BOOK「エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ」

エネルギー産業の2050年
Utility3.0へのゲームチャレンジ
竹内純子編著
伊藤剛、岡本浩、戸田直樹著
(日本経済新聞出版社:1,700円+税)

仕事先から資料としてお借りした本。今後の電力事業の展望を紹介している。この本の背後にどういう利害関係があるのかよくわからないけど・・・にわかには納得しがたい未来像も含め、いろいろ書かれている。
わたしが生きてきた間に、2回のオイルショックがあり、スリーマイル島、チェルノブイリ、福島と3つの原子力発電所で大きな事故が起きた。その度に大騒ぎしたけど、大きくいってしまえば、その間に起きたことは省エネへの世界的な転換という一点だけだろう。日本では電力の自由化とかで、いろいろ販売合戦があったけど、とくに何も変わらなかった。この本でも、自由化あたりの動きは過渡期的なものとしている。
「Utility3.0」などとわかりにくい言い方をしているけど、未来の電力会社は電力そのものを売るのではなく、電力を使用したことによるメリットを売る方向に変わるということらしい。大きな流れとしてはわかるけど・・・わたしの頭ではピンとこない。まあ、こういう本を読んでピンと来る人が大金持ちになり、大企業に成長していくのだろうけど・・・残念ながら、わたしではないようだ。

BOOK「マンガ おはなし物理学史 物理学400年の流れを概観する」

マンガ おはなし物理学史
物理学400年の流れを概観する

小山慶太:原著
佐々木ケン:漫画
(講談社ブルーバックス:1,080円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。
第1章「力学」はガリレオ、ケプラー、ニュートンについて、よく知られた内容だったけど、第2章「電磁気学」は、ホイヘンス、ヤング、フレネル、フーコー、ファラデー、マクスウェルといった感じで、いままで意外にも人物として意識していなかった科学者が登場して面白かった。第3章「量子力学」と第4章「相対性理論」あたりになると、オールスターキャストという感じ。
この本のコンセプトが「マンガ」だから仕方がないけど、わざわざマンガにしなくてもという部分もあったし、どうして登場しないのかと思う科学者も数人いるけど・・・コンパクトにまとまったわかりやすい内容だった。
最後に、湯川秀樹、朝永振一郎、小柴昌俊、南部陽一郎、益川敏英、小林誠といった、日本人ノーベル物理学賞受賞者がまとめて紹介されていたのは、(個人的に)別の面でありがたかった。
こんな感じで、「宇宙論」についてまとめた本を出してくれないかな・・・。

雑誌「milsil ミルシル 広がる「地図」の世界」(2018年No.4 通巻64号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「広がる「地図」の世界」。国土地理院の先生方が測地系の歴史、スマート社会の新しい地図像を紹介している。
似たようなテーマで、かなり以前に国土地理院を取材したことがあるけど、あのころはスマート社会なんていう単語のスの字もなかったので、いろいろ新しいことが紹介されていた。いまではカーナビどころか、歩くための日常的な地図までデジタル化されている。近い将来には、クルマの自動運転やらドローンの宅配便などもこうした地図インフラの上で動くわけだけど・・・歩きスマホする人が邪魔でぶつかりそうになるのが当たり前の時代、本当に安全なサービスが実現するのか、地図とは別の次元で、内心、ちょっと心配ではある^^;
サブ特集は「カタツムリ」。カタツムリが左巻きなのか右巻きなのか、気にもしたことがなかったけど・・・世の中のたいていのことには専門家がいて、一見、どうでも良いことを研究していたりするので、別に驚かないんだけど・・・「ヘビ仮説」か、ちょっと驚いた。

BOOK「睡眠負債 ちょっと寝不足”が命を縮める」

睡眠負債
“ちょっと寝不足”が命を縮める

NHKスペシャル取材班著
(朝日新書:amazon:648円)
※Kindle版を購入

わずかな睡眠不足が積み重なり、「睡眠負債」として蓄積され、重大な病気を発症するリスクを高めるのだとか。そんな内容のNHKスペシャルの番組内容をまとめた本。テレビの番組そのものは見ていない。
仕事柄、不規則な生活を長いこと続けてきた。そして、いつからだったかも憶えていないくらい昔に睡眠障害となり、睡眠導入剤が欠かせなくなってしまった。睡眠導入剤なしで眠れるときは、前の晩が徹夜だったり、極度に睡眠不足だったりしたときだけ。人生を通して、長い目で見ればかなりの「睡眠負債」を抱えていると思う。だから、いまさらこんなことを言われても・・・今夜眠って、二度と目が覚めなかったとしても、負債を完済したとはいえないんじゃないかという気がしてくる^^;;
なんにせよ、一日7時間睡眠。毎日欠かさずとはいかないだろうけど、今の生活状況なら守れそうな気がする・・・。少なくとも、気にはかけておこうと思う。

