BOOK「オホーツクの古代史」

オホーツクの古代史
菊池俊彦著
(平凡社新書:760円+税)
※古書を購入

仕事の資料としてではないけど、なんとなく興味の流れで読んでみた。
正直なところ、北海道で生まれ育ったけれど、つい先日までオホーツク海を見たことがなかった。当然ながら、印象は薄かった。学校で習う日本史は、縄文・弥生・古墳時代・・・と、畿内や九州を中心としたもので、北海道(蝦夷地)はなかなか出てこない。日本の外交史という面では、中国大陸や朝鮮半島にばかり向いていて、北方民族との交流という視点で描かれる世界観はまったく学ぶ機会がない。
それでも、一応、二十歳まで北海道にいたので、多少はこうした北方民族との交流があったことだけは知っていた。そして先日、網走市にある北海道立北方民族博物館、網走市立郷土博物館に行き、「オホーツク文化」についても知ったばかり。この本を含めて、いろいろと認識を新たにした。たしかに、地図の角度を変えてみると、オホーツク海は日本列島の北の玄関口なんだよな。

BOOK「京都を古地図で歩く本 平安京から幕末維新まで“歴史の謎解き”めぐり」

京都を古地図で歩く本
平安京から幕末維新まで“歴史の謎解き”めぐり

ロムインターナショナル編
(KAWADE夢文庫:amazon:620円)
※Kindle版を購入

平安京/京都の歴史を解説した本としては、内容に不満はない。とくに幕末期あたりは、詳しく書かれていて読み応えがあった。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んでいたので、そう言えばと思い描く部分もあり、面白く読んだのだけど・・・。
読んだ・・・というところが問題で、あくまでも歴史解説書にすぎなかった。残念なことに、書名から期待していた古地図があまり掲載されていない。京都は暑いし、有名な観光地は混雑しているし、ホテルも予約しづらいので、実際に行きたいとは思わないけど・・・Googleマップと見比べながら楽しもうという目論見にはほとんど役に立たない本だった。今回はKindle版を購入したので、購入時には気づかなかったけど・・・元々が文庫本というサイズでは、そもそも期待するべきではなかったのかも知れない。

BOOK「箱根関所物語」

箱根関所物語
加藤利之著
(かなしんブックス:874円+税)
※古書を購入

先日、NHKの番組『ブラタモリ』の録画を見て・・・長年わたしが抱いていた箱根の関所のイメージが大きく狂わされたので、ちょっとまともな本を読んでみようと、amazonで古書を購入した。
箱根関所というと、「入り鉄砲」と「出女」を厳しく監視したと思っていたけど、鉄砲に関してはさほど厳しくはなかったらしい。それに対して、大名の母・嫁・子の逃亡を疑わせる、出女はかなり厳重なチェックが行われていたという。
関所が厳格に機能していたことばかりが書かれているけど、江戸時代に何度かあった、お伊勢参りの大ブームのときなど、手形を持たない人ばかりだろうけど・・・どう対応したのだろう? そのあたりのことは、この本ではぜんぜん触れられてもいなかった。ましてや、お伊勢参りに単独で出かける『犬』も、何事もなく通してもらえたのだろうか?
もうひとつ、私にはかねてからひとつ疑問があった。戦国時代の北条氏、そして江戸幕府は、箱根に山城をなぜ立てなかったのか? 関所は入国管理官や警察官のような役割で、ほとんど軍事的な役割を担っていなかった。ならば、軍事施設として砦や出城が築かれてもおかしくないと思う。交通を妨げず、いざという時用の軍事施設がなぜ作られなかったのか・・・この本では判明しなかった。

