BOOK「スティーブ・ジョブズ全発言 世界を動かした142の言葉」

スティーブ・ジョブズ全発言
世界を動かした142の言葉

桑原晃弥著
(PHPビジネス新書:900円+税)
※古書を購入

正直いうと、ジョブズにはあまり興味がなかった。
ビジネス界の巨人、スティーブ・ジョブズからなにかを学びたい、ヒントが欲しいということの現れなにか、似たような本がいくつか出ているけど、新書版で安かったのでこれにした。
右ページにジョブスの言葉が書かれていて、左ページに当時の状況など補足情報が載せられていた。単純に言葉だけをズラズラ並べて、あとは読み手の能力次第だよ、というタイプの名言集ではなかったけど・・・わたしの能力と感性の問題として、ピンっと心に響くような言葉はなかった。たぶん、サービス精神でこういう言葉も言っておこうとか、言っておいてあげようという心遣いに満ちた言葉が並んでいて、かなり幅広い人に向けられた言葉だとは感じたけれど・・・。そもそも、わたしのような小人に、ジョブスのような巨人の言葉が釣り合うわけがないんだよな^^;; それは、世の中のたいていの人にも当てはまるような気もするけど、他人のことはよくわからない。

BOOK「縮小ニッポンの衝撃」

縮小ニッポンの衝撃
NHKスペシャル取材班著
(講談社現代新書:740円+税)
※古書を購入

昨年出た本だけど、NHKスペシャルの番組は見逃してしまったようだ。
わたしはバブル経済以前から日本の未来に悲観的だったけれど、その理由は団塊世代と年金問題にあった。団塊世代が都合よくもらい逃げする年金制度がヤバイと思ったから。この問題はその後解決されることなく、団塊世代は「高齢化」という問題になり、同時に「少子化」という二重苦になった。いまでは、「人口縮小」という問題が顕在化した。これは、予測ではなく確定していたことだ。
団塊世代は一夫婦が2人以上、人口を維持できる程度には子どもを産んだ。これが団塊ジュニアだけど、この世代が少子化を起こしてしまった。これは年齢的に確定した。団塊ジュニアはもう子どもを産む年齢を過ぎた。数が減った団塊三世は、「非正規雇用」や「ひきこもりニート化」などで、出産はおろか結婚すらしづらい状況にある。・・・人口縮小のスパイラル。
この本では、北海道や島根県の地方都市、そして東京について書かれているけど、上のような状況は全国的なことなので、どの地域でも避けようがない。明るい話はひとつもなくて、じっとり暗い気持ちになる。
ではどうしたら良いのか? 悲観論者のわたしにいわせれば、解決策などない。ジジババにではなく、若年層に財政を回せともいうけど・・・ジジババがのたれ死ぬような状況を見せられ、将来に不安を感じてしまえば若者は結婚もしないし子どもも産まない。限られた財政で、ブレーキとアクセルを同時に踏むような夢のような政策などあるはずがない。人口が減れば、やがて財政だって破綻する。
せいぜい、大量の移民を受け入れるという禁じ手があるけど・・・日本はこの問題について、まともな議論すらできないのが実情だしなぁ。

BOOK「5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人 ドイツに27年住んでわかった定時に帰る仕事術」

5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人
ドイツに27年住んでわかった定時に帰る仕事術

熊谷徹著
(SB新書:800円+税)
※古書を購入

日本では「働き方改革」なるものを進めようとしているけど、これをやらないことには日本に未来はないという気がしている。でも、政府も自民党も、そして野党もことの本質を見据えての議論をしているようには思えないのが残念だ。
「なになに先進国」といわれることの多いドイツだけど・・・これ本当か?と目を疑いたくなるようなことがたくさん書いてあった。「1日10時間を超える労働は禁止」「残業時間を銀行貯金のように貯めて有給休暇に振り替えられるワーキング・タイム・アカウント(労働時間貯蓄口座)」「ドイツの多くの州では学校の夏休み冬休みの宿題が禁止」などなど。他にも、ドイツ語に「頑張る」という単語がないとか・・・ないわけがないと思うけど・・・。
いろいろ考えさせられる法律や制度が書かれていたけど・・・サブタイトルにある「定時に帰る仕事術」はなにも書かれていなかった。そもそも、こういうドイツ社会では、定時に帰らざるを得ないんだろう。そして、腰巻きに書かれている「なぜドイツは1年の4割働かなくても経済が絶好調なのか?」についても、納得のいくことはなにも書かれていなかった。これがいちばん知りたかったのに。
そもそも、そんな天国のようなドイツから、どうして著者は「社畜王国・日本」にわざわざ帰ってきたのだろう?

BOOK「10年後の仕事図鑑」

10年後の仕事図鑑
堀江貴文×落合陽一著
(SBクリエイティブ:1,400円+税)

知人が読み終えたというので、いただいた。
基本的には、落合さんと堀江さんから見て、いまの世の中でなにが起こっていて、これからどうなるかという考えを述べてる。彼ら自身も今後どうなるかはわからないという事は明確に述べている。だから、仕事図鑑自体は参考程度で、正直あまり気にしなくていい内容であるらしい。
言っていることは大きくふたつ。事務的仕事・機械的仕事は、今後、AIに取って代わられ、その業態は大きく変わる。そのとき、自分の仕事がなくなってしまうのではないかと心配するより、この変化の中で「自分の好きなこと=仕事」というように自分の考えを昇華させるくらいのことをしないといけないということ。
もうひとつは、どうしても現状維持を望む人は、AIと付き合いながら、その仕組みの中で自分を最適化して生き延びろと。このふたつの生き方について、どちらが正しいとも結論づけてはいない。
ホリエモンの言っていたことには、以前から共感する部分も多かった。個人的バックグラウンドを前提として、「なるほど!」と思うことも多いけど・・・「どうやって?」という現実的な方法論については悩ましいところだな・・・。

