BOOK「宮古上布 ~その手技~[改訂版]」

宮古上布
~その手技~[改訂版]
宮古上布保持団体編
(宮古市教育委員会)

仕事の資料として読んだ本。
宮古上布は、苧麻(ちょま)繊維を原料とする麻織物。琉球列島の島々には、その島固有の織物があり、宮古上布もそのひとつ。かつては琉球王朝の朝貢品として貴重な織物として扱われ、その製法に独自の伝統技法があり、国の無形文化財に指定されている。
この冊子は、文化庁の「ふるさと文化再興事業」制度を活用して、宮古上布保持団体が発行した改訂版。「技法編」では、宮古上布の歴史、糸づくりからデザイン・染色、織り、仕上げまでの製造法を紹介。「資料編」では、道具や用語、図柄などを補足している。
巻末に参考文献のリストが掲載されているけど、行政や博物館のようなところから出版されてものばかりで、出版社から出された一般書籍はほとんど載っていない。宮古島では、宮古上布に関する体験学習など、観光資源としてもPRしているけど、残念ながらなかなか広く知られるには至っていない。
麻製の衣服は、温暖化のせいで炎暑かする夏には打って付けだろうから、もっと普及しても良いと思うのだが・・・。というか、個人的には手頃なものが欲しい。

BOOK「おばあたちの手技 宮古諸島に伝わる苧麻糸手績みの技術[改訂版]」

おばあたちの手技
宮古諸島に伝わる苧麻糸手績みの技術[改訂版]
宮古苧麻績み保存会編
(宮古市教育委員会)

仕事の資料として読んだ本。
宮古上布は、苧麻(ちょま)繊維を原料とする麻織物。琉球列島の島々には、その島固有の織物があり、宮古上布もそのひとつ。宮古諸島では15世紀頃には苧麻から糸をつくり、布を編んでいた記録が残されている。その糸づくりは、国の選定保存技術に選ばれている。宮古諸島では、苧麻を「ブー」と呼び、苧麻績みを「ブーン」と呼ぶらしい。
この冊子では、植物としての苧麻の解説、苧麻畑の選定から栽培法にはじまり、糸づくり全般を紹介している。「ティーカシギからおろしたカシを小さくまとめていく」といった感じで、宮古諸島の言葉を用いて書かれているので、最初から順番に読まないと何をいっているのかさっぱり分からない。確かに、こういう言葉も大切な文化だから、こういう配慮は大切なんだろう。だからこそ、こういう本は面白い。

BOOK「沖縄染織王国へ」

沖縄染織王国へ
與那嶺一子著
(新潮社 とんぼの本:1,400円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。
「染め」ということではなく、「麻織物」に興味があって読んだたわけだけど、残念ながら役に立つ情報はほんのわずかだった。仕事的には、別の資料を探さなくてはならないだろう。
わたしは極端な暑がりなので、沖縄地方はあまり好きではない。行きたいとも思わない。でも、沖縄の伝統的な織物の柄は嫌いではない。なにより見ていて涼しそうだし、着てみると実用的に涼しい。気候風土に根ざして培われてきた衣類という感じがする。とはいえ、いまの沖縄でこんな民族衣装を普段着として着ている人は少ないだろうし・・・着たいと思っても、本物はものすごく高そうな気がする。手軽な値段のお土産品もあるのだろうけど・・・。
暑さといえば、今年の夏も暑かった。クールビズとかいって、カジュアルな装いで仕事をしても良い時代になったのだから、もう少し麻織物が幅をきかせても良いと思うけど・・・あんまり見かけないんだよなぁ・・・。

