MOOK「南方熊楠の世界」

南方熊楠の世界
(徳間書店タウンムック:714円+税)
※古書を購入

最近、仕事の関係で、いくつかまとめて南方熊楠についての本を読んでいる。
この本はビジュアル主体のムック本なので、読む部分が少なく、情報量としてはちょっと物足りない感じ・・・。でも、ビジュアルはかなり豊富で、本のサイズも大きいので、仕事的には役に立った。
出版されたのは2012年。内容的にもほぼ最新の研究成果が盛り込まれていた。章の立て方など編集方針もわかりやすく、熊楠の入門書としては良くできていた。
ただ、典型的な熊楠像を紹介しているだけなので、他の本を読んだ後では、なにも驚きもなかった。この本が悪いわけではないけど・・・そういう意味では、いちばん最初に読むべき本だったのだろう。

雑誌「kotoba コトバ 南方熊楠 「知の巨人」の全貌」(19号 2015年春号)

正直いって、こんな雑誌があること自体知らなかった。「多様性を考える言論誌」と冠して、英社が年4回発行する季刊誌。読み応えはあるけど、定価で1,440円もする。この号は2015年の春号なので、当然ながら古書を買った。
仕事の関係で、「南方熊楠」についての資料として読んだわけだけど・・・いろいろな著者が様々な視点から文章を寄せて、南方熊楠という「知の巨人」の実像を探し求めている。でも、いかに大特集とはいえ、様々な視点の記事を集めたが故に、かえって熊楠の全体像が捕まえにくい。それでなくても、捉えどころのない巨人なのに・・・^^;;
それでも、最近の熊楠研究の成果・・・脚色された様々な逸話の正しい内容など、いろいろと読んでみた成果はあった。でもなぁ、脚色された南方熊楠の方が断然おもしろくて好きなんだよなぁ^^;;
最後にどーでもいいことだけど・・・表紙の熊楠の写真、いろいろな書籍にも使われていて、熊楠を代表するポートレートだけど、体操の白井健三くんにそっくりだと感じるのは、わたしだけだろうか?^^;;

BOOK「南方熊楠 日本人の可能性の極限」

南方熊楠
日本人の可能性の極限

唐澤太輔著
(中公新書:amazon:756円)
※Kindle版を購入

南方熊楠については多少の知識はあったけど・・・仕事の関係で急きょ読んだ本。手っ取り早く一冊読もうと、Kindle版を購入した。ふつうにamazonで購入しても翌日には届くんだけど、Kindle版電子書籍ならすぐに読みはじめられるから^^
南方熊楠は、偉人というか、巨人というか、まあ、とにかくすごい人という印象だけど、特に大きな業績を残したわけではないように思う。自然科学や民俗学、宗教学といった、よくいわれる分野で顕著な業績があるわけではない。エコロジストの先駆者として祭りあげられている風潮もあるけど、那智、田辺時代の熊楠は狂気がかっていて、わたしのような凡人には、もはや評価しようもない次元なんだよなぁ^^;;
珍しくまじめに感想のようなものを書くなら・・・南方熊楠を理解することは困難だろうけど、正直なところ、“理解するのが怖い” 存在だと感じた。著者はあとがきで、「熊楠の在り方の特異性(そしてそれは、実は決して異常ではなく普遍性を持っていること)を明らかにできた」と自負しているけれど、熊楠を知れば知るほど、わたしには「異常」だと思えてしまう。
ただ、熊楠は破天荒な人物で、多くのおもしろい逸話があったりして、一部には熱狂的なファンがいる。わたしも、南方熊楠という人物のおもしろさを否定はしない。どちらかというと、実像としての熊楠より、“破天荒にキャラ付けされた熊楠” が好きな人間のひとりだと思っている。

BOOK「岩崎彌太郎物語 「三菱」を築いたサムライたち」

iwasakiyataroumonogatari.jpg岩崎彌太郎物語
「三菱」を築いたサムライたち
成田誠一著
(毎日ワンズ:1,300円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだのだけれど・・・今回の仕事にはほとんど役に立たないことがわかった^^;; それでも、岩崎彌太郎が生きた時代の起業家、資本家、経営者が注目されている時代なので、興味深く読んだ。以前読んだ類似書とは違った印象を受けた部分もあったし・・・。ただ、この本は彌太郎だけを扱った本ではないので、少し物足りない感じがする。
彌太郎は、九十九商会の時代に、三菱のロゴマークであるスリーダイヤを使いはじめたけど・・・極めて初期の頃を除いて、日本郵船がスリーダイヤを使っていないのはなぜだろう? 海運業は三菱にとって創業時からの事業なのに・・・。一度、日本郵船が彌太郎の手を離れときにでも、何かあったんだろうか・・・。
岩崎彌之助、久彌、小彌太について書かれた本は初めて読んだ。大企業として発展して行くには、創業者だけでなく、それに続く世代も重要なんだろうけど、でも、逸話が受け継がれていくのは、いくら三菱とはいえ、この辺りまでなんだろうな。

