BOOK「黒部源流山小屋暮らし」

黒部源流山小屋暮らし
やまとけいこ著
(山と溪谷社:amazon:0円)
※Kindle版を購入

amazonプライム特典で0円で開放していた本。
黒部源流の薬師沢小屋で12年働くイラストレーターが書いた山小屋の生活誌。
かつて山登りを趣味にしていたころ、薬師岳、太郎山、黒部五郎岳あたりの「黒部源流」はあこがれの地だった。なにせ遠い。登山口まで行くのが遠いし、その後の行程も長い。計画だけは何度か立てたけど、結局休みが取れず、行くことは叶わなかった。
最も接近したのは、裏銀座を縦走した時の水晶岳。赤牛岳の稜線の向こうにあったはずだけど・・・ずっと土砂降りでなにも見えなかった。最後の方で水晶小屋の名前がちらっと出てきたけど・・・わたしが宿泊したのはお盆休みだったけど、定員30人に対し100人くらいだった。交代制の食事で、土砂降りの中、1時間待ったのはきつかった。でも、あの狭い厨房でカレーではないふつうの食事を作ったと関心したものだ。水晶小屋は、小屋というより箱のようなものだから特別だと思っていたけど、最近では、シルバーウィークに黒部源流のような奥地でも似たような状況が起きるのか。でも、いいところのようだなぁ。
久しぶりに山の本を読んだけど、気持ちだけはむかしのようにうずいている。でも、身体がそれを許さない。

BOOK「3人がいっぱい ②」

3人がいっぱい ②
和田誠著
(新潮文庫:360円)
※自炊本を再読

『小説新潮』という文芸雑誌に連載されていたコラムをまとめた本の2巻目。昭和51年から54年にかけて連載されたコラムを収録している。
毎号3人の作家や俳優、芸能人などを取り上げているから『3人がいっぱい』なわけだけど、プロスポーツ選手など取り上げられる人物の枠が広がっていた感じ。ピンクレディが登場するあたりは、時代を感じさせる。
世代的に懐かしい名前、そんな人もいたなと思い出す名前は多いけど、幅広いジャンルから選ばれているので、ぜんぜん記憶にない人もいる。2巻合わせて、42人の選者が選んだ84組252人。何年もかけてコツコツ続けるとこうなるわけだ。
和田誠も昨年ついに鬼籍に入ってしまった。(合掌)

BOOK「3人がいっぱい ①」

3人がいっぱい ①
和田誠著
(新潮文庫:360円)
※自炊本を再読

昨年のことだけど、むかし読んだ本の表紙でなじみ深かった和田誠が亡くなったというニュースに接したとき、ひとつの時代が終わってしまったなと感じた。いまでこそ小説やエッセイはほとんど読まなくなったけど、若かりし頃はその手の本ばかり読んでいた。つかこうへいの本を最後に、和田誠の表紙とも出会う機会がなくなってしまったけれど・・・。
これは、『小説新潮』という文芸雑誌に連載されていたコラムをまとめた本。
毎号選者が3人の作家や俳優、文化人などをとりあげ、和田誠のイラストと簡単な質問への回答、選者のエッセイがついたりと、時期により内容は異なっている。
昭和48年から51年にかけてのコラムを収録しているので、懐かしい名前がたくさん並んでいるけど・・・すでに鬼籍に入られた人も多い。名前を見るだけでとにかく懐かしかった。

BOOK「香りの世界をさぐる」

香りの世界をさぐる
中村祥二著
(朝日選書:1,029円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。
資生堂の製品研究所香料研究部長を勤めていた著者の本なので、天然の香料から人工香料まで「フレグランス」について解説している。食品に使われる「フレーバー」には触れていないけど、においの文化的側面も広く解説している。
エッセイ的な文章ながら、読んでいて化学のかおりがしてくるので、それなりに難解な部分も多い。こういう、サラッと読ませようとする文章は、資料として読むときには要注意。エッセイだと思って読み流してしまうと、肝心な部分を読み飛ばしてしまう。
個人的には、「ノート」に関する部分が興味を引いた。日本の香道が和歌や漢詩などにイメージを遊ばせるのに対し・・・西洋の科学的なアプローチとの違いを感じさせられた。

