BOOK「キノの旅 VIII the Beautiful World」

キノの旅 VIII the Beautiful World
時雨沢恵一著
イラスト:黒星紅白
(電撃文庫:550円+税)
※古書を購入

古本のまとめ買いしてたので気付かなかったけど、旧版と新版では表紙が違う。購入したセットは、いくつか新版が交じっているようだ。
「歴史のある国」は、キノの師匠のむかし話。ホラかも知れないけど、政治腐敗にないしてスカッとする内容。でも、実際には許されない暴力ではあるんだけど。9.11は時代の最先端の超高層ビルがテロのターゲットになったけど、歴史的建造物を人質にするようなテロはまだ起きていないな。破壊の対象になったことはあるけれど。
「愛のある話」・・・自分が倒れるような援助をしてはいけない・・・当然のこと。いまでも現実によくある話しだ。キノのいう自分への愛情とは違うと思うけど。
「ラジオな国」・・・ある種のマスコミを皮肉ったお話なんだろう。あるいは経済学者やエコノミストなんかを皮肉ったものだろうか。こういうテイストのお話は、作者の思想を示しているらしく、他にもいくつかあったな。
エピローグの「船の国」が中編で、この巻の半分を占めている。シズと陸が浮島状の船の国に渡り、西の大陸に向かうお話。どうやら、シズのバギーに同乗者が一人増えるらしい。責任とってよね、ということだ。

BOOK「キノの旅 VII the Beautiful World」

キノの旅 VII the Beautiful World
時雨沢恵一著
イラスト:黒星紅白
(電撃文庫:530円+税)
※古書を購入

今回キノが訪れた国は「迷惑な国」「ある愛の国」「嘘つき達の国」。「迷惑な国」は数え方によっては2ヶ国。他の短編は「川原にて」「冬の話」「森の中のお茶会の話」。「冬の話」は「国」扱いしても良さそうなのに、作者がどんな基準で「国」と「話」を書き分けているのか、いまだによく分からない。
「迷惑な国」と「嘘つき達の国」は、アニメで見た記憶がある。
この巻のエピローグは長かった。少女×××××が、キノの本当の母親を撃ち殺して「キノ」になるお話。たぶん、他の短編よりも長いんじゃないだろうか。
この小説の舞台・・・銃器の所持が認められ、旅人は自衛のために武装し、ときに殺し合いも起きる世界。キノも他の旅人と同じように人を殺すことがある。今までにも何人か殺している。この巻でも人を撃ち殺している。もちろん、キノは殺人鬼ではないし、楽しんで殺してはいない。でも、あっけらかんとして、なんら葛藤もない。そもそも感想すら書かれていない。・・・こういう主人公に、ちょっと思うところはある。どーなんだ?

BOOK「キノの旅 VI the Beautiful World」

キノの旅 VI the Beautiful World
時雨沢恵一著
イラスト:黒星紅白
(電撃文庫:530円+税)
※古書を購入

既刊は20巻を超えるシリーズだけど、第6巻にしてすこし飽きてきた。各話とも、違う国を訪れ、それなりに違うお話が展開されているんだけど・・・やっぱり単調に感じる。読んでいて感情の起伏も感じないし、感動があるわけでもない。
この巻でキノが行った国は、「入れない国」「中立な国」「花火の国」「長のいる国」「忘れない国」「安全な国」。シズと陸の旅は、終着点の手前の国までやって来た。
「安全な国」はちょっと考えさせられるお話。「軍隊があるから戦争が起きる」的な考えが蔓延した社会・・・。いままさに、日本は自動運転技術を求めている時代だけど、クルマは自動運転するものという認識が一般化し、「人間が運転する」という概念が消えてしまう頃、世の中のいろんな認識が変わっていることだろう。書かれてはいなかったけど、あの国では絶対に「タバコ」は御法度に違いない。

