BOOK「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」

下ネタという概念が存在しない退屈な世界
赤城大空著
イラスト:霜月えいと
(ガガガ文庫:590円+税)
※古書を購入

以前、読もうかと思っていたらアニメ化され、アニメを見て満足したので読まずにいた。この前、この著者の新作『絶頂除霊』を読んでみたら意外に面白かったので、『下セカ』の古本に手を出した。(大きな声ではいわないけど)なかなか手が伸びなかったのは表紙イラストがひどすぎるのと、ガガガ文庫だからというのが理由。個人的感想だけど、ガガガ文庫は当たり外れが大きいんだよな。
公私を問わず、性的な表現が禁止された日本。中でも風紀優良度最上位校・時岡学園の新入生・奥間狸吉が主人公。校内ではいま、《雪原の青》を名乗るテロリストが暗躍し、一般の生徒に性知識を伝えようとしている。その《雪原の青》をどう対峙するか、アンナ・錦ノ宮生徒会長以下、生徒会は苦慮している。
主人公・奥間狸吉は、父親がエロテロリストで、性知識を持つ者として生徒会役員に引き入れられ・・・同時に、《雪原の青》の仲間に引きづり込まれ、エロテロリスト集団《SOX》を結成する・・・。アニメを見ていたのでこの辺のことはわかっていたけど・・・世界観が特殊な状況なのと、初期段階から登場人物を一気に整理しなければならないので、前半はかなり説明的な内容だった。
華城綾女副会長=《雪原の青》で、奥間くんは結局行動を共にするようになるわけだけど・・・ラノベでは『いでおろーぐ!』と似たような構図の設定。テーマがエロに変わっただけのこと。
タイトルに反して下ネタのオンパレード。公序良俗を守る先頭に立つアンナ生徒会長がいちばんエロイというのが、このラノベの妙というところ。最後まで不破氷菓の立ち位置がよくわからなかった。

BOOK「ストライク・ザ・ブラッド APPEND 1 人形師の遺産」

ストライク・ザ・ブラッド
APPEND 1 人形師の遺産

三雲岳斗著
イラスト:マニャ子
(電撃文庫:amazon:570円)
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これまで、このシリーズは本編だけで短編集などはなかったけど、これは初の連作短編集。アニメのDVDの特典として書かれた短編を加筆修正したものらしい。「1」とナンバリングされているので、続巻があるのだろう。基本が短編集なので、絃神島や魔族、第四真祖、獅子王機関などなど、最小限とはいえ説明が繰り返されるので、読んでいてテンポが悪い。あとがきによると、アニメ購入者にこういう世界観やらなにやら、情報を保管するために書かれたとのことで、説明の繰り返しは意図的なことだった。
舞台はいつもの絃神島だけど、時期はかなり遡って・・・ロタリンギアの殲教師オイスタッハとの戦いの直後。まだ登場人物が少ない時期なので、動きがシンプルでわかりやすい。アスタルテは那月ちゃんのアシスタントに収まっていたけど、そのアスタルテと第四真祖・古城くんを、暴走した生体人形・スワニルダが襲う・・・というお話。でも、古城くんは雪菜とイチャイチャしてばかりで、たいした働きはしていない。敵がたいしたヤツではなかった上に、主要メンバーが総出でフルボッコにした感じだから^^;;
短編集とはいえ、連作でちゃんとストーリーがあるので、それなりに読んでいられるレベルだった。

BOOK「新生魔王の女神狩り 史上最強の快楽スキルで、奪われた世界を取り戻す」

新生魔王の女神狩り
史上最強の快楽スキルで、奪われた世界を取り戻す

是鐘リュウジ著
イラスト:にろ
(ファミ通文庫:amazon:622円)
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読み続けられる新シリーズ候補として、これを読んでみることにした。エロ系のファンタジー。
最近、幼女ものが流行っているのか、冒頭から幼女が出てきてエロ全開で・・・ラノベのレギュレーションでこれはセーフなんだろうか? 一応、人間ではなく堕天使で、100年以上生きているわけだけど・・・。しかもこれ、ファミ通文庫だよな? 本当にファミ通文庫なのか、思わずネットで確認してしまった。
女神に封印された魔王ジュノが、堕天使の幼女・リリスたちのおかげで、人間の身体を得て復活。魔王が封印されていた300年、残りの魔族は女神王「ヴィーナス」の配下、六芒の女神のひとり「アルテミス」の王国の片田舎マカイノ村に隠棲していた。その魔王が、最強の快楽魔法「魔導調律」で女神たちを打ち倒していくというお話。
読みはじめたときの印象では、早い話が女神たちを次々と陥落させていくという流れ。まず最初は、第四王女のスピカを陥落させ、魔族として配下に加え、あっという間に女神アルテミスまで。ふつうにハーレム化の一途をたどりはじめた。
それにしても・・・重ねて書くけど、本当にこれ、大丈夫なんだろうか? 全編がエロというわけではないけど、「亀●」「●茎」「射●」とかいう単語を伏せ字なしでふつうに使っている。単語こそ使っていないけど「手●キ」「パ●ずり」「飲●」「フェ●チオ」といった、挿入以外のことをすべてやっている・・・ちゃんと描写している。ファミ通文庫のガイドラインって、どうなっているんだろう?

