BOOK「古代インドの神秘思想 初期ウパニシャッドの世界」

古代インドの神秘思想
初期ウパニシャッドの世界

服部正明著
(講談社現代新書:420円)

昭和59年に購入して読んだ本。自炊したPDFを読み返した。・・・昭和59年というと、社会人になって数年後のことで、こんな本を読んだことがあったことすらずっと忘れていた。
でも、いまから10年ほど前にこんなことがあった。客先に打ち合わせに行き、新しい担当者ですと若手のOLさんを紹介された。その子が、某大学の哲学科でインド哲学を専攻していたと自己紹介したので、ついなにげなく「リグ・ベーダとか・・・ヴラフマンとか・・・ですか?」などと口走ってしまった。正直なところ、インド哲学を専攻していた人に初めて会ったので、そう言ったら、「わたしも、一般の人が素でこういう単語を口にするのを初めて見ました」と返された。そうか、一般人か・・・と思ったことがある。まあ、こういう出来事があったのは、たぶん、この本を読んでいたからだと思う。
さて、読み直してみて、ブラフマン=アートマンなのだとかいわれても・・・やっぱり、ピンとはこなかった。そもそも、たぶん、30年前に読んだときにも、ピンときてはいなかったのだと思う。
哲学、あるいは思想というカテゴリーに分けたいところだけど、そういうカテゴリーを設けていないので、やむなく「古典」に分類して置いた。

BOOK「マハーバーラタ ナラ王物語 ダマヤンティー姫の数奇な生涯」

マハーバーラタ ナラ王物語
ダマヤンティー姫の数奇な生涯

鎧淳:訳
(岩波文庫:560円+税)
※古書を購入

古代インドの長篇叙事詩『マハーバーラタ』の中の一編を収録した本。なぜこんな本を読んだかというと、以前にも同じ理由を書いたことがあるはずだけど・・・古本屋でたまたま見つけたから。それ以外の理由は特にない。
賭博に明け暮れ、国土を失ってしまったユディシュティラ王が、住む家もなく森の中に隠れ住んでいると、聖者が現れナラ王とダマヤンティー姫の物語を語り聞かせるという構成。その物語は、本当に切ない恋愛もので、あまり細かな描写はないけどとてもわかりやすい。
日本の古典にもこういう説話集的なものがあるけど、仏教の説教的なものが多くて、こういう恋愛ものは少ないように思う。まあ、日本には、古くは『源氏物語』なんていうものがあるから、まったく書かれなかったというよりは、今日まで残らなかっただけかも知れないけど・・・。

BOOK「アガメムノーン」

Agamemnōnアガメムノーン
アイスキュロス著
久保正彰:訳
(岩波文庫:560円+税)
※古書を購入

突然、こういう戯曲を読むというのは、自分でもどうかしていると思う。だがしかし、古本屋の店頭に置かれた3冊100円のワゴンから古本を買うときに、3冊、6冊、9冊・・・と3の倍数冊を買うのは、義務ではないけど、ある種の権利だと思う。その権利を行使したら、こうなった^^;
ひとつ言い訳をしておくと、このBLOGにはアップされていないけど、若い頃にギリシア神話などもけっこう読んでいた。だから、久しぶりではあるけれど、突然ということでもない。だから、アイスキュロスの名前も知っていたし、「ギリシア悲劇」の大御所だということは知っていた。
アガメムノーンは、トロイア戦争でのギリシア側の総大将。10年もの戦いの末、トロイアに勝利し凱旋したが・・・妻クリュタイメーストラーは寝取られていて、挙げ句の果てに謀殺されていまう、という物語。・・・続編の「コエーポロイ」につづく。続編は読まない。だってこれ、ぜんぜん面白くないんだよ^^;;
ギリシアには、キリスト教以前に不義という概念があったわけだ。10年も留守にして戦争ばかりやっていたら、嫁さんが不義をはたらくなんてこともざらにあったのだろう。・・・時代を経た十字軍なんかも長期にわたったから、ヨーロッパでは「貞操帯」などという文化が発展したのかも知れない。
日本では、10年なんていう長期に及ぶ戦争はなかったから、こういう悲劇は生まれない。少なくとも源氏物語の時代までは通い婚で、光源氏のようなことが描かれたくらいだから、「不義」という概念自体がなかった、あるいは異なっているんだろう。・・・というか、トロイア戦争の時代って、日本はまだ縄文時代の終わり頃だし^^;;

