BOOK「基礎から学ぶ機械工学 キカイを学んでものづくり力を鍛える!」

基礎から学ぶ機械工学
キカイを学んでものづくり力を鍛える!

門田和雄著
(サイエンス・アイ新書:900円+税)
※古書を購入

古本を購入したら・・・美品ではあったけど、数カ所に鉛筆で書き込みがあった。
「アクチュエータ Actuator」という感じで、脈絡もなく抽出した単語と英語表記が並んでいる。傍線が引かれているでもなく、ドッグイヤが折られているでもなく、どういう興味で読み、書き込んだのか想像も付かない。
モノづくりの基本・・・道具と機械。人間は道具を作りだして、文化を進化させてきた。身の回りにも産業界にもいろいろあるけど、人間の手や力ではできないことをできるようにするという意味では、道具を道具以上にした存在なんだろうと思う。
まあ、世の中便利になりすぎているような気もするし、本当に人間のために役立っているのかわからないような機械もあるけど。
この本では、機械の材料力学、機械力学、機械要素といった基本中の基本からはじまり、センサとアクチュエータ、制御工学といった先端分野まで解説している。途中、熱力学と熱機関という章があって、ちょっと驚いた。いわれてみれば熱機関というのも機械だけど、読む前にはぜんぜん予想していなかった。
この分野にはあまり馴染みはなかったけど、素直に読み進められた。ちょうどよいレベルの入門書だった。

BOOK「新・材料化学の最前線 未来を創る「化学」の力」

新・材料化学の最前線
未来を創る「化学」の力

首都大学東京都市環境学部分子応用化学研究会 :編集
(講談社ブルーバックス:940円+税)
※古書を購入

古書の値段が落ちてきたので、ようやく読むことができた。ただ、当初期待していたような内容の本ではなかったので、ちょっとがっかりした。もちろん、それはこの本が悪いわけではない。
科学技術の進歩は文字通りにめざましいものがあり、すべての分野で、さわり程度にでもついていこうとしても、気がつくとどんどん置いてきぼりになってしまい、いつの間にかこんなことになっていたのかと驚くことが多い。ちょっとまえに、分子を一つひとつ見分けられるような電子顕微鏡が開発されたかと思っていたら、いまでは、分子一つ二つを自在に操って新素材を作ることができる、そんな技術が実用化されようとしていたりする。この本にはそんな21の最先端素材について紹介されているけど・・・それが実用化したら、普及したらどんなことになるのか、意外に分からない^^;; もしかすると、開発している人ですら想像できていないのではないかと思える気もする^^;
でも、気がつくといつの間にか身の回りの物にこういう新素材が当たり前のように使われていて、「あれ、むかしは鉄だったのに」「プラスチックにしてはちょっと変だけど・・・」などと思いながら、何の違和感もなく使い続けることになるんだろうな・・・。「どうしてこいつは、相変わらず鉄なんだろう?」なんて思っていたら、鉄は鉄でもぜんぜん違う鉄なんて言うこともあるだろうし・・・。でも、こういうのはまだわかりやすい。製品の中に組み込まれてしまうと、うつ何がどう変わったのかすら気づかずに、当たり前になってしまうんだから。

BOOK「トヨタ産業技術記念館 ガイドブック」

数日前、名古屋で見てきた「トヨタ産業技術記念館」のガイドブック。
タイトルはガイドブックだけど、320ページを超える厚さがあり、常設展示されている内容がほぼすべて掲載されているようなので、事実上は「図録」といってよい内容だと思う。もちろん、常設店の展示内容は変化するだろうけど、2014年の改訂版なので、大きな違いはないだろう。さすがに「世界のトヨタ」。企業博物館でこれだけのガイドブック(図録)を作っているところは、めったにないのではないだろうか。
「繊維機械館」の部分は、展示機械の積み重ねが、豊田佐吉が織機の改良・発明を重ねてきた歴史そのもので、いい換えるならば明治以降の日本の繊維産業の技術史そのもの。
全体の3分の2ほどを占める「自動車館」の部分も同様で、トヨタの黎明期の技術史は、そのまま日本の自動車黎明期の技術史といってよい内容だと思う。

