BOOK「宮廷医の娘」

宮廷医の娘
冬馬倫著
イラスト:しのとうこ
(メディアワークス文庫:amazon:644円)
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中原国の都で、宮廷医を務める名門の娘・陽香蘭。幼い頃から医術に秀でていたが、いまだ医道科挙に合格できずにいた。新しくできた西洋医術による白蓮診療所が法外な報酬を得ているといううわさを聞いた。思わず、香蘭は抗議しにでかけたが、「医は仁」とする考えは、合理的な白蓮には通じなかった。さらに、急患への処置で、力量差を思い知らされてしまった。そして香蘭は、白蓮の弟子となった。なんとなく、白蓮は『ブラックジャック』を思い起こさせる。香蘭は『薬屋』の猫々を思わせるけど、猫々とは違うタイプの異常キャラ。
白蓮の医師としての実力は破格だけど、医道科挙に合格していないもぐりの医者。白蓮を正式な医師にして、後身の指導に当たらせる。そのため、香蘭が皇帝の妃になり、一気に実現する・・・香蘭はおかしなフラグを立ててしまった。
役人の取り締まり。ワイロを断ると嫌がらせがはじまったが、岳配という東宮の高官に助けられた。東宮と白蓮は「友人」だという。結果、香蘭は後宮で宮廷医見習いに出され、東宮妃・帰蝶の心の病を治すことなった。そのため、悪意ある噂を流した対立する貴妃を追放たが、状況は変わらず。さらに、東宮が賊に襲われ、奸臣・呂豪の悪事を皇帝に直訴。東宮暗殺未遂事件を解決に導いた。香蘭は、東宮の妃になって、フラグを回収するんだろうな。
白蓮は現代日本からの転生者らしい。医薬品も医療機器もない世界で、現代医学の治療を実現できるわけがない。薬草から薬を調合しているというけど、現代日本の医者には無理だろう。

BOOK「キノの旅 XI the Beautiful World」

キノの旅 XI the Beautiful World
時雨沢恵一著
イラスト:黒星紅白
(電撃文庫:550円+税)
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「つながっている国」・・・4年前に放置され、人が住まなくなった国。そこにただ一人、地下で隔離された生活を送る青年は、一見、ネットを介して外とつながっていたが・・・。まあ、引きこもって見たい情報にだけアクセスしている人たちを似たようなものか・・・。
「アジン(略)の国」・・・異常に長い国名の謎解きのようなお話だったけど、ついに作者がページ稼ぎに走ったのかと思ってしまった。国名ではないけれど、タイの首都バンコクの正式名称は異常に長い・・・タイ国民はみんな憶えているんだろうか?
「国境のない国」・・・シズは新大陸に渡ったけど、いまだ定住したい国には行き着いていない。ティーのためにも、早く良い国にたどり着いてほしいものだ。この巻はここに「あとがき」が挿入されていた。
「学校の国」・・・いつもの二泊三日の決まりを度外視して、5日間、師匠のすすめに従ってキノは学校に通った。爆発物の製造法を教えるテロリストの学校で、キノは爆弾づくりを習得した。
「道の話」・・・グローバリゼイションは発展への道か、亡びにつながる道か? 人は死ぬために生きているというのと同じような感じかな^^;
作者が飽きはじめたのか、「あとがき」でつまらない遊びをはじめてから・・・読んでいるこちらも飽きはじめてきた。続巻はしばらく放置してみようかな・・・。

BOOK「薬屋のひとりごと 9」

薬屋のひとりごと(第9巻)
日向夏著
イラスト:しのとうこ
(ヒーロー文庫:amazon:644円)
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壬氏が望む政治的立場を実現するために、猫猫は利用されている。もはや雁字搦めだ。ある意味で、壬氏と玉葉后がタッグを組んだわけだから、今後、玉葉后にも利用され、さらに深みにはまっていきそうだ。
正月休み。姚と燕燕が羅半の家に滞在することになった。猫猫は、時間を作っては壬氏の火傷の治療に通う。その間、羅門から医学を学ぶための試験・・・『華佗の書』を受け入れること。解剖くらい猫猫は平気だろうけど、姚と燕燕には覚悟が必要だろう。西都に再び赴く壬氏に付き添わなければならない猫猫は、外科技術を詰め込むべく家畜の腑分けに取り組む。・・・大むかし、学生時代の「法医学」の授業を思い出した。うへぇー。
壬氏の西都遠征に羅漢を加えるエサ・・・猫猫。そして馬家と羅家、濃すぎる陣容だ。やぶ医者を癒やし系に感じてしまうほどに^^; 雀さん、いいキャラなのに人妻じゃヒロインには数えられない。最初は亜南国に碇を降ろし、この巻では西都にたどりつこうとするところまで。
いまごろ、姚と燕燕はフタの腑分けの特訓でも受けているんだろうか。

