BOOK「マルドゥックシリーズ12 マルドゥック・アノニマス 5」

マルドゥック・アノニマス 5
冲方丁著
イラスト:寺田克也
(ハヤカワ文庫:amazon:772円)

第5巻が出たことに気づいて慌てて読み始めた。
ハンター勢力〈評議会〉が一堂に会する会合・・・新たな局面へと進んだ。違法エンハンサーたちを合法化し、能力をお金に換える=均一化の最終到達点を確認した。今後、市長派のシザースと戦うため、嗅覚に優れたエンハンサーの出番・・・ハンターは、ウフコックも仲間に加えたいともくろんでいたが・・・。しかし、シザースを見分ける方法を発見できずにいた。組織内で疑心暗鬼が広がり、ハンターへの共感に乱れが起きはじめ・・・ついに、マクスウェル率いる〈誓約の銃〉が暴走した。ステップフォード所長と〈円卓〉メンバーのメリルへの襲撃。全面的な組織分裂の危機に陥った。回避するためには、ハンターの能力を正しく使うためのもう一人の鏡が必要で・・・ハンターという人物に詳しい者・・・バロッド。
バロットを含めた〈イースターズ・オフィス〉のウフコック捜索は続いていた。バロットはレイ・ヒューズから銃の扱いと交渉術を習った。そして、二十歳の誕生日に、バロットが声帯再生手術を受け声を取り戻したまさにその夜。バロットの携帯にハンターからの電話が・・・。
シリーズ全体の山場を戦闘シーンにしないために、意図的に構成をいじったのだろうけど・・・次の巻で、バロットとハンターの対決が本当の山場になるのだろう。

BOOK「マルドゥックシリーズ11 マルドゥック・アノニマス 4」

マルドゥック・アノニマス 4
冲方丁著
イラスト:寺田克也
(ハヤカワ文庫:780円+税)

ハンターに捕獲されたウフコックをバロットが無双して回収した。なんと、600日以上が経過していた。その間、バロットは声帯の再生手術を受け、声を取り戻していた。そして能力の発展的応用で、チート超人のようになっていた。ウフコックの新たな使い手・・・絶対的な善としてバロットがヒロインとして躍り出た。
これまでの巻とは異なり、時間軸を逆転して・・・ウフコックが捕らえられていた過去を振り返る形で書かれている。バロットの成長過程、トレインと〈ウィスパー〉との電子捜査、新しい仲間と反撃体勢などなど。
ハンターは急速に勢力を増している。対するイースターズ・オフィスは、ハンターのバックグラウンドに焦点を当てて捜査を進めた。初めのうちは、なぜ、ハンターの過去が問題なのかピンとこなかったけど・・・いろいろつながりが見えてきて、シリーズ全体を改めて思い起こすことになった。
たぶん、次の巻でもバロットのチートな活躍が続くはず。

BOOK「マルドゥックシリーズ10 マルドゥック・アノニマス 3」

マルドゥック・アノニマス 3
冲方丁著
イラスト:寺田克也
(ハヤカワ文庫:780円+税)

購入してから、なんとなく1年以上放置してしまった。気がつけば、すでに第4巻も出ている。
バロットのロースクールへの進学が決まった。このシリーズで唯一のヒロインなのに、前巻まで、ほんのわずかだけしか登場しなかった。この巻からは、それなりに登場する気配・・・。
クインテットのボスであるハンターの勢力拡大が止まらない。新たにエンハンサー47人と8頭を加え、シティの闇の金を動かすカジノ協会をはじめとする全勢力に戦いを挑みはじめた。ウフコックはハンターのブローチに化けたまま、そのすべての成り行きを聞き取っていた。ここまでは、主人公がじっと蹲ったままで、悪役がドンパチ大活躍という展開だった。
ウフコックたちは、ハンターに対抗できる善の勢力を結集した。なかなか多彩な顔ぶれだけど、登場人物が多く、今後はかなり複雑な作戦が実行に移される。・・・しっかり読まないと理解できないくらい混沌としている。
ウフコックはハンターのスピード感に焦っているけど、意外に早く反撃がはじまった。でもなぁ、ハンターたちって強いんだよなぁ・・・。
さて、次の巻からはバロット&ウフコックのコンビが立ち向かう。

