BOOK「数字で救う!弱小国家 2 電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。」

数字で救う!弱小国家(第2巻)
電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。

長田信織著
イラスト:紅緒
(電撃文庫:630円+税)
※古書を購入

隣国との戦争に負けた結果、多額の賠償金を負ったファベール王国。ナオキは王国を建て直すべく、宰相に抜擢されたがまわりは皆敵ばかり。財政再建のため、西方戦線の和平・撤兵を進め、戦費を切り詰めることに。ところが、ソアラ王女の従兄で遠征軍総司令官ライアス公爵は、占領地を併合して新たに帝国を建てる計画を勝手に進めていた。
ナオキとソアラ王女が数学用語を口にする度に話がおかしくなる。そして、評議会の諸侯の反感を買う。小説的にも、数学抜きで進めてもらった方が断然わかりやすいんだけど・・・。この小説は、主人公のナオキが賢いから救世主になるのではなく、周囲が愚かすぎるからかろうじてナオキに救いがあるだけのこと。そもそもこの国は、すでに統治能力が失われている。これを政策の転換だけで建て直すのは不可能だ。
その上、ソアラ王女を支える味方がいないのが致命的。ナオキの助手として新キャラのテレンティアを雇い入れたけど、王女がヤキモチいているようじゃ・・・王女の器もたいして大きくはない。
西方戦線のケリは付いたけど、まだ王国財政の再建ははじまったばかり。お話は完結していないけど・・・ラノベ的には面白くないので、読むのはここまで。

BOOK「数字で救う!弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。」

数字で救う!弱小国家
電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。

長田信織著
イラスト:紅緒
(電撃文庫:610円+税)
※古書を購入

数学者を祖父に持ち、大学で数学を学んだナオキ。諸事情あって就職に失敗したためアルバイト暮らし。引っ越し屋のアルバイト中、エレベーターの事故で・・・異世界に転生してしまった。転生先は、ファベール王国。軍事力、経済力共に貧困で、近隣諸国から圧迫を受け、正に隣国と戦争がはじまろうとしていた。国王は病床にあり、第一王女ソアラが国政を代行しているが、重臣たちは目先のことに目を奪われ、問題の本質を見ようとしない。そのソアラ王女の下、ナオキは数学を使って国を救う手伝いをすることになった。
読んでいて、常に「無理矢理」感がつきまとった。はっきりいって、数学が邪魔をしている。無理矢理、数学を小説に持ち込んだために、身の回りの例を持ち出したりして、小説としての完成度を下げている。
そもそも、ファベール王国の場合、数学や理論的思考以前の問題で、国王以下、老害はびこる蒙昧な体制にこそ問題がある。戦争に対する価値観が変わるような動きは理論では起こせない。こういう国は愚王とともに一度亡びて、その経験則から価値観の変革が起きるものだろう。
最後まで「数学を愛する主人公」に共感できなかったし、むしろ嫌いな人物像として見えてしまった。