BOOK「吸血鬼に天国はない 3」

吸血鬼に天国はない(第3巻)
周藤蓮著
イラスト:ニリツ
(電撃文庫:amazon:663円)
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シーモアが、バーズアイ姉妹を雇い入れ、H&F運送会社を設立して1ヵ月。ルーミーとも恋人という感じにはならず相変わらずな日々。
そんなとき、ブライアン・コスナー刑事の娘エマが死神に攫われ、ブライアン刑事からシーモアへ、「ボーデン家の死神」を捕まえるためのなかば強制的な依頼。た。一方、ルーミーには、殺人株式会社のクラウディアから死神捜索の脅迫めいた強制的な命令。シーモアとルーミー、お互いに内密に死神捜索に動きはじめた。
ルーミーはさすがに吸血鬼、すぐに死神を見つけてしまった。でも、言い訳レベルで動いただけで、死神を本気で捕まえる気はない。シーモアには、死神の方から会いに来た。シーモアを殺すために・・・でも、半分人外のシーモアは殺されずに済んだ。誘拐された被害者であるエマが、産まれながらの殺人者として覚醒した。
夜の町に出現した人型の黒い霧・・・人々が願う「死神」の誕生。シーモアは全てを理解してしまった。そして、解決へと動く・・・。
ふと思ってしまった。多くの人々の願望が現実を書き換え、有らざるものを生み出すのだとしたら・・・現代日本には、魔法少女とか、エルフやドワーフ、ドラゴンとか、いっぱい産まれてくるんじゃないか。

BOOK「薬屋のひとりごと 8」

薬屋のひとりごと(第8巻)
日向夏著
イラスト:しのとうこ
(ヒーロー文庫:amazon:594円)
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羅漢が以前言っていた囲碁の本ができあがった。このところ、羅漢の登場回数が増えた。
壬氏の執務室には馬閃の兄・馬良と姉・麻美が文官として加わり、仕事の効率を向上させた。馬一族、それぞれ有能だけどなかなかユニークだ。そんな折、国内でイナゴの害が発生しはじめた。そして、羅漢・羅半が企画した囲碁大会のせいで、囲碁がブームとなった。
猫猫は姚と燕燕と親しくなり、医局でけっこう楽しく過ごしていた。そこへ、玉葉后からの熱烈なリクルート。壬氏の求愛といい、猫猫にモテ期が来ているらしい。
囲碁大会は、羅漢に恨みを持つ者と勝ちたい者で盛況。「漢羅漢に碁で勝ったら、一度だけ願いを聞いてもらえる」という副賞がついている。そこに壬氏が参戦して、羅漢に貸しを作ろうとするけど・・・。
さらに壬氏が帝と玉葉后の前で勝負に出た! 前巻、壬氏はほとんど出番がなかったけど、ここに来て猛烈に動いた。ちょっと狂気を感じさせる手だけど、囲碁でもこんな手が打てれば・・・。でも、これって反則だと思う。こんな秘密を知っている猫猫って、ふつうなら瞬殺で処分されるはず。

BOOK「キノの旅 X the Beautiful World」

キノの旅 X the Beautiful World
時雨沢恵一著
イラスト:黒星紅白
(電撃文庫:570円+税)
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巻頭口絵の「ペットの国」。キノのことだから食べるんだろうなと思ったら、ふつうに食べた。ペットはエルメスだけで十分なのだろう^^;;
「インタビューの国」「ホラ吹き達の話」と2話続き、「保護の国」は読みながら某国の人たちのことを思い浮かべたけど、どこの国かは書かないでおこう。時雨沢恵一の思想性はなんとなく想像がつくので、たぶん間違えではないと思う。
「電柱の国」は読む前は八王子のことかと思ったけど違った。「こんなところにある国」を挟んで、「ティーの一日」はシズの方のお話。ティーが手榴弾好きだからといって、グルネードランチャーとはどうなのか? まあ、ティーが元気にしていてなによりだ。「歌姫のいる国」は久しぶりに読み応えのある短編だった。
前巻から、おかになメタな仕掛けをはじめたけど・・・本当にネタ切れなんじゃないかと思う。作者なりに楽しんでの仕掛けだろうけど、ラノベ的に楽しいかというと、ぜんぜん関係ないとおもう。

BOOK「薬屋のひとりごと 7」

薬屋のひとりごと(第7巻)
日向夏著
イラスト:しのとうこ
(ヒーロー文庫:amazon:594円)
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西の国の元特使・愛凜が亡命してきて、中級妃として後宮に入った。その影響で、高順が猫猫に医官(医官に仕える官女)になるよう強要した。壬氏、玉葉后、主上の推薦状付きで。猫猫が不在となる花街の薬屋は、克用が手伝うことになった。
武官がいる東側の医局に配置されたが、そこは羅漢の出没地帯。医局では姚と燕燕という同僚ができたが、羅半の画策に付き合わされていく。猫猫もさっさとデレて、壬氏とくっついてしまえば、こんな厄介ごとに巻き込まれずに済むものを・・・。
猫猫たちが医官付きの官女にされたのは、東宮のお披露目に合わせてやってくる西の国・砂欧の巫女を診察するため。背後に愛凜、白娘々と政治的な関係があるので面倒くさい。そこに羅漢がしゃしゃり出て・・・。久しぶりに本格的な「毒」が盛られた。猫猫が生き生きしている。
姚と燕燕、猫猫とずいぶん親しくなった。次巻以降も出てくるようだし、しばらく猫猫は官女生活を続けるようだ。この巻、ほとんど壬氏が出てこなかった。猫猫の婿候補としてだけの存在に成り下がったか?