BOOK「なぜかいい町 一泊旅行」

なぜかいい町 一泊旅行
池内紀著
(光文社新書:700円+税)
※古書を購入

この本では、北海道の斜里町・川上町・岩内町、山形県金山町、福島県三春町、千葉県大多喜町、愛知県渥美町、富山県朝日町、滋賀県木之本町、鳥取県岩見町、山口県上関町、島根県津和野町、高知県佐川町、福岡県星野村、熊本県湯前町の15町村が紹介されている。正直いって、知名度も低く、とくに何があるんだろうという町ばかりという印象。最近行ったことのある町はひとつもない。近くまで行ったことならいくつかある。
著者は、平成の大合併で激変する地方都市に着目し、自立した生き方を目指す町々を応援したいと思ってこの本を書いたらしい。でも、高齢化と少子化、東京と一部の地方大都市への一極集中といった現実は、そんなささやかな町々のがんばりもあっさり消し去ってしまいそうな勢いだ。
タイトルに「一泊旅行」とわざわざ断っているので、なにか切り口があるのだろうと期待したけど、読んだ限りなにもなかった。残念ながら、行ってみたいと思った町は・・・ひとつしかなかった。どことはいわないけど。

BOOK「健康という病」

健康という病
五木寛之著
(幻冬舎新書:760円+税)
※古書を購入

古本屋で見かけたとき、「どうして五木寛之がこんな本を書くんだろう?」という疑問がわいた。なにか、大病でも患ったのかと、読んでみることにした。
内容は、世に氾濫する健康情報(言いかえると不健康情報)に振り回される人への警鐘というか、批判というか・・・ありふれたエッセイではあるけど、五木寛之の人生観や生死感なんかが垣間見られ、共感できるところもあった。
わたしは幼い頃からいろいろな病気と共存してきたけど、いわゆる身体に良いことはなにもしていない。そんなわたしに、健康オタクの友人がサプリメントなどを勧めてくることがあるけど・・・あまりの気持ちの悪さに、明確に断るようにしている。はっきりいって、放って置いて欲しい。
五木寛之がこの本を書いた理由・・・デタラメな健康情報が氾濫していて、それを不快に思っているからに違いない。確かに、ネットには無茶苦茶な健康情報と商品があふれている。先日も、「STAP細胞は身体を若返らせる」といって、得体の知れないSTAP細胞なるものを売っているサイトがあった。これを信じて買うヤツがいるのか、飲んでるヤツの顔を見てみたいものだと、こころの中で大笑いした。笑いは免疫力を高め、健康に良いそうだ^^

BOOK「古典部シリーズ 7 米澤穂信と古典部」

古典部シリーズ 7
米澤穂信と古典部

米澤穂信著
(角川書店:amazon:1,069円)
※Kindle版を購入

大半が対談とインタビューで、短編が一編だけ収録されているだけなのは分かっていたけど・・・前の第6巻『いまさら翼といわれても』があんな終わり方をしたので、続きがどうにも気になった。わたし、気になります状態で・・・単行本からのKindle版なので値段が高いけど・・・もう、買うしかなかった。
ところが、そのKindle版が最悪! 全ページが一枚のグラフィックス状態。表示部の小さなKindle Paperwhiteではまともに読める代物ではなかった。しかたがなく、PCでお行儀よく読むしかなかった。
しかも、残念なことに、唯一の書き下ろし短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」は期待していた続きのお話ではなく、小ネタの短編の続きだった。小学校時代の作文や中学時代の読書感想文が出てきて羞恥に震えるなんていうことは、滅多にないことだけど・・・これだけは言える。人生長ければ、恥また多し。わたしは、高校時代にミニコミ誌を主幹していたんだよなぁ・・・残っていて欲しくないなぁ^^;
企画ものとして、「古典部メンバー4人の本棚大公開」は面白かった。若いうちは、社会での実体験がないから、その人間に影響を与えるのは地域と学校、そして家庭環境が主なもの。同級生であれば地域と学校には差がないから、その友人が読んだ本が分かれば、個性なりを理解する助けになる。だから、わたしは高校の頃、友だちに本棚を見られるのがイヤだったし、逆に友だちの部屋に行ったときには真っ先に本棚をチェックしていた。・・・でも、世の中の大半の人は、「本をほとんど読まない人」なんだけど^^;;
わたしは、基本的に作家が何をどう考えているかとか、どういう人物なのかとかにはあまり興味がない。だから、わずかな短編を読むために、こういう本を買わされるのは、ちょっと気にくわない部分がある。