BOOK「まおゆう魔王勇者 ②忽鄰塔の陰謀」

まおゆう魔王勇者
②忽鄰塔(クリルタイ)の陰謀

橙乃ままれ著
(エンターブレイン:1,200円+税)
※古書を購入

魔王が不在の状況下・・・魔王のお陰で豊になろうとしている南部諸王国を、大陸中央国家と聖光教会は快く思わず、過激に対立を深めた。一方、商人組織・同盟は大規模な穀物の買い占めを行い、大陸中央で激しいインフラを引き起こしていた。
アニメ化されたお話はこの巻の前半部分まで。魔界の動きなど、アニメとは違う展開を見せている。小説が今後続いていくための設定は・・・蒼魔族が大陸中央・教会と手を結び、魔界の権力闘争へと・・・。
相変わらず会話のみで書かれているけど・・・いろいろ状況が変化し、動きも出てきたせいで・、思い切り説明口調の部分と簡単なやりとりだけの部分が極端になってきた。本来なら詳細に描かれるべきシーンを思い切って一切描かないという手法で、がんばっているとは思うけど、会話だけで説明するのは難しいところもなくはない。
ここまで、文庫本換算なら4巻分くらいだろうけど、話が急展開で進んできたので、少し中休みを入れての温泉回まで入っていた。そういえば、魔王、女騎士、女魔法使い、メイド長、メイド姉妹と、ハーレム化?も進んできたことだし・・・。サブタイトルの「忽鄰塔」が出てくるのは最後の方だけ。・・・魔界って、人間界より民主的だな。

BOOK「まおゆう魔王勇者 ①「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」」

まおゆう魔王勇者
①「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」

橙乃ままれ著
(エンターブレイン:1,200円+税)
※古書を購入

以前、アニメを見ていたので、内容は知っているけど・・・原作らしき本が出ていたので全5巻セットで購入した。最初に中を開いて少し驚いた。すべて会話ばかり・・・ト書きのない戯曲のよう。馴染みはないけど、ネット小説の標準形のひとつではある。さらに、かなり頻繁に用語解説が付いていて、ちょっとだけ参考書のような雰囲気もある。
戦争を続ける人間と魔族。その代表である勇者が、魔王の元にやってきて・・・経済学者である魔王の説明に納得し、魔王と勇者がお互いに所有し合うという契約を結んだ。そして、農業改革の実験・・・馬鈴薯の栽培と四輪作の普及・・・寒冷地の食糧事情を改善する新たな農業を広めるため、人間界の開拓村の屋敷で共に暮らしはじめた。その目的は、魔族と人間との間の戦争の終結。
それにしても、会話だけでよくここまで書けるものだ。人間界で学士として活動する魔王、黒騎士として魔界に出かけた勇者、「同盟」の商人たち、魔界に戦争を仕掛ける国王たち・・・会話だけを読んでいるわたしの頭の中では、アニメの魔王と勇者が動いてはいるわけで、わかりにくい部分がぜんぜんない。
アニメでもそうだったけど・・・メイド姉が魔王の身代わりとして捕縛されたときの演説は、ちょっと感動するものがある。

BOOK「物語シリーズ 24 宵物語(ヨイモノガタリ)」

物語シリーズ 24
宵物語(ヨイモノガタリ)
西尾維新著
イラスト:VOFAN
(講談社BOX:1,300円+税)