BOOK「化学のはたらきシリーズ4 衣料と繊維がわかる 驚異の進化」

化学のはたらきシリーズ4
衣料と繊維がわかる

驚異の進化

日本化学会企画・編集
井上晴夫、齋藤幸一、島﨑恒藏、宮崎あかね監修
佐藤銀平著
(東京書籍:1,500円+税)

仕事の資料として読んだ本。
衣服の歴史にはじまり、天然素材の特長などにも触れながら、中心的には化学繊維について解説している。この本が「化学」に関するシリーズなので、当然のことではある。
化学繊維の世界は広くて・・・知的工期心的には、仕事には関係のない部分がいろいろ面白かった。もちろん、仕事の資料としてもそれなりに役立ったけど。化学繊維は産業と密接に結びついていて、研究開発を行うのが民間企業であることが多い。そのため、この本でも具体的な企業名や商品名がたくさん登場する。たぶん、繊維産業の特徴だろうと思う。以前、身体が元気だった頃に、山登りで愛用していた「ゴアテックス」や「エントラント」なんていう名前もふつうに出てくる。
「衣料と繊維」ということなので、衣料以外の工業的な材料に使われる繊維類については全く触れられていない。そういう用途にこそ、最先端の科学技術分野が含まれるので、いろいろ面白い世界があるのだろうけど・・・。

BOOK「講座・日本技術の社会史 第三巻 紡織」

講座・日本技術の社会史 第三巻
紡織

編集委員:甘粕健、網野善彦、石井進、黒田日出男、田辺昭三、玉井哲雄、永原慶二、山口啓二、吉田孝
(日本評論社:2,900円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。
なかなか手ごろな本が見つからず、いろいろ探したあげく、ようやくこの本に行き当たった。繊維産業は、かつて日本の花形産業で、明治期以降、外貨をたくさん稼ぎ出していたにもかかわらず、いまではまともな出版物を探すのに苦労するとは・・・。
この本は、先史時代からの日本の製糸、織物について解説していて、すごい本であることに間違いはないんだけど・・・わたしが必要とした情報は近代の製糸・紡績についてなので、後半3分の1くらいしかページが割かれていなかった。この本は近代の機械制紡糸・紡績への移行まで。大正・昭和期についてはまったく触れられていない。しかも、残念ながら、この本のシリーズでは紡織に関する続巻はない。
戦後の化学繊維の時代の資料を別途探さないといけないかも知れない・・・。
巻末の「特論」の「日本の織機」の項が、意外に役に立った。

BOOK「図解・燃料電池自動車のメカニズム 水素で走るしくみから自動運転の未来まで」

図解・燃料電池自動車のメカニズム
水素で走るしくみから自動運転の未来まで

川辺謙一著
(講談社ブルーバックス:900円+税)
※古書を購入

わたしは運転もしないし、必要性もあまり感じないので、クルマに興味がない。でも、仕事柄、燃料電池車について少し勉強しておこうと思い、読んでみることにした。正確に言うと、古本屋でたまたま見つけたのでそういう気になった。
燃料電池そのものについてはそれなりに知識があったので、非常にわかりやすく読んだ。タイトルが示すような、燃料電池車の仕組みだけではなく、開発の歴史などにもページを割いていた。明確な目的があって読んだわけではないので、こういう総合的な解説はありがたい構成だった。
ひとつだけ不満な点があるとしたら、コストパフォーマンスやエコ性能あたりが明確ではないという点。この本に限ったことではないけど、そういう点まで含めて燃料電池の性能を明確に示している本には出会ったことがない。もちろん、燃料となる水素の供給などが進化途上にあるから、明確にはいえないんだろうけど・・・。
燃料電池車について、トコトン知りたいというわけではないけど・・・水素の生産という意味では、そろそろ人工光合成の本でも読まなければならないのかな・・・わたしにとって、有機化学は鬼門なんだけど^^;;