BOOK「物理学天才列伝 上 ガリレオ、ニュートンからアインシュタインまで」

物理学天才列伝(上)
ガリレオ、ニュートンからアインシュタインまで

ウィリアム・H・クロッパー著
水谷淳:翻訳
(講談社ブルーバックス:1,300円+税)
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科学者の伝記を読もうかと思って、amazonで何気なく古書を買ったら・・・予想以上の厚さに一瞬怯んだ。幸いにも、数式はあまり登場せず、読み飛ばしても流れは理解できる。でも、読み終えるのに苦労したから、下巻にはしばらく手が伸びないかも知れない。
この巻で紹介されている物理学者は、有名どころだけあげると、ガリレオ、ニュートン、ジュール、マクスウェル、アインシュタインなど。
個人的に、ガリレオとニュートンの力学、ファラデーとマックスウェルの電磁気学、アインシュタインの相対論には比較的馴染みがあったけど、第2章の熱力学にはあまり馴染みがなくおもしろく読めた。登場する科学者も、ジュール以外はほとんど記憶にない名前ばかり。読んでいて、このあたりを解き明かしたのはこの人の業績なのかと気づくことも多かったけど・・・たぶん、三日も過ぎると、名前は忘れてしまうことだろう^^;

BOOK「質量とヒッグス粒子 重さと質量の違いから測り方、質量の生成にかかわるヒッグスメカニズムまで」

質量とヒッグス粒子
重さと質量の違いから測り方、
質量の生成にかかわるヒッグスメカニズムまで

広瀬立成著
(サイエンス・アイ新書:1,200円+税)
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ヒッグス粒子が発見され、いままで仮説であった標準理論がようやく定説らしいことがはっきりした。ヒッグス粒子自身は・・・素粒子に質量がなければスッキリするのに、現実には質量があるから、理論的な帳尻を合わせるためにこんな素粒子があったらいいのになぁ、と想定されたのがヒッグス粒子。で、実際に発見されたので、メデタシメデタシなわけだ。おかげで、標準理論が示す「質量」のメカニズムが解明されてきた。
この本では、ニュートンの古典物理学にはじまり、ヒッグス粒子による最新理論まで、「質量」に関して解説をしている。イラストや図版も多いし、カラー版だし、わかりやすそうな印象を受けるけど・・・さらっと読むとわかったような気にはなるけど、けっこう難解な本だった。アインシュタインの「等価原理」あたりまではいいとして・・・イラストがあろうとなかろうと、量子力学以降の話は根本的に難解だ。ファインマン図とかいきなり出てきてもなぁ^^;;
でも、本題は第5章から・・・って、大統一理論による4つの力の統一とか、やっぱりかなり難しいし、そもそも、この本ではそういうことがあるよくらいしか説明されていない。

BOOK「世界は「ゆらぎ」でできている 宇宙、素粒子、人体の本質」

世界は「ゆらぎ」でできている
宇宙、素粒子、人体の本質

吉田たかよし著
(光文社新書:740円+税)
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物理学から医学に転進した著者による「ゆらぎ」研究の一般向け入門書。この著者の本を読むのは3冊目。
前半は物理学。物質のゆらぎ、量子のゆらぎを通して、量子力学、素粒子の標準模型、超ひも理論や宇宙論、ダークマターなどを解説している。数式を使わず、イメージ的に思い描くレベルで非常にわかりやすい。概要だけを知りたい人には、とれもわかりやすい本だと思う。
この本は「ゆらぎ」が主役なので、途中で「フラクタル幾何学」「複雑系」なんていうものが出てくる。さすがに、この部分だけはちょっと難しい^^;;
後半は医学。自然界と人体に関するゆらぎについてのお話。医学・生理学分野でも、ゆらぎが研究ターゲットであることは納得できたけど・・・ちょっと歯切れの悪い言い回しが増えたような気がする。こういう説があるとか、こういう研究結果が発表されたという感じで、断定的な表現ではなくなっている。その分、ちょっと納得しづらい点が多かった。
それでも・・・本筋ではなくチラッと触れられていただけだけど、二次元美少女の目が大きく書かれている理由って、そういうことだったのか。これは瞬時に納得した。

