BOOK「新薬に挑んだ日本人科学者たち 世界の患者を救った創薬の物語」

新薬に挑んだ日本人科学者たち
世界の患者を救った創薬の物語

塚崎朝子著
(講談社ブルーバックス:900円+税)
※古書を購入

本庶佑先生がノーベル賞を受賞すると発表されたとき、すぐに著書を探したら・・・関連しそうな書籍に上がっていたので、その内読もうと購入しておいた。著者の塚崎朝子の『世界を救った日本の薬 画期的新薬はいかにして生まれたのか?』は、読みやすい本だったし。この本の方が、少し難解で読みにくい。
わたしは人生を通して不健康な生活を続け、中年になって以降は文字通りに不健康な身体になった。だから、毎日たくさんクスリを飲んでいて、この本で紹介されているようなクスリも飲んでいる。深々と感謝!^^; その内、実際に飲んでいるクスリが、ここで紹介されているものか調べてみようと思う。この辺、薬品名と製品名が異なるので、ちょっと面倒くさいけど、ちゃんと公表されているからすぐにわかるはず。
創薬の分野では、日本の存在感が薄く、製薬メーカーも欧米に押されているという印象を持っていた。事実その通りなんだけど、日本の研究者もたくさん活躍していて、最近は大村智先生、本庶佑先生と続けてノーベル医学生理学賞を受賞するなどして、嬉しい限りだ。

BOOK「ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた驚異の大宇宙【第2版】 星の生と死/銀河/銀河衝突/銀河団/深宇宙/太陽系」

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた驚異の大宇宙【第2版】
星の生と死/銀河/銀河衝突/銀河団/深宇宙/太陽系
岡本典明著
(ブックブライト:amazon:648円)
※Kindle版を購入

宇宙ものの写真集を探したけど、神保町の専門的な古本屋ではけっこうイイ値段が付いていて、近所の一般的な古本屋にはこんなジャンルの本は扱ってさえいなくて・・Kindle版にした。そもそも、この本は電子版しか売られていないらしい。ライトノベル並みの値段で驚いた。こんなに安くていいんだろうか?
基本的には、ハッブル望遠鏡が撮影した写真をぼーっと眺めて、頭の中を宇宙色に染めるための写真集なので・・・読むべき解説部分はとても少ない。
掲載写真自体は、サブタイトルに示されたジャンル毎に分けられ、最後にハッブル望遠鏡のミッションについての解説が少々あるだけ。
値段が安いので、もう何冊か類似書をあさってみようかと・・・。

BOOK「現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病」

現代免疫物語beyond
免疫が挑むがんと難病

岸本忠三/中嶋彰著
(講談社ブルーバックス:1,080円+税)

本庶佑先生がノーベル賞を受賞すると発表されたとき、すぐに購入した。大阪大学の先生とジャーナリストが書いた本で、タイトルからして、がんの免疫療法に関しての本だとわかるけど、第4章「免疫チェックポイント分子の物語」に本庶佑先生の研究が紹介されている。
印象的だったのは・・・「オプジーボ」の欧米で行われていた臨床試験の途中で、第三者委員会から臨床試験の中止が勧告されたこと。二重盲検法・・・新薬が与えられた半数の内70%が助かり、残りの半数はバタバタと死んでいくのは、あまりにも非人道的だと。なるほど、すごい逸話ではあるけど・・・「オプジーボ」が日本で承認されたのは2014年7月、アメリカはその約半年後に承認したわけだけど・・・日本では二重盲検法による臨床試験が最後まで行われた(?)んだろうな・・・この本には何も書いていないけど・・・。

BOOK「ゲノムが語る生命像 現代人のための最新・生命科学入門」

ゲノムが語る生命像
現代人のための最新・生命科学入門

本庶佑著
(講談社ブルーバックス:940円+税)

今年、ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶先生の著書。受賞のニュースで見て、その10分後にamazonで注文したけど、早くも在庫切れで、手元に届いたのは10月20日だった。
特にノーベル賞を受賞した研究について解説した本ではなく、分子細胞遺伝学、ゲノム工学、生命科学全般をゲノムの視点から解説している。
今回のノーベル賞につながる免疫やガンに関する記述もあるけど、かなり基本的な内容。がんの免疫療法については「抗PD-1抗体によるガン治療の仕組み」という図を載せ、ものすごくあっさりと解説されているだけだった。
2013年に出た本なので(これは第5刷)、免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ)が薬事承認される直前の段階。日本とアメリカで良好な治験結果が出ているから、やがて承認されるだろうとしか書かれていない。でも「やがて多くのガン患者に福音をもたらす」と、自信があったことはうかがえた。

