BOOK「トップ専門医の「家庭の医学」シリーズ スーパー図解 坐骨神経痛」

トップ専門医の「家庭の医学」シリーズ
スーパー図解 坐骨神経痛
原因を見極め、不快な症状を解消する

久野木順一著
(法研:1,300円+税)
※古書を購入

暖かくなったにもかかわらず、腰痛と坐骨神経痛がぜんぜん改善しない。痛み止めのお陰で、日常生活はどうにかなっているけど、ちょっと出歩くとかなりキビシイ。こういう本を読んだからといって、症状が改善するわけではないけど・・・つい、なにかのきっかけになるのではないかと・・・。
この本、脊柱管狭窄症や坐骨神経痛になったばかりの人には、入門書として良書だと思う。医者に診察を受ける上で、検査法だけでなく検査への備えなども幅広く紹介していて、読んでおくと安心できるないようだと思う。ただ、感染症のように全く予備知識もないまま、ある日突然という人は少ないだろうから・・・診断を受けたときには、検査は済んでいるだろうけど。まあ、その後の治療法、手術なんかも紹介しているから、基本的な知識は一通り網羅されている。

BOOK「免疫と「病」の科学 万病のもと「慢性炎症」とは何か」

免疫と「病」の科学
万病のもと「慢性炎症」とは何か

宮坂昌之・定岡恵共著
(講談社ブルーバックス:amazon:1,188円)
※Kindle版を購入

積極的に長生きしたいとは特別思っていないけど・・・こういう本があると、つい読んでしまう。「慢性炎症」なんて、いつも身近に感じていることだから。
前半分は炎症と免疫の仕組みの解説。ここでいう「慢性炎症」は一過的な腫れや発熱などを伴う炎症ではなく、自覚症状もなく何週間も続く炎症のこと。この炎症が、肥満・糖尿病、脂質異常症、心筋梗塞、脳梗塞、肝炎、肝硬変、アトピー性皮膚炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺繊維症、間接リウマチ、老化、認知症などなど、様々な病気を引き起こすという。たしかに、わたしは子どもの頃、喘息やアレルギーに苦しみ・・・いまのように医療が進歩していなかった時代から、体質改善だの、アレルギー治療だのと、免疫系にごにょごにょする治療をたくさん受けた。その結果、いまでも生きているわけだけど・・・いろいろ思い当たることがたくさんある。
そして後半、その診断法や治療法などの解説があり、日常的に気をつけることが書かれていた。でもなあ、それが貝原益軒の『養生訓』を引用し、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とは・・・。そのあげくに、禁煙、節酒、食生活の見直し、運動、適正体重の維持などなど。まあ、そうなんだろうけどさぁ・・・。

BOOK「寿命はどこまで延ばせるか?」

寿命はどこまで延ばせるか?
池田清彦著
(PHPサイエンス・ワールド新書:800円+税)
※古書を購入

生命の誕生から進化、代謝、老化などといった生命科学全般で寿命について説明し、なかなか読み応えがある本だった。
不老長寿というと・・・ライトノベルの異世界ファンタジーなどに登場する「エルフ族」を思い出したりするけど、不老長寿の社会というのはラノベでもあまり詳しくは描かれていないと思う。この本はちゃんとした科学の本ではあるけど、寿命が120歳まで延びた社会について、思考実験で考察している。この視点はちょっと珍しいかもしれない。
そもそも、長寿が人間にとって幸せなことなのか、喜ぶべきことなのかは一概にはいえない。誰もが長寿になれるのか、限られた人の特権なのかにもよるし、どんな世の中でどんな生き方が出来るかにもよる。その意味では、生物学的にどれだけ寿命を延ばせるかよりも、長生きしたいと思えるような世の中を実現し、維持できるかのほうが重要なのだろう。
いま現在だって、先進国と後進国では寿命の格差があって、日本は先進国で、その中でも長寿国だから、いまの幸せが一日でも長く続けばいいなと思うのだろうけど・・・でもやがて、日本がジジババばかりになったとき、みんなつぶやくんだよ、「むかしは良かったなぁ」って^^;; そうなると、なんのための長寿なのかわからなくなってしまう・・・。

