BOOK「京都を古地図で歩く本 平安京から幕末維新まで“歴史の謎解き”めぐり」

京都を古地図で歩く本
平安京から幕末維新まで“歴史の謎解き”めぐり

ロムインターナショナル編
(KAWADE夢文庫:amazon:620円)
※Kindle版を購入

平安京/京都の歴史を解説した本としては、内容に不満はない。とくに幕末期あたりは、詳しく書かれていて読み応えがあった。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んでいたので、そう言えばと思い描く部分もあり、面白く読んだのだけど・・・。
読んだ・・・というところが問題で、あくまでも歴史解説書にすぎなかった。残念なことに、書名から期待していた古地図があまり掲載されていない。京都は暑いし、有名な観光地は混雑しているし、ホテルも予約しづらいので、実際に行きたいとは思わないけど・・・Googleマップと見比べながら楽しもうという目論見にはほとんど役に立たない本だった。今回はKindle版を購入したので、購入時には気づかなかったけど・・・元々が文庫本というサイズでは、そもそも期待するべきではなかったのかも知れない。

BOOK「箱根関所物語」

箱根関所物語
加藤利之著
(かなしんブックス:874円+税)
※古書を購入

先日、NHKの番組『ブラタモリ』の録画を見て・・・長年わたしが抱いていた箱根の関所のイメージが大きく狂わされたので、ちょっとまともな本を読んでみようと、amazonで古書を購入した。
箱根関所というと、「入り鉄砲」と「出女」を厳しく監視したと思っていたけど、鉄砲に関してはさほど厳しくはなかったらしい。それに対して、大名の母・嫁・子の逃亡を疑わせる、出女はかなり厳重なチェックが行われていたという。
関所が厳格に機能していたことばかりが書かれているけど、江戸時代に何度かあった、お伊勢参りの大ブームのときなど、手形を持たない人ばかりだろうけど・・・どう対応したのだろう? そのあたりのことは、この本ではぜんぜん触れられてもいなかった。ましてや、お伊勢参りに単独で出かける『犬』も、何事もなく通してもらえたのだろうか?
もうひとつ、私にはかねてからひとつ疑問があった。戦国時代の北条氏、そして江戸幕府は、箱根に山城をなぜ立てなかったのか? 関所は入国管理官や警察官のような役割で、ほとんど軍事的な役割を担っていなかった。ならば、軍事施設として砦や出城が築かれてもおかしくないと思う。交通を妨げず、いざという時用の軍事施設がなぜ作られなかったのか・・・この本では判明しなかった。

BOOK「犬の伊勢参り」

犬の伊勢参り
仁科邦男著
(平凡社新書:800円+税)
※古書を購入

一昨年、仕事で香川県の金刀比羅宮に行き、「こんぴら狗」という存在を知った。こんぴらさんにお参りできない人に代わって、お参りするイヌのこと。そんな予備知識があった上で、たまたまamazonでこの本を見つけた。この本によると、お伊勢参りの犬が先で、こんぴら狗はその派生らしい。
江戸時代の抜け参りという一種の爆発的旅行ブームはものすごい。60年周期で数百万人が短期間にお伊勢参りをする。しかも着の身着のまま出かけたような人たちが。そのうち、犬までお伊勢参りに出かけるようになった。さらに、牛や豚まで本当にお参りしていたとは^^;;
こんぴら狗のときは何も考えず受け入れてしまったけど、昔、伊勢神宮は犬を不浄のものとして立ち入り禁止にしていた。にもかかわらず、1771(明和8)年4月、一匹の犬が内宮・外宮に参拝したという記録があり、これが犬の参拝のはじまりだという。飼い主は山城国久世郡(京都府南部あたり)の高田善兵衛だけど、犬の名前は不明。その後、犬の参拝はどんどん増えて、記録もたくさん残されていく。犬自身に信仰心があったわけではないだろうけど、人の善意だけで犬がお参りして無事に帰って来るというのはすごいことだ。しかも、江戸時代の日本の里犬だからこそ、お伊勢参りに出かけられたというのは驚きだし、ある意味ではちょっと笑える^^;;
現代はどうかというと・・・伊勢神宮の公式HPによると、ペットを連れての参拝は禁止されている。犬単独での参拝については、何も書かれていない^^;

BOOK「大田区 古墳ガイドブック 多摩川に流れる古代のロマン」

ohtaku-kofungaido大田区 古墳ガイドブック
多摩川に流れる古代のロマン

大田区立郷土博物館編集
(東京都大田区:200円)

先日、多摩川台公園の古墳展示室で購入した冊子。全76ページで一部のみカラー。
大田区内の古墳についての説明だけでなく、日本史の中の古墳時代を俯瞰的に解説している。前方後円墳の作り方なんていうページは、なかなかユニークで面白いんだけど・・・樹木が生い茂った現代の古墳しか見ていないので、ちょっと実感を持ってイメージするのは難しい。
なかなかコンパクトに良くまとまっている冊子だと思うけど、ただ、この冊子を読んで、ひとつわからなくなったことがある。
この冊子を購入したときに訪れた亀甲山古墳を含む古墳群は、「多摩川台古墳群」だと思っていたけど、この冊子では「荏原(台)古墳群」となっていた。大田区立郷土博物館の展示などでも、荏原台古墳群という表現を見かけたけど、どれが正しいのだろうか?

