BOOK「動物たちの反乱 増えすぎるシカ、人里へ出るクマ」

動物たちの反乱
増えすぎるシカ、人里へ出るクマ

河合雅雄、林良博編著
(PHPサイエンス・ワールド新書:880円+税)
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テレビのニュースなどで、シカやサルによる農業被害、人家のある地域にイノシシやツキノワグマが出没したなどという話があると、有識者なる人たちが「里山の荒廃」という言葉を口にする。この言葉を聞く度に、わたしは納得のいかないものを感じていた。そしてこの本を読んで、わたしは「里山」というものを理解していなかったことに気がついた。
わたしは北海道に生まれ育ったので、本州でいうところの、隅々にまで人の手が入った「里山」というものを実感してこなかった。いまの北海道は違うだろうけど、半世紀近く前の北海道には、里山のような中立地帯はほとんどなく、裏山ですらヒグマが支配する土地だった。だから、廃村により人間が後退した地域、開発が進んで里山を切り拓いてしまった地域では、その頃の北海道と同じような距離感に生まれてしまっているのだろう。
人口が増え、人間がどんどん自然を切り崩していた時代は、野生動物はゆるやかに絶滅する方向で減っていく。でも、地方が衰退し、放棄地が増えると、野生動物が反撃してくる。自然保護の意識もあるし、むやみに駆除もできない。さらに、外来生物という援軍?も押しかけてきて、勢力を伸ばしている。『進撃の巨人』のような壁でも作るしかないんじゃないかな^^;;