BOOK「「食べもの神話」の落とし穴 巷にはびこるフードファディズム」

「食べもの神話」の落とし穴
巷にはびこるフードファディズム

高橋久仁子著
(講談社ブルーバックス:900円+税)
※古書を購入

「○○を食べると血圧が下がる」的な盲信・・・この「フードファディズム」という単語を初めて聞いたのは、かれこれ30年近く前のこと。とある大学の教授と仕事でお話ししたときに聞いた。元々、「牛乳を飲むと背が伸びる」「牛乳を飲むとおっぱいが大きくなる」といった成長期の子ども向けにこういった盲信というか、都市伝説のような話は以前から数多くあった。
半世紀前、虚弱児童であったわたしは、電解カルシウム液やら土瓶で煮詰めた漢方薬やら、毎日いろんなものを飲んだり食べたりしていた。台所には、「アルカリ性食品・酸性食品一覧」がでーんと貼ってあった。この本にも書かれているけど、わたしは正しく理解していたようだ。
幸か不幸か、ちゃんと科学的に考えるように成長したお陰で、極端なフードファディズムには陥らずに今日に至っている。わたしも年をとって、生活習慣病の大三元をツモ上がりしそうな状態になり、藁にもすがる思いはあるけど^^;; ただし、だからといって、毎日、適切な食事をとれているわけではない。

BOOK「農家が教える どぶろくのつくり方」

農家が教える どぶろくのつくり方
ワイン ビール 焼酎 麹・酵母つくりも

農文協編
(農文協:1,400円+税)

どぶろく造りは難しくはないけど、インスタント食品や中食を多用するような現代にあっては、もはや簡単と言えるほど手軽ではない。しかも、それなりに味わいはあるけど、必ずしも美味しく出来るわけではない。お酒としては、市販の純米酒や吟醸酒にはかなわない。
現在、酒税が歳入に占める割合はわずか約2%。収税源としての価値が下がったのに、いまだ解禁されないのはなぜだろう。この本は、文化としてどぶろく造りの継承を訴えている。文化は一度滅んでしまうと、簡単には復活しない。そう思っていないのは、国のお役人と既存の酒蔵だけ。
酒造解禁で登場するであろうベンチャー企業を脅威に感じる既存の酒蔵って、そんなに自分が造っているお酒に自信がないんだろうか。

BOOK「日本の伝統 発酵の科学 微生物が生み出す「旨さ」の秘密」

日本の伝統 発酵の科学
微生物が生み出す「旨さ」の秘密

中島春紫著
(講談社ブルーバックス:1,000円+税)
※古書を購入

最近、「発酵」に興味がわいて、少し本を読んでいる。きっかけはヨーグルト作りだけど、ヨーグルトの発酵はまだ単純な方で、こういう本を読むといろいろ興味深い情報と出くわす。でも、味噌や醤油まで作りたいとは思わない。かといって、他に手軽に作れる発酵食品というと、なにも思いつかない。漬け物も発酵食品ではあるけれど・・・。
この本は「日本の伝統」とうたっているくらいなので、味噌と醤油、そして納豆の話がメイン。しかも、ブルーバックスなので、かなり本格的に発酵のメカニズムを解説している。微生物の働きだけでなく、旨さの元となる反応の化学式なども紹介されている。でも、とても読みやすい。
発酵の世界は奥深いけど・・・わたしの興味は底が浅いので、これ以上同じような本を何冊読んでも、変わったことは起きそうもない。良い本に出会ったところで、このジャンルはお仕舞いという感じ。

