雑誌「milsil ミルシル だし」(2017年No.1 通巻55号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込みの定価420円)
この巻の特集は「だし」。
1月発行のタイミングなので、正月料理で活躍したであろう「だし」の特集なんだろうけど、一般の家庭でちゃんとだしを取って料理をしている家って、どのくらいあるんだろう? そもそも、正月のお節料理だって、自宅で作っている家庭は少ないだろうし・・・。
「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたけれど、その時の和食の定義にも、「うま味」を上手に使っているという点が上げられていたけど、うま味調味料でも上手に使えば定義にはかなっていると言うことなんだろうか。かくいう我が家でも、うま味調味料以外は使っていない^^;;
この特集には触れられていなかったけど、沖縄県の昆布の消費量は、国内でも有数で、かつては全国一だったこともある。琉球処分以降、薩摩藩に編入された琉球に、蝦夷地から大量の昆布が運ばれ、中国と朝貢貿易をした結果、沖縄で昆布が消費されるようになったと言うことらしい。特にだしとは関係なく、食材として定着してしまったのだろうか?

BOOK「炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~」

tansuikabutsugajinruiwo炭水化物が人類を滅ぼす
~糖質制限からみた生命の科学~
夏井 睦著
(光文社新書:amazon:830円)
ASIN:B00GI7BKNA
※Kindle版を購入

血糖値の問題で、ゆるやかな糖質制限を再びはじめてみようかという気になった。その気持ちを固めるためにも、この手の本を何冊か読んでみようと・・・。
この本は、糖質制限の効能については触れているけど、サブタイトルが示すとおりに生命の化学・・・生物の進化と代謝、人類の進化と農耕、文化といった面から、糖質を食べるようになった人類について幅広く考察している。まあ、なるほどね、とは思うけど、糖質制限を行う決意につながるような内容ではなかった^^;
でも、他の同様の本がすすめるようなストイックな糖質制限ではなく、昼食のライスを半分にするといった、軽い制限からはじめればよいと言っているので、気分的にはちょっと楽になった。

BOOK「国立科学博物館 チョコレート展」図録

chocolate-ten-zuroku.jpgいま、国立科学博物館で開催中の特別展「チョコレート展」の図録。
この前、展示を見に行ったとき、図録を購入しようとしたら・・・チョコレートを買う女性がレジ前に大行列を成していて・・・時間がかかりそうだし、ミュージアムショップで買えばいいやとその場での購入を見送った。
ところが、そのミュージアムショップでは図録を扱っていなかった。会場には再入場できないので・・・諦めるしかなかった。でも、今回、友人の好意でその図録を手に入れることができた。
内容は、カカオ豆の植物学的解説からチョコレートの歴史など。全80ページの薄い本が、板チョコをイメージした化粧箱に入っている。チョコレートという柔らかいテーマの展示だからだろう。
このチョコレート展、国立科学博物館にしては珍しく、若い女性やカップルがたくさん見に来ていた割には、こういうデザインでも、図録はぜんぜん売れている気配がなかった^^;; ・・・知識欲よりも食欲なのだろう^^;;
でも、若い女性がチョコを食べたときは、美味しそうにしてくれるだけで十分なわけで・・・変に、チョコレートの蘊蓄などを語りはじめたら、ある種、興ざめなわけで^^;; まあ、パティシエでも目指している女性ならともかく・・・。

BOOK「ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」」

jagaimonosekaisiジャガイモの世界史
歴史を動かした「貧者のパン」
伊藤章治著
(中公新書:840円+税)
ISBN/ASIN:4121019301

中南米原産のジャガイモは、征服したスペイン人の手でヨーロッパに伝えられたと推測されている。しかし、いつ、誰によって、どこに伝えられたのかはハッキリしない。さらに、その後どのようにヨーロッパ各地に伝播していったのかもハッキリしない。でも、ヨーロッパ各地で「貧者のパン」として多くの飢饉を救ったらしい。
この本では、ヨーロッパ各国をはじめ、日本各地や日本の満州開拓からシベリア抑留まで、各地のジャガイモ事情を紹介している。・・・その中で、久しぶりに「男爵イモ」の川田龍吉の話を読んだ。小学校時代に授業で習って以来だと思う。
それにしても、すごい本だと思う。古本ではなく、2008年の再版をいま入手できるということは、あまり売れなかった本なんだろうけど^^;
どうでもいいことだけど、高校まで北海道で育ったので、ジャガイモにはいろいろ思い出がある。小学校時代の同級生には「ジャガー」というあだ名の女の子がいた。頭骨がいびつな形をしていてジャガイモのようだと付けられたあだ名^^;;
自宅では休日の昼食などでよくジャガイモを食べさせられた。「貧者のパン」といわれるジャガイモだけど、我が家はそれほど貧しい家庭ではなかったのだけど・・・ジャガイモは、母親の大好物だったから^^;; でも、ジャガバタばかりで、家では、肉じゃがのようなちゃんとした料理は一度も食べたことがない。だから、肉じゃがはおふくろの味ではなく、居酒屋で食べる味だといまでも思っている^^;

