雑誌「milsil ミルシル 博物館とコレクション」(2017年No.6 通巻60号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「博物館とコレクション」。博物館が発行する雑誌なので本筋のテーマだろうけど、過去に取り上げていなかったのが不思議。まあ、ある種の内輪ネタだろうけど、興味のある読者は多いと思う。しかも、この巻がすべてこの大特集ネタ。サブの特集もコラムもなく、博物館におけるコレクションの意義について紹介している。
DNA解析のような新しい研究手法が確立されて、生物関係の標本コレクションはさらなる存在意義ができた。そして、データベース&インターネットという情報の共有化技術によって、コレクション情報の利用法も広がっている。前向きな動きではこのふたつが大きな流れだろうけど、もうひとつ、この特集が組まれた理由がありそうだ。
ひとつは博物館の経営的な問題。特に地方の博物館、企業博物館は苦しい状況が続き、コレクションの維持が困難になってきているという実情があるのだろう。
もうひとつ、この特集では理工系の分野でのはなしも大きめに扱われているけど、理工系博物館は企業博物館が多いので、一部の景気の良い大企業は除いて、博物館の存続が危ぶまれる状況が続いている。深読みすると、独法になった国立の博物館すら、予算減が続いているのが実情で・・・。日本の技術立国、科学立国などといったお題目も、お寒い状況が続いているのも事実。予算獲得のためにも、国民の理解を前提としている以上、こういうPRは不可欠なんだろうな。