BOOK「フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体」

フォッサマグナ
日本列島を分断する巨大地溝の正体

藤岡換太郎著
(講談社ブルーバックス:1,000円+税)
※古書を購入

フォッサマグナについて詳しく解説した本ははじめて読んだ。日本列島が大陸から分かれ、日本海が形成され、いまの形になってきたという基礎知識はあったけど、なかなか複雑で、ざっくりしたイメージしか理解できなかった。
中学の地学で、「フォッサマグナ」という単語は習う。このとき、フォッサマグナと「糸魚川静岡構造線」を混同してしまう人も多い。でも、単語さえ記憶してしまえばテスト対策としては十分なので、たいていの人は、それ以上は深く考えない。
現代であれば、詳細な地形図やGoogleアースを見れば、フォッサマグナ西端の糸魚川静岡構造線は一目瞭然にわかる。でも、東端の構造線ははっきりしない。明治時代の初頭、地表を観察してこれだけ大きな構造に気づいたというのは、驚くべきことかも知れない。お雇い外国人教授として東京帝国大学に来たドイツの地質学者ナウマンの業績だけど、この時代の日本にはたくさん未発見のものがあって、学者としては面白かったんだろうな。どうして自分の名前を付けなかったのか不思議だけど、ナウマンの名前は「ナウマンゾウ」に残っている。

BOOK「富士山大噴火と阿蘇山大爆発」

富士山大噴火と阿蘇山大爆発
巽好幸著
(幻冬舎新書:800円+税)
※古書を購入

平成時代は大きな地震や火山の噴火が多かった。東日本大震災の後、次は南海・東南海・東海だ、首都直下型地震だ、富士山の噴火だと、大災害が目白押しに予想されている。
長い目で見れば確実に起こるのだろうけど、いつ起きるのかが分からないから厄介だ。千年・万年は地質学的にはつい最近のことだから、過去に起きた大噴火はもう起きないとはいえない。
7325年前に九州の鬼界アカホヤ噴火では、九州南部の縄文人が全滅したという。もし、いま阿蘇山が大噴火したら、日本は壊滅・・・。
こういう情報を突きつけられて、人それぞれいろいろ考えるだろう。やれ、防災を強化しろとか、なんで九州に原発なんか作ったんだとか・・・そういう意見はわかるんだけど、いくら国土強靱化などといっても、人間のちからでは対処できないのではないか? これをいいだしたら、日本列島に人は住んではいけないという結論になりそうだ。
そういえば、今日は「防災の日」だった。

BOOK「日本列島の下では何が起きているのか 列島誕生から地震・火山噴火のメカニズムまで」

日本列島の下では何が起きているのか
列島誕生から地震・火山噴火のメカニズムまで

中島淳一著
(講談社ブルーバックス:amazon:1,188円)
※Kindle版を購入

プレートテクトニクスの入門編からはじまり、日本列島の成り立ちと地下深部の構造、プレート内と火山の内部で起きていることなどを解説している。基本的なことは知っているつもりだったけど、各所に最新の研究成果がみられた。
特に第9章と第10章・・・「内陸地殻で何が起こっているか?」は、熊本、大阪、北海道で起きた内陸地震の記憶も新しい頭で読んだので、なるほどという感じ。まあ、結論的には、日本のどこでいつ大地震が起きても不思議ではないというだけどことだけど。最後の「関東地方の地下で何が起こっているか?」は、首都圏直下型地震のお話だけど、これもいつ発生してもおかしくない。どう備え、どう生き伸びるかは別の話。わたしは、外出時に直下型地震に遭遇した場合、かなりの確率で死ぬ自信があるがあるから・・・理屈はわかっても仕方がないんだけど^^;;

雑誌「milsil ミルシル 広がる「地図」の世界」(2018年No.4 通巻64号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「広がる「地図」の世界」。国土地理院の先生方が測地系の歴史、スマート社会の新しい地図像を紹介している。
似たようなテーマで、かなり以前に国土地理院を取材したことがあるけど、あのころはスマート社会なんていう単語のスの字もなかったので、いろいろ新しいことが紹介されていた。いまではカーナビどころか、歩くための日常的な地図までデジタル化されている。近い将来には、クルマの自動運転やらドローンの宅配便などもこうした地図インフラの上で動くわけだけど・・・歩きスマホする人が邪魔でぶつかりそうになるのが当たり前の時代、本当に安全なサービスが実現するのか、地図とは別の次元で、内心、ちょっと心配ではある^^;
サブ特集は「カタツムリ」。カタツムリが左巻きなのか右巻きなのか、気にもしたことがなかったけど・・・世の中のたいていのことには専門家がいて、一見、どうでも良いことを研究していたりするので、別に驚かないんだけど・・・「ヘビ仮説」か、ちょっと驚いた。

BOOK「巨大地震はなぜ連鎖するのか 活断層と日本列島」

巨大地震はなぜ連鎖するのか
活断層と日本列島

佐藤比呂志著
(NHK出版新書:740円+税)
※古書を購入

なぜか、地震について気になりはじめて、続けて似たような本を読んでいる。
まだ記憶に新しい熊本地震の話からはじまり、プレート型地震と内陸型地震の関係を分かりやすく説明している。この辺のことは、東日本大震災後のテレビ報道などでも繰り返されたことなので、とてもなじみ深い。なじみ深いと思ってしまうこと自体、地震の多い日本に生まれ育ったサガなんだろう^^;
熊本地震では、本震の後でより大規模な地震が発生した。これが連鎖による地震。熊本地震を「巨大」といって良いのかは別だけど・・・。通常の地震とは違ったという意味で話題に上っていたけど・・・正直いって驚くようなことではないように思っていた。それどころか、南西方向につながっている余震の震源地を示した地図を見て、こうやって中央構造線が伸びてきたんだな、などと勝手に思い描いていた。たかだか80年100年しか生きない人間とは違い、地質年代レベルではある意味での連鎖の結果が、いまの中央構造線なんだろうなと。
プレート型地震と内陸型地震には関連がある、そういう意味で気になるのは南海トラフ地震。ということで、南海トラフ地震についても解説しているけど・・・熊本地震がその前兆だとははっきり書かれていない。そこまで明確なことはいえないというのが現状だろう。

BOOK「南海トラフ地震」

南海トラフ地震
山岡耕春著
(岩波新書:780円+税)
※古書を購入

「10年一昔」というけれど、東日本大震災から8年が過ぎ、動きの速い現代ではすでに一昔前の出来事になってしまったかのような感じで・・・お叱りを受けるのを覚悟していえば、我が家の防災対策も皆無となっている。それどころか、「首都圏直下型地震が来たら、かなりの高確率で死ねる」と周囲にうそぶきはじめる始末。ちょっと気持ちを入れ替えねばならない。
首都圏直下型が先か、南海トラフ地震が先か、あるいは東海・東南海・・・千葉沖なんていう話もあるけど、どれが起きても大変な被害が出る。そんな大地震の発生のメカニズムから、震災として想定される津波や大火災、さらには経済的被害と波及効果などを解説している。この本の著者は防災にちからを入れている方らしく、防災のお話もしっかり書かれている。太平洋ベルト地帯が甚大な被害を受けると、その後の生活で、東京に住んでいても大きな影響を受ける。実際、東日本大災害では、停電騒ぎや物不足があった。
富士山の噴火まで続くというから、東京から自主避難すべき状況にもなりかねないけど・・・どこに避難しても同じようなことになるんだと・・・。

BOOK「日本海 その深層で起こっていること」

日本海
その深層で起こっていること術

蒲生俊敬著
(講談社ブルーバックス:amazon:929円)
※Kindle版を購入

比較的最近、NHKで日本列島が生まれたメカニズムの最新研究を紹介した番組を見た。2000万年前、ユーラシア大陸の東端に亀裂が入り、少しずつ広がり、やがて日本海となって、今日の日本列島が形成された。だから日本でも、恐竜の化石が発見されるのだという。
この本は、そんな日本海の成り立ちから、海流の動きや海水の性質、気象、歴史や日本人の暮らしとの関わりといった広範な研究成果を紹介している。
著者自身が日本海の調査を行った経験なども交えているけど、その現場の様子なども詳しく紹介してくれれば、より面白い読み物になったように思う。ただ、当時と現在では、調査手法や技術が違うので、詳細は省いたのだろうと思うけど。
さらに、ブルーバックスというレーベルにもかかわらず、科学的な解説に読み応えがない感じがする。海水の垂直方向の熱塩循環についてがメインテーマで、温暖化ガスによる気候変動の予兆が日本海に見られはじめているという警鐘が最も言いたいことというのは理解できるけど。