BOOK「「香り」の科学 匂いの正体からその効能まで」

「香り」の科学
匂いの正体からその効能まで

平山令明著
(講談社ブルーバックス:1,000円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。
他にも入門書などを読んだけど、文化的な側面にも触れられているし、目次的には入門書とほとんど変わりがない。ただ、ブルーバックスなので、やっぱり出てくるのがカメの甲羅^^;; やたらと分子構造式なんかが出てくる。読み飛ばしてもぜんぜん問題はないけれど、やはり取っつきにくい印象がある。
香り、嗅覚に限らず、五感に関することは、文字では伝えようがないので・・・シトラス系だ、バルサミック系だといわれても、例示されたものを自分の経験の中から想像するしかない。果たして正しくイメージできたのか、それすらわからない。分子構造を示されてもなんらイメージできない。このへんが難しいところだ。
そういえば、電子メディアに対抗する印刷技術として、ニオイのする印刷という技術があったけど、一度としてお目に掛かったことがない。こういう分野の本にこそ使うべきだと思うのだが・・・。

BOOK「原発とプルトニウム パンドラの箱を開けてしまった科学者たち」

原発とプルトニウム
パンドラの箱を開けてしまった科学者たち

常石敬一著
(PHPサイエンス・ワールド新書:840円+税)
※古書を購入

この本の大半はサブタイトル通りに、レントゲンによるX線の発見から原爆製造のためのプルトニウム生成までの研究史をたどっている。放射線が発見されてから、マンハッタン計画で軍事利用される中で、様々な科学者の業績や活動が紹介されている。その上で、原子力の「平和利用」としての原発。そして、原発から日々生み出されるプルトニウムの問題をとりあげている。
原発に関する話としては、沸騰水型軽水炉(BWR)と加圧水型軽水炉(PWR)についての説明がわかりやすい。東日本と西日本で棲み分けがあることははじめて知った。
著者の問題提起は、自然界にはほとんど存在しないプルトニウムという猛毒の放射性元素を、これ以上増やしてはいけないということ。日本の「核燃料サイクル」の愚かしさを問題視している。すでに核燃料サイクルは破綻しているのだから、さっさと止めてしまえばいいのだけど・・・その先どうするかというところがはっきりしない。トイレのない住宅どころか、出口すらないという印象だ。

BOOK「香りの世界をさぐる」

香りの世界をさぐる
中村祥二著
(朝日選書:1,029円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。
資生堂の製品研究所香料研究部長を勤めていた著者の本なので、天然の香料から人工香料まで「フレグランス」について解説している。食品に使われる「フレーバー」には触れていないけど、においの文化的側面も広く解説している。
エッセイ的な文章ながら、読んでいて化学のかおりがしてくるので、それなりに難解な部分も多い。こういう、サラッと読ませようとする文章は、資料として読むときには要注意。エッセイだと思って読み流してしまうと、肝心な部分を読み飛ばしてしまう。
個人的には、「ノート」に関する部分が興味を引いた。日本の香道が和歌や漢詩などにイメージを遊ばせるのに対し・・・西洋の科学的なアプローチとの違いを感じさせられた。

BOOK「トコトンやさしいにおいとかおりの本」

今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいにおいとかおりの本

倉橋隆、光田恵、福井寛著
(日刊工業新聞社:1,400円+税)
※古書を購入

とりあえずの入門書として購入。古本を買ったけど、なかなかの古本臭がする。
定番の入門シリーズなので、嗅覚のしくみから香料の種類、応用分野、消臭、評価と分析方法といった一通りのことは説明している。においは身近なもので、特に日本人はにおいに敏感というか、過敏なところがあるので、必要以上に香料や消臭剤が使われ、時に辟易することもある。
過剰な香料や消臭剤に弱いわたしは、逆に気分が悪くなることがあるので参る。本来、心地よい環境を求めての香料か消臭剤、美味しさを求めての香料であるはずなのに、香料で体調を崩すのは本末転倒なんだけど・・・そういう理由で、わたしはオシャレな若い女性が苦手だ^^;; 幸いにも、というか残念なことに、その手の女性に言い寄られるようなタイプの人間ではないので助かっているけど・・・。

