BOOK「孫正義のエネルギー革命」

孫正義のエネルギー革命
自然エネルギー財団監修
(PHPビジネス新書:840円+税)
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以前から、孫正義がなにをどう考えて、再生可能エネルギーに向かったのか気になっていた。民主党の菅直人政権の末期、どさくさ紛れのように政策転換した印象が強く・・・東日本大震災と福島原発事故への無能ぶりが際立ちすぎて、まともな議論すらなかったので、なにをどう捉えていいのかわからないというのが正直なところだった。
端的に言ってしまえば、「原発は安全で安価なエネルギー」という神話が崩れ、孫正義の頭の中でパラダイムシフトが起き・・・アジア諸国をつなぐスーパーグリッドで電力を融通し合う構想を思いついたということらしい。ゆっくりとした動きではあるけど、そういう方向に動いているようないないようなという雰囲気。小口電力の自由化が実現し、発送電分離も実現しそうで・・・大手電力会社が買取や接続を拒否しているといった話も聞くけど、気がつくと日本中にメガソーラー発電所がたくさん建設されている。一方、なし崩し的に原発が再稼働したりもしているけど、再生可能エネルギーのシェアも高まってきた。
でも、先日の北海道胆振東部地震で、北海道全域がブラックアウトするような事態が現実に起きて・・・電力会社は不安定な発電量のメガソーラーはつなぎたくないというし、逆に大型発電所に頼る一極集中システムの脆弱性も露呈してわけで・・・どちらの言い分が正しいのかよくわからない。でもまあ、こういう場合、たいていは既得権益を持っている保守側の意見より、新技術を投入して新しいシステムを作ろうという新興勢力の意見の方が正しい。少なくとも夢はある、んじゃないかなと思う。

BOOK「わたし琵琶湖の漁師です」

わたし琵琶湖の漁師です
戸田直弘著
(光文社新書:680円+税)
※古書を購入

琵琶湖は日本一面積の広い湖で、内水湖では唯一の漁業組合がある。それだけ、産業として漁業が大きな一を占めているのだろう。著者の戸田氏は琵琶湖の漁師として活躍される傍ら、琵琶湖の生態系を考え、改善していくための活動もされている。水質汚染、護岸工事による破壊、外来種、鵜、漁協の老齢化・営利追求体質、伝統的漁法の喪失など、危惧すべき問題は多い。
特に後半では、バスやブルーギルといった外来魚を放流し、釣ったサカナはそのままリリースしてしまう、いわゆる「スポーツ」「遊び」としての釣りとの対立が描かれている。
これは、あくまでわたしの個人的見解だけど、外来魚を放流した人間は死刑、それを釣って楽しむ人間は、放流された外来生物を絶滅させるまで強制労働を課すべきだと思っている。それだけ、取り返しの付かないことをやったのだと自覚させる上でも、厳罰に処すべきだ。

BOOK「エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ」

エネルギー産業の2050年
Utility3.0へのゲームチャレンジ
竹内純子編著
伊藤剛、岡本浩、戸田直樹著
(日本経済新聞出版社:1,700円+税)

仕事先から資料としてお借りした本。今後の電力事業の展望を紹介している。この本の背後にどういう利害関係があるのかよくわからないけど・・・にわかには納得しがたい未来像も含め、いろいろ書かれている。
わたしが生きてきた間に、2回のオイルショックがあり、スリーマイル島、チェルノブイリ、福島と3つの原子力発電所で大きな事故が起きた。その度に大騒ぎしたけど、大きくいってしまえば、その間に起きたことは省エネへの世界的な転換という一点だけだろう。日本では電力の自由化とかで、いろいろ販売合戦があったけど、とくに何も変わらなかった。この本でも、自由化あたりの動きは過渡期的なものとしている。
「Utility3.0」などとわかりにくい言い方をしているけど、未来の電力会社は電力そのものを売るのではなく、電力を使用したことによるメリットを売る方向に変わるということらしい。大きな流れとしてはわかるけど・・・わたしの頭ではピンとこない。まあ、こういう本を読んでピンと来る人が大金持ちになり、大企業に成長していくのだろうけど・・・残念ながら、わたしではないようだ。

BOOK「夢の新エネルギー「人工光合成」とは何か 世界をリードする日本の科学技術」

夢の新エネルギー
「人工光合成」とは何か
世界をリードする日本の科学技術

光化学協会編
井上晴夫監修
(講談社ブルーバックス:900円+税)

「人工光合成」という分野は、ノーベル科学賞を受賞した鈴木章先生や根岸英一先生がなにかのインタビューで、次の研究テーマのひとつとしてあげていたので、その存在を知った。以来、興味はあったけれども、なかなか適当な書籍が見つからずにいた。実は、この本のことは知っていたけど、けっこう難解そうだったので見送っていた^^;;
わたしは化学はあまり得意ではないのでなおさらだけど、予想していた以上に難しい本だった。ブルーバックスなので、それなりのレベルは覚悟していたけど、細かな化学反応式などは読み飛ばすしかなかった。で、結局は、中学や高校で習ったとおり、光合成は光エネルギーを用いて、二酸化炭素と水を炭水化物と酸素を生み出す。つまり、大気中の二酸化炭素を減らし、環境問題に貢献する。炭水化物=食料と考えがちだけど、エネルギーとしても利用できる。・・・難しいことを読み飛ばすと、ただこれだけのことだった^^;;

