BOOK「同じ一つのドア」

the_same_door同じ一つのドア
ジョン・アップダイク著
翻訳:宮本陽吉
(新潮文庫:不明)
※古書を購入

カバーがついていない文庫本の古書だったので、販売時の定価は不明。ネットで探したカバー写真に見覚えがあるので、高校時代に読んだのはこの新潮文庫版だろうと思う。
今回、改めて読み返してみて、こんなに読みにくい訳だったかと驚いた。高校時代のわずかな小遣いで本を買っていたのだから、書店で中をチェックしていたはずなんだけど、よくこの本を買ったものだと思う。まあ、当時は、老眼鏡なしで読めたから、いまよりは読みやすかったのだろうけど^^;;
16編の短編が収録されているけど、どれもこれも、ふーん、という感じ。濃淡がないお話というか、最後にだからどうした?といいたくなるような短編ばかりに感じた。高校時代に読んだときは、もう少し面白いと思ったはずなんだけどな。アップダイクは、長編小説「走れウサギ」をはじめ、かなりまともな小説だという記憶があるんだけど・・・。
高校時代、いつノーベル文学賞を受賞してもおかしくないといわれていたけど・・・ン十年も万年候補で、結局、ノーベル文学賞をいまだに取れないのも納得がいく^^;;

BOOK「ジェーン・エア 下巻」

jane_eyre02ジェーン・エア(下)
シャーロット・ブロンテ著
翻訳:大久保康雄
(新潮文庫:710円+税)
※古書を購入

はじめて「ジェーン・エア」を読んだのは高校時代のこと。読み終わった後、同級生の女子に貸したことがある。
本を返してもらうとき・・・財産をなくし、視力と片腕をなくした年長の男性と結婚までするのは、ある種の「狂気」だよねと言ったら、彼女は純愛として感動していたらしく、言下に否定されたことを思い出した^^;;
詳しくは思い出せないけど・・・この「ジェーン・エア」は、不細工な女性をヒロインにして世界的にヒットした希有な恋愛小説だということは、たぶん、言わなかったと思う。その同級生とは、その後も何冊か本の貸し借りはしたし、卒業するまでふつうに仲良くしていたから^^;;

BOOK「ジェーン・エア 上巻」

jane_eyre01ジェーン・エア(上)
シャーロット・ブロンテ著
翻訳:大久保康雄
(新潮文庫:710円+税)
※古書を購入

古本屋で見かけて・・・新潮文庫版ではないけれど、高校時代に読んだことがあるのを思いだし、懐かしさで購入してしまった。当時はこういう恋愛小説も読んでいたのかと、我ながら驚いた。そういえば、シャーロット・ブロンテの妹、エミリー・ブロンテの「嵐が丘」も続けて読んだはず。その頃、創刊間もなかった中公文庫を片っ端から読みあさっていただけだと思うけど・・・。
当時は、ふつうに恋愛ものとして読んだのは間違いないけど、この小説が出版された当時、身分を超えての自由恋愛や女性からの告白など、社会的にはあり得ない時代だったことは、恋愛脳だった同級生の女の子に聞いたように思う。
今のライトノベルなんかでは、ご主人様とメイドが対等に恋愛するし・・・逆にお嬢様のヒロインが途中でメイドになり、付加価値がついたりするんだけど^^;;

BOOK「さようならコロンバス」

goodby_columbusさようならコロンバス
フィリップ・ロス著
翻訳:佐伯彰一
(集英社文庫:495円+税)
※古書を購入

フィリップ・ロスの小説は「ポートノイの不満」「乳房になった男」あたりを読んだことがある。「さよならコロンバス」という書名も知っていたけど、読んだ記憶がなかったので、古本屋で見かけて購入した。
読みながら、なにかモヤモヤしたものを感じはじめ、あるシーンで過去に読んだことがあると思い出した。ニールとブレンダが喧嘩するシーン。高校時代、「ペッサリー」とはなにかわからず・・・でも、なんとなく想像はついたので、家庭の医学で調べた記憶がある。
高校のとき、この小説を青春小説として読んだか、恋愛小説として読んだか曖昧だけど・・・今回読み返して、なんか重苦しくて暗い印象を感じた。この当時、アメリカは絶頂期ともいえる時代で、もっとキラキラと希望に満ちた青春像が描かれても良さそうなものなのに。

