BOOK「日本の名著 近代の思想」

日本の名著
近代の思想

桑原武夫編
(中公新書:価格不明)
※古書を購入

古本屋でなんとなく手にした本。ここ10年間、ライトノベルばかり読んでいて、これでいいのかとの自省の念を抱きながら読みはじめたけど・・・。
「近代の思想」というサブタイトルにあるように、哲学、政治・経済・社会、歴史、文学論、科学の分野で、明治維新後から戦前までの間に書かれた本から厳選した50冊を紹介している。正直なところ・・・時代がこれだけ変わっても、「名著」が「名著」であり続けるものなのかわからないし、それを読む意義も同じであり続けるのか、わたしにはピンとこない。でも、結局は自分で読んでみないことには判断がつかないわけで、紹介は紹介として読むしかない。
50冊中、9冊は読んだことがあった。川口慧海『西蔵旅行記』、九鬼周造『「いき」の構造』あたりは、若かりし頃、いろいろこじらせたあげくに読んだわけだけど・・・こうして改めて名著だといわれると、とてもむず痒い気がする。そもそも、この本の編者である桑原武夫という名前自体が、いまにして思うと何ともむず痒い^^;;
で、新たに読みたいと感じた本は・・・湯川秀樹『目に見えないもの』と鈴木大拙『日本的霊性』の2冊くらいだろうか・・・。

BOOK「ようこそフロンティアへ! ミャンマー・カンボジア・ラオスのことがマンガで3時間でわかる本」

ようこそフロンティアへ!
ミャンマー・カンボジア・ラオスのことが
マンガで3時間でわかる本

福森哲也/小原祥嵩著
マンガ:飛鳥幸子
(明日香出版社:1,600円+税)
※古書を購入

ちょっとだけラオスに興味を持ったので読んでみた。
タイトル通りミャンマー・カンボジア・ラオス三国について紹介した本。この三国は、軍政であったり、内戦が続いたり、共産主義からようやく開放政策に転換したばかりだったりして、ASEAN諸国の中でも経済的に立ち後れた国。はっきりいってしまえば最貧国。そのため、日本人には馴染みの薄い国だと思う。ただ、最近は国内が安定して、成長する勢いが出てきているのは確かだろう。
この三国を比べると、やはりラオスはいろいろ不利な点が見えてくる。まず、海に面していないから物流の面で不利。人口が少ないから、そもそも経済規模を大きくしづらい。開放政策をとりはじめて日が浅く、法律や制度、慣習面で細々問題がありそう・・・。でも、最貧国から脱出しようと、政府が本腰を入れているようだし、中国の一帯一路政策で投資が増えそうだし、未来は明るいのかも知れない。

BOOK「ラオス経済の基礎知識」

ラオス経済の基礎知識
鈴木基義著
(JETRO:1,600円+税)
※古書を購入

仕事の関係で、ちょっとラオスについて興味がわいたので読んでみた。
ラオスという国が東南アジアにあり、ASEANにも加盟していることは知っていたけど・・・そもそもどこにあるのか正確には知らなかった^^; ベトナムとタイに東西を挟まれ、北は中国とミャンマー、南はカンボジアと接している。アジア最後の秘境などとも言われるだけあって、あまり名前を聞くこともなく、馴染みがないのは仕方がない。でも、「新経済メカニズム」とやらで開放政策をとりはじめ、なんとなく存在感を増してきたような気はしている。
2009年に出た本なので、掲載された統計などの多くが2006年あたりのもの。中国の「一帯一路政策」の影響についてはぜんぜん書かれていない。いま現在、成長過程というか、動きの激しい国のようなので、直近がどうなっているのか興味がわくところだけど、そのへんはネットで補完するしかない。でも、ラオスについて大まかなことはこの本だけで理解できる。あとは、市民生活レベルの生活文化がわかる本をもう一冊読めば、個人的興味は満たされそうな感じ。

