BOOK「自分の「うつ」を治した精神科医の方法 薬に頼らず、心身ともに元気を取り戻すために――」

自分の「うつ」を治した精神科医の方法
心身ともに元気を取り戻すために――

宮島賢也著
(KAWADE夢新書:amazon:760円)
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医師である著者が自らの「うつ」脱出体験を元に書いた本。先日読んだマンガ「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」で紹介されていた本で、基本的なエッセンスは同じだった。ただ、こちらの本は、目次構成が非常に細かく、自分に照らし合わせて考えやすいものになっている。ある意味では、自分がうつになりやすい体質なのか、あるいは自分のうつの原因がなんなのかを考える上でのチェック項目が並んでいるかのようだ。実体験から書かれた本だという以外にも、これが意外に説得力を高めているように思う。
もちろん、細かな項目がすべて一般化できるものか納得しづらい点もあるけど、なるほどと感じさせる項目は多かった。ただ、こういうのって・・・日めくりカレンダーと同じで、気持ちに触れるかどうかが大切なんだと思う。前向きに納得できれば、うつに限らず前進できるんだろうから。

BOOK「世阿弥の世界」

世阿弥の世界
増田正造 著
(集英社新書:760円+税)
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『能』という日本の伝統的演劇を完成させた世阿弥の世界を解説した本。新書なので入門書のつもりで読んだけど、なかなかヘヴィな内容だった。
世阿弥といえば、「風姿花伝」。なにをどう表現しているか、表現する側の視点での解説が多い中、この本の著者は数多くの鑑賞経験があり、表現の受け手である観客の視点でも語っているところがヘヴィ。なにせ、わたしは数回しか見たことがないわけで・・・^^;;
この手の本の多くは、世阿弥をとにかく持ち上げてすごいすごいと大合唱するものが多く、やれ、シェークスピアより200年もはやく、独自の演劇を完成させたと小躍りしているようなものばかりだ。でも、そこには観客の視点がない。表現形式、様式美は、勝手に発信するだけでなく、観客に正しく受け止められてこそ演劇という空間がはじめて成り立つ。だから、本当にすごいのは、シェークスピアの200年前にそういうレベルの観客がたくさんいたという、この事実がすごいのだと思う。

BOOK「聖地巡礼 世界遺産からアニメの舞台まで」

seitijunrei聖地巡礼
世界遺産からアニメの舞台まで
岡本亮輔著
(中公新書:780円+税)
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古書を購入したけど、売り上げカードが挟まったままだったので、たぶん新品のまま古書に流れたものだと思う。
この本は、「聖地」がどう成立するのか、どう支持され維持されていくのかなど、大真面目な面から聖地と聖地巡礼を解説し、世界遺産をありがたがって観光することや、最近流行のパワースポットやアニメの聖地にまで触れている。
アニメ聖地に関しては、「らき☆すた」の鷺宮町(現・久喜市)と「あの花」の秩父市について解説しているけど・・・まあ、間違いではないし、きっとその通りなんだろうけど、アニメヲタの考え方や感じ方までは踏み込んでいない。
さらに、東京の「神田明神」について、平将門の分祀については触れているけど・・・ここもアニメ聖地としてのもうひとつの典型だと思うのだけれど、ひと言も触れられていない。2015年に出た本だから、神田明神にラブライバーがたくさんいたはずなんだけど・・・。

BOOK「アニメが地方を救う!? 「聖地巡礼」の経済効果を考える」

animegatihouwoアニメが地方を救う!?
「聖地巡礼」の経済効果を考える

酒井亨著
(ワニブックスPLUS新書:880円+税)
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映画やドラマのロケ地が観光名所になることは、それほど珍しいことではない。だけど、その地が観光地として栄え続けるか、人が住み、経済活動を行う都市として栄えるかは、全くの別問題だったりする。そもそも、こういう聖地巡礼は一過性のもので、最終的には、その地の「魅力」次第なんだろうと思う。
この本では、いろいろなアニメ作品と聖地をケーススタディとして紹介している。もちろん、経済的に成功した例ばかりではなく、失敗に終わった例もたくさん含まれている。というか、成功した事例は、以外に多くはないので・・・。
いろいろ成功の条件なども考察しているけど、この本に書いてあるとおり、アニメがヒットしなければ、聖地として盛り上がらず、巡礼者が集まらない。ましてや、地方創世とか町おこしとかにはつながらない。

