BOOK「トヨタ産業技術記念館=ガイドブック=」

数日前、名古屋で見てきた「トヨタ産業技術記念館」のガイドブック。
タイトルはガイドブックだけど、320ページを超える厚さがあり、常設展示されている内容がほぼすべて掲載されているようなので、事実上は「図録」といってよい内容だと思う。もちろん、常設店も展示内容は変化するだろうけど、2014年の改訂版なので、大きな違いはないだろう。さすがに「世界のトヨタ」。企業博物館でこれだけのガイドブック(図録)を作っているところは、めったにないのではないだろうか。
「繊維機械館」の部分は、展示機械の積み重ねが、豊田佐吉が織機の改良・発明を重ねてきた歴史そのもので、いい換えるならば明治以降の日本の繊維産業の技術史そのもの。
全体の3分の2ほどを占める「自動車館」の部分も同様で、トヨタの黎明期の技術史は、そのまま日本の自動車黎明期の技術史といってよい内容だと思う。

BOOK「化学のはたらきシリーズ4 衣料と繊維がわかる 驚異の進化」

化学のはたらきシリーズ4
衣料と繊維がわかる

驚異の進化

日本化学会企画・編集
井上晴夫、齋藤幸一、島﨑恒藏、宮崎あかね監修
佐藤銀平著
(東京書籍:1,500円+税)

仕事の資料として読んだ本。
衣服の歴史にはじまり、天然素材の特長などにも触れながら、中心的には化学繊維について解説している。この本が「化学」に関するシリーズなので、当然のことではある。
化学繊維の世界は広くて・・・知的工期心的には、仕事には関係のない部分がいろいろ面白かった。もちろん、仕事の資料としてもそれなりに役立ったけど。化学繊維は産業と密接に結びついていて、研究開発を行うのが民間企業であることが多い。そのため、この本でも具体的な企業名や商品名がたくさん登場する。たぶん、繊維産業の特徴だろうと思う。以前、身体が元気だった頃に、山登りで愛用していた「ゴアテックス」や「エントラント」なんていう名前もふつうに出てくる。
「衣料と繊維」ということなので、衣料以外の工業的な材料に使われる繊維類については全く触れられていない。そういう用途にこそ、最先端の科学技術分野が含まれるので、いろいろ面白い世界があるのだろうけど・・・。

BOOK「講座・日本技術の社会史 第三巻 紡織」

講座・日本技術の社会史 第三巻
紡織

編集委員:甘粕健、網野善彦、石井進、黒田日出男、田辺昭三、玉井哲雄、永原慶二、山口啓二、吉田孝
(日本評論社:2,900円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。
なかなか手ごろな本が見つからず、いろいろ探したあげく、ようやくこの本に行き当たった。繊維産業は、かつて日本の花形産業で、明治期以降、外貨をたくさん稼ぎ出していたにもかかわらず、いまではまともな出版物を探すのに苦労するとは・・・。
この本は、先史時代からの日本の製糸、織物について解説していて、すごい本であることに間違いはないんだけど・・・わたしが必要とした情報は近代の製糸・紡績についてなので、後半3分の1くらいしかページが割かれていなかった。この本は近代の機械制紡糸・紡績への移行まで。大正・昭和期についてはまったく触れられていない。しかも、残念ながら、この本のシリーズでは紡織に関する続巻はない。
戦後の化学繊維の時代の資料を別途探さないといけないかも知れない・・・。
巻末の「特論」の「日本の織機」の項が、意外に役に立った。

