BOOK「寿命はどこまで延ばせるか?」

寿命はどこまで延ばせるか?
池田清彦著
(PHPサイエンス・ワールド新書:800円+税)
※古書を購入

生命の誕生から進化、代謝、老化などといった生命科学全般で寿命について説明し、なかなか読み応えがある本だった。
不老長寿というと・・・ライトノベルの異世界ファンタジーなどに登場する「エルフ族」を思い出したりするけど、不老長寿の社会というのはラノベでもあまり詳しくは描かれていないと思う。この本はちゃんとした科学の本ではあるけど、寿命が120歳まで延びた社会について、思考実験で考察している。この視点はちょっと珍しいかもしれない。
そもそも、長寿が人間にとって幸せなことなのか、喜ぶべきことなのかは一概にはいえない。誰もが長寿になれるのか、限られた人の特権なのかにもよるし、どんな世の中でどんな生き方が出来るかにもよる。その意味では、生物学的にどれだけ寿命を延ばせるかよりも、長生きしたいと思えるような世の中を実現し、維持できるかのほうが重要なのだろう。
いま現在だって、先進国と後進国では寿命の格差があって、日本は先進国で、その中でも長寿国だから、いまの幸せが一日でも長く続けばいいなと思うのだろうけど・・・でもやがて、日本がジジババばかりになったとき、みんなつぶやくんだよ、「むかしは良かったなぁ」って^^;; そうなると、なんのための長寿なのかわからなくなってしまう・・・。