BOOK「非常識な建築業界 「どや建築」という病」

非常識な建築業界
「どや建築」という病

森山高至著
(光文社新書:amazon:378円)
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著者は、新国立競技場のデザイン決定後のドタバタや豊洲の新市場問題の時、いろいろテレビに出ていた。その時は、大型公共施設に見識のある人なんだろうと思っていたけど、早くからこういう問題に取り組んでいた人もようだ。そういえば、昨年秋の衆院選に立候補していたようだけど・・・当否はどうなったんだろう?
ここで取り上げているのは、大型の公共施設を建てる際に行われる「公共コンペ」がいかに機能不全を起こしているかということ。利用者や管理者・運営者の視点が活かされず、建築業界の非常識的常識で最優秀案が選ばれ、コストを度外視して実施されていくという問題。わたしも、地方に行ったときなど、なんでこんなところにこんな建物があるのかと驚くことがあるけど、そういう建物が建てられる元凶がここにあるらしい。
戦後日本の簡単な建築史や、ゼネコンの実情やらなにやら、建築業界の裏事情のようなモノまで幅広く取り上げられていて、入門書として面白く読めた。

BOOK「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」

人工知能は人間を超えるか
ディープラーニングの先にあるもの

松尾豊著
(角川EPUB選書:amazon:875円)
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AIに関する本を読んだのはこれが2冊目だけど・・・同時期に書かれた本だから仕方がないのかも知れないけど・・・だいたい同じようなことが書かれていた。要は、ディープラーニング(深層学習)という手法で自ら成長していく人工知能ということ。従来のなんちゃって人工知能との違いなどは、それなりに理解できた。
囲碁、将棋、株式投資アドバイス等々・・・こんなことができる、あんなこともできる、これは実用化された云々、個別の事例を並べられれば、それなりにすごいとは思う。では、将来の世の中、暮らしはどうなるのか、専門家としてもう少し踏み込んだ考察が欲しかった。
わたしは技術者ではないので、知りたいのは自分の暮らしがどう変わるかだ。AIによる音声認識・・・すごい技術だとは思うけど・・・わざわざ声で家電を操作することが便利なことなのか? ドローンが荷物を届けてくれたり、受付嬢がアンドロイドになったりすることが快適なことなのか? ぜんぜんピンとこないんだよな・・・。わたしの感度が鈍いだけなんだろうけど^^;

BOOK「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」

AIの衝撃
人工知能は人類の敵か

小林雅一著
(講談社現代新書:amazon:702円)
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最近流行の「AI」について、とりあえず何か読んでおこうと思い、この本を読んでみた。2015年に出た本だけど、動きが速い業界だけに、明らかに情報が古いと感じるものも多々あった。でも、AIの衝撃の大きさと、日本衰退への危機感は的確に指摘している。
AIと人間との関係・・・AIの将棋ソフトのことを詳しく紹介しているけど、根底で著者の考えには納得できないものがある。AIがプロ棋士より強くなったことで、人間が指す将棋に意味がなくなるなんてことはないと思う。だって、自動車は人間より速く走る。なら、オリンピックの陸上競技に意味はないかというとそうじゃない。大相撲の横綱だって、ダンプカーには押し負ける。じゃあ、大相撲に存在意味はないのか。ぜんぜん別物というだけのこと。プロ棋士とAIがペアになる必要もない。AIとプロ棋士が対戦する意味がなくなっただけのことだろう。
人間はいろんな部分で「技術」に追い越されてきたけど、機械やコンピュータより劣る人間がやることに、必ずしも意味がなくなるわけではない。その意味ではむしろ、AIが将棋という分野で人間を超えるのに、ちょっと時間がかかりすぎたのではないかとすらわたしは思っている。
日本の将来なんて知ったこっちゃないけど・・・AIは世の中を激変させるだろう。だけど、AIが本格的に実用化され、身近な存在になる頃、わたしはもう寿命が尽きてるんだろうなぁ^^;;

BOOK「子育て支援と経済成長」

子育て支援と経済成長
柴田悠著
(朝日新書:amazon:648円)
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かつての小泉政権下、日本の社会保障、社会福祉は予算削減の連続で、お寒い状況が続いていた。最近は多少回復してはいるけど、老人福祉に比べて若年社者の福祉は残念な状況が続いている。まあ、政治は年寄りがもう少しで年寄りになる人を選んで行うものだし、仕方がないといえば仕方がない。
この本は、子育て支援には大きな経済効果があって、経済成長につながるということがいろいろ書かれている。そう言ってしまえば、だれも反対しはしないんだろうけど・・・。もちろん、わたしも反対はしない。
でもなぁ、わたしは「経済効果」というのを信じていないし、経済効果や経済成長が「好景気」とイコールだとも思っていない。ニュース番組などで、経済学者やシンクタンクの人なんかが、やれワールドカップだ、やれオリンピックだなどなど、ことあるごとにいくらの経済効果があるなどと言っているけど・・・その効果とやらをわたしは実感したことがない。
そして、いろいろな施策をやった後になって思うのだ。・・・景気、良くならないかなぁ~。そして、わたしの中での経済学者の信用はますます落ちてゆく・・・。

BOOK「百年続く企業の条件 老舗は変化を恐れない」

百年続く企業の条件
老舗は変化を恐れない

帝国データバンク史料館・産業調査部編
(朝日新書:740円+税)
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帝国データバンクという会社、以前わたしの会社が、超大手企業と取引をはじめた途端に飛んできて、設立1年、従業員2人の会社をちゃんと調査していったことがある。なかなかすごい会社だと実感した。
その帝国データバンクの資料館・産業調査部が編集した、100年以上の歴史を持つ日本の老舗企業のデータ分析と個別取材を行った結果をまとめた本。具体的な文政結果や実例なども出てきてかなり説得力がある。
でもなぁ、いま現在の会社を100年続けていくにはどうしたら良いか、それがすぐにわかるわけではない。いや、もしかすると、わかる人にはピンと来ている本なのかも知れない。わたしは経営者ではないので、ピンとこなくてもかまわないけど・・・日本の財界を占める大企業の経営者の皆々様には、ぜひ、ピンとくるものがあって欲しいと心から願っている。

BOOK「アニメが地方を救う!? 「聖地巡礼」の経済効果を考える」

animegatihouwoアニメが地方を救う!?
「聖地巡礼」の経済効果を考える

酒井亨著
(ワニブックスPLUS新書:880円+税)
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映画やドラマのロケ地が観光名所になることは、それほど珍しいことではない。だけど、その地が観光地として栄え続けるか、人が住み、経済活動を行う都市として栄えるかは、全くの別問題だったりする。そもそも、こういう聖地巡礼は一過性のもので、最終的には、その地の「魅力」次第なんだろうと思う。
この本では、いろいろなアニメ作品と聖地をケーススタディとして紹介している。もちろん、経済的に成功した例ばかりではなく、失敗に終わった例もたくさん含まれている。というか、成功した事例は、以外に多くはないので・・・。
いろいろ成功の条件なども考察しているけど、この本に書いてあるとおり、アニメがヒットしなければ、聖地として盛り上がらず、巡礼者が集まらない。ましてや、地方創世とか町おこしとかにはつながらない。