BOOK「図解・燃料電池自動車のメカニズム 水素で走るしくみから自動運転の未来まで」

図解・燃料電池自動車のメカニズム
水素で走るしくみから自動運転の未来まで

川辺謙一著
(講談社ブルーバックス:900円+税)
※古書を購入

わたしは運転もしないし、必要性もあまり感じないので、クルマに興味がない。でも、仕事柄、燃料電池車について少し勉強しておこうと思い、読んでみることにした。正確に言うと、古本屋でたまたま見つけたのでそういう気になった。
燃料電池そのものについてはそれなりに知識があったので、非常にわかりやすく読んだ。タイトルが示すような、燃料電池車の仕組みだけではなく、開発の歴史などにもページを割いていた。明確な目的があって読んだわけではないので、こういう総合的な解説はありがたい構成だった。
ひとつだけ不満な点があるとしたら、コストパフォーマンスやエコ性能あたりが明確ではないという点。この本に限ったことではないけど、そういう点まで含めて燃料電池の性能を明確に示している本には出会ったことがない。もちろん、燃料となる水素の供給などが進化途上にあるから、明確にはいえないんだろうけど・・・。
燃料電池車について、トコトン知りたいというわけではないけど・・・水素の生産という意味では、そろそろ人工光合成の本でも読まなければならないのかな・・・わたしにとって、有機化学は鬼門なんだけど^^;;

BOOK「磁石の発明特許物語 六人の先覚者」

jisyakunohatumei磁石の発明特許物語
六人の先覚者

鈴木雄一著
(アグネ技術センター:2,000円+税)
※古書を購入

仕事の資料として読んだ本。
明治時代、先端的な鉄鋼技術を西洋から輸入しはじめたばかりの頃、日本の磁石鋼の研究はすでに世界の先頭を走りはじめていた。以来、日本のお家芸的な技術として発展してきた。しかし、太平洋戦争中に技術力は逆転し、戦後再び世界の先頭に並び立つわけだけど、それまでにはけっこうな時間がかかった。
この本を選んだのは、主に加藤与五郎博士とその弟子である武井武博士が生みだした「フェライト磁石」みついて興味があったから。
このフェライト技術は、現在のTDKが事業化して成功を収めたけど、特許訴訟など紆余曲折があった。明治の頃から、知的財産権が国際的に機能していて、日本の技術導入あるいは技術輸出に大きな意味を持っていたというのは・・・豊田織機など他の事例でも、読んでいて非常に面白い。

BOOK「トコトンやさしい フェライトの本」

tokotonyasasii_ferrite今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい フェライトの本

谷腰欣司著
(日刊工業新聞社:1,400円+税)
※古書を購入

仕事の下調べとして読んだ本。古書を買ったけど、売り上げカードが挟まったままの新品だった。
フェライトは、酸化鉄を主成分とするセラミックスの総称で、東京工業大学の加藤与五郎と武井武によって1930年に発明された日本発の技術。セラミックスなので、様々な形状のものが作りやすく、強磁性という特性を活かして様々な分野で使用されている。
この発明を世界ではじめて事業化し、フェライトコアの生産を始めたのが東京電気化学工業株式会社・・・現在のTDK株式会社。今では見かけなくなってしまったけど、かつての「カセットテープ」や「ビデオテープ」の技術にも使われていた。磁気テープの時代が去っても、TDKがフェライト関係のトップ企業であることに変わりはない。

BOOK「わかりやすいセラミックスのはなし」

ceramicstohaわかりやすいセラミックスのはなし
澤岡昭著
(日本実業出版社:1,300円+税)
※古書を購入

仕事の下調べとして読んだ本。
予想したとおり、一般的なやきもの、陶器、磁器などの違いからはじまり、様々なセラミックスの最新応用例を紹介してくれている。
なのだけど、エレクトロニクスや機械など高度な分野で使われるの部品類の紹介、医療や航空宇宙産業で欠かせないセラミック・・・これらも重要なセラミックスの実用例なんだけど・・・わたしが求めていた知識はぜんぜんどこにも、みじんにも出てこなかった^^;; やっぱり、こういう一般書では扱われないジャンルなんだろうか? そんなにニッチなジャンルではないと思うのだが・・・。
まあ、それでも、基本中の基本部分はほぼ理解した。
もう一冊くらい、ターゲットに近そうな専門書を読む必要がありそうだ・・・。