BOOK「原発とプルトニウム パンドラの箱を開けてしまった科学者たち」

原発とプルトニウム
パンドラの箱を開けてしまった科学者たち

常石敬一著
(PHPサイエンス・ワールド新書:840円+税)
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この本の大半はサブタイトル通りに、レントゲンによるX線の発見から原爆製造のためのプルトニウム生成までの研究史をたどっている。放射線が発見されてから、マンハッタン計画で軍事利用される中で、様々な科学者の業績や活動が紹介されている。その上で、原子力の「平和利用」としての原発。そして、原発から日々生み出されるプルトニウムの問題をとりあげている。
原発に関する話としては、沸騰水型軽水炉(BWR)と加圧水型軽水炉(PWR)についての説明がわかりやすい。東日本と西日本で棲み分けがあることははじめて知った。
著者の問題提起は、自然界にはほとんど存在しないプルトニウムという猛毒の放射性元素を、これ以上増やしてはいけないということ。日本の「核燃料サイクル」の愚かしさを問題視している。すでに核燃料サイクルは破綻しているのだから、さっさと止めてしまえばいいのだけど・・・その先どうするかというところがはっきりしない。トイレのない住宅どころか、出口すらないという印象だ。

BOOK「マンガ おはなし物理学史 物理学400年の流れを概観する」

マンガ おはなし物理学史
物理学400年の流れを概観する

小山慶太:原著
佐々木ケン:漫画
(講談社ブルーバックス:1,080円+税)
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仕事の資料として読んだ本。
第1章「力学」はガリレオ、ケプラー、ニュートンについて、よく知られた内容だったけど、第2章「電磁気学」は、ホイヘンス、ヤング、フレネル、フーコー、ファラデー、マクスウェルといった感じで、いままで意外にも人物として意識していなかった科学者が登場して面白かった。第3章「量子力学」と第4章「相対性理論」あたりになると、オールスターキャストという感じ。
この本のコンセプトが「マンガ」だから仕方がないけど、わざわざマンガにしなくてもという部分もあったし、どうして登場しないのかと思う科学者も数人いるけど・・・コンパクトにまとまったわかりやすい内容だった。
最後に、湯川秀樹、朝永振一郎、小柴昌俊、南部陽一郎、益川敏英、小林誠といった、日本人ノーベル物理学賞受賞者がまとめて紹介されていたのは、(個人的に)別の面でありがたかった。
こんな感じで、「宇宙論」についてまとめた本を出してくれないかな・・・。

BOOK「天文の世界史」

天文の世界史
廣瀬匠著
(集英社インターナショナル新書:amazon:734円)
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人間と天体との関係、地球と星々との関係を、大まかな天文学の発展に合わせた流れで・・・太陽・月・地球、惑星と太陽系、星座と恒星、流星・彗星・超新星、天の川・星雲星団・銀河、宇宙観という対象の広がりに応じて、各項目の歴史的解説を行っている。その当時の天文学者が何を知りたかったのか、何をどう認識していたかという視点で、天文学の流れを伝えている。
古代エジプト・古代インドでは・・・などといわれても、あまりピンとこないけれど・・・政治や宗教、農業などにとって、天文学は密接なものだった。でも、科学が進歩するにつれ、どんどん遠い存在になっていくのを実感した。先端科学の常として、宇宙がブラックボックス化してしまったともいえる。まあ、東京に暮らしていると、夜空を見上げる機会もないし、そもそも星がほとんど見えないからなぁ。
個人的には閏年が気になった。現在のグレゴリオ暦では、一年は365日。ただし、4の倍数の年は閏年として366日。その上で、100の倍数の年は閏年としないけど、400の倍数の年は閏年にする。100年単位での特例だから、わたしの一生の中では西暦2000年が該当したけど・・・400の倍数だから普通に閏年だった。次の例外は2100年・・・わたしはとっくに死んでいいるだろう。

