人、魔人、オーク、半漁人やら精霊といった異世界人が在籍していて、種々雑多なクラスには争いが絶えない。心を悩ませたクラス委員で有翼人のアイリスは、その解決策を求めて、女子トイレでこっそり天空神マーテルを召喚しようとして・・・誤って隼也が召喚され、女子トイレに瞬間移動してしまう。そんな状況を他の生徒に誤解され・・・拡散され・・・隼也は女子トイレの神様として、相談やお願い事をされるようになってしまう。
どうして異世界人の通う特殊な学校という設定なのかわからずに読んできたけど、フィオナの翼をめぐる事件で、多少は設定を活かせたような・・・。でも、せっかくの異世界人設定があまり活かしきれていない感じ。
最後にどうでも良いことをひとつ。作者の自己紹介部分にあったけど・・・女の子のいう「ちょっとお花摘みに・・・」という表現と、ベルサイユ宮殿には何の関係もないんじゃないだろうか?

BOOK「泳ぎません。 2」

泳ぎません。(第2巻)
比嘉智康著
イラスト:はましま薫夫
(MF文庫J:580円+税)
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第2巻からがらっと構成が変わった。変わったというか、別の作品になったというか、自らスピンオフに化けたというか・・・。前巻、ちょい役として登場した新聞部の神卵太郎くんが主人公になった。神くんが、学校一の美少女小田部桜子から告白され、隣の家の小六の女の子・森美唄とプールに通って・・・と、日常系からラブコメに変わった。
それでも「水泳」という設定は変わらず、水泳部顧問の野々宮先生がおっぱい要員として登場し、前巻の水泳部員3人も再び戻ってきた。一応、神くんが水泳部に体験入部する経緯を描かれていたわけだけど・・・。
前巻からこの巻の間に、作者と担当編集者の間でなにが話し合われ、いったいどういう合意が成されたのだろう? 前巻は、特に面白いラノベではなかったけど・・・最初からこの巻を書いていたら、ふつうのラブコメとして成立していたはず。で、結末もなにもないまま、あとがきで完結が宣言されていた。典型的な「次巻で打ち切り」で辻褄を合わせ・・・なのか? わけがわからん。

BOOK「遅すぎた異世界転生 人類を滅ぼした魔王ですけどよかったらウチで働きませんか?」

遅すぎた異世界転生
人類を滅ぼした魔王ですけどよかったらウチで働きませんか?

中村智紀著
イラスト:小龍
(GA文庫:amazon:600円)
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異世界転生もの。軍人だったマサムネは、勇者として転生したけど・・・戦争は魔王軍が勝利し、すでに終結していた。という感じで、状況に変化を付けたパターン。
いきなり無職となったマサムネは、魔王シシーの誘いを受け、執事として側に使えることになった。勇者として超人的な力を持ち、すこしずつ執事としての頭角を現しはじめるマサムネに対し、メイドのエルルが嫉妬し、なにかと突っかかってくる・・・。
そして、唯一の生き残りの人間・・・3年前に勇者を召喚した魔法使いリンリットと出会う。この世界に残されたアダムとイヴ状態。しきりに子作りしようと迫ってくるけど・・・。戦争に参加していたリンリットは魔族に恨まれているため、魔法で猫の姿になり、魔王城でマサムネに飼われることになった。
完全に完結した状態ではないけど、ひとまず状況は落ち着いたところで話が終わった。この先、ハーレム展開しかあり得ないけど・・・果たして続巻は出るんだろうか?