BOOK「絶対彼女作らせるガール! 2」

絶対彼女作らせるガール!
(第2巻)

まほろ勇太著
イラスト:あやみ
(MF文庫J:amazon:626円)
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さて、読み続けるか切り捨てかの判断のしどころ、真価が問われる第2巻。
「女神スイッチ」が入ってしまった白星さんが、亀丸くんに彼女ができるまでの「練習彼女」になった。おかげで、亀丸くんへの周囲からの風当たりは強い。そんなせいで、亀丸くんは、学園祭のミスターコンのクラス代表を押しつけられてしまった。・・・7月はじめに学園祭がある設定は珍しいかも。
天然の白星さんは声援してかき回すだけ。実際は猪熊みりあと鷹見エレナが、なんだかんだ亀丸くんを支援して、どうにかしてしまうという展開。その結果、亀丸くんに少しずつ男子力を向上させていく・・・。ここに新キャラの鶴姫愛梨が加わった。名前でいえば、鶴亀でちょうどカップリングできるけど・・・。さらに、転校生・蛇乃目杏南・・・猪熊さんと敵対するキャラとして登場はしたけど・・・。前巻で亀丸くんがフラれたはずの獅子神玲花生徒会長にも妙なフラグが立っているし・・・これじゃ、ハーレム一直線じゃないか。一気にヒロインが増えたけど、この巻は猪熊さんと鶴姫さんのターンだった。ということは、次巻があるとしたら、鷹見さんのターンなのだろう。
それにしてもこじらせたキャラばかり登場するなぁ。まあ、キャラはともかく・・・意図的なものは感じるけど、全体的にヒロインたちのネーミングセンスが酷すぎじゃないか。

BOOK「最強同士がお見合いした結果」

最強同士がお見合いした結果
菱川さかく著
イラスト:U35
(GA文庫:amazon:610円)
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評価が固まるまで、4、5巻出るのを待つという手もあったけど、「お見合い」という新手の設定に惹かれて読んでみることにした。
長年、戦争を繰り返してきたアスキア共和国とイグマール王国。第三のギルガンディア帝国が勢力を伸ばしてきたため、やむなく両国は停戦し、密かに同盟を結ぶこととなった。そのため、エスキア最強の剣士『獄炎帝』アグニスと、イグマール最強の魔術師『氷結姫』レファがお見合いをして・・・どちらが相手を凋落させるか。言い換えれば、お見合いの名を借りた戦争。しかし、お互いに、戦いばかりに明け暮れていたため、まったくの恋愛音痴。
まあ、初期設定だけは面白そうな気配があったけど・・・結局、コミュ障のひきこニートのラブコメと全く同じ。見合いやデートのチープな展開・・・さらに加えて、幼いときの約束・・・結婚の約束ではないけれど、「最強」になろうと約束を交わしていたという因縁が明らかになったりして、どんどん陳腐化していって、これといったこともないままに終わった。
続巻が出るのかどうかは知らないけど・・・この先、この小説が面白くなるとも思えない。ひとつだけ誉めておくと、挿絵はキライではない。

BOOK「上等。シリーズ 2 バレンタイン上等。」

上等。シリーズ 2
バレンタイン上等。

三浦勇雄著
イラスト:屡那
(MF文庫J:580円+税)
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「××上等。」というタイトルなので、カテゴリー分けをするとき、各巻が分散しないように「上等。シリーズ」の「ジ」で「サ行のラノベ」に分類している。たまにこういう面倒なタイトルのラノベがあるんだよなぁ。「古典部シリーズ」とか。
第2巻は新春の初詣から。こういうスーパーヒーローは、どんな怪我でもすぐに回復してしまうものだけど、鉄平くんはじっくり入院していた。「内世界」のテレビ番組といった設定は前巻同様で、今回は《バレンタイン交流企画『あなたのハートをゲットです』・・・鉄平とゆかりが通う羽原羽高校と女子校の百合百合学園の合同授業イベント。第2巻目だから、ぬるい設定に転んだのかと思った途端に爆弾テロは発生。
槍ヶ岳さんのテレビ局、KOTO、そして異世界人・ハヤミマコトが三者三様に絡んでの展開なんだけど・・・なんか作りが粗い感じがして仕方がない。初期設定のいい加減さがそのまま続いているんだろう。なんとなく、このシリーズの方向性と着地点が見えてしまったような気がするし・・・たいてい、最後の結末は良い意味で裏切られることが多いけど。と、期待しておこう。
さて、次巻以降、霧島曜子はヒロインとしてレギュラー化するんだろうか?