BOOK「国立科学博物館 特別展 深海2017 最深研究でせまる“生命”と“地球”」図録

先日、国立科学博物館で見てきた特別展「深海2017 最深研究でせまる“生命”と“地球”」の図録。価格:2200円(税込)。192ページ。
映像展示はNHKで放送されたものが中心で期待はずれだったけど、テレビ番組より詳細であろうと思い、図録を購入しておいた。実際、夏休みのチビッコがうごめいていて、企画展の会場では解説パネルを落ち着いて読む余裕が全くなかったし^^;;
展示自体、良くこれだけ詰め込んだと思えるくらいに内容は豊富だったけど、その分、通路が狭く混雑が激しかった。チビッコにこういう展示を見せること自体は決して悪いことじゃないんだろうけど・・・幼稚園児や乳幼児を連れた母親が多すぎる。一部の美術館のように、小学生未満の入場を制限するというわけにはいかないだろうけど、もう少し何とかならないだろうか^^;;
わたし自身、興味のある分野だというのもあるし、展示を十分に見られなかったせいもあるけど、読む部分も多いし、写真やCG図版も楽しい。図録としては良くできている。科博の図録としてはかなり出来の良い方だと思う。

BOOK「人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか」

人類と気候の10万年史
過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか

中川毅著
(講談社ブルーバックス:994円+税)

湖の底の堆積物中の花粉や氷河に閉じ込められたガスを分析したりして、過去の気候を解き明かす学問を、古気候学という。地質年代規模のスケールで見ると、1億年前あたりからいまは寒冷化の局面だということは聞き知っていた。でも、昨今の地球温暖化(最近は気候変動というけど)が叫ばれ、日常生活でもそれらしい変化を体験したりしている、ような気がしている。
この本では、100年、1000年、1万年、1億年単位で、気候変動の様子を示している。で、巨視的なスケールでは、たしかに寒冷化している。さらに、福井県の水月湖の地層ボーリング調査から、氷河期はあるとしにいきなりスイッチをオフにしたように終わり、急激に気候が変動していたことが判明した、というようなことをわかりやすく解説している。
どこぞの国のいかれた大統領ではないけれど、こうしてみると地球の温暖化/気候変動はウソなんじゃないかとも思えてしまう。でも、文明による大量の温暖化ガスの放出は事実だし、海水温の上昇、酸性化などは現実のこと。地球という複雑な気候システムに、温暖化ガスがどう影響するのか読み切れないだけなんだろうけど・・・。
だけど、暑さが苦手なわたしの個人的な関心事としては、いま現在の暑さと今後20年間程度の気候。夏が暑いのは仕方がないけど、何とかならないものだろうか^^;

BOOK「簡易ガス事業10年の歩み」

簡易ガス事業10年の歩み
出版元 社団法人日本簡易ガス協会

仕事の関係でお借りしたので、なんとなく通読した。定価が付いていないし、書籍コードもないので、たぶん、市販された本ではないと思う。
簡易ガスは、一定のエリアを地下埋設導管でガスを供給する、コンパクトな都市ガスのような供給方式のこと。ただし、ここで供給されるガスは、LPガス(プロパンガス)あることが多く、供給エリアの一角に小規模なガスタンクなど供給施設を設置している。ここにバルク車で定期的に補給されるため、各家庭にガスシリンダーが配達・設置されることはない。普及していないようだけど、最近は『コミュニティガス』なる呼び名もある。
ひと言でいってしまえば、超小型の都市ガスのようなもの。都市ガスが届いていないエリアで、新築団地造成が進んだ高度成長期に、現実に見合った供給方式として各所に普及した。仕事の関係で、ざっくりとこのくらいのことは知っていたけど、その初期の歴史がまとめられている。
少子高齢化の世の中、今後、都市ガスが通っていない郊外に大きな宅地開発が行われることも希だろうし、それどころか、簡易ガス団地にオール電化が入り込み、高齢者がいなくなり、歯抜けのように顧客が減っていく・・・。簡易ガスの未来は明るくはないけど・・・高齢化が本気で進んで、「コンパクトシティ」のような地方都市や集落が増えれば、思わぬ活躍の場が出てくるかもしれない・・・。

BOOK「炎の産業「都市ガス」 進化するクリーンエネルギーのすべて」

honoonosanngyou炎の産業「都市ガス」
進化するクリーンエネルギーのすべて
山口正康著
(エネルギーフォーラム:2,000円+税)
※古書を購入

東京都が推し進めてきた豊洲市場への移転問題。その土地がベンゼンなどで汚染されているのは、かつてこの土地に東京ガスのガス工場があったから。むかしの都市ガスは石炭から燃焼ガスを取り出していて、そのガスには毒性があった。そのため、石炭ガスから石油由来のガスに変わり、そして今日のLNGへと変わってきた。その意味では、進化してきたといえるかも知れない。
2009年10月に出版された本なので、いま現在のガス業界の情勢とは異なる面が多々ある。当然ながら、最近の動向である家庭用電力自由化や都市ガス自由化などには触れられていない。
2009年ということは・・・東日本大震災前のことで、たぶん、家庭用太陽光発電とともに普及が進んだオール電化住宅への対抗意識から書かれた本ではないかと思う。当時、ガス側は「クリーンエネルギー」として必死にPRをしていたけど、それは、窒素酸化物などが少ないという意味でのクリーンさを意味している。当然、ガスを燃焼させると温室効果ガスである二酸化炭素は出る。その後、福島第一原子力発電所の事故で電力に対する風当たりが強くなり、一時はオール電化住宅には逆風が吹いたけど、現在ではその逆風も完全に止んでしまった。
この本そのものは、現在のガス業界のことを知るためには適していないけど、都市ガスの歴史については十分資料として役に立つ。地方の中小都市ガス会社について触れられているので、仕事の資料としてもすこし役に立った。