BOOK「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」

人工知能は人間を超えるか
ディープラーニングの先にあるもの

松尾豊著
(角川EPUB選書:amazon:875円)
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AIに関する本を読んだのはこれが2冊目だけど・・・同時期に書かれた本だから仕方がないのかも知れないけど・・・だいたい同じようなことが書かれていた。要は、ディープラーニング(深層学習)という手法で自ら成長していく人工知能ということ。従来のなんちゃって人工知能との違いなどは、それなりに理解できた。
囲碁、将棋、株式投資アドバイス等々・・・こんなことができる、あんなこともできる、これは実用化された云々、個別の事例を並べられれば、それなりにすごいとは思う。では、将来の世の中、暮らしはどうなるのか、専門家としてもう少し踏み込んだ考察が欲しかった。
わたしは技術者ではないので、知りたいのは自分の暮らしがどう変わるかだ。AIによる音声認識・・・すごい技術だとは思うけど・・・わざわざ声で家電を操作することが便利なことなのか? ドローンが荷物を届けてくれたり、受付嬢がアンドロイドになったりすることが快適なことなのか? ぜんぜんピンとこないんだよな・・・。わたしの感度が鈍いだけなんだろうけど^^;

BOOK「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」

AIの衝撃
人工知能は人類の敵か

小林雅一著
(講談社現代新書:amazon:702円)
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最近流行の「AI」について、とりあえず何か読んでおこうと思い、この本を読んでみた。2015年に出た本だけど、動きが速い業界だけに、明らかに情報が古いと感じるものも多々あった。でも、AIの衝撃の大きさと、日本衰退への危機感は的確に指摘している。
AIと人間との関係・・・AIの将棋ソフトのことを詳しく紹介しているけど、根底で著者の考えには納得できないものがある。AIがプロ棋士より強くなったことで、人間が指す将棋に意味がなくなるなんてことはないと思う。だって、自動車は人間より速く走る。なら、オリンピックの陸上競技に意味はないかというとそうじゃない。大相撲の横綱だって、ダンプカーには押し負ける。じゃあ、大相撲に存在意味はないのか。ぜんぜん別物というだけのこと。プロ棋士とAIがペアになる必要もない。AIとプロ棋士が対戦する意味がなくなっただけのことだろう。
人間はいろんな部分で「技術」に追い越されてきたけど、機械やコンピュータより劣る人間がやることに、必ずしも意味がなくなるわけではない。その意味ではむしろ、AIが将棋という分野で人間を超えるのに、ちょっと時間がかかりすぎたのではないかとすらわたしは思っている。
日本の将来なんて知ったこっちゃないけど・・・AIは世の中を激変させるだろう。だけど、AIが本格的に実用化され、身近な存在になる頃、わたしはもう寿命が尽きてるんだろうなぁ^^;;

BOOK「子育て支援と経済成長」

子育て支援と経済成長
柴田悠著
(朝日新書:amazon:648円)
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かつての小泉政権下、日本の社会保障、社会福祉は予算削減の連続で、お寒い状況が続いていた。最近は多少回復してはいるけど、老人福祉に比べて若年社者の福祉は残念な状況が続いている。まあ、政治は年寄りがもう少しで年寄りになる人を選んで行うものだし、仕方がないといえば仕方がない。
この本は、子育て支援には大きな経済効果があって、経済成長につながるということがいろいろ書かれている。そう言ってしまえば、だれも反対しはしないんだろうけど・・・。もちろん、わたしも反対はしない。
でもなぁ、わたしは「経済効果」というのを信じていないし、経済効果や経済成長が「好景気」とイコールだとも思っていない。ニュース番組などで、経済学者やシンクタンクの人なんかが、やれワールドカップだ、やれオリンピックだなどなど、ことあるごとにいくらの経済効果があるなどと言っているけど・・・その効果とやらをわたしは実感したことがない。
そして、いろいろな施策をやった後になって思うのだ。・・・景気、良くならないかなぁ~。そして、わたしの中での経済学者の信用はますます落ちてゆく・・・。

BOOK「百年続く企業の条件 老舗は変化を恐れない」

百年続く企業の条件
老舗は変化を恐れない

帝国データバンク史料館・産業調査部編
(朝日新書:740円+税)
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帝国データバンクという会社、以前わたしの会社が、超大手企業と取引をはじめた途端に飛んできて、設立1年、従業員2人の会社をちゃんと調査していったことがある。なかなかすごい会社だと実感した。
その帝国データバンクの資料館・産業調査部が編集した、100年以上の歴史を持つ日本の老舗企業のデータ分析と個別取材を行った結果をまとめた本。具体的な文政結果や実例なども出てきてかなり説得力がある。
でもなぁ、いま現在の会社を100年続けていくにはどうしたら良いか、それがすぐにわかるわけではない。いや、もしかすると、わかる人にはピンと来ている本なのかも知れない。わたしは経営者ではないので、ピンとこなくてもかまわないけど・・・日本の財界を占める大企業の経営者の皆々様には、ぜひ、ピンとくるものがあって欲しいと心から願っている。

BOOK「アニメが地方を救う!? 「聖地巡礼」の経済効果を考える」

animegatihouwoアニメが地方を救う!?
「聖地巡礼」の経済効果を考える

酒井亨著
(ワニブックスPLUS新書:880円+税)
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映画やドラマのロケ地が観光名所になることは、それほど珍しいことではない。だけど、その地が観光地として栄え続けるか、人が住み、経済活動を行う都市として栄えるかは、全くの別問題だったりする。そもそも、こういう聖地巡礼は一過性のもので、最終的には、その地の「魅力」次第なんだろうと思う。
この本では、いろいろなアニメ作品と聖地をケーススタディとして紹介している。もちろん、経済的に成功した例ばかりではなく、失敗に終わった例もたくさん含まれている。というか、成功した事例は、以外に多くはないので・・・。
いろいろ成功の条件なども考察しているけど、この本に書いてあるとおり、アニメがヒットしなければ、聖地として盛り上がらず、巡礼者が集まらない。ましてや、地方創世とか町おこしとかにはつながらない。