BOOK「世界は「ゆらぎ」でできている 宇宙、素粒子、人体の本質」

世界は「ゆらぎ」でできている
宇宙、素粒子、人体の本質

吉田たかよし著
(光文社新書:740円+税)
※古書を購入

物理学から医学に転進した著者による「ゆらぎ」研究の一般向け入門書。この著者の本を読むのは3冊目。
前半は物理学。物質のゆらぎ、量子のゆらぎを通して、量子力学、素粒子の標準模型、超ひも理論や宇宙論、ダークマターなどを解説している。数式を使わず、イメージ的に思い描くレベルで非常にわかりやすい。概要だけを知りたい人には、とれもわかりやすい本だと思う。
この本は「ゆらぎ」が主役なので、途中で「フラクタル幾何学」「複雑系」なんていうものが出てくる。さすがに、この部分だけはちょっと難しい^^;;
後半は医学。自然界と人体に関するゆらぎについてのお話。医学・生理学分野でも、ゆらぎが研究ターゲットであることは納得できたけど・・・ちょっと歯切れの悪い言い回しが増えたような気がする。こういう説があるとか、こういう研究結果が発表されたという感じで、断定的な表現ではなくなっている。その分、ちょっと納得しづらい点が多かった。
それでも・・・本筋ではなくチラッと触れられていただけだけど、二次元美少女の目が大きく書かれている理由って、そういうことだったのか。これは瞬時に納得した。

BOOK「新薬に挑んだ日本人科学者たち 世界の患者を救った創薬の物語」

新薬に挑んだ日本人科学者たち
世界の患者を救った創薬の物語

塚崎朝子著
(講談社ブルーバックス:900円+税)
※古書を購入

本庶佑先生がノーベル賞を受賞すると発表されたとき、すぐに著書を探したら・・・関連しそうな書籍に上がっていたので、その内読もうと購入しておいた。著者の塚崎朝子の『世界を救った日本の薬 画期的新薬はいかにして生まれたのか?』は、読みやすい本だったし。この本の方が、少し難解で読みにくい。
わたしは人生を通して不健康な生活を続け、中年になって以降は文字通りに不健康な身体になった。だから、毎日たくさんクスリを飲んでいて、この本で紹介されているようなクスリも飲んでいる。深々と感謝!^^; その内、実際に飲んでいるクスリが、ここで紹介されているものか調べてみようと思う。この辺、薬品名と製品名が異なるので、ちょっと面倒くさいけど、ちゃんと公表されているからすぐにわかるはず。
創薬の分野では、日本の存在感が薄く、製薬メーカーも欧米に押されているという印象を持っていた。事実その通りなんだけど、日本の研究者もたくさん活躍していて、最近は大村智先生、本庶佑先生と続けてノーベル医学生理学賞を受賞するなどして、嬉しい限りだ。

BOOK「現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病」

現代免疫物語beyond
免疫が挑むがんと難病

岸本忠三/中嶋彰著
(講談社ブルーバックス:1,080円+税)

本庶佑先生がノーベル賞を受賞すると発表されたとき、すぐに購入した。大阪大学の先生とジャーナリストが書いた本で、タイトルからして、がんの免疫療法に関しての本だとわかるけど、第4章「免疫チェックポイント分子の物語」に本庶佑先生の研究が紹介されている。
印象的だったのは・・・「オプジーボ」の欧米で行われていた臨床試験の途中で、第三者委員会から臨床試験の中止が勧告されたこと。二重盲検法・・・新薬が与えられた半数の内70%が助かり、残りの半数はバタバタと死んでいくのは、あまりにも非人道的だと。なるほど、すごい逸話ではあるけど・・・「オプジーボ」が日本で承認されたのは2014年7月、アメリカはその約半年後に承認したわけだけど・・・日本では二重盲検法による臨床試験が最後まで行われた(?)んだろうな・・・この本には何も書いていないけど・・・。

BOOK「ゲノムが語る生命像 現代人のための最新・生命科学入門」

ゲノムが語る生命像
現代人のための最新・生命科学入門

本庶佑著
(講談社ブルーバックス:940円+税)

今年、ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶先生の著書。受賞のニュースで見て、その10分後にamazonで注文したけど、早くも在庫切れで、手元に届いたのは10月20日だった。
特にノーベル賞を受賞した研究について解説した本ではなく、分子細胞遺伝学、ゲノム工学、生命科学全般をゲノムの視点から解説している。
今回のノーベル賞につながる免疫やガンに関する記述もあるけど、かなり基本的な内容。がんの免疫療法については「抗PD-1抗体によるガン治療の仕組み」という図を載せ、ものすごくあっさりと解説されているだけだった。
2013年に出た本なので(これは第5刷)、免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ)が薬事承認される直前の段階。日本とアメリカで良好な治験結果が出ているから、やがて承認されるだろうとしか書かれていない。でも「やがて多くのガン患者に福音をもたらす」と、自信があったことはうかがえた。