BOOK「犬の伊勢参り」

犬の伊勢参り
仁科邦男著
(平凡社新書:800円+税)
※古書を購入

一昨年、仕事で香川県の金刀比羅宮に行き、「こんぴら狗」という存在を知った。こんぴらさんにお参りできない人に代わって、お参りするイヌのこと。そんな予備知識があった上で、たまたまamazonでこの本を見つけた。この本によると、お伊勢参りの犬が先で、こんぴら狗はその派生らしい。
江戸時代の抜け参りという一種の爆発的旅行ブームはものすごい。60年周期で数百万人が短期間にお伊勢参りをする。しかも着の身着のまま出かけたような人たちが。そのうち、犬までお伊勢参りに出かけるようになった。さらに、牛や豚まで本当にお参りしていたとは^^;;
こんぴら狗のときは何も考えず受け入れてしまったけど、昔、伊勢神宮は犬を不浄のものとして立ち入り禁止にしていた。にもかかわらず、1771(明和8)年4月、一匹の犬が内宮・外宮に参拝したという記録があり、これが犬の参拝のはじまりだという。飼い主は山城国久世郡(京都府南部あたり)の高田善兵衛だけど、犬の名前は不明。その後、犬の参拝はどんどん増えて、記録もたくさん残されていく。犬自身に信仰心があったわけではないだろうけど、人の善意だけで犬がお参りして無事に帰って来るというのはすごいことだ。しかも、江戸時代の日本の里犬だからこそ、お伊勢参りに出かけられたというのは驚きだし、ある意味ではちょっと笑える^^;;
現代はどうかというと・・・伊勢神宮の公式HPによると、ペットを連れての参拝は禁止されている。犬単独での参拝については、何も書かれていない^^;

BOOK「大田区 古墳ガイドブック 多摩川に流れる古代のロマン」

ohtaku-kofungaido大田区 古墳ガイドブック
多摩川に流れる古代のロマン

大田区立郷土博物館編集
(東京都大田区:200円)

先日、多摩川台公園の古墳展示室で購入した冊子。全76ページで一部のみカラー。
大田区内の古墳についての説明だけでなく、日本史の中の古墳時代を俯瞰的に解説している。前方後円墳の作り方なんていうページは、なかなかユニークで面白いんだけど・・・樹木が生い茂った現代の古墳しか見ていないので、ちょっと実感を持ってイメージするのは難しい。
なかなかコンパクトに良くまとまっている冊子だと思うけど、ただ、この冊子を読んで、ひとつわからなくなったことがある。
この冊子を購入したときに訪れた亀甲山古墳を含む古墳群は、「多摩川台古墳群」だと思っていたけど、この冊子では「荏原(台)古墳群」となっていた。大田区立郷土博物館の展示などでも、荏原台古墳群という表現を見かけたけど、どれが正しいのだろうか?

BOOK「大田の史話 その2」

ohtanoshiwa2大田の史話 その2
大田区史編さん委員会:編
(大田区:800円)

以前、大田区立郷土博物館で購入した本。
この本は「その2」となっているけど、「その1」は見当たらなかった。そもそもこの本には、旧石器時代から戦後まで、大田区の歴史が書かれていて・・・各時代の美味しそうなお話を並べたその1と重複しないかたちでパラレルに内容を選択したものらしい。
けっこうなページ数で、興味のない部分もあるし・・・とりあえず興味の持てそうな部分を拾い読みした。久が原の旧石器人、縄文/弥生時代の遺跡、磐井神社、勝海舟・西郷隆盛の会談、高級住宅地・田園調布の成り立ちなど、興味のある内容も多かった。
平安時代の『延喜式』に掲載された神社が大田区内にはふたつあり、磐井神社はすでに行ったことがあるので、そのうちもうひとつの稗田神社にいってみようと思う。意外に行きやすい場所にあるようだし。
大田区は区の歴史編纂を長期的な事業として進めてきたようだけど、手軽に購入できる書籍はあまり出していない様子。せっかくだから、安価な冊子をたくさん作って欲しいのだが・・・。

BOOK「アイヌ学入門」

ainugakunyuumon-186x300アイヌ学入門
瀬川拓郎著
(講談社現代新書:amazon:756円)
※Kindle版を購入

高校を卒業するまでは北海道に住んでいたので、決して身近な存在ではなかったけれども、アイヌに関する知識はそれなりにある。白老や函館の博物館なども訪れたことがある。
でも、何十年もむかしのことなので、不正確な知識が相当含まれているはず。わたしが子どもの頃、アイヌ民族は白人に分類され、極東の狭い地域に人種島として分布している、などという説がまかり通っていた。しかし現在では、遺伝子解析やミトコンドリアDNAなどの研究から否定されているらしい。
さらに、わたしたちが一般にイメージするアイヌ文化は、江戸時代末期から明治期にかけて収集された資料や研究によるもので、和人との交易や交流に大きく依存するようになってからのものだとこの本で知った。アイヌ民族・文化の歴史を考えれば、縄文時代から面々と続いてきたわけで、他民族の影響など時代によって変遷があるのは当たり前。こういう歴史的時間軸を意識した説明で、いままで見えていなかったたくさんの物事に気づかされた。
他にもいろいろ思うところ、思い出したところ、不思議に思っているところ、そして現実にふれあったアイヌ民族の人々を思い返したところなど、いろいろ思うところはあったけど、ここで書くべき話ではないな^^;;