「モンスターシリーズ」の第2巻なので、時間軸的には前の『忍物語』の続き。決死にして必死にして万死の吸血鬼デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターの「木乃伊事件」の直後のこと。全体的には北白蛇神社の神様になった八九寺ちゃんの仕事ぶりについてのお話。でも、八九寺ちゃんと阿良々木くんとのからみがなくて物足りなかった。
直江津高校三年の日傘星雨・・・元バスケ部員で神原駿河の同期。知り合って最速で阿良々木くんの部屋に上がり込んだ女子。木乃伊事件のとき、女子高生の秘密満載の名簿を渡した恩人・・・日傘ちゃんがレギュラー化するらしい? そして、みとのんは姿を見せるんだろうか?
日傘ちゃんが持ち込んだ「友だちの友だちの妹が誘拐された事件」・・・大学生になっても、すぐに顔を突っ込む流れらしい。今回は阿良々木くんが暴走する動機がよくわからなかった。ガハラさんは、「阿良々木暦だから」という理由で納得しているようだけど、100パーセント完全に阿良々木くんのお節介。誘拐された女児・紅口孔雀、その義姉の雲雀・・・阿良々木くんの好みそうなキャラだけど、こちらも再登場はあるんだろうか?
このシリーズには破綻した家庭が良く出てくる。戦場ヶ原家、羽川家、老倉家・・・そして紅口家。ある意味、神原家と千石家も破綻といえば破綻している。そういう過程で、歪んでいった人間性の歪みが怪異との接点になってしまうのか・・・。
次は千石撫子のターンらしい。

BOOK「ミリオタJK妹! 異世界の戦争に巻き込まれた兄妹は軍事知識チートで無双します」

ミリオタJK妹!
異世界の戦争に巻き込まれた兄妹は軍事知識チートで無双します
内田弘樹著
イラスト:野崎つばた
(GA文庫:amazon:620円)
※Kindle版を購入

最近、よく見かける異世界転生もの。ラノベ作家の兄・焼野が原宗也とブラコンの妹・みぐ=軍事オタク兄妹(血縁はない)が、異世界に召喚されて、近代戦の知識を活かし、絶滅寸前の人類国を見事勝利させるというお話。チート能力の代わりに、宗也の軍事知識とみぐが持ち込んだ武器(弾薬は消費されないご都合主義の設定)で無双するという設定。
召喚時点での戦況は最悪。王都は数万の敵に完全包囲され、自軍の主力軍は壊滅、わずかに近衛兵が500人ばかりが残るだけ。それを策略や奇策で撃退するわけだけど・・・機転が利くというわけで、あまり軍オタとは関係がないような気もする。そもそもツッコミどころがありすぎるけど、こういう軍オタものでは気にしてはいけないことらしい。作中にそう書いてあった^^;
いまの日本のこじつけた「平和主義」のような設定が邪魔して・・・軍オタ・無双というジャンルに期待する・・・レベル上げとか装備とか関係なく、問答無用に勝ちまくるような爽快さはぜんぜんなかった。都合の良い幸運に恵まれて、かろうじて敵を退けたという印象しかない。

BOOK「もののけスレイブ! ドSな元悪魔とドMでケダモノな彼女達に出会って僕の青春が穢されていく」

もののけスレイブ!
ドSな元悪魔とドMでケダモノな彼女達に出会って僕の青春が穢されていく
山口五日著
イラスト:織澤あきふみ
(オーバーラップ文庫:amazon:590円)
※Kindle版を購入

主人公の暮井竜太は、幽霊が見える特殊な体質。新しい高校に転入早々、クラスメイトの元悪魔の女子高生・璃莉栖有紀寧の奴隷にされてしまう。タイトル通り、「もののけ」ものなので・・・同じく奴隷の同級生でドMな大山紅は人間ではなく「雷獣」だという。・・・で、結局、有紀寧に言われるがままに、乗馬鞭を振り回して妖怪退治の訓練・・・。咲山さんという幽霊なんかも登場したけど・・・全員エロキャラにもかかわらず、誰一人として魅力を感じないキャラだなぁ。特に紅はダダすべりだな。イラストもパッとしないし・・・。
前半、主人公の竜太のキャラが定まっていないというか、訳がわからない感性をしていて、時々読みながらイラッとする。混乱して冷静さを書いているかと思えば、エロ妄想に入ったり、突然おかしなボケをかましたり、妙な正義感出したり・・・。後半はキャラが定まってきたけど、奴隷なのにツッコミ役っていうのは・・・わがままヒロインに振り回される在り来たりのラノベとなんら変わらない。エロ系のお話にしようとして、いろいろこねくり回したあげくに、エロが空回りしてしまったというところだろうか。
結局、最後まで読んでも、何をどうしたいお話なのかがぜんぜん見えなかった。