BOOK「壺屋焼入門」

tsuboyayakinyuumon壺屋焼入門
倉成多郎著
(ボーダー新書:1.000円+税)
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仕事の関係で読んだ本。
沖縄の伝統的陶芸である「壺屋焼」の成り立ち、歴史、特長なども紹介した新書。ちなみに、この「ボーダー新書」は那覇市内の「ボーダーインク」という会社が出版しているローカル本。一応、書籍コードが付いているから、全国販売されているのかも知れない。
仕事では、ここまで細かな壺屋焼の歴史は取り扱わないだろうけど、沖縄(琉球王国)というロケーションならではの発展があり、今日に至っていると言うことは取り扱いたいと思う。なにせ沖縄には、「シーサー」という強力なキャラクターがあるので、もう少し壺屋焼の知名度が上がってもいいと思う。うまくいけば、観光読みや下品の売り上げに大きく影響してきそうだし・・・。
ただ、貿易の拠点で会った琉球には、古今東西の文化が流入し、ユニークな日用陶器が作られたりしたけど、残念ながら、沖縄の風土では陶芸に適した粘土が自由に手に入らず、壺屋焼発展の足枷になったように思う。でも、身の回りをパッと見て思う。大半が洋食器で、お米を食べる茶碗は磁器、お椀は漆器、なかなか陶器でできた和食器を見かけることがない。壺屋焼では「上焼ち(じょうやち)」と呼ばれる陶器には、磁器にはない、柔らかで優しい風合いがあるんだけどなぁ~。陶器は柔らかくて、すぐに欠けたり割れたりするから敬遠されているのだろうか。

BOOK「なぜ和食は世界一なのか」

nazewasyokuhasekaiichinanokaなぜ和食は世界一なのか
永山久夫著
(朝日新書:780円+税)
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このところ、海外にぜんぜん出ていないので・・・世界各地で和食がブームになっているという事実は、テレビのニュースなどでしか知らない。あるいは、都内のラーメン屋などに外国人観光客がたくさん並んでいるのを見かけるくらい・・・。
この和食ブームは、基本的には「うまみ」をベースにした「出汁」による味付けが認知されたということで、かつての「寿司」「天ぷら」「すき焼き」といった紋切り型の和食人気とは異なっている。
「和食」はユネスコの世界文化遺産に登録されているけど、幸か不幸か、わたしたちが日常的に食べている食事は、この「和食」ではない。少なくとも、わたしの食生活はいわゆる和食ではない。この世界遺産登録が、いまの和食ブームにどの程度の影響があるのか、正直わからない。日本旅行のガイドブックなどで、和食が取り上げられることも増えているのだろうけど・・・日本に来る旅行者の多くは、世界遺産なんていうカタガキより、SNSでのクチコミの影響を強く受けているだろうし。
本を売るためにはわかりやすいタイトルを付ける必要があるんだろうけど、一般論として、安直に「世界一」などというべきではないと思う。著者の見識を疑いたくなってしまうので・・・。

BOOK「靖國神社 遊就館の世界 近代日本の歴史探訪ガイド」

yuushuukannosekai靖國神社 遊就館の世界
近代日本の歴史探訪ガイド
大原康男監修
(産経新聞社:1,429円+税)
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まだ見に行ったことはないけど、靖國神社に「遊就館」という博物館があることは、以前から知ってはいた。日本では軍事や戦争関係の博物館・資料館が多くはないので、数少ない貴重な博物館のひとつといえる。
そのうち見に行かなければと思っていたら、古本屋でたまたまこの本を見つけたので購入した。遊就館に行けば実物が見られるわけだから、あまり細かな情報が載ったガイドブックを事前に見てしまうのもどうかと思ったけど、これはぜひ見に行かなければという意欲は高まった。
この本には載っていなかったけど、遊就館にはアニメ「ガールズ&パンツァー」に登場する戦車のモデルとなった「九七式中戦車(旧砲塔)」があるらしく、最近はアニヲタも足を運んでいるという話を聞くし・・・^^;;

BOOK「江戸・東京歴史の散歩道3 江戸・東京文庫 (3) 江戸の名残と情緒の探訪」

rekishinosanpomichi03-212x300江戸・東京歴史の散歩道3
江戸・東京文庫 (3) 江戸の名残と情緒の探訪

(街と暮らし社:1,800円+税)
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amazonで中を確認しないで購入した古書なので仕方がないけど・・・寺社仏閣などの簡単な情報を地域別に並べただけで、編集的要素がほとんどないガイドブックだった。
お寺などそれぞれの情報はスマホでちょっと検索すれば出てくるようなものばかり。エリア分けされた各地域の歴史を俯瞰するような情報は極めてわずかで、教育委員会あたりが現地に掲示した案内板の情報の丸パクリのような内容ばかりだった。
まあ、それならそれでなんらかの役には立てようと思うけど、アクセス情報やルート情報もないし、本当になんの芸もないガイドブックだなぁ。このシリーズを買うことは二度とないと断言することができる。