BOOK「原発とプルトニウム パンドラの箱を開けてしまった科学者たち」

原発とプルトニウム
パンドラの箱を開けてしまった科学者たち

常石敬一著
(PHPサイエンス・ワールド新書:840円+税)
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この本の大半はサブタイトル通りに、レントゲンによるX線の発見から原爆製造のためのプルトニウム生成までの研究史をたどっている。放射線が発見されてから、マンハッタン計画で軍事利用される中で、様々な科学者の業績や活動が紹介されている。その上で、原子力の「平和利用」としての原発。そして、原発から日々生み出されるプルトニウムの問題をとりあげている。
原発に関する話としては、沸騰水型軽水炉(BWR)と加圧水型軽水炉(PWR)についての説明がわかりやすい。東日本と西日本で棲み分けがあることははじめて知った。
著者の問題提起は、自然界にはほとんど存在しないプルトニウムという猛毒の放射性元素を、これ以上増やしてはいけないということ。日本の「核燃料サイクル」の愚かしさを問題視している。すでに核燃料サイクルは破綻しているのだから、さっさと止めてしまえばいいのだけど・・・その先どうするかというところがはっきりしない。トイレのない住宅どころか、出口すらないという印象だ。