BOOK「下ネタという概念が存在しない退屈な世界 5」

下ネタという概念が存在しない退屈な世界(第5巻)
赤城大空著
イラスト:霜月えいと
(ガガガ文庫:590円+税)
※古書を購入

前巻の慶介が仕組んだ勝負に勝ち、《SOX》は無事に早乙女先輩を取り返した。さらに、ゆとりが《SOX》の新メンバーとなり、《捕乳類》《絶対領域》が傘下に入った。
で、この巻は夏休み明け・・・アンナ会長はますます凶暴な性獣に進化していた。不健全表現物を所持しているだけで処罰されるという条例が成立。そして、善導課のエース・別名《鋼鉄の鬼女》こと奥真爛子が赴任してきた。アンナ会長をもしのぐ戦闘力。狸吉の母親だという。そして過酷な弾圧が行われた。当然、民衆の怒りは頂点に達し・・・ここに来て不破氷菓の存在が大きくなってきた。《SOX》でも、綾女と狸吉との間で闘争路線の違いがあらわになり、あわやの分裂の危機。さらに、決着が付いたと思っていた《ベーコンレタス母の会》《振激の尻》&鬼頭慶介とのセクト間抗争がまだ続いていた。
そもそも、綾女と狸吉って、一緒に行動する立場じゃないんだよな。好いた惚れたは別として・・・綾女は下ネタに犯され頭が膿んでるし、正義を語れる状態ではないように思う。映画のテロリストなら、そろそろ発狂して重大なミスを犯してやっつけられる直前という感じ。綾女は、革命時には必要な人材かも知れないけど、革命成って平時になれば、真っ先に粛正されるタイプの人間のようだ。

BOOK「下ネタという概念が存在しない退屈な世界 4」

下ネタという概念が存在しない退屈な世界(第4巻)
赤城大空著
イラスト:霜月えいと
(ガガガ文庫:600円+税)
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先日、リアルの世界で、取材記者へのセクハラ問題で財務次官が辞任して思ったことだけど・・・華城綾女ってセクハラの塊といえる。狸吉はツッコミを入れているから本気で嫌がってはいないのだろうけど、深刻な問題でマジメに会話しようとしているときに、現実逃避で下ネタを連発されたら・・・リアルなら本気で腹が立つだろうな^^;
前巻の終わりで、鬼頭慶介の傘下に加わることになった早乙女先輩を奪還するため、慶介傘下の《ベーコンレタス母の会》《振激の尻》《捕乳類》《絶対領域》との戦いだけど・・・下ネタのオンパレード。でも、展開が幼稚すぎてグズグズ感は否めない。でも、鬼頭慶介の本音・・・下ネタテロを利用し、次世代のことを省みない姿勢が明らかにされたことは、シリアス面のストーリーが進んだということだろう。
そして、朱門温泉にアンナ会長がやってきた。アンナ会長の性獣化、劣勢の《SOX》、ゆとりの参戦・・・これで狸吉を中心としたラブコメ構造もようやく変化したけど・・・ラブコメ部分もゆとりに丸投げ状態だった・・・。
それでも最後はやはり、主人公の狸吉・・・《雪原の青》もひとりの人間。狸吉が時に前面に立つこともいとわない強さを獲得した・・・主人公として一皮剥けたということだろう。

BOOK「下ネタという概念が存在しない退屈な世界 3」

下ネタという概念が存在しない退屈な世界(第3巻)
赤城大空著
イラスト:霜月えいと
(ガガガ文庫:590円+税)
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前巻、こころを入れ替えたはずの担当編集者が、また脳を患ったらしい。小学館はよくこの表紙で発売すると決断を下したものだ。出版不況といわれる昨今、売れなくてもかまわないというくらい、他で儲かっているんだろうか?
アンナ会長が完全にヤンデレ化したにもかかわらず、狸吉の「アンナ先輩みたいな健全な人間」という認識はいまだに変わっていない。「狸吉はそれでもアンナ先輩が好き」という設定が生きていることが不思議だ。
この巻は夏休み・・・温泉回。朱門温泉清門荘の旅館女将・・・華城撫子・・・綾女の養母にして下ネタテロの師匠の特訓がはじまったけど・・・はっきりいって駄作。ストーリー的には無意味、エピソードとしてもつまらない。ついでに新キャラ、狸吉の中学時代の同級生・濡衣ゆとりが登場したけど・・・こちらも意味不明でぜんぜん楽しめない。この巻で、ラブコメ構造の転換を意図したんだろうけど、あまり良い仕掛けではなかったようだ。
突如乗り込んできた四大下ネタテログループとその経済的支援者である鬼頭慶介。《SOX》に反感を持つ四大下ネタテログループと、エロ雑誌卑猥資源を賭けての勝負。こちらはメインストーリーに関わりそうな流れで、《SOX》の立ち位置を決める内容。本当に必要なお話だったかはわからないけど・・・。
次巻、早乙女先輩の動向と、アンナ会長が朱門温泉にやってくる・・・。