BOOK「日本のものづくりはMRJでよみがえる!」

monodukuriha_mrj日本のものづくりはMRJでよみがえる!
杉山勝彦著
(SB新書:amazon:800円)
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戦後初の国産旅客機YS-11から幾久しい時間が過ぎたけど、国産旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)が今年ようやく初飛行を迎える。
2014年10月18日にロールアウト。その完成披露式典に小渕優子国土交通大臣が不正経理問題で急遽、欠席するというミソがついたけど・・・パラパラと受注契約も取っているらしい。
YS-11は合計182機しか製造されず、「技術的には成功、ビジネス的には失敗」という評価に終わった。もちろん、日米経済摩擦や田中角栄のダグラス・ロッキード事件など政治的な影響もあっての結果だけど、MRJは果たしてどうなるものだろうか。
国産航空機の開発製造には高度な技術が求められるのは確かだけど、そもそも量産できなければ産業的な意味合いは薄い。そのためにはとにかくたくさん受注して売りさばくこと。家電製品などのように、労働力の安い外国に製造現場が移転してしまうことはないのだろうけど・・・まあ、本当にMRJがたくさん売れたとしても、タイトル通りに「日本のものづくり」をどうこういうほどの効果はないような気もするけど^^;;

BOOK「21世紀の資本 LE CAPITAL AU XXIe SIECLE」

le_capital21世紀の資本
LE CAPITAL AU XXIe SIECLE
Thomas Piketty著
山形浩生/守岡桜/森本正史訳
(みすず書房:5,500円+税)

昨年12月、出版されてすぐに購入し、年末年始には読み終えるつもりでいたけど・・・甘かった。集中してこの本ばかりを読んでいたわけではないけど、読み終わるのに2月末までかかってしまった^^;

でも、まあ、自分なりに理解はできたようだし、いろいろ考えるきっかけにはなった。本当に正しく理解できたかどうかは知らないけど・・・わたしは、未来に対していい感じで絶望した、否、絶望できた^^;;
r > g
ピケティと言えばこの式だけど、資本収益率 r が経済成長率 g を上回る。つまり、資本主義の根本的矛盾として、格差が拡大し続けると言うことを示している。現在のように経済成長が停滞した社会では、格差の拡大により過去に蓄積された富の比重がどんどん大きくなり、その結果、社会構造と富の分配に大きく影響していく。
ざっくり言ってしまえば・・・いまはまじめにコツコツ働くより、手持ちの資産があるなら投資で稼いだ方が儲かる時代で、親の資産がなければどうしようもないということ。現在、所得と資本の集中が1910年代と同じ程度にまで戻っているという。ピケティ自身は書いていないけど、第三次世界大戦でも起きない限り、富の偏在を解消する方法はないように思う。実際、第二次世界大戦は富の偏在を解消する働きをした、らしい。
その意味では、お金持ちのボンボンの玉の輿を狙う女の子たちの発想は正しいわけだ^^; もしかすると、いまの女性たちは本能的にそれに気づいていて、そのせいで晩婚化や未婚化が起きているのかも知れない^^; 少なくとも、手に油して働くより、株でも転がして楽に儲ける方がいいと思っている。自分の子どもをそうさせたいと思っている親も多い。
そうなると、累進課税や相続税の強化などの政策で所得格差を縮小方向に持っていったり、社会福祉などの再分配で貧困層を救済しないといけないということになるけど・・・現在のグローバル化した資本主義はそれに逆行している。そして、これを止める手段はなさそうだ。実際に止めるのは経済学者ではなく政治家の仕事だし・・・。
この本を読んで、わたしのような世代は、ふと思うのだ。かつての高度成長時代の日本は良かったなぁ、と・・・。ああいう時代はもう二度とは来ないのだろうけど。
でもね、さらに思うけど、その高度成長期を支えた団塊の世代は、年金もらい逃げで後は知らんぷりという態度。消費税を上げたのに財政再建には手も付けない。次世代にツケを残してはいけないなどと口では言うけれど、そんなことまじめに考えている人間なんていないのが現実。ポスト団塊世代のわたしが、次世代のことを考えないで、何が悪い?

BOOK「これからはインド、という時代」

korekarahaindiaこれからはインド、という時代
日下公人/森尻純夫著
(ワック:886円+税)
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2012年に出た本なのでちょっと古いけど、amazonで古書が1円+送料だったので、なんとなく読んでみた。
一時、「中国の次はインドだ!」と騒いでいた時代があったけど、最近、ついぞこの言葉を聞かなくなった。経済発展云々というニュースより、女性の人権が蹂躙されているとか、レイプが横行しているとか、あまり良い話題を聞かなくなった。
日本人には馴染みが薄いヒンズー教の国、カースト制がいまだに残る国、核兵器を持つ国、核拡散防止条約に参加していない国、世界第二位の人口の国、野良牛が街中を歩いている国・・・インドには漠然としたイメージしかなくて、よくわからない国というのが正直なところ。この本を読んでも、いまひとつリアリティあるイメージを持てなかった。
中国とはまた違った意味で、ちょっと不気味な感じもするけど、本当に今後、発展していくのだろうか・・・。