BOOK「自分の「うつ」を治した精神科医の方法 薬に頼らず、心身ともに元気を取り戻すために――」

自分の「うつ」を治した精神科医の方法
心身ともに元気を取り戻すために――

宮島賢也著
(KAWADE夢新書:amazon:760円)
※Kindle版を購入

医師である著者が自らの「うつ」脱出体験を元に書いた本。先日読んだマンガ「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」で紹介されていた本で、基本的なエッセンスは同じだった。ただ、こちらの本は、目次構成が非常に細かく、自分に照らし合わせて考えやすいものになっている。ある意味では、自分がうつになりやすい体質なのか、あるいは自分のうつの原因がなんなのかを考える上でのチェック項目が並んでいるかのようだ。実体験から書かれた本だという以外にも、これが意外に説得力を高めているように思う。
もちろん、細かな項目がすべて一般化できるものか納得しづらい点もあるけど、なるほどと感じさせる項目は多かった。ただ、こういうのって・・・日めくりカレンダーと同じで、気持ちに触れるかどうかが大切なんだと思う。前向きに納得できれば、うつに限らず前進できるんだろうから。

BOOK「世阿弥の世界」

世阿弥の世界
増田正造 著
(集英社新書:760円+税)
※古書を購入

『能』という日本の伝統的演劇を完成させた世阿弥の世界を解説した本。新書なので入門書のつもりで読んだけど、なかなかヘヴィな内容だった。
世阿弥といえば、「風姿花伝」。なにをどう表現しているか、表現する側の視点での解説が多い中、この本の著者は数多くの鑑賞経験があり、表現の受け手である観客の視点でも語っているところがヘヴィ。なにせ、わたしは数回しか見たことがないわけで・・・^^;;
この手の本の多くは、世阿弥をとにかく持ち上げてすごいすごいと大合唱するものが多く、やれ、シェークスピアより200年もはやく、独自の演劇を完成させたと小躍りしているようなものばかりだ。でも、そこには観客の視点がない。表現形式、様式美は、勝手に発信するだけでなく、観客に正しく受け止められてこそ演劇という空間がはじめて成り立つ。だから、本当にすごいのは、シェークスピアの200年前にそういうレベルの観客がたくさんいたという、この事実がすごいのだと思う。

BOOK「聖地巡礼 世界遺産からアニメの舞台まで」

seitijunrei聖地巡礼
世界遺産からアニメの舞台まで
岡本亮輔著
(中公新書:780円+税)
※古書を購入

古書を購入したけど、売り上げカードが挟まったままだったので、たぶん新品のまま古書に流れたものだと思う。
この本は、「聖地」がどう成立するのか、どう支持され維持されていくのかなど、大真面目な面から聖地と聖地巡礼を解説し、世界遺産をありがたがって観光することや、最近流行のパワースポットやアニメの聖地にまで触れている。
アニメ聖地に関しては、「らき☆すた」の鷺宮町(現・久喜市)と「あの花」の秩父市について解説しているけど・・・まあ、間違いではないし、きっとその通りなんだろうけど、アニメヲタの考え方や感じ方までは踏み込んでいない。
さらに、東京の「神田明神」について、平将門の分祀については触れているけど・・・ここもアニメ聖地としてのもうひとつの典型だと思うのだけれど、ひと言も触れられていない。2015年に出た本だから、神田明神にラブライバーがたくさんいたはずなんだけど・・・。

BOOK「アニメが地方を救う!? 「聖地巡礼」の経済効果を考える」

animegatihouwoアニメが地方を救う!?
「聖地巡礼」の経済効果を考える

酒井亨著
(ワニブックスPLUS新書:880円+税)
※古書を購入

映画やドラマのロケ地が観光名所になることは、それほど珍しいことではない。だけど、その地が観光地として栄え続けるか、人が住み、経済活動を行う都市として栄えるかは、全くの別問題だったりする。そもそも、こういう聖地巡礼は一過性のもので、最終的には、その地の「魅力」次第なんだろうと思う。
この本では、いろいろなアニメ作品と聖地をケーススタディとして紹介している。もちろん、経済的に成功した例ばかりではなく、失敗に終わった例もたくさん含まれている。というか、成功した事例は、以外に多くはないので・・・。
いろいろ成功の条件なども考察しているけど、この本に書いてあるとおり、アニメがヒットしなければ、聖地として盛り上がらず、巡礼者が集まらない。ましてや、地方創世とか町おこしとかにはつながらない。