BOOK「発酵は錬金術である」

hakkouharenkinjutu発酵は錬金術である
小泉武夫著
(新潮選書:1,000円+税)
ISBN/ASIN:4106035579

私用で帰省していたときに読んだ本。なにせ、地方都市の夜は早いので^^;;
本当は仕事関係の参考図書のつもりだったけど、内容を確認しないままamazonで購入し、目次を確認しないままバッグに放り込み、その脚で帰省してしまったので・・・実際に読んだら、仕事に役立ちそうな「酢」にかかわる内容は極わずかなページだけだった^^;
でも、小泉先生の「発酵」関係の本は・・・いままで何冊か読んだけど・・・基本的に面白い。
それはたぶん、発酵を純粋な学問として紹介するだけでなく、いろいろな伝統産業などの製造現場や町おこしなどの現場を紹介するからだと思う。こういう人間くさいおもしろさは、「発酵」という産業に結びついた伝統的バイオテクノロジーならではのことで、物理学などではなかなか感じることができないような気がする。

BOOK「北見の薄荷入門」

kitaminohakkanyumon.jpg北見ブックレットNo.7
北見の薄荷入門
井上英夫著
NPO法人オホーツク文化協会編集
(NPO法人オホーツク文化協会:476円+税)
※北見ハッカ記念館で購入

先日、北海道北見市にある「北見ハッカ記念館」を見学したときに購入した冊子。本来は仕事の資料だけど、個人的にも興味があった。購入前から、仕事にはあまり関係ない内容だということはわかっていたし・・・^^;
そもそも、こういう本は一般書として売られるようなものではないので、こんな機会にでも読まないと一生読むことはない。まあ、読んで面白いかどうかは別問題だけど^^;
薄い冊子だけど、昔ながらのハッカ製造の過程などが詳しく紹介されていた。できれば、ハッカ草の植物学的な記述もあるとよかったのだけど・・・。
「北見ブックレット No.7」ということは、既刊が6冊あるのだろうけど、北見ハッカ記念館には置かれていなかった。北見駅近くの商店街の小さな書店を覗いてみたけど、やはりなかった。というか、北見市にはまともな書店が一軒もないのではないか・・・? どんな既刊があるのか、ちょっと気になるところだ。

BOOK「ビールの科学」

bi-runokagakuビールの科学
麦とホップが生み出すおいしさの秘密
渡 淳二監修
サッポロビール価値創造フロンティア研究所編
(講談社ブルーバックス:940円+税)
ISBN/ASIN:4062576321

ここ最近、何冊かお酒関係の本をまとめて読んでいる。他の本は趣味で読んだものだけど、この本は・・・他にも同じような本なら何冊も手元にあるんだけど・・・ちょっとだけ仕事に関係して読んだもの^^;
お酒の本とはいっても、この本はブルーバックスから出ている本なので、科学的な側面からいろいろ解説している。
でも、大手メーカーのサッポロビールが関係している本なので、当然ながら、日本のビールのダークな部分はぜんぜん触れられていない^^; ・・・だいたい、日本は世界第3位の経済大国なのに、普通に働いているお父さんが、「発泡酒」や「第三のビール」などというビールもどきのまがい品を飲まざるを得ないなんて、日本の酒税はどうかしている。おまけに、ビール業界すら、発泡酒や第三のビールを含めて「ビール類」などと呼んでいる。プライドのかけらもないのだろうか?

BOOK「ワインの科学」

wainnokagakuワインの科学
「私のワイン」のさがし方
清水健一著
(講談社ブルーバックス:880円+税)
ISBN/ASIN:4062572400

お酒の本とはいっても、この本はブルーバックスから出ている本なので、科学的な側面からいろいろ解説している。
一部はそれなりに難しいし、正直言って興味のない話にもけっこうたくさんのページを割いていた。でも、ワインの産地と種類だけを並べたような本に比べて、十分に読むところのある本だった。
ただし、科学的な側面が強調され、添加物の問題など、無批判に解説しているのが残念と言えば残念・・・。