BOOK「世界一のトイレ ウォシュレット開発物語」

sekaiichinotoire世界一のトイレ
ウォシュレット開発物語
林良祐著
(朝日新書:720円+税)
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一応、仕事の関係で読んだ本。仕事には直接関係がないといえば関係がないんだろうけど。
「ウォシュレット」はTOTOの商品名で、他社はそれぞれ別の商品名が付いてはいる。一般的には洗浄便座とか呼ばれているようだけど・・・そのうち、ウォシュレットが一般名詞になってしまうような気がする。でも、洗浄便座という呼称は、P社なんかが販売しているような、便器そのものの掃除をしてくれるものにこそ合致するような気がする。
日本でこそ普及率は高いけど、欧米ではなかなか普及が進まないようだ。というのも、日本のユニットバス・トイレのように、トイレとシャワーが一緒になっていることが多く、電源がないというのが理由らしい。そもそも、ウォシュレットが普及する以前から、日本の住宅ではなぜかトイレにコンセントがあるのが一般的だった。たぶん、暖房器具のためのものだろうけど・・・。やっぱり、日本の特殊な住宅事情が関係していることは間違いない。
そんなことはともかく、ウォシュレットが生み出されるまでの開発話が書かれている。

BOOK「物理学の歴史」

butsurinorekishi物理学の歴史
朝永振一郎編
高林武彦/中村誠太郎著
(ちくま学芸文庫:1,400円+税)
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かつて、「自然哲学」と呼ばれていた科学以前の概念から、「物理学」が独立してきたのはケプラーやニュートンにより運動や力の解明が進んだことから、物理学ははじまった。続いてマックスウェルの電磁気へと古典物理学が完成。その後は、量子論への入口となる光の研究が進み、量子力学、素粒子論が発展する。という流れで書かれた本だけど・・・気のせいかも知れないけど、量子論に入ると突然、記述が難しくなった^^;; 執筆者が違うから仕方がないのかも知れないけど。
朝永振一郎はノーベル物理学賞を受賞したご存じの物理学者だけど、一般向けの物理学解説書をたくさん書いいる。この本はあくまで編者ではあるけど・・・あまたの本の中でも読みにくい本の部類に入るだろうと思う^^;

BOOK「江戸人物科学史 「もう一つの文明開化」を訪ねて」

edojinbutukagakushi江戸人物科学史
「もう一つの文明開化」を訪ねて
金子 務著
(中公新書:880円+税)
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通販で買った古本なので、予想していた内容とかなり異なっていた。もう少し科学技術寄りの内容かと思っていたけど、人物史というか、人物事典的な内容だった。ただし、わたしの興味関心に照らしていえば、この方がありがたい内容だったのだけど^^
こういう本を読む度に思うことがある。それは江戸時代の文化的・技術的レベルの高さ。江戸幕府は西洋の思想や科学技術の導入に積極的ではなかった。しかし、私塾を中心とした民間レベルから藩レベルに至るまで、すでに高い水準にあったからこそ、列強諸国に植民地化されることもなく、明治期に西洋の思想や科学技術を導入してもすぐに受け入れることができたのだと思う。
余談ながら・・・今回は特定の人物に関心があって読んだわけではないけれど、約30年ぶりに「三浦梅園」という名前に出会った。学生の時、とある科目のレポートで苦労させられたんだ、この三浦梅園に^^;;

BOOK「図解 カメラの歴史 ダゲールからデジカメの登場まで」

kameranorekishi図解 カメラの歴史
ダゲールからデジカメの登場まで
神立尚樹著
(講談社ブルーバックス:900円+税)
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古書を購入したけど、読まれた痕跡はまったくなかった。
ブルーバックスなので、光学的な原理やカメラの仕組み等を解説してはいるけど、カメラを古い順に並べる形で紹介しているだけで、構成は単調な本だった。光学の基本はどんなにカメラが進化しても変わりはないから、TTLやAE、AFといった機能の進化が歴史の中心。基本的にはメーカー品の歴史だから仕方がないのかも知れないけど、もう少しやりようがあったのではないか・・・。
まあ、デジタル化が進んだ今となっては、銀塩フィルムのカメラって、これからどんどん、こういう歴史ものの書籍で扱われるだけの存在になっていくのだろう。パトローネ入りのフィルムを見たことがない子供だって増えてきているだろうし。