BOOK「非常識な建築業界 「どや建築」という病」

非常識な建築業界
「どや建築」という病

森山高至著
(光文社新書:amazon:378円)
※Kindle版を購入

著者は、新国立競技場のデザイン決定後のドタバタや豊洲の新市場問題の時、いろいろテレビに出ていた。その時は、大型公共施設に見識のある人なんだろうと思っていたけど、早くからこういう問題に取り組んでいた人もようだ。そういえば、昨年秋の衆院選に立候補していたようだけど・・・当否はどうなったんだろう?
ここで取り上げているのは、大型の公共施設を建てる際に行われる「公共コンペ」がいかに機能不全を起こしているかということ。利用者や管理者・運営者の視点が活かされず、建築業界の非常識的常識で最優秀案が選ばれ、コストを度外視して実施されていくという問題。わたしも、地方に行ったときなど、なんでこんなところにこんな建物があるのかと驚くことがあるけど、そういう建物が建てられる元凶がここにあるらしい。
戦後日本の簡単な建築史や、ゼネコンの実情やらなにやら、建築業界の裏事情のようなモノまで幅広く取り上げられていて、入門書として面白く読めた。

BOOK「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」

人工知能は人間を超えるか
ディープラーニングの先にあるもの

松尾豊著
(角川EPUB選書:amazon:875円)
※Kindle版を購入

AIに関する本を読んだのはこれが2冊目だけど・・・同時期に書かれた本だから仕方がないのかも知れないけど・・・だいたい同じようなことが書かれていた。要は、ディープラーニング(深層学習)という手法で自ら成長していく人工知能ということ。従来のなんちゃって人工知能との違いなどは、それなりに理解できた。
囲碁、将棋、株式投資アドバイス等々・・・こんなことができる、あんなこともできる、これは実用化された云々、個別の事例を並べられれば、それなりにすごいとは思う。では、将来の世の中、暮らしはどうなるのか、専門家としてもう少し踏み込んだ考察が欲しかった。
わたしは技術者ではないので、知りたいのは自分の暮らしがどう変わるかだ。AIによる音声認識・・・すごい技術だとは思うけど・・・わざわざ声で家電を操作することが便利なことなのか? ドローンが荷物を届けてくれたり、受付嬢がアンドロイドになったりすることが快適なことなのか? ぜんぜんピンとこないんだよな・・・。わたしの感度が鈍いだけなんだろうけど^^;

BOOK「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」

AIの衝撃
人工知能は人類の敵か

小林雅一著
(講談社現代新書:amazon:702円)
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最近流行の「AI」について、とりあえず何か読んでおこうと思い、この本を読んでみた。2015年に出た本だけど、動きが速い業界だけに、明らかに情報が古いと感じるものも多々あった。でも、AIの衝撃の大きさと、日本衰退への危機感は的確に指摘している。
AIと人間との関係・・・AIの将棋ソフトのことを詳しく紹介しているけど、根底で著者の考えには納得できないものがある。AIがプロ棋士より強くなったことで、人間が指す将棋に意味がなくなるなんてことはないと思う。だって、自動車は人間より速く走る。なら、オリンピックの陸上競技に意味はないかというとそうじゃない。大相撲の横綱だって、ダンプカーには押し負ける。じゃあ、大相撲に存在意味はないのか。ぜんぜん別物というだけのこと。プロ棋士とAIがペアになる必要もない。AIとプロ棋士が対戦する意味がなくなっただけのことだろう。
人間はいろんな部分で「技術」に追い越されてきたけど、機械やコンピュータより劣る人間がやることに、必ずしも意味がなくなるわけではない。その意味ではむしろ、AIが将棋という分野で人間を超えるのに、ちょっと時間がかかりすぎたのではないかとすらわたしは思っている。
日本の将来なんて知ったこっちゃないけど・・・AIは世の中を激変させるだろう。だけど、AIが本格的に実用化され、身近な存在になる頃、わたしはもう寿命が尽きてるんだろうなぁ^^;;

BOOK「子育て支援と経済成長」

子育て支援と経済成長
柴田悠著
(朝日新書:amazon:648円)
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かつての小泉政権下、日本の社会保障、社会福祉は予算削減の連続で、お寒い状況が続いていた。最近は多少回復してはいるけど、老人福祉に比べて若年社者の福祉は残念な状況が続いている。まあ、政治は年寄りがもう少しで年寄りになる人を選んで行うものだし、仕方がないといえば仕方がない。
この本は、子育て支援には大きな経済効果があって、経済成長につながるということがいろいろ書かれている。そう言ってしまえば、だれも反対しはしないんだろうけど・・・。もちろん、わたしも反対はしない。
でもなぁ、わたしは「経済効果」というのを信じていないし、経済効果や経済成長が「好景気」とイコールだとも思っていない。ニュース番組などで、経済学者やシンクタンクの人なんかが、やれワールドカップだ、やれオリンピックだなどなど、ことあるごとにいくらの経済効果があるなどと言っているけど・・・その効果とやらをわたしは実感したことがない。
そして、いろいろな施策をやった後になって思うのだ。・・・景気、良くならないかなぁ~。そして、わたしの中での経済学者の信用はますます落ちてゆく・・・。