BOOK「泳ぎません。」

泳ぎません。
比嘉智康著
イラスト:はましま薫夫
(MF文庫J:580円+税)
※古書を購入

綾崎八重、茂依子、榛名日唯の三人しかいない高校水泳部のグダグダだらだらの日常系ラノベ。綾崎八重が主人公らしく、彼女のモノローグで書かれている。ほぼほぼ部活の休憩時間だけしか描かれていないので、ほぼほぼみんな水着姿。八重は貧乳ながら、他の二人は巨乳ということになっている。にもかかわらず、「萌え」を一切感じないのは、あまりにも三人がゴロゴロぐだぐだで、どうでもよいことばかりペチャクチャお喋りばかりしているから。
そのお喋りが面白ければいいんだけど・・・沈黙が怖くて無理矢理作った話題を、ノリもないまま延々やっている感じ。顧問の野々宮麻美先生とかの噂話はするので、人名が上がることはあるけど・・・基本的に登場人物が少ないだけに、会話に変化もないまま最後まで行ってしまった。女子高生のふだんの会話を盗み聞きしている感じとでも喜ぶべきなんだろうか?

BOOK「うちの姉ちゃんが最恐の貧乏神なのは問題だろうか」

うちの姉ちゃんが最恐の貧乏神なのは問題だろうか
鹿島うさぎ著
イラスト:かやはら
(電撃文庫:610円+税)
※古書を購入

たまにはラブコメではない重めのラノベをと思って読んでみた。全体的に陰湿なお話だけどなかなか面白くて、珍しくも一気に読んだ。
神春紫苑は福寄荘202号室の押し入れに家賃2000円に住んでいる。その紫苑に取り憑いている自称「姉」の福乃・・・ふだんは脳天気で可愛い雰囲気だけど、いざとなると恐ろしい貧乏神・・・紫苑に攻撃を加えると発動する。
その福寄荘202号室の本来の居住部分に御園樹愛里沙、百合沙の双子姉妹が引っ越してきた。この姉妹が事件に巻き込まれ・・・紫苑が戦いはじめる。
悪役は城ヶ崎遥人・・・学校に君臨する城ヶ崎建設次期社長。ありがちな安っぽい悪役の典型で、増長して思い上がった御曹司。
背景は、なかなかすごい設定。東京都付ヶ原区・・・大恐慌を経て「どれだけ金を持っているか」がすべてという「資産差別区」。金持ちが圧倒的な権力を握っている。だからものすごく悲惨な社会で、起きる事件も陰湿で、読んでいて暗い気持ちになる。最後は悪いヤツがやっつけられるから爽快感があるにはあるんだけど・・・世の中の仕組みが変わらないと、この不快感はぬぐい去れない。
続巻が出れば、最後の完結時にはそんな社会になってくれるのだろう。ただし、今年の1月に出た本だけど・・・いまのところ、続巻は出ていない。

BOOK「王手桂香取り! 3」

王手桂香取り!(第3巻)
青葉優一著
イラスト:REI
(電撃文庫:610円+税)
※古書を購入

中学生将棋大会団体戦は惜しくも2位だった。そして夏休みが明けて、次はペアマッチ将棋大会。こういう将棋がラノベで描かれるのは初めて見た。将棋とはいえ、卓球やバトミントンのダブルスと同じで、二人のレベルが揃っていないと実力は発揮できない。将棋の場合、それとは違ったペアの意義があるんだろうか? まあ、ラブコメ的には、あゆむと桂香先輩の関係には影響があるけど・・・。
この大会のラスボスは、母親と息子のペア・・・栄村親子。息子の陽太くんは小二なのに奨励会クラスの実力。桂香先輩にとっては中学最高の思い出となったけど・・・あゆむ、完全にカンニングだ。対して陽太くんは立派だ。藤井聡太くんの子ども時代のように、負けても泣かなかった。プロを目指す覚悟もある。
「将棋の女王様に微笑まれる棋士」というと格好良く聞こえるけど、こういうカンニングのようなことをしている実態を読んでしまうと、素直にあゆむを応援できないなぁ。あゆむは大橋名人の弟子になり、奨励会に入ってプロ棋士になる。きっと、名人位にも手が届くのだろうけど・・・やっぱり、どう考えても反則だな。
この巻になって、将棋の神様たちのことを「駒娘」と表現しはじめた。小さなことだけど・・・こういうノリをもっと前面に立てて欲しかった。
<完結>