BOOK「下ネタという概念が存在しない退屈な世界 2」

下ネタという概念が存在しない退屈な世界(第2巻)
赤城大空著
イラスト:霜月えいと
(ガガガ文庫:600円+税)
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まとめ買いしたから続巻があることは知っているけど・・・担当編集者がこころを入れ替えて、店頭で買いやすい表紙に改めてきたのが勝因だろう。正直いって、出版社が本を第1巻は売りたくないんじゃないか?という気がするくらいの表紙だった。
下ネタテロ組織《SOX》の活動に勢いが増してきて、全国にそのシンパが増えてきた。そんな中、《SOX》を支持する下着ドロ団体《群れた布地》が動きはじめた。でも、下着泥棒はただの犯罪。誰も賛同はしない。取り締まりが強化されれば《SOX》の活動にも支障をきたす。そんなシンパの一人、鬼頭慶介の娘・鼓修理・・・女子中学生が《SOX》の新メンバーになった。そして生徒会側の新キャラ・月見草朧。風紀委員として善導課から出向してきたという設定ながら、こちらもかき回し役。
そしてアンナ会長は、風紀委員を組織して取り締まりを強化。狸吉への暴走もさらに強化されて・・・。不破さんはいろいろ役に立っているけど、いまだによくわからない立ち位置。でもこの巻のメインは《群れた布地》の粛正。ある種の内ゲバだな。
そういえば、この下着泥の組織の話を読みながら、『四畳半襖の裏張り裁判』とか『愛のコリーダ裁判』とか、むかしの猥褻裁判を思い出した。表現の自由を争う裁判だけど、その主張の中に「誰も被害者がいない」という趣旨があった。それと同じで、《SOX》の活動に被害者はいないけど、下着泥棒には明確に被害者がいる。あるいは、成田空港の『三里塚闘争』。はじめは住民による生活防衛的な反対運動だったものが、職業的左翼系団体が合流して大事に発展した。似たような構造の市民運動はいまもあるわけだけど・・・。

BOOK「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」

下ネタという概念が存在しない退屈な世界
赤城大空著
イラスト:霜月えいと
(ガガガ文庫:590円+税)
※古書を購入

以前、読もうかと思っていたらアニメ化され、アニメを見て満足したので読まずにいた。この前、この著者の新作『絶頂除霊』を読んでみたら意外に面白かったので、『下セカ』の古本に手を出した。(大きな声ではいわないけど)なかなか手が伸びなかったのは表紙イラストがひどすぎるのと、ガガガ文庫だからというのが理由。個人的感想だけど、ガガガ文庫は当たり外れが大きいんだよな。
公私を問わず、性的な表現が禁止された日本。中でも風紀優良度最上位校・時岡学園の新入生・奥間狸吉が主人公。校内ではいま、《雪原の青》を名乗るテロリストが暗躍し、一般の生徒に性知識を伝えようとしている。その《雪原の青》をどう対峙するか、アンナ・錦ノ宮生徒会長以下、生徒会は苦慮している。
主人公・奥間狸吉は、父親がエロテロリストで、性知識を持つ者として生徒会役員に引き入れられ・・・同時に、《雪原の青》の仲間に引きづり込まれ、エロテロリスト集団《SOX》を結成する・・・。アニメを見ていたのでこの辺のことはわかっていたけど・・・世界観が特殊な状況なのと、初期段階から登場人物を一気に整理しなければならないので、前半はかなり説明的な内容だった。
華城綾女副会長=《雪原の青》で、奥間くんは結局行動を共にするようになるわけだけど・・・ラノベでは『いでおろーぐ!』と似たような構図の設定。テーマがエロに変わっただけのこと。
タイトルに反して下ネタのオンパレード。公序良俗を守る先頭に立つアンナ生徒会長がいちばんエロイというのが、このラノベの妙というところ。最後まで不破氷菓の立ち位置がよくわからなかった。

アニメ「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」

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下ネタという概念が存在しない退屈な世界」(全14話/2015年)
下ネタという概念が存在しない世界を描いた作品なのに、下ネタ満載の内容だった。実際は、「下ネタという概念を隠蔽している世界」なんだけど、ここでいう下ネタって何だ?という、訳のわからない世界観だった。まあ、アニメそのものはそれなりに面白かったけど。
原作はラノベで、その存在だけは知っていたけど、第1巻の表紙絵があまりにも・・・という感じで、読むのは見送っていた。似たようなイラストが並ぶラノベだけど、このシリーズの表紙を見ると、購買意欲に表紙絵が大きく関係することに納得がいく。

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