BOOK「孫正義のエネルギー革命」

孫正義のエネルギー革命
自然エネルギー財団監修
(PHPビジネス新書:840円+税)
※古書を購入

以前から、孫正義がなにをどう考えて、再生可能エネルギーに向かったのか気になっていた。民主党の菅直人政権の末期、どさくさ紛れのように政策転換した印象が強く・・・東日本大震災と福島原発事故への無能ぶりが際立ちすぎて、まともな議論すらなかったので、なにをどう捉えていいのかわからないというのが正直なところだった。
端的に言ってしまえば、「原発は安全で安価なエネルギー」という神話が崩れ、孫正義の頭の中でパラダイムシフトが起き・・・アジア諸国をつなぐスーパーグリッドで電力を融通し合う構想を思いついたということらしい。ゆっくりとした動きではあるけど、そういう方向に動いているようないないようなという雰囲気。小口電力の自由化が実現し、発送電分離も実現しそうで・・・大手電力会社が買取や接続を拒否しているといった話も聞くけど、気がつくと日本中にメガソーラー発電所がたくさん建設されている。一方、なし崩し的に原発が再稼働したりもしているけど、再生可能エネルギーのシェアも高まってきた。
でも、先日の北海道胆振東部地震で、北海道全域がブラックアウトするような事態が現実に起きて・・・電力会社は不安定な発電量のメガソーラーはつなぎたくないというし、逆に大型発電所に頼る一極集中システムの脆弱性も露呈してわけで・・・どちらの言い分が正しいのかよくわからない。でもまあ、こういう場合、たいていは既得権益を持っている保守側の意見より、新技術を投入して新しいシステムを作ろうという新興勢力の意見の方が正しい。少なくとも夢はある、んじゃないかなと思う。

BOOK「世界を救った日本の薬 画期的新薬はいかにして生まれたのか?」

世界を救った日本の薬
画期的新薬はいかにして生まれたのか?

塚崎朝子著
(講談社ブルーバックス:1,080円+税)

今年、ノーベル医学生理学賞を受賞が決まった本庶祐・京都大学特別教授、2015年受賞の大村智・北里大学特別栄誉教授をはじめ、15人の日本人研究者とその成果を紹介している。専門用語をそのまま使用しているので、レベル的にはそれなりに基礎教養のある人向けの本で、一般の人は理解しづらいかも知れない。
日本の医学・生理学研究のレベルの高さを示す本だけど・・・本庶先生のインタビューに、厳しい研究環境と産業構造の問題点が垣間見える。日本人ノーベル賞受賞者がみんな必ず言うことだけど・・・もっと基礎研究に資金を回して欲しいというのがひとつ。本庶先生だから言える厳しい言葉・・・日本の製薬会社は多すぎる。5社にしぼって、資本力を高め、基礎研究の成果を創薬に結びつけられるように。厚労省が薬価を決めて、護送船団方式で競争せずに製薬会社を守っている現状への批判は、本庶先生クラスじゃないと言えないだろうし・・・第三者であるジャーナリストがまとめた本だからこそ公に出来ることなのかも知れない。

BOOK「わたし琵琶湖の漁師です」

わたし琵琶湖の漁師です
戸田直弘著
(光文社新書:680円+税)
※古書を購入

琵琶湖は日本一面積の広い湖で、内水湖では唯一の漁業組合がある。それだけ、産業として漁業が大きな一を占めているのだろう。著者の戸田氏は琵琶湖の漁師として活躍される傍ら、琵琶湖の生態系を考え、改善していくための活動もされている。水質汚染、護岸工事による破壊、外来種、鵜、漁協の老齢化・営利追求体質、伝統的漁法の喪失など、危惧すべき問題は多い。
特に後半では、バスやブルーギルといった外来魚を放流し、釣ったサカナはそのままリリースしてしまう、いわゆる「スポーツ」「遊び」としての釣りとの対立が描かれている。
これは、あくまでわたしの個人的見解だけど、外来魚を放流した人間は死刑、それを釣って楽しむ人間は、放流された外来生物を絶滅させるまで強制労働を課すべきだと思っている。それだけ、取り返しの付かないことをやったのだと自覚させる上でも、厳罰に処すべきだ。

雑誌「milsil ミルシル ふしぎで多彩な変形菌の世界」(2018年No.5 通巻65号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌(隔月年6回発行。税込定価420円)。
今回の特集は「ふしぎで多彩な変形菌の世界」。この「ミルシル」の特集記事は、科博が予定している企画展のテーマと微妙に関連していることが多いのではないかと思っているけど、今回の「変形菌」は、関連している気配がない。昨年末から今年のはじめにかけて、「南方熊楠」の企画展をやったばかりだし。「変形菌」は地味な存在ではあるけど・・・わたしは熊楠ファンなので、嫌いな存在ではない。
この号で気になったのは巻頭のインタビュー記事。リチウムイオン二次電池を開発した吉野彰氏(旭化成名誉フェロー)・・・ノーベル賞候補の呼び声も高いので、名前だけは知っていた。モバイルだ、ウェアラブルだと身の回りの電子機器の進化にはついていけない勢いがあるけど、それもこれもこの電池があってこそのこと。いくら感謝してもバチは当たらないはず。