BOOK「孫正義のエネルギー革命」

孫正義のエネルギー革命
自然エネルギー財団監修
(PHPビジネス新書:840円+税)
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以前から、孫正義がなにをどう考えて、再生可能エネルギーに向かったのか気になっていた。民主党の菅直人政権の末期、どさくさ紛れのように政策転換した印象が強く・・・東日本大震災と福島原発事故への無能ぶりが際立ちすぎて、まともな議論すらなかったので、なにをどう捉えていいのかわからないというのが正直なところだった。
端的に言ってしまえば、「原発は安全で安価なエネルギー」という神話が崩れ、孫正義の頭の中でパラダイムシフトが起き・・・アジア諸国をつなぐスーパーグリッドで電力を融通し合う構想を思いついたということらしい。ゆっくりとした動きではあるけど、そういう方向に動いているようないないようなという雰囲気。小口電力の自由化が実現し、発送電分離も実現しそうで・・・大手電力会社が買取や接続を拒否しているといった話も聞くけど、気がつくと日本中にメガソーラー発電所がたくさん建設されている。一方、なし崩し的に原発が再稼働したりもしているけど、再生可能エネルギーのシェアも高まってきた。
でも、先日の北海道胆振東部地震で、北海道全域がブラックアウトするような事態が現実に起きて・・・電力会社は不安定な発電量のメガソーラーはつなぎたくないというし、逆に大型発電所に頼る一極集中システムの脆弱性も露呈してわけで・・・どちらの言い分が正しいのかよくわからない。でもまあ、こういう場合、たいていは既得権益を持っている保守側の意見より、新技術を投入して新しいシステムを作ろうという新興勢力の意見の方が正しい。少なくとも夢はある、んじゃないかなと思う。

BOOK「動物たちの反乱 増えすぎるシカ、人里へ出るクマ」

動物たちの反乱
増えすぎるシカ、人里へ出るクマ

河合雅雄、林良博編著
(PHPサイエンス・ワールド新書:880円+税)
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テレビのニュースなどで、シカやサルによる農業被害、人家のある地域にイノシシやツキノワグマが出没したなどという話があると、有識者なる人たちが「里山の荒廃」という言葉を口にする。この言葉を聞く度に、わたしは納得のいかないものを感じていた。そしてこの本を読んで、わたしは「里山」というものを理解していなかったことに気がついた。
わたしは北海道に生まれ育ったので、本州でいうところの、隅々にまで人の手が入った「里山」というものを実感してこなかった。いまの北海道は違うだろうけど、半世紀近く前の北海道には、里山のような中立地帯はほとんどなく、裏山ですらヒグマが支配する土地だった。だから、廃村により人間が後退した地域、開発が進んで里山を切り拓いてしまった地域では、その頃の北海道と同じような距離感に生まれてしまっているのだろう。
人口が増え、人間がどんどん自然を切り崩していた時代は、野生動物はゆるやかに絶滅する方向で減っていく。でも、地方が衰退し、放棄地が増えると、野生動物が反撃してくる。自然保護の意識もあるし、むやみに駆除もできない。さらに、外来生物という援軍?も押しかけてきて、勢力を伸ばしている。『進撃の巨人』のような壁でも作るしかないんじゃないかな^^;;

BOOK「スティーブ・ジョブズ全発言 世界を動かした142の言葉」

スティーブ・ジョブズ全発言
世界を動かした142の言葉

桑原晃弥著
(PHPビジネス新書:900円+税)
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正直いうと、ジョブズにはあまり興味がなかった。
ビジネス界の巨人、スティーブ・ジョブズからなにかを学びたい、ヒントが欲しいということの現れなにか、似たような本がいくつか出ているけど、新書版で安かったのでこれにした。
右ページにジョブスの言葉が書かれていて、左ページに当時の状況など補足情報が載せられていた。単純に言葉だけをズラズラ並べて、あとは読み手の能力次第だよ、というタイプの名言集ではなかったけど・・・わたしの能力と感性の問題として、ピンっと心に響くような言葉はなかった。たぶん、サービス精神でこういう言葉も言っておこうとか、言っておいてあげようという心遣いに満ちた言葉が並んでいて、かなり幅広い人に向けられた言葉だとは感じたけれど・・・。そもそも、わたしのような小人に、ジョブスのような巨人の言葉が釣り合うわけがないんだよな^^;; それは、世の中のたいていの人にも当てはまるような気もするけど、他人のことはよくわからない。

