BOOK「物語シリーズ 26 扇物語(オウギモノガタリ)」

物語シリーズ 26
扇物語(オウギモノガタリ)
西尾維新著
イラスト:VOFAN
(講談社BOX:amazon:1,430円)

いままでリアル本を買いそろえていたけど、読みにくくて放置する期間が長くなってきたので、この巻から電子書籍にした。格段に読みやすい。
時間軸は、阿良々木くんが大学1年のお話。老倉育のアパートの隣に引っ越して一人暮らしをはじめ、同級生の食飼命日子と仲良くしていたら・・・新年早々、初詣デートで戦場ヶ原さんから別れ話というか、過去の諸々を謝罪された。さらには、半ば絶交状態の老倉育からの謝罪・・・。すわ、怪異現象だということで、阿良々木くんは自分と対を成す闇である忍野扇に接触した。
この作品の魅力は、個性的なキャラによる軽妙な会話にあると思っていたけど、今回は阿良々木くんが一人で思い悩んでいるばかりで、楽しい会話がない。命日子との会話は前振りとして説明感がひどいし、日傘星雨との会話も半分以上は阿良々木くんの独白だった。阿良々木くんの妹たちや神原とは会話シーンすら描かれなかった。ようやく出てきた八九寺はまるで別キャラのような違和感がつきまとった。
「妖魔令/妖魔霊(あやまれい)」という怪異。どこにでもいる感じだけれど、だからこそ扇ちゃんがオチをつけたのだろうか。微妙に納得のいかない、話だったというか・・・タイトルだな。
巻末の短編「おうぎフライト」・・・かつて、千石撫子を呪い、呪詛返しにあった遠吠哭奈と砂城寸志。この二人を千石が見舞って、和解・・・呪いの回収した。久しぶりに斧乃木ちゃんが出てきたけど、千石が臥煙さんの指導を受けているとは思わなかった。千石のお話にケリが付くのかと思ったら、前振りだけで終わってしまった。

BOOK「物語シリーズ 25 余物語(アマリモノガタリ)」

zip rar物語シリーズ 25
余物語(アマリモノガタリ)
西尾維新著
イラスト:VOFAN
(講談社BOX:1,300円+税)

4月に購入したけど、活字の小ささとフォントの細さに苦しみ何度も読む手が止まってしまった。ジジイの読者を想定していないのだろうけど、老眼にはツライ。
斧乃木ちゃん、月火ちゃんの部屋に住んでいるせいか、このところ完全にレギュラー状態。まあ、斧乃木ちゃんは好みのキャラだし、阿良々木くんとの会話が弾むから面白いのだけれど。この巻から斧乃木ちゃんはイメチェンして衣裳が変わった。まさか、セクシー路線なのか?
「よつぎバディ」・・・老倉育の紹介でスイスドイツ語の家住准教授から相談を受けた阿良々木くん。3才の娘を檻に入れたまま3日間帰宅していないという・・・。いままでも戦場ヶ原、羽川、老倉という虐待を受けて育ったキャラがいたけど、出だしから悲惨な設定。阿良々木くんはそこに怪異の可能性を見て動き出す・・・。本当に懲りないな、阿良々木くんは。
「よつぎシャドウ」・・・斧乃木ちゃんと千石撫子の短編。いまのところ、阿良々木くんは登場しない。このお話は、まだ続編があるようだ。

BOOK「物語シリーズ 24 宵物語(ヨイモノガタリ)」

物語シリーズ 24
宵物語(ヨイモノガタリ)
西尾維新著
イラスト:VOFAN
(講談社BOX:1,300円+税)

「モンスターシリーズ」の第2巻なので、時間軸的には前の『忍物語』の続き。決死にして必死にして万死の吸血鬼デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターの「木乃伊事件」の直後のこと。全体的には北白蛇神社の神様になった八九寺ちゃんの仕事ぶりについてのお話。でも、八九寺ちゃんと阿良々木くんとのからみがなくて物足りなかった。
直江津高校三年の日傘星雨・・・元バスケ部員で神原駿河の同期。知り合って最速で阿良々木くんの部屋に上がり込んだ女子。木乃伊事件のとき、女子高生の秘密満載の名簿を渡した恩人・・・日傘ちゃんがレギュラー化するらしい? そして、みとのんは姿を見せるんだろうか?
日傘ちゃんが持ち込んだ「友だちの友だちの妹が誘拐された事件」・・・大学生になっても、すぐに顔を突っ込む流れらしい。今回は阿良々木くんが暴走する動機がよくわからなかった。ガハラさんは、「阿良々木暦だから」という理由で納得しているようだけど、100パーセント完全に阿良々木くんのお