BOOK「シュピーゲルシリーズ13 テスタメントシュピーゲル 3下」

シュピーゲルシリーズ13
テスタメントシュピーゲル(第3下巻)

冲方丁著
イラスト:島田フミカネ
(角川スニーカー文庫:amazon:855円)
※Kindle版を購入

佳境に入って盛り上がり続け、すぐに続けて下巻も読まなければ気が済まない感じで下巻に手を伸ばした。
最後の予備電線をめぐる特甲猟兵と特甲児童たちの攻防。涼月を中心に、夕霧、陽炎、乙が見事な連係プレイ。皇、螢、雛の三人もちゃんと連携している。特殊な文体も馴れてくるとスピード感があってなかなか良いと感じる。
MSS副官ニナは、第二作戦部隊まで加えた寄せ集めの全軍を掌握して最後の攻勢へ。今後の新しい体制をなんとなく予感させる急成長ぶり。かなり深刻な状況だったはずだけど・・・意外に早く鳳が復帰した。ここに雛がいないのがちょっと残念だ。「テスタメント」に入ってから、どうにも雛がかわいくて仕方がないんだよな^^;
ここまで蒸気機関車が活躍するとは思わなかったけど、核心的な役割を無事に果たした。でも、よく考えると、軌道幅はどうなっているんだろう? 狭軌の日本製機関車がそのまま走れるんだろうか・・・なにか細工をしたという設定があったかどうか忘れてしまった。
それにしてもうんざりするくらいの波状攻撃。敵の車両やアームスーツ一台一台、敵兵の一人ひとりについて、すべて個別に描写している気配。しかも、けっこう生臭い。テロリストはともかく、命令に従っているだけの正規軍の兵士まで殺してしまって良いものだろうか?
戦闘に次ぐ戦闘を抜けて事件の収束・・・いままで起きたいくつもの事件やテロの関連性も謎解きされ、それぞれが抱えていた因縁も払拭され・・・最後はみんなハッピーエンドではあるけど、ちょっとほろ苦い感じも。なんか、高校を卒業したときのような感覚^^; でも、特甲少女たちに明るいふつうの未来があることで、かなり救われた気分。
本当に満足した。久しぶりに読み応えがあった。・・・そうか、去年の夏に完結したばかりなのか。早く、アニメ化されないかな。
<完結>

BOOK「シュピーゲルシリーズ12 テスタメントシュピーゲル 3上」

テスタメントシュピーゲル(第3上巻)
冲方丁著
イラスト:島田フミカネ
(角川スニーカー文庫:amazon:439円)
※Kindle版を購入

値下がりした瞬間に買ったのでこの値段だけど、いまは800円近くしている。上下巻とも、かなりの厚さがあるらしい。前巻で種明かしが進んで、この上下巻で完結だろうから、読み応えはありそうだ。・・・と思ったけど、本当に完結しているのかは確認していなかった^^;
さて・・・佳境に入って、けっこう面白くなってきた状況。この巻は、都市インフラが完全に麻痺した中、アナログな蒸気機関車で兵員輸送・・・石炭の代わりにダイヤモンドの原石を燃やして爆走するところから。いま現実に、自動運転とか無人運転とかの実証試験なんかが行われているけど、将来はこんな電脳テロが現実に起きたりもするんだろうな・・・。
どうなってしまうのか心配だった雛は、皇、螢と合流して、結局、本隊と合流したようなしていないような・・・。鳳は暴走というか、乗っ取られたというか・・・。
敵も味方も総力戦という感じで・・・戦況がぐちゃぐちゃで、みんなバラバラで、なにがどう、誰がどうなっているのか訳がわからなくなりそうだけど・・・かろうじて前巻を読んだときのメモを見て、メモを書き足しながらついていった。冒頭から終わりまで、一巻すべてが戦闘で、ずーっと巻末まで山場が続いたまま。でも、基本的な流れは・・・テロリスト側が崩壊しつつあり、反転攻勢がかけられる一歩手前という感じだろう。 楽しい、楽しい、楽しいなァ。
涼月が躍動している。拳系のちょっとおバカなまっすぐさがいい。かなりの力業でいろいろ伏線を回収してきたけど・・・下巻はレベル4の問題、鳳の奪還はなるのか・・・。エドワルト州知事と、カール・クラウスを継いだMSS本部長・ヘルガがどうなるのか・・・ハンス・W・クラインの末路は・・・下巻につづく。