BOOK「魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。」

魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。
手島史詞著
イラスト:玖条イチソ
(GA文庫:amazon:610円)
※Kindle版を購入

ちょっと変わった設定の日常ファンタジーラブコメのようだったので、読んでみることにした。
人間なのに、魔王軍の幹部をやっているカズキ。魔王の娘アストリッドのコミュ障を治すリハビリのために、人間の村でのんびり一緒に暮らすことになった。ただし、魔王の娘に手を出したら、間違いなく処刑されるという前提で・・・。二人は告白し合ってはいないものの相思相愛で・・・だから故の狂おうしいコメディかと期待したけど、期待したほどコメディ色はなく・・・変わった設定だと思ったのもつかの間、かなりベタなイチャイチャが続いた。
結局、何のひねりもないまま、すんなり第1巻が終わってしまった。ストーリー的にも、勇者が出てきて、出オチのような伏線はしかれたけど・・・何も回収されていないし、メインストーリーも大きくは進展していない。あとがきによると、第2巻はすでに書きはじめているとあったけど・・・本当に第2巻が出版されるのだろうか?

BOOK「機巧少女は傷つかない 16下 Facing “Machine doll II”」

機巧少女は傷つかない(第16下巻)
Facing “Machine doll II”
海冬レイジ著
イラスト:るろお
(MF文庫J:amazon:580円)
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[注意:ネタバレ含みます] 前巻で、メインストーリーである雷真と天全の確執が解消してしまった。後はその他多数の伏線を拾い集めて、最後の尻ぬぐいをするという展開。神性機巧の核心に迫っていたラザフォードや、薔薇たちやエドマンド、バラバラに決着がついていき、土門綺羅への復讐は空振り・・・。
戦闘という面ではラスボス扱いだった土門綺羅。異常に強すぎたけど、呆気ないになってしまった。赤羽一門との確執を考えると、丸く収まりすぎじゃないか。そして、前々巻で死んだはずのキャラが、お約束通りにみんな生きていて・・・。撫子が生き返り、封印された金薔薇はともかく、雲雀まで生きていて・・・。となると、最終的に犠牲になったのって、雷真の兄・赤羽天全ただひとりだけではないだろうか?
雷真、ロキ、シャルたちの立場が変わり、これからのことを予感させるところで終わった。あり得ないだろうけど、もし第2期があるなら是非読みたいものだ。夜々は雷真の赤ん坊を埋めるのか? シャルと日輪はそれを許すのか? エドマンドと雷真にはBL展開があるのか? いろいろと気になるのだが・・・。
<完結>

BOOK「機巧少女は傷つかない 16上 Facing “Machine doll II”」

機巧少女は傷つかない(第16上巻)
Facing “Machine doll II”
海冬レイジ著
イラスト:るろお
(MF文庫J:amazon:563円)
※Kindle版を購入

[注意:ネタバレ含みます] テレビCMでシリーズが完結したことを知って本当に嬉しかった。正直いって、前巻のあとがきで「次巻で完結」という未完フラグが立ったので、本当に完結するとは信じていなかった。ただし、1巻での完結ではなく、上下2巻ものになったけど、これは嬉しい誤算といえるものだ。
完結するのだから、前巻から引き続いていろいろなものに終止符が打たれていくけど・・・いよいよ天全との戦い。まあ、最終的に天全とはこうなることが予想できていた。最初から、妹をはじめ家族を皆殺しにした天全の動機が伏線だったわけで・・・天全と雷真との戦いだけでは決着しないのが明らかだった。天全の戦隊だけでなく、硝子も絡んでいて、雪月花にも同じ仕掛けがあるものだと思っていたけど、そこだけは予想が外れた。
そして、神性機巧が誰の元に降りてくるかというのも・・・夜々の状況を考えると最初からわかりきったことではあったけど、これだけ話を脹らませてしまうと、予想通りの結末に落ち着けるにもいろいろ手続きが必要になってしまう。
結局、紫薔薇+狂王エドマンドVS雷真+黒薔薇という構図で、次巻、神性機巧を廻る最後の戦いになるらしい。