BOOK「うちの姉ちゃんが最恐の貧乏神なのは問題だろうか」

うちの姉ちゃんが最恐の貧乏神なのは問題だろうか
鹿島うさぎ著
イラスト:かやはら
(電撃文庫:610円+税)
※古書を購入

たまにはラブコメではない重めのラノベをと思って読んでみた。全体的に陰湿なお話だけどなかなか面白くて、珍しくも一気に読んだ。
神春紫苑は福寄荘202号室の押し入れに家賃2000円に住んでいる。その紫苑に取り憑いている自称「姉」の福乃・・・ふだんは脳天気で可愛い雰囲気だけど、いざとなると恐ろしい貧乏神・・・紫苑に攻撃を加えると発動する。
その福寄荘202号室の本来の居住部分に御園樹愛里沙、百合沙の双子姉妹が引っ越してきた。この姉妹が事件に巻き込まれ・・・紫苑が戦いはじめる。
悪役は城ヶ崎遥人・・・学校に君臨する城ヶ崎建設次期社長。ありがちな安っぽい悪役の典型で、増長して思い上がった御曹司。
背景は、なかなかすごい設定。東京都付ヶ原区・・・大恐慌を経て「どれだけ金を持っているか」がすべてという「資産差別区」。金持ちが圧倒的な権力を握っている。だからものすごく悲惨な社会で、起きる事件も陰湿で、読んでいて暗い気持ちになる。最後は悪いヤツがやっつけられるから爽快感があるにはあるんだけど・・・世の中の仕組みが変わらないと、この不快感はぬぐい去れない。
続巻が出れば、最後の完結時にはそんな社会になってくれるのだろう。ただし、今年の1月に出た本だけど・・・いまのところ、続巻は出ていない。