BOOK「有害化学物質の話 農薬からプラスチックまで」

有害化学物質の話
農薬からプラスチックまで

井田徹治著
(PHPサイエンス・ワールド新書:940円+税)
※古書を購入

最近、プラスチックゴミによる海洋汚染が問題になり、世界中のマスコミでキャンペーンが行われているらしい。欧米の何らかの筋の利権争いという感じもするけど・・・今後、サンマのはらわたは食べられなくなるような気もする。そのプラスチックゴミ問題を含む、化学物質全般による環境汚染と健康被害についての本。といっても、主役はダイオキシン類とPCB。他にもDDTや、TBTなんかが出てくるけど、これといって、特に目新しい情報もなかった。
戦後の日本では、一時期、科学に対する信仰がすごかった時期があり、PCB汚染などは今なお濃厚なのではないかと思うけど・・・こういう話になると、どの本を読んでもよくわからない。タバコの副流煙が原因で、日本国内だけでも年間1万人が死んでいるという説などは大手をふるってまかり通っているけど、DDTやPCB、そしてダイオキシン類の残留汚染で何人死んでいるのかなど、ぜんぜん聞いたことすらないんだよな・・・。それどころか、日本では「ダイオキシンの毒性なんて気にするほどではない」なんていう風潮すらあるわけで・・・。
この本のまとめ部分もそうだけど・・・「子どもたちにきれいな環境を残そう」という考えには賛同する人が多いだろう。でも、こういう一文を読むといつも思うんだけど、実際には、次の世代のことなんて誰も考えていないんじゃないかと。せいぜい、タバコというスケープゴートを叩いて、意識が高い人間の振りをするのが精一杯ということなのだろう。

BOOK「夢の新エネルギー「人工光合成」とは何か 世界をリードする日本の科学技術」

夢の新エネルギー
「人工光合成」とは何か
世界をリードする日本の科学技術

光化学協会編
井上晴夫監修
(講談社ブルーバックス:900円+税)

「人工光合成」という分野は、ノーベル科学賞を受賞した鈴木章先生や根岸英一先生がなにかのインタビューで、次の研究テーマのひとつとしてあげていたので、その存在を知った。以来、興味はあったけれども、なかなか適当な書籍が見つからずにいた。実は、この本のことは知っていたけど、けっこう難解そうだったので見送っていた^^;;
わたしは化学はあまり得意ではないのでなおさらだけど、予想していた以上に難しい本だった。ブルーバックスなので、それなりのレベルは覚悟していたけど、細かな化学反応式などは読み飛ばすしかなかった。で、結局は、中学や高校で習ったとおり、光合成は光エネルギーを用いて、二酸化炭素と水を炭水化物と酸素を生み出す。つまり、大気中の二酸化炭素を減らし、環境問題に貢献する。炭水化物=食料と考えがちだけど、エネルギーとしても利用できる。・・・難しいことを読み飛ばすと、ただこれだけのことだった^^;;

BOOK「化学のはたらきシリーズ4 衣料と繊維がわかる 驚異の進化」

化学のはたらきシリーズ4
衣料と繊維がわかる

驚異の進化

日本化学会企画・編集
井上晴夫、齋藤幸一、島﨑恒藏、宮崎あかね監修
佐藤銀平著
(東京書籍:1,500円+税)

仕事の資料として読んだ本。
衣服の歴史にはじまり、天然素材の特長などにも触れながら、中心的には化学繊維について解説している。この本が「化学」に関するシリーズなので、当然のことではある。
化学繊維の世界は広くて・・・知的工期心的には、仕事には関係のない部分がいろいろ面白かった。もちろん、仕事の資料としてもそれなりに役立ったけど。化学繊維は産業と密接に結びついていて、研究開発を行うのが民間企業であることが多い。そのため、この本でも具体的な企業名や商品名がたくさん登場する。たぶん、繊維産業の特徴だろうと思う。以前、身体が元気だった頃に、山登りで愛用していた「ゴアテックス」や「エントラント」なんていう名前もふつうに出てくる。
「衣料と繊維」ということなので、衣料以外の工業的な材料に使われる繊維類については全く触れられていない。そういう用途にこそ、最先端の科学技術分野が含まれるので、いろいろ面白い世界があるのだろうけど・・・。