BOOK「変態王子と笑わない猫。12」

変態王子と笑わない猫 12
さがら総著
イラスト:カントク
(MF文庫J:amazon:563円)
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前巻から2年ほど間隔を開けて、ようやく完結巻が出た。ラノベの世界では、あとがきで「次巻で完結」と予告した後、いつまで経っても次巻が出ないという未完の作品は珍しくないので・・・内心、この作品も諦めていた。その結果、amazonで調べることもなく、気づくのが遅れてしまった。
前巻で謎解きが終わってしまったので、よくわからないまま、ほぼほぼ完結したものと思っていたら・・・月子ちゃんとポンコツさんのハッピーエンドを求めて、横寺くんは「リセットエンド」を何度も繰り返して、奮闘おっぱいしていた。でも、リセットされて以前とは異なる世界はどこか歪なわけで、それが本当のハッピーエンドなのか判然としない。その辺から、結末へと進んでいくわけだけど・・・。
いろいろ理解できないことも多いけど・・・言いたいことはわかった。
いまを生きていくために過去の思い出を忘れて成長していく避けられない必然の前に、ただひとり自分の幸せを犠牲にしながら、月子ちゃんのポンコツさんの幸せを追い求めていた横寺くんが、ようやく自分自身の幸せのありように気が付きました。めでたしめでたし。という、ぬるーい結末だった。
<完結>

BOOK「はたらく魔王さま! SP」

はたらく魔王さま! SP
和ヶ原聡司著
イラスト:029
(電撃文庫:amazon:610円)
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この巻は短編集・・・というより番外編。
第5巻と第6巻の間・・・マッグカフェ導入のため、真奥の働くお店が休業しているときのお話。銚子の海の家のバイトが途中で打ち切りになった後のこと。長野で農家を営む千穂の伯父の家に、農作業の手伝いに出かけることになった真奥たち。そこに、アラス・ラムスを連れた恵美と鈴乃が追いかけてきて・・・。
真奥と芦屋は、もう少し農作業の戦力になりそうな気がするけど・・・それだけ重労働だと表現したかったのだろうか? いろいろ日本の農業事情を取材して書いたらしく、農家がリアルに描かれていた。別のラノベだけど、『のうりん』を想い来させるような雰囲気だった。
「熊殺しの遊佐恵美伝説」や農作物泥棒を退治する話・・・初期の頃の恵美にはこういう荒々しさがあったんだと、時間軸的な意味での驚きがあった。でもやっぱり、真奥と恵美はこの頃からこんなに仲が良かったのかと・・・。
「SP2」も来月出るらしい。いよいよ完結が近いんだな。

BOOK「僕の珈琲店には小さな魔法使いが居候している」

僕の珈琲店には小さな魔法使いが居候している
手島史詞著
イラスト:烏羽雨
(ファミ通文庫:amazon:622円)
※Kindle版を購入

ラブコメではないラノベを探していて・・・タイトルが気になったので、とりあえず読んでみることにした。なんとなくミステリーものではないかと予想していたけど、完全に違った。
浪人生・九条篤志が働くバイト先の喫茶店『ロッコ』、いつも閑古鳥が鳴く流行らないお店。その数少ない常連客のひとりが、セーラー服に赤いランドセル姿の美坂亜理寿・・・店長・庄太郎の姪で、小学校の高学年くらいの魔法使い。時折、亜理寿に魔法を使う依頼が入る。その亜理寿のパートナーにさせられた篤志という構図。依頼あるいは事件、不思議な出来事ごとに連作短編の形で描かれている。
この巻は初巻なので、設定を紹介するエピソードからはじまり、登場人物を揃えていくエピソード。新たに常連になった女子高生・緋美子は篤志の後輩・・・ヒロインのひとりだろう。
「魔法は自分のためには使えない」というのが、この小説でのお約束だけど・・・魔法ものには珍しく、過去を改変して死んだ人が生き返った。あれっ? でも、冒頭の短編で死者は生き返らせられなかったんだけど・・・。