BOOK「シュピーゲルシリーズ11 テスタメントシュピーゲル 2下」

シュピーゲルシリーズ11
テスタメントシュピーゲル
(第2下巻)

冲方丁著
イラスト:島田フミカネ
(角川スニーカー文庫:amazon:840円)
※Kindle版を購入

上巻に続いて、Kindleの「読み終えるまでの平均的な時間」がやたら長い。11時間31分。値段からして、リアル本はけっこう厚いだろうとは思っていたけど・・・。
キャラが変わったわけではないと思うけど、『テスタメント』になってから、雛や乙がちょっと幼い印象を増した。乙は陽炎を「綺麗なおねーさん」と認識しているから、実際に年齢差があるんだろうけど・・・特甲少女と特甲児童、今までぜんぜん意識していなかった。陽炎の小隊長である涼月が14歳だから、乙は11歳くらいなのか。
雛と乙、なんとなく、いろいろ危うい感じがする。鳳は別の問題・・・記憶をどんどん失っていく、ヤバイ感じ。そして鳳の頭の中にある59番目の脳内チップ・・・。MSSの三人は物語の核心に過去で関連しているから、いろいろヤバイものを抱えているわけだけど・・・MSSはほぼ壊滅状態で、ミリオポリスも麻痺状態。そんな状況だから、冬真くんが、ようやく主役として躍り出てきた。そして、エドワルト州知事・ヘルガMSS長官の兄妹が、事態の核心を握る存在になった。それぞれが、それぞれのものを引き継ぐかたちで・・・。
それにしても、やっぱり涼月はいいキャラだなぁ、14歳なのにタバコを吸うし、拳系だし、程良くおバカだし。

BOOK「シュピーゲルシリーズ10 テスタメントシュピーゲル 2上」

シュピーゲルシリーズ10
テスタメントシュピーゲル
(第2上巻)

冲方丁著
イラスト:島田フミカネ
(角川スニーカー文庫:amazon:797円)
※Kindle版を購入

『テスタメント』第1巻、夕霧の戦いのつづき・・・かと想像していたけど、この巻は鳳、乙、雛のMSS要撃小隊<焱の妖精(フォイエル・スプライト)>側のお話。前巻と時間軸がパラレルになっている。こちらでも、冬真と鳳が「青春」しているし・・・なんだかんだいって、特甲少女とはいえ、中身はふつうの女の子ということ。
第1巻と同じストーリーなので<ローデシア>によるAP爆弾テロ。第1巻では詳細が描かれなかった、剣、秋水、陸王という敵の特甲猟兵たちが姿を現した。そして、MSSの対応・・・。雛が<ローデシア>に潜入捜査。MSSの特甲少女たちはこういう捜査までやるのか・・・。一方、MPBの吹雪くんと冬真くん、水無月くんにも密かな動き。情報汚染への対抗策なので、今後、重要な役割を果たすのだろう。・・・日本刀を持った乙、かっこ良すぎる!^^
第1巻と同じストーリーだけど、MSSだけで対応した事件があったり、特甲少女たちの運命を変えた事件や最初の出撃の謎、第1巻で伏せられていたハンス・W・クラインの動きなどがタネ明かし的に開示されていくので、上下二巻になったようだ。この巻は、地下通路で地雷を踏んだ涼月を雛が助けたところまで。
下巻につづく。