BOOK「ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃」

ゲノム編集とは何か
「DNAのメス」クリスパーの衝撃

小林雅一著
(講談社現代新書:800円+税)
※古書を購入

最近、よく耳にするようになった「ゲノム編集」・・・ゲノムを自在に切り、つなぎ直し、生命をデザインする技術。その切り貼りをするためのハサミが「クリスパーCAS9」だけど、それがどういうもので、どのように発見されたかといった周辺情報を丁寧に説明しているんだけど・・・ただ、学術的なメカニズムについてはあっさりした内容で、期待していた情報はなかった。その分、読みやすいわけだけど。
むしろこの本のメインは、社会的、経済的な影響に関することで・・・GoogleやAmazonはすでに「生命科学とITの融合」に取り組み、ゲノムデータをクラウド上に集積、AIでパターン解析しはじめている。やがて複雑な病気の原因遺伝子や発症メカニズムを解明するだろうと・・・独バイエルに買収された米モンサント社・・・遺伝子操作作物の種子や種芋などの大手企業だけど、ゲノム編集を農業にいち早く取り入れようとしているといった、事例を紹介している。
そして、「デザイナー・ベビー」といったゲノム編集の倫理的危険性などについても解説しているけど・・・2016年に出た本だし、特にこれといった目新しい内容ではなかった。

BOOK「地球外生命体 実はここまできている探査技術」

地球外生命体
実はここまできている探査技術

井田茂著
(マイナビ新書:amazon:756円)
※Kindle版を購入

地球外生命が、科学的な意味で話題になるようになったのは意外に最近だというのは納得がいく。それまではSFの分野のお話だったわけだけど、それも仕方がないこと。1995年に「ペガサス座51番星の系外惑星」が発見されるまでは、生命がいるべき天体すらSFの中だけの存在だったわけで。でも、ひとつ発見されると、続々と系外惑星が見つかり、生命は地球だけの特別な存在ではないという期待が高まってきた。
さらには、地球と同じ太陽系内でも、エウロパやタイタンやなど、探査衛星を送り込みやすい所に地球外生命の可能性が出てきて・・・わたしが生きているうちに発見される可能性すら出てきた。ただ、地球外生命といっても、タコ型の宇宙人ではなく・・・「極限環境生物」などと呼ばれる微生物のようなものだろうけど、実際にいてくれたら嬉しい。
タイタンあたりに探査衛星を送り込むのは、火星移住なんかよりもはるかに現実的な技術レベルで実現できそうだけど、問題は誰がそのお金を出すかだろうな。

BOOK「基礎から学ぶ機械工学 キカイを学んでものづくり力を鍛える!」

基礎から学ぶ機械工学
キカイを学んでものづくり力を鍛える!

門田和雄著
(サイエンス・アイ新書:900円+税)
※古書を購入

古本を購入したら・・・美品ではあったけど、数カ所に鉛筆で書き込みがあった。
「アクチュエータ Actuator」という感じで、脈絡もなく抽出した単語と英語表記が並んでいる。傍線が引かれているでもなく、ドッグイヤが折られているでもなく、どういう興味で読み、書き込んだのか想像も付かない。
モノづくりの基本・・・道具と機械。人間は道具を作りだして、文化を進化させてきた。身の回りにも産業界にもいろいろあるけど、人間の手や力ではできないことをできるようにするという意味では、道具を道具以上にした存在なんだろうと思う。
まあ、世の中便利になりすぎているような気もするし、本当に人間のために役立っているのかわからないような機械もあるけど。
この本では、機械の材料力学、機械力学、機械要素といった基本中の基本からはじまり、センサとアクチュエータ、制御工学といった先端分野まで解説している。途中、熱力学と熱機関という章があって、ちょっと驚いた。いわれてみれば熱機関というのも機械だけど、読む前にはぜんぜん予想していなかった。
この分野にはあまり馴染みはなかったけど、素直に読み進められた。ちょうどよいレベルの入門書だった。

BOOK「ゼロからわかる虚数」

ゼロからわかる虚数
深川和久著
(角川ソフィア文庫:880円+税)
※古書を購入

先日、矢野健太郎の『すばらしい数学者たち』を読んで、なぜか、オイラーが取り上げられていなかったので・・・気になってこの本を読んでみた。理解できたかはともかくとして、読む順番としては正しかった。
「二乗するとマイナスになる実態のない数字」「数字の後に小文字筆記体の i を付けて表記」と高校で習った。確かそう習ったはずだけど・・・余計なことを考えず、そのまま素直に受け入れていた。
いまでも、かんたんな計算ならできる。文系であろうと数学Ⅲまで必修だった変態高校で積み重ねた、とりあえず赤点だけは回避しようとする処世術の賜・・・あるいは弊害だけど・・・このレベルでこの本を読みはじめた。
「虚数」に対する「実数」とはなにかという初歩の初歩から説明がはじまり、自然数、0、整数、分数、小数・・・負の数といった、小中学校で習い、ちゃんと理解していたつもりのことさえ、きちんと理解していなかったと驚かされた。菓子パンひとつ分の値段で買った古本なので、これだけで十分に元を取ったといえるけれど、残念ながら、複素数だガウス平面だとなってくると、かなり厳しくなってきた。足し算、かけ算ならまだしも、三角関数が出てきたところで歯を食いしばってついて行けそうないけないような感じで・・・複素数の微分積分に至っては、必死に読んでも、頭の中が真っ白になっていくだけ。そうか、「頭の中が虚ろになる数」=「虚数」と得心がいった^^; 高校3年の時に読んでいたら、まだ違う結果になったかも知れないけど、176ページ目でギブアップ。