BOOK「ぼくの日常が変態に侵蝕されてパンデミック!?」

ぼくの日常が変態に侵蝕されてパンデミック!?
相上おかき著
イラスト:emily
(富士見ファンタジア文庫:600円+税)
※古書を購入

生徒会長の指示で、夏休みの夜のプールに出るらしい幽霊を調査に来た和藤尊。幽霊の少女がおぼれていると勘違いしてプールに飛び込んだ尊は、幽霊に取り憑かれてしまう・・・。しかも、その美少女幽霊・白瀬由宇は、プールの中でおしっこを漏らして感じてしまう超ヘンタイ。49日の現世滞在猶予の39日を支払って一日1回、幽霊なのにおしっこができる能力を入手したというホンモノ。・・・なので、あと数日間しかこの世にはいられない。
水泳部で生徒会挽く会長の親友・綾小路雷斗は露出狂、見た目合法ロリの生徒会長・四谷愛は頭脳明晰ながら性格がアレ、尊のお隣で幼なじみの生徒会会計・比良坂明美はナイフマニア・・・。みんなヘンタイではあるけれど、タイトルから想像したヘンタイとは少し違った。
エロ系のラノベなんだろうと思っていたけど・・・予想に反して、由宇をひき逃げした犯人捜しという推理もの展開。中途半端にメタネタを放り込んでるから、あえてこういういい方をするけど・・・こうなると、四谷愛は『七々々』の「壱級天災」のような感じ。
メタネタ以外はけっこう面白かったけど・・・由宇というヒロインの性癖に魅力を感じられなかったのが残念。いや、残念というわけではないけど・・・共感できなかったから、続巻がでて、次はどんなお話なんだろうという期待感はほぼない。

BOOK「ハイスクールD×D DX.3 クロス×クライシス」

ハイスクールD×D
DX.3 クロス×クライシス
石踏一榮著
イラスト:みやま零
(富士見ファンタジア文庫:amazon:583円)
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「DXD」は安心して読み進められる鉄板シリーズではあるけど、残念ながらこれは短編集。でも、短編集はどうでもいい内容で、必ずしも面白いわけではないというお約束もまた鉄板だったりする^^; ・・・結局、「DXD」はKindle版を読み続けているけど、今期、またアニメの続編『ハイスクールD×D』が放送され、古書の値崩れが遠のいてしまったろうから、Kindle版にして正解だった。
アザゼル先生と契約していた黄金龍君・ファーブニルが、新たな契約をアーシアと交わしたときのお話。別のいい方をすると、ファーブニルが「おパンツドラゴン」になったときのお話。シトリー眷属たちとイッセーが共同で訓練をするお話。ふだんあまり登場しない面子を紹介するには、短編集はちょうどよい場かも知れない。でも、よほどキャラが立っていないと、記憶に残らないんだけど・・・。バアル領とグレモリー領のゆるキャラの話。正月休みに祖母の田舎で、ダンガムのプラモ眷属をつかうはぐれ悪魔の吸血鬼と戦うお話などなど。
ゼノヴィア会長と生徒会役員たちが元気すぎるお話や、ゼノヴィアとイリナがはじめて出会ったときの回想なんかは、本編に織りこんでも良さそうな気もする。
次は通常巻。正直なところ、あまり短編集を増やして欲しくないんだよな。

BOOK「はたらく魔王さま! 18」

はたらく魔王さま!(第18巻)
和ヶ原聡司著
イラスト:029
(電撃文庫:amazon:630円)
※Kindle版を購入

前巻から神討ちの準備は進んでいるけど・・・伏線を回収したようなしていないようなはっきりしない展開。認知症のように惚けたキナンナを真奥が抱え込んで、まるで介護に苦しむ男世帯のような有様。おまけに、エンテイスラでは例の宇宙服に真奥たちがやられ、そのうち連合騎士団が攻めてくるという・・・。
さらに、ここに来て宇宙服がイグノラではないかもとか、セフィラの子たちが敵かもしれないとか、本筋の行方を見失わせるような流れで、完結に向けての佳境に入りそうで入らない。千穂ちゃんが進学準備でバイトを辞めること、木崎店長の異動、真奥の将来的な仕事の問題は、どういう結末になるかに関わってくるとは思うけど・・・なにもたついてるんだという感じ。1巻を費やして事前に仕込む必要もないと思うのだが・・・もしかすると、完結時に大どんでん返しが起きる伏線であれば許すけど・・・。
個人的な妄想だけど・・・千穂ちゃんの進路で最も有力なのは、エンテ・イスラの北大陸の統治者ではないだろうか。悪魔もたくさん受け入れ、みんなが幸せに暮らせる国になると思うんだけど・・・。
さて、冗談はともかく・・・次の巻はまともな展開に戻って欲しい。この小説、和ヶ原聡司に長編小説を本当に完結させられる力があるのか疑わしく感じはじめている。なにせ、デビュー作だから、実績もないことだし・・・。