BOOK「荘子 内篇」

soushi_nai荘子 内篇
荘周著
翻訳:金谷治
(岩波文庫:720円+税)
※古書を購入

古本屋で見かけて、なつかしくて読んでみることにした。
「荘子」をはじめて読んだのは中学3年のこと。当時、中公文庫が創刊されて間もない頃の貝塚茂樹訳を読んだ。
買ったばかりの文庫本に赤青の傍線をつけたり、いろいろ書き込みをしながら。もちろん、現代語訳の部分を。高校に入って、「外篇」「雑篇」も続けて読んだけど、今回は内篇だけ。
内篇でもっとも有名な部分は「逍遥遊篇」の「胡蝶の舞」だろう。ネタ的な曲解だけど・・・たとえ人生が夢オチで終わっても驚くなよ的なお話を、中二病だった当時のわたしはどう読んだのだろうか? もちろん、当時のことは憶えていないけど、意外に、そのまま真に受けて、のらりくらりと生きてきたような気がしなくもない^^;;
で、この年になって読み返して、こいつは相対論だななどと思ったりする。やっぱり曲解しているのだろうけど^^;;

BOOK「封神演義(下)」

houshinengi003封神演義(下)
翻訳:安能務
(講談社文庫:762円+税)
※古書を購入

圧倒的に面白くて、中巻から一気に読み進んでしまった。
ただ、下巻は商周革命が成り、ちょっとアンニュイなエンディングとなり、それまでのお祭り騒ぎのようなストーリー展開とはちょっと趣が変わってくる。でも、大作映画のエンディングを彷彿させる雰囲気で、この結末はキライではない。
実は、このBLOGをはじめる以前に、この安能務版を元としたマンガ『封神演義』(藤崎竜著)も全巻読んだ。マンガまで読み返そうとは思わないけど、出来は悪くなかったと記憶している。一応、アニメ化もされてはいるんだけど・・・アニメはなかったことにしておこう^^;;

BOOK「封神演義(中)」

houshinengi002封神演義(中)
翻訳:安能務
(講談社文庫:770円+税)
※古書を購入

太公望と朝歌軍との本格的な戦闘がはじまり、「封神演義」ならではの盛り上がり。ロボットは出てくる、ミサイルは飛び交う・・・もうこれは一種のSFものといってもいいし、ある意味ではライトノベルではないかとさえ思ってしまう^^; 少なくとも、安能務版はライトノベルだよな。内心、どこまで正確な翻訳なのか疑ってしまうけど・・・。これを「古典」のカテゴリーに分類して良いものだろうか。
商周革命を下地にしてはいるけど、時間をかけていろいろ書き足され、演出が加わり、面白おかしく成立してきたのだろうけど・・・それにしてもこういうエンターテインメントが明の時代に成立したとはすごいことだ。

BOOK「封神演義(上)」

houshinengi001封神演義(上)
翻訳:安能務
(講談社文庫:752円+税)
※古書を購入

「封神演義」はこのBLOGをはじめる以前に一度、この講談社文庫の安能務翻訳版を読んだことがある。その時、あまりの面白さに驚いた記憶があり、もう一度読んでみようという気になった。実は、どれとはいわないけど・・・他の翻訳版を一度読もうと試みて挫折したことがある。それはぜんぜん面白くなかった^^;;
改めて読み返すと、老眼が進んで活字が読みにくくなったのを別として・・・いろいろ思い出して、安能務翻訳版はやっぱり面白いし、何より読みやすいと実感した。
「封神演義」は中国の四大奇書にひとつに数えられ、古くから庶民に愛されてきた物語。日本で言えば、太閤記とか仮名手本忠臣蔵などのような存在だろうか。

BOOK「海東諸国紀―朝鮮人の見た中世の日本と琉球」

toukaisyokokuki東海諸国記
朝鮮人の見た中世の日本と琉球
申叔舟著
田中健夫訳注
(岩波文庫:860円+税)
※古書を購入

途中で読むのを諦めた^^;;
難しいというのもあるけど、面白くなくて面倒くさいだけとしか感じられなかった。著者の主観が入っていないのはよいことなのかも知れないけど、淡々と記述された内容だけでは、ぜんぜん内容をイメージできない。
紀行文、あるいは探訪記といった記述ではなく、単なる行動記録というか、公式記録というか・・・少なくとも読者を意識した文章ではないのかも知れない。
もしかすると、年齢的に、こういう本を読む根気がなくなってしまったのかもしれない・・・。