BOOK「アメリカ」

america_kafkaアメリカ
フランツ・カフカ著
翻訳:中井正文
(角川文庫:705円+税)
※古書を購入

この前、「変身」を読んで、カフカはもう止めておこうと思いながら、古本屋で見つけてしまい、つい読む気になってしまった。
カフカの小説は「不条理」に満ちていて、ストーリー展開や辻褄の合った思考、あるいは会話では成り立っていない。さらには、結末がなく未完である作品も多い。でも、なんとなく言わんとしていることはわかるし、何を描きたいのかも伝わってくる。その意味では、この「アメリカ」は比較的理解しやすい。固定され、閉鎖された保守的なヨーロッパに対する新天地としてのアメリカ・・・。自分を認めなかった社会への反目。
カフカを熱心に読んだのは高校から大学時代、いまから30年以上むかしのことだけど、当時はこの不条理の中になにかすごいことが隠されているんじゃないかという思いがあった。
で、ひとつ思い出したことがある。・・・不条理ものを読むのは止めようと決めたこと^^;;

BOOK「変身」

henshin変身
フランツ・カフカ著
(新潮文庫:amazon:320円)
※Kindle版を購入

高校時代に読んだのだけど・・・今となっては・・・朝、目が覚めたら自分が一匹の毒虫になっていた、という冒頭の部分しか思い出せない。
ラノベばかりで読まないで、少しはまともなものを読んでみようかという気分になって、amazonでKindle版を漁ってみたら・・・若かりし日に読んだちょっと古い海外文学や哲学書・・・アメリカ文学やヨーロッパ文学はほとんどKindle版になっていない。日本の海外文学に対するニーズってこんなものなのか。こういう本こそ、ロングテールで売っていくべきだと思うのだが・・・?
そして、このカフカの「変身」が電子書籍化されていた。感想としては・・・この本を読んだ高校時代から35年以上が過ぎて・・・明日の朝、目覚めたときに毒虫に変身していてもわたしは驚かないな。なぜなら、わたしはすでに毒虫以下の何かになり果てているから^^;;

BOOK「長距離ランナーの孤独」

choukyoriranna-nokodoku長距離ランナーの孤独
アラン・シリトー著
翻訳:丸谷才一、河野一郎
(新潮文庫)
※古書を購入

8編を収録した短編集。全体を通して描かれているのは、若者たちの怒り。
日本での全共闘世代は若者の怒りを爆発させはしたけど、なにひとつ成果は得られないまま最終的には権力側に下ることになった。欧米でも似たようなものだけど、「ポスト・いちご白書」世代の若者たちの怒りはくすぶり続けていたらしい。
日本ではもうじき18歳参政権。世界の潮流だし、少子高齢化だし、自然の流れではあるけど・・・言ってみれば、「そのうち18歳から国民年金に加入させるぞ、年金払えよ! 投票権があるんだから、財政赤字のツケも一緒に払うんだぞ!」という意味に過ぎない。その先に徴兵制まであるのかはわからないけど、負の遺産を押しつけられるであろう日本の若者は、もう少し怒っても良いと思うんだが・・・。

BOOK「宙ぶらりんの男」

chuuburarin宙ぶらりんの男
ソール・ベロー著
(太陽社)
※古書を購入

高校時代に読んだ本を、わざわざ古書を探して読み返した。たしか、高校2年のとき、同級生のIくんが勧めるので借りて読んだのだけど、はじめて現代アメリカ文学を読んだのではっきりと記憶している。
当時はまだ米ソ冷戦時代で、アメリカはベトナム戦争の最中だったと思う。アメリカにはまだ徴兵制が残っていて・・・60年代の安保闘争に間に合わず、70年安保闘争にも間に合わなかったわたしらの世代が、近い過去をある種の憧憬を抱えながら読んだ本の内の一冊だ。
安倍首相が憲法改正の後、徴兵制をもくろんでいるのかは知らないけど、なんか世の中がきな臭くなってきた現在、徴兵制を他人事と見て見ぬ振りが出来ない時代になりつつある日本。やはり、高校時代と現代では読み方も感じ方も違う。
国際状況、戦争のあり方、国民の考え方の変化等々、異なる点は多々あれど、でも、いちばん変わったのは、私自身の年齢だと思う。もう、徴兵制があってもわたしは戦争にかり出されない年齢になった。むしろ、若者たちを戦場に送り出す世代。高校生ははるか昔のことだ。当然、読み方も違ってくるわけだけど、それが良いことなのか悪いことなのか・・・。BLOGに真剣な感想など書きたくないので、このお話はここまで。