BOOK「キノの旅 V the Beautiful World」

キノの旅 V the Beautiful World
時雨沢恵一著
イラスト:黒星紅白
(電撃文庫:510円+税)
※古書を購入

この巻はいつもよりちょっとハードボイルドというか、血生臭いお話からはじまった。そういう世界観だから仕方がないのだけど・・・正当防衛であれば、キノは躊躇なく人を殺す。そして、死んでいく人間に対しても、極めて無関心だ。ヘタすると国がひとつ皆殺しにされるかも知れないのに、他人事として見過ごしていられる性格をしている。普通のラノベの主人公なら、絶対に見過ごそうとはしないだろう。
キノには浮いた話のひとつもないけど・・・エルメスは「キノもいい人探したら?」程度のツッコミは入れる。思い起こすと、いままで、仲良くなったのはみんな女の子ばかりで、男はあっさりすれ違えば良い方で、多くはキノに撃ち殺されていたんじゃなかろうか?
キノはいつも早起きだ。寝覚めに体操と銃の練習をし、シャワーを浴びて、朝食をとる。そして寝ているエルメスを起こす。エルメスが寝坊なのではなく、エンジンをかけるということなんだろうと考えていたら、エルメスも好きな時間に自然に目が覚めたりする。

BOOK「キノの旅 IV the Beautiful World」

キノの旅 IV the Beautiful World
時雨沢恵一著
イラスト:黒星紅白
(電撃文庫:490円+税)
※古書を購入

キノとエルメスが訪れる国は、何らかの極端さを持ってデフォルメされ、歪んだ社会を形成している。それが、前巻の「差別」「ネグレクト」であったり、この巻の「DV」であったり・・・いまの日本の現実的な問題に関連していると考えさせられるものがある。でも、だからといって、この小説で描かれた世界観が、何かの参考になるかというと、そうでもない。
キノには、「キャラクターの意外性をチョットでも見せるサービス精神ってものがない」・・・ディズニーランドに遊びに行っても、つまらなそうにしているノリの悪いタイプなんだろうな。まあ、ゲーセンのシューティングゲームで熱くなったりするかも知れないけど。
たまにエルメスが「退屈だ」とつぶやくけど、読者だって「退屈だ」と想いかねないというか・・・この巻はあまり心に残らない内容ばかりだった。あとがきに作者が悪ふざけを書いているけど、この巻の時点で、20巻を超える長いシリーズになるとはだれも思わなかっただろうなぁ。

BOOK「キノの旅 III the Beautiful World」

キノの旅 III the Beautiful World
時雨沢恵一著
イラスト:黒星紅白
(電撃文庫:490円+税)
※古書を購入

キノが女の子でありながらも、男装して旅をしているのは、キャラづくりと言うよりも旅につきものの危険を回避するためらしい。その分、物語に華やかさは失われるし、キノにお色気などは期待するまでもない。
「城壁のない国」は遊牧民のお話だったけど、言いかえれば「喫煙者の国」みたいなもの。喫煙して部族に取り込まれない者は撲殺される。でも、現実の世界では、喫煙者が目の敵にされ袋叩きに遭っているわけだが・・・。
「同じ顔の国」はクローン人間の国。クーロン技術の説明に若干納得がいかないけど、技術的にはあり得るし、いずれは実用化されそうな気もする。少なくとも、人工子宮は実用化するだろう。そうやって、安全にクローンを作れるようになると、親になる資質が問われる。クローンはともかく、親になれる資質のチェックと親になるための教育は、現実の世界にも導入するべき制度じゃないか?
読んだライトノベルの1500冊目のキリ番。

BOOK「キノの旅 II the Beautiful World」

キノの旅 II the Beautiful World
時雨沢恵一著
イラスト:黒星紅白
(電撃文庫:530円+税)
※古書を購入

アニメの第1期を見たとき、原作の中から飛び飛びに選ばれたエピソードをチョイスしていたことは知っていた。でも、順番も入れ替わっているとは知らなかった。
作者によって意図的に作られた世界だから、何が間違いとか、何がおかしいとも言えないんだけど、この世界には鉄道があり、航空機も実現し、ビニール袋が包装に使われている。そして奴隷商人がいる。もちろんバイクがあるし、銃もある。赤外線照準装置まである。
「自由報道の国」は、なかなか興味深いお話だった。手法的にも面白かった。視点の違いで、相反する見解に別れる出来事は身近にもいろいろあるし、政治のような思想や国益が絡んだものは尚更のこと。どこぞの国のように意図的に隣国を非難するフェイクニュースを国策として垂れ流している国すらある。
「優しい国」はアニメでも印象深い話だった。死ぬ最後の瞬間に、人に優しく出来る人たちって・・・本物かも知れない。