BOOK「大田の史話 その2」

ohtanoshiwa2大田の史話 その2
大田区史編さん委員会:編
(大田区:800円)

以前、大田区立郷土博物館で購入した本。
この本は「その2」となっているけど、「その1」は見当たらなかった。そもそもこの本には、旧石器時代から戦後まで、大田区の歴史が書かれていて・・・各時代の美味しそうなお話を並べたその1と重複しないかたちでパラレルに内容を選択したものらしい。
けっこうなページ数で、興味のない部分もあるし・・・とりあえず興味の持てそうな部分を拾い読みした。久が原の旧石器人、縄文/弥生時代の遺跡、磐井神社、勝海舟・西郷隆盛の会談、高級住宅地・田園調布の成り立ちなど、興味のある内容も多かった。
平安時代の『延喜式』に掲載された神社が大田区内にはふたつあり、磐井神社はすでに行ったことがあるので、そのうちもうひとつの稗田神社にいってみようと思う。意外に行きやすい場所にあるようだし。
大田区は区の歴史編纂を長期的な事業として進めてきたようだけど、手軽に購入できる書籍はあまり出していない様子。せっかくだから、安価な冊子をたくさん作って欲しいのだが・・・。

BOOK「アイヌ学入門」

ainugakunyuumon-186x300アイヌ学入門
瀬川拓郎著
(講談社現代新書:amazon:756円)
※Kindle版を購入

高校を卒業するまでは北海道に住んでいたので、決して身近な存在ではなかったけれども、アイヌに関する知識はそれなりにある。白老や函館の博物館なども訪れたことがある。
でも、何十年もむかしのことなので、不正確な知識が相当含まれているはず。わたしが子どもの頃、アイヌ民族は白人に分類され、極東の狭い地域に人種島として分布している、などという説がまかり通っていた。しかし現在では、遺伝子解析やミトコンドリアDNAなどの研究から否定されているらしい。
さらに、わたしたちが一般にイメージするアイヌ文化は、江戸時代末期から明治期にかけて収集された資料や研究によるもので、和人との交易や交流に大きく依存するようになってからのものだとこの本で知った。アイヌ民族・文化の歴史を考えれば、縄文時代から面々と続いてきたわけで、他民族の影響など時代によって変遷があるのは当たり前。こういう歴史的時間軸を意識した説明で、いままで見えていなかったたくさんの物事に気づかされた。
他にもいろいろ思うところ、思い出したところ、不思議に思っているところ、そして現実にふれあったアイヌ民族の人々を思い返したところなど、いろいろ思うところはあったけど、ここで書くべき話ではないな^^;;

BOOK「神戸港1500年  ここに見る日本の港の源流」

koubekou1500.jpg神戸港1500年
ここに見る日本の港の源流
鳥居幸雄著
(海文堂:1,800円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。海文堂の名前は知っていたけど、本ははじめて読んだ。
島嶼の多い瀬戸内海は、穏やかな海で、古代から海運が発達し、神戸はその拠点のひとつだった・・・と思われがちだけど、縄文、弥生時代は必ずしもそうではなかった。もう少し船の完成度が高まり、航海術が発達した古墳時代、飛鳥時代あたりから海運が栄えるようになる。そういう意味で、タイトルの1500年というのは妥当なところだろう。
江戸時代には国内の海運が大いに栄えて、菱垣廻船や樽廻船、北前船などが各地を結んでいた。ただ、鎖国をしていた日本では、幕府が一枚帆の帆船しか建造を許さず、外洋に出られる船は作られなかった。江戸時代の技術レベルであれば、かなりの帆船を作れただろうし、港湾も発達したと思うけど・・・。
神戸港が日本を代表する港に発展するのは、幕末から明治維新の開国にはじまるわけだけど・・・この本に書かれているのはここまで。

BOOK「日本海繁盛記」

nihonkaihanjouki日本海繁盛記
高田宏著
(岩波新書:534円+税)
※古書を購入

「北前船」について手軽に読める本と思い、とりあえず古本でこれを買ってみた。
ざっくり言って、大坂から瀬戸内海を通り、下関をまわって日本海を北上し、蝦夷地との交易を行ったのが北前船。江戸時代後半頃から動力船が普及しはじめる明治中期頃まで活躍した。
一応、章立てされた内容にはなっているけど、紀行文的な色彩が強く、その上、やたらと引用が多いのでちょっと読むのが面倒。というか、史料として必要な情報だけをささっと読み取るのには不向きな本だった。おまけに、いろいろな時期を混在させて書いているので、確認しながら読まないと混乱することになる。
まあ、手軽に読める本ではあったけど、良書という感じではなかった。まあ、知りたかったことはほぼ何らかのかたちで触れていたので役には立ったけど・・・。