BOOK「渋沢栄一 日本を創った実業人」

nihonwotsukuttajitugyoujin渋沢栄一
日本を創った実業人
東京商工会議所編
(講談社+α文庫:819円+税)
※古書を購入

最近、ゴミ箱をあさるような本の読み方をしているので、たまにはまともな本が読みたくなった^^;;
文庫本とは思えないくらい、めいっぱい大きな活字。そのため、ページの余白がほとんどないくらい活字が並んでいる。老眼でもとっても読みやすい^^
渋沢栄一は、とかく政治家が中心に語られる歴史の中で、民間人・経済人として明治期に日本の近代化に貢献した人物として、密かに人気が高い人物だと思う。関東大震災の時に、海外方の支援を取り付けたとかで、先の東日本大震災後にも注目を集めた。
銀行や電力会社、製紙会社、鉄道会社など、大企業をいくつも創設して、日本の資本主義経済の父と言われるけど・・・いまのように、無難な経営をし、大過なく任期を終えて莫大な退職金だけもらって引退することだけを考えている雇われ社長とは比べようもない。やっぱり、明治の人間には気骨があったんだなぁ。・・・東芝の歴代3人の社長に、渋沢栄一の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいくらいだ^^;;

BOOK「現代語訳 信長公記」

nobunagakouki現代語訳 信長公記
太田牛一著
中川太古訳
(新人物文庫:amazon:334円)
ASIN:B00G6E8E7A
※Kindle版を購入

もういい加減年もとったし、こういう古典を読むのは止めようと思いながら・・・Kindleで古典を読むのはどういう感じだろうかと、つい買ってしまった^^;; まあ、関心のない本でもないし・・・。
で、実際にKindleで読んでみたところ・・・指先のタッチで注釈を呼び出し、再び画面タッチで操作バーを表示させ、元のページに戻るアイコンをタッチ・・・非常に面倒くさい^^; リアル本なら、注釈のページに指を挟んでおけば、さっと確認できるので苦もないことなのに、Kindleでは毎回同じ操作が必要になる。せめてバルーン表示にでもしてくれれば読みやすいのに・・・。
という、Kindleの不便さだけが原因ではないけど、かなり時間がかかった。Kindle版は本の厚さが直感でわからないから、事前の覚悟が足りなかった^^;;
でも、とても個人的なことだけど、この本を読んでよかった^^

BOOK「ロシヤにおける広瀬武夫(下巻)」

rosiyaniokeruhirose02.jpgロシヤにおける広瀬武夫(下巻)
島田謹二著
(朝日選書:640円)
ISBN/ASIN:------
※古書を購入

かなり苦しみながらも、最後まで読み終えた。これで、「広瀬武夫」については十分に満足した。もうこれ以上、別の本を読む必要は無い^^;
この手の古本を買うと、ごく一部のページに熱心な読み跡が集中していたり、まったく読まれた形跡がない場合が多いけど、この本にはたぶん読まれたことがあるらしい。その証拠に、最後の方のページに髪の毛が挟まっていた。
さて、この本を今後どうしたものか。ふつうなら、自炊してしまうところだけど、そうするとこの世からこの本が消えてしまう。どれだけ需要があるのかわからないけど・・・再版される見込みのない本だからなぁ。でも、古本屋に持って行っても、よほどの専門店じゃないと、引き取ってもらえそうもないし・・・。

BOOK「ロシヤにおける広瀬武夫(上巻)」

rosiyaniokeruhirose01.jpgロシヤにおける広瀬武夫(上巻)
島田謹二著
(朝日選書:640円)
ISBN/ASIN:------
※古書を購入

以前読んだ司馬遼太郎の「坂の上の雲」に少しだけ登場した広瀬武夫に興味を持った。司馬遼太郎が小説の中に登場させるくらいだから、それなりに有名な人物で、それなりに出版物があるだろうと思ったら・・・これしか発見できなかった。
日露戦争前、まだ日本が東洋の弱小国と思われていた時代に、広瀬武夫は外交官(駐在武官)としてロシアに赴任した。帝国主義的な侵略が当たり前の時代だけに、駐在武官がどんな活動をしたのか、当初の興味とは別の部分が面白かった。
いつものことだけど・・・古い本は活字が小さく、行間もツメツメなので、老眼では非常に読みづらい^^; なにせ、34年前に初版が出された本。写植ではなく、活版で刷られている。いま、絶不調だけど、まだこういう本を読めるのが、ギリギリの救い・・・。