BOOK「縮小ニッポンの衝撃」

縮小ニッポンの衝撃
NHKスペシャル取材班著
(講談社現代新書:740円+税)
※古書を購入

昨年出た本だけど、NHKスペシャルの番組は見逃してしまったようだ。
わたしはバブル経済以前から日本の未来に悲観的だったけれど、その理由は団塊世代と年金問題にあった。団塊世代が都合よくもらい逃げする年金制度がヤバイと思ったから。この問題はその後解決されることなく、団塊世代は「高齢化」という問題になり、同時に「少子化」という二重苦になった。いまでは、「人口縮小」という問題が顕在化した。これは、予測ではなく確定していたことだ。
団塊世代は一夫婦が2人以上、人口を維持できる程度には子どもを産んだ。これが団塊ジュニアだけど、この世代が少子化を起こしてしまった。これは年齢的に確定した。団塊ジュニアはもう子どもを産む年齢を過ぎた。数が減った団塊三世は、「非正規雇用」や「ひきこもりニート化」などで、出産はおろか結婚すらしづらい状況にある。・・・人口縮小のスパイラル。
この本では、北海道や島根県の地方都市、そして東京について書かれているけど、上のような状況は全国的なことなので、どの地域でも避けようがない。明るい話はひとつもなくて、じっとり暗い気持ちになる。
ではどうしたら良いのか? 悲観論者のわたしにいわせれば、解決策などない。ジジババにではなく、若年層に財政を回せともいうけど・・・ジジババがのたれ死ぬような状況を見せられ、将来に不安を感じてしまえば若者は結婚もしないし子どもも産まない。限られた財政で、ブレーキとアクセルを同時に踏むような夢のような政策などあるはずがない。人口が減れば、やがて財政だって破綻する。
せいぜい、大量の移民を受け入れるという禁じ手があるけど・・・日本はこの問題について、まともな議論すらできないのが実情だしなぁ。

BOOK「5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人 ドイツに27年住んでわかった定時に帰る仕事術」

5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人
ドイツに27年住んでわかった定時に帰る仕事術

熊谷徹著
(SB新書:800円+税)
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日本では「働き方改革」なるものを進めようとしているけど、これをやらないことには日本に未来はないという気がしている。でも、政府も自民党も、そして野党もことの本質を見据えての議論をしているようには思えないのが残念だ。
「なになに先進国」といわれることの多いドイツだけど・・・これ本当か?と目を疑いたくなるようなことがたくさん書いてあった。「1日10時間を超える労働は禁止」「残業時間を銀行貯金のように貯めて有給休暇に振り替えられるワーキング・タイム・アカウント(労働時間貯蓄口座)」「ドイツの多くの州では学校の夏休み冬休みの宿題が禁止」などなど。他にも、ドイツ語に「頑張る」という単語がないとか・・・ないわけがないと思うけど・・・。
いろいろ考えさせられる法律や制度が書かれていたけど・・・サブタイトルにある「定時に帰る仕事術」はなにも書かれていなかった。そもそも、こういうドイツ社会では、定時に帰らざるを得ないんだろう。そして、腰巻きに書かれている「なぜドイツは1年の4割働かなくても経済が絶好調なのか?」についても、納得のいくことはなにも書かれていなかった。これがいちばん知りたかったのに。
そもそも、そんな天国のようなドイツから、どうして著者は「社畜王国・日本」にわざわざ帰ってきたのだろう?