BOOK「図解でよくわかる発酵のきほん 発酵のしくみと微生物の種類から、食品・製薬・環境テクノロジーまで」

図解でよくわかる発酵のきほん
発酵のしくみと微生物の種類から、
食品・製薬・環境テクノロジーまで

舘博監修
(誠文堂新光社:1,600円+税)
※古書を購入

昨年12月から、ヨーグルトメーカーでずっとヨーグルトを作り続けている。もちろん、毎日大量に食べ続けている。そのお陰なのか、この冬は風邪もひかず、基本的に体調が良い。・・・腰痛以外は。
ヨーグルトメーカーに付いていたレシピブックには、納豆や甘酒の作り方が載っていたけど・・・まだ、ヨーグルト以外は作ったことがない。他になにかないのかと思いながらも、味噌や醤油を作りたいわけではない。この本はそうしたレシピ本ではないけど・・・発酵についての基本が解り、ヨーグルトメーカーの中でなにが起きているのかは理解できた。
個人的には、サブタイトルにある環境テクノロジーにも興味があったけれど、このテーマは概要だけであまり突っ込んだ説明はなかった。これは、改めて別の本を読むしかない。

雑誌「milsil ミルシル だし」(2017年No.1 通巻55号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込みの定価420円)
この巻の特集は「だし」。
1月発行のタイミングなので、正月料理で活躍したであろう「だし」の特集なんだろうけど、一般の家庭でちゃんとだしを取って料理をしている家って、どのくらいあるんだろう? そもそも、正月のお節料理だって、自宅で作っている家庭は少ないだろうし・・・。
「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたけれど、その時の和食の定義にも、「うま味」を上手に使っているという点が上げられていたけど、うま味調味料でも上手に使えば定義にはかなっていると言うことなんだろうか。かくいう我が家でも、うま味調味料以外は使っていない^^;;
この特集には触れられていなかったけど、沖縄県の昆布の消費量は、国内でも有数で、かつては全国一だったこともある。琉球処分以降、薩摩藩に編入された琉球に、蝦夷地から大量の昆布が運ばれ、中国と朝貢貿易をした結果、沖縄で昆布が消費されるようになったと言うことらしい。特にだしとは関係なく、食材として定着してしまったのだろうか?

BOOK「炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~」

tansuikabutsugajinruiwo炭水化物が人類を滅ぼす
~糖質制限からみた生命の科学~
夏井 睦著
(光文社新書:amazon:830円)
ASIN:B00GI7BKNA
※Kindle版を購入

血糖値の問題で、ゆるやかな糖質制限を再びはじめてみようかという気になった。その気持ちを固めるためにも、この手の本を何冊か読んでみようと・・・。
この本は、糖質制限の効能については触れているけど、サブタイトルが示すとおりに生命の化学・・・生物の進化と代謝、人類の進化と農耕、文化といった面から、糖質を食べるようになった人類について幅広く考察している。まあ、なるほどね、とは思うけど、糖質制限を行う決意につながるような内容ではなかった^^;
でも、他の同様の本がすすめるようなストイックな糖質制限ではなく、昼食のライスを半分にするといった、軽い制限からはじめればよいと言っているので、気分的にはちょっと楽になった。

BOOK「国立科学博物館 チョコレート展」図録

chocolate-ten-zuroku.jpgいま、国立科学博物館で開催中の特別展「チョコレート展」の図録。
この前、展示を見に行ったとき、図録を購入しようとしたら・・・チョコレートを買う女性がレジ前に大行列を成していて・・・時間がかかりそうだし、ミュージアムショップで買えばいいやとその場での購入を見送った。
ところが、そのミュージアムショップでは図録を扱っていなかった。会場には再入場できないので・・・諦めるしかなかった。でも、今回、友人の好意でその図録を手に入れることができた。
内容は、カカオ豆の植物学的解説からチョコレートの歴史など。全80ページの薄い本が、板チョコをイメージした化粧箱に入っている。チョコレートという柔らかいテーマの展示だからだろう。
このチョコレート展、国立科学博物館にしては珍しく、若い女性やカップルがたくさん見に来ていた割には、こういうデザインでも、図録はぜんぜん売れている気配がなかった^^;; ・・・知識欲よりも食欲なのだろう^^;;
でも、若い女性がチョコを食べたときは、美味しそうにしてくれるだけで十分なわけで・・・変に、チョコレートの蘊蓄などを語りはじめたら、ある種、興ざめなわけで^^;; まあ、パティシエでも目指している女性ならともかく・・・。