BOOK「ハイスクールD×D 22 卒業式のグレモリー」

ハイスクールD×D
22 卒業式のグレモリー
石踏一榮著
イラスト:みやま零
(富士見ファンタジア文庫:amazon:583円)
※Kindle版を購入

トライヘキサの件で、冥界や天界など超常世界のトップたちがいなくなってしまった。イッセーの指導者的立場のアサゼル先生までいなくなった。そして、ついでにいえば、おっぱい拒絶も解消された。
レーティングゲームの不正・・・今後の山場なのかと思っていたら、あっさりと解決してしまった。それどころか、アザゼル先生が仕込んでいったレーティングゲーム国際大会が、アジュカ・ベルゼブブとシヴァの主導で開催されることになった。
イッセーはここまでの功績が認められて、上級悪魔になった。これでイッセーは「王」として自分のチームでレーティングゲームに出場できる・・・眷属をもつことができる。つまり、ハーレムづくりのはじまり・・・初期メンバー(眷属)は、アーシアとゼノヴィア、ロスヴァイセ、レイヴェルの4人。眷属ではないけど、イリナと謎のクイーン・ビナー、吸血鬼のエルメンヒルデもメンバーに加わった。タンニーンの息子・ボーヴァを臣下として加えて、イッセーチームの顔ぶれがそろった。・・・個人的な推測だけど・・・クイーン・仮面のビナーって、レイヴェルのお母ちゃんだよな?^^;;
リアスと朱乃さんが卒業したこの巻の前半で第四章が終わり、後半から最終章第五章。ガラガラポン状態で、主要な登場人物と立ち位置が変わり、最終章の舞台が整えられた。まあ、早い話、予想以上にシリーズが長編化し、レーティングゲームが実態に合わなくなったので、設定を改変したということだろう。

BOOK「ハイスクールD×D 21 自由登校のルシファー」

ハイスクールD×D
21 自由登校のルシファー
石踏一榮著
イラスト:みやま零
(富士見ファンタジア文庫:amazon:603円)
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トライヘキサと邪龍軍団が天界や冥界で暴れ回り、全面戦争の構え。「聖杯」がらみの戦いなので、アザゼル先生の出番。頭脳労働を一手に引き受けているから、当然の役回りではある。
イッセーが先の戦いで意識不明の重体・・・イッセーが母乳で快復していくとは・・・フェチを超えて、本物の変態なんだなぁ、やっぱり^^;; ところが、それで戦線復帰とならないところが、変態イッセーの変態が本物であるところ。今度は「竜神化」の副作用でおっぱいに拒絶反応を示すとは・・・。おっぱいドラゴンからおっぱいを引くと、ただのドラゴンしか残らない^^;
この作家の文章のクセなんだろうけど・・・会話で説明したことをすぐイッセーのモノローグで繰り返す重複。これまで何度も遭遇したけど、最近、とてもウザったく感じるようになった。読み手のわたしになにか変化があったのかもしれない。
そしてこの巻のメインは、7つに分裂したトライヘキサとの日本防衛戦と欧州防衛戦。これだけ長いシリーズなので、そういえばこんなヤツもいたなぁという、完全に忘れていたキャラまで総動員しての大規模戦闘。日本では聖杯を持つアポプスVSいまだおっぱいを受け付けないイッセー。欧州のアジ・ダカーハには白龍皇ヴァーリ。多元中継的な展開なので、顔ぶればかりが多くて、戦いそのものは淡泊だった。・・・トライヘキサを倒すために・・・かなりのガラガラポン状態。
あとがきによると、次巻の後半から最終章がはじまるのだとか・・・。短編集DXシリーズが増えるらしく、ちょっと憂鬱^^;