BOOK「日本海 その深層で起こっていること」

日本海
その深層で起こっていること術

蒲生俊敬著
(講談社ブルーバックス:amazon:929円)
※Kindle版を購入

比較的最近、NHKで日本列島が生まれたメカニズムの最新研究を紹介した番組を見た。2000万年前、ユーラシア大陸の東端に亀裂が入り、少しずつ広がり、やがて日本海となって、今日の日本列島が形成された。だから日本でも、恐竜の化石が発見されるのだという。
この本は、そんな日本海の成り立ちから、海流の動きや海水の性質、気象、歴史や日本人の暮らしとの関わりといった広範な研究成果を紹介している。
著者自身が日本海の調査を行った経験なども交えているけど、その現場の様子なども詳しく紹介してくれれば、より面白い読み物になったように思う。ただ、当時と現在では、調査手法や技術が違うので、詳細は省いたのだろうと思うけど。
さらに、ブルーバックスというレーベルにもかかわらず、科学的な解説に読み応えがない感じがする。海水の垂直方向の熱塩循環についてがメインテーマで、温暖化ガスによる気候変動の予兆が日本海に見られはじめているという警鐘が最も言いたいことというのは理解できるけど。

BOOK「深海2017 最深研究でせまる“生命”と“地球”」図録

先日、国立科学博物館で見てきた特別展「深海2017 最深研究でせまる“生命”と“地球”」の図録。価格:2200円(税込)。192ページ。
映像展示はNHKで放送されたものが中心で期待はずれだったけど、テレビ番組より詳細であろうと思い、図録を購入しておいた。実際、夏休みのチビッコがうごめいていて、企画展の会場では解説パネルを落ち着いて読む余裕が全くなかったし^^;;
展示自体、良くこれだけ詰め込んだと思えるくらいに内容は豊富だったけど、その分、通路が狭く混雑が激しかった。チビッコにこういう展示を見せること自体は決して悪いことじゃないんだろうけど・・・幼稚園児や乳幼児を連れた母親が多すぎる。一部の美術館のように、小学生未満の入場を制限するというわけにはいかないだろうけど、もう少し何とかならないだろうか^^;;
わたし自身、興味のある分野だというのもあるし、展示を十分に見られなかったせいもあるけど、読む部分も多いし、写真やCG図版も楽しい。図録としては良くできている。科博の図録としてはかなり出来の良い方だと思う。

雑誌「milsil ミルシル 日本の深海底に眠る鉱物資源を探せ!」(2017年No.3 通巻57号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は海底資源。たまに、NHKが特番を放送しているけど、日本近海の海洋底にたくさん分布している海底熱水鉱床、無数に転がっているマンガンクラスト、マンガンノジュール、そしてレアアース泥について。これらが採算ベースで採掘されるようになると、日本は資源大国として経済的に潤うのだけど・・・。
でも、わたしは個人的に思うことがある。今後もこれまで同様にたくさんの資源を使い続けても良いものかと? 化石燃料の大量消費がGHGの大量放出を生み、気候変動という大きな問題ちなったように、新たな資源開発が新しい問題を生み出すのではないかと。できることなら、その辺も考慮して賢く実用化して欲しい。
第二特集は日本の国立公園。以前、日本の国立公園・国定公園について仕事でいろいろ調べたことがある。日本の国立公園には自然保護と観光利用の二つの目的が置かれているけれど、知床や小笠原など、自然保護をメインにした国立公園が増えているのは喜ばしいことだ。地元は観光誘致に必死なのかも知れないけど^^;;
でも、国立公園は予算があるからまだ良い。いま問題なのは、国定公園の方だろうな。自治体に予算がなく、至る所で老朽化した施設が廃墟となり果てはじめている。当然、自然保護への取り組みも大きく後退している。というか、放置されているというのが現状。日本の国力の衰えを象徴するような現状なんだよなぁ^^;;

BOOK「山が楽しくなる地形と地学 山、それ自体がおもしろい!」

yamagatanosikunaru山が楽しくなる地形と地学
山、それ自体がおもしろい!
広島三郎著
(山と渓谷社:777円+税)

久しく山に登っていないし、山の本も読んでいなかったけど、本棚の片隅に読み忘れていた本を見つけた。たぶん、10年くらい放置していたはず^^;; むかし、山登りをしていた頃、よく、こういう本を読んでいた。それをHPで紹介していたら、山岳雑誌「山と渓谷」の目に止まり、コラムで紹介されるほど読んでいた。
その経験でいうと、登山の入門書のタイトルには「山を楽しく」とか「山を楽しむ」という表現がやたらと多い。好きで山登りをしている人間は、人から言われなくても山は楽しい。でも、多くの人が、山は楽しくないと思っているからこういう表現が増えることになる。そして、そういう人は、こういう本を読んだからといって、山が楽しくなることはない。
でも、山登りの初心者には役に立つんだよ、こういう本は。少なくとも学校で習う地学の授業以上には役に立つ。

BOOK「学びなおすと地学はおもしろい」

manabinaosuto_chigaku学びなおすと地学はおもしろい
小川勇二郎著
(ベレ出版:1,500円+税)
※古書を購入

35年ほど昔のことだけど、わたしが通っていた公立高校は、3年になると進学を意識した選択科目を履修することになっていた。ところが、理科系科目のみの選択だったので、物理II、生物II、地学Iのどれかを選択しなければならなかった(化学IIは必修)。必然的に、受験に理科が不必要な文系の生徒は吹きだまるように地学Iを履修していたけれど、なぜか、わたしは文系なのに物理IIを履修していた。
だから、高校では地学という教科を習ったことがない^^;; 天文学、地球物理学、地質学、気象学などが雑多に寄せ集められたような科目で、面白い部分は面白そうだったのだけど・・・その他の科学という印象しかなかった。
いまでは、理科系の知識もそれなりにあるので、改めてこういう本を読むと非常にわかりやすくて面白い。やっぱり、テストがない状況でする勉強って、意外に面白いものだ。

BOOK「日本の火山を科学する」

nihonnokazanwokagakusuru日本の火山を科学する
日本列島津々浦々、あなたの身近にある108の活火山とは?
神沼克伊/小山悦郎著
(ソフトバンク サイエンス・アイ新書:953円+税)
ISBN/ASIN:44797361308
※古書を購入

日本の火山全体について関心があったわけではなく、いくつかの特定の火山について、ちょっと興味があったので読んでみた。
すると、全体的によく書かれた本で、基礎的なパートもしっかりと読んでしまった。逆に、興味のあった特定の火山については、どこもたいした情報が載っていなくて、ちょっとガッカリだった。実際、日本にはたくさんの火山があるから、代表的な火山を選んだとしても、たくさんのページは割けないだろうから仕方がないのだろうけど^^;;
でも、日本の火山という意味では、わかりやすい入門書だと思う。

BOOK「海底ごりごり地球史発掘」

kaiteigorigori海底ごりごり地球史発掘
須藤斎著
(PHPサイエンス・ワールド新書:880円+税)
ISBN/ASIN:4569801643

海底の泥や岩石の柱状サンプル(コア)を採取し、そこに含まれる「珪藻」の微小化石を研究する古生物学の本。
調査船に乗り、コアを掘削する現場など、ふだんお目にかかれない科学の現場も詳しく紹介している。こうしたフィールドワークを伴う研究は、机の上や研究室だけでは進まないので、日々の生活自体が部外者からは物珍しい。
そういえば、かなり以前・・・たぶん、国立科学博物館でこうした微小化石の企画展示を見たような記憶があるけど・・・でも、なぜか、このBLOGには記録がない。・・・なぜだろう?