BOOK「マンガ おはなし物理学史 物理学400年の流れを概観する」

マンガ おはなし物理学史
物理学400年の流れを概観する

小山慶太:原著
佐々木ケン:漫画
(講談社ブルーバックス:1,080円+税)
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仕事の資料として読んだ本。
第1章「力学」はガリレオ、ケプラー、ニュートンについて、よく知られた内容だったけど、第2章「電磁気学」は、ホイヘンス、ヤング、フレネル、フーコー、ファラデー、マクスウェルといった感じで、いままで意外にも人物として意識していなかった科学者が登場して面白かった。第3章「量子力学」と第4章「相対性理論」あたりになると、オールスターキャストという感じ。
この本のコンセプトが「マンガ」だから仕方がないけど、わざわざマンガにしなくてもという部分もあったし、どうして登場しないのかと思う科学者も数人いるけど・・・コンパクトにまとまったわかりやすい内容だった。
最後に、湯川秀樹、朝永振一郎、小柴昌俊、南部陽一郎、益川敏英、小林誠といった、日本人ノーベル物理学賞受賞者がまとめて紹介されていたのは、(個人的に)別の面でありがたかった。
こんな感じで、「宇宙論」についてまとめた本を出してくれないかな・・・。

BOOK「超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義」

超ひも理論をパパに習ってみた
天才物理学者・浪速阪教授の70分講義

橋本幸士著
(講談社:1,500円+税)
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この手の本としては珍しく、ずいぶん前から話題となっていた本。古本が少し安くなってきたので、読んでみることにした。姉妹版にマンガもあるらしいけど、それはいずれ・・・。
本文はタイトル通り、女子高生の娘・美咲に対して、物理学者の父親がレクチャーするかたちで書かれている部分はわかりやすい。まあ、すでに知っている内容だというのもあるけど。ただ、それを補足する「おまけの異次元」の部分は、数式がけっこう出てきてそれなりに難解。ちょっと残念なことは、肝心の超ひも理論そのものについては、最後にちょっと書かれていただけで物足りない感じ。いろいろあるんだよと書かれていた、そのいろいろをもう少し挙げて欲しかった。
本筋とは離れるけど、読みながら思ったことは・・・ふつう、娘は父親の仕事に何の関心も示さないということ。わたしはこんな実例を知っている。OLになったばかりの社会人一年生に、父親の仕事を尋ねたら、会社名は答えられたけど、事務職なのか技術職なのか、その会社で何をしているのか全く知らなかった。父親の給料で大学まで出してもらったというのに・・・。まあ、父親の方からこんなことを言うと、「マジむかつくんですけど」とか言われてお仕舞いだろうけど^^;; むしろ、物理学者の父親の方が興味を持ってもらいやすいかも知れない。

BOOK「ニュートリノで探る宇宙と素粒子」

ニュートリノで探る宇宙と素粒子
梶田隆章著
(平凡社:1,800円+税)
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「スーパーカミオカンデ」による研究でニュートリノ振動を発見し、2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田先生の著書。ニュートリノというと、2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊先生にはじまる日本のお家芸的分野だけど、梶田先生はその小柴先生のお弟子筋に当たる研究者。
この本はニュートリノ研究の歴史的経緯から物理学的な意義、素粒子としての特性などを詳しく解説していて、わたしのレベルでいえば、文字通り、腰巻きに書かれた「いちばんよく分かるニュートリノの本」かもしれない。真剣に読み込めばだけど・・・。
でも、梶田先生の伝記的な要素はなく、人物像などはなにも書かれていなかった。ノーベル賞受賞者とはいえ、もう偉人として特別な個性を求めても仕方がない時代になってしまったのかなという気もするけど・・・ニュートリノが身近な存在ではないだけに、多少のとっかかりとしての人物像くらいは知りたいと思うんだよな^^;;

BOOK「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」

宇宙はなぜこんなにうまくできているのか
村山斉著
(知のトレッキング叢書:1,100円+税)
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村山斉の著書を読むのはこれが5冊目だけど、どれもわかりやすくて読みやすい本ばかりだった。これだけ多作だと、本当に本人が自分で書いているのか、アルバイトで学生に書かせているんじゃないかとか疑いたくもなるけど、その辺は気にしないのがお約束。
この本は宇宙論としてはかなり入門レベルの内容。量子論について多少の知識があれば、かなり楽に読める。この宇宙は実に巧妙に作られていて、奇跡的な存在なのだという印象を持たせようとしている構成のような気がする。たしかに、このパラメータがわずかにでもずれていたら、この宇宙は存在していないとかよく聞くけど、そんな話。
でも思うのだ。かつて、知り合いの飲み屋のママさんが、「横浜から実家のある仙台までは、高速に乗ってしまえば簡単。一本道だから」と言ったことを思い出す。高速道路には信号がないけど、分岐点がないわけではない。でも、走ってきた道を振り返ると分岐点は見えず、あたかも一本道のように感じる。
だから、実際に存在しているであろうこの宇宙の私たちが、宇宙の誕生を振り返って、あたかも奇跡的に存在しているのは、当たり前のことなんだよな。