BOOK「菜の花の沖(四)」

菜の花の沖(四)
司馬遼太郎著
(文春文庫:552円+税)
※古書を購入

幕府が東蝦夷地(浦河~知床に至る太平洋側。後に箱館~浦河を追加)を天領とし、奥羽諸藩に北辺警備の兵を割り当てた。箱館を治所とした。ここから、本格的な北海道の開拓史がはじまり、同時に高田屋嘉兵衛の成功がはじまる。嘉兵衛は冬の日本海を渡って箱館に至った。さらに太平洋岸を様似、厚岸まで出かけた。わたしの郷里あたりは、沖走りですっ飛ばされた。だから、明治まで寒村だったわけだ。
嘉兵衛は近藤重蔵と知り合い、国後島から択捉島への航路を拓く冒険に出た。近藤重蔵は教科書にも載っている名だけど、意外に小物という印象。この時期の嘉兵衛は、商売は度外視で、船乗り・冒険家としての行動が中心。役人には嘉兵衛を利用しようという意識もあったのだろう。事実、嘉兵衛は大公儀御用として択捉島の漁場開発を行い、さらに幕府の定御雇船頭として5艘の官船と自分の商船3艘の建造に着手した。明らかに公儀にすり寄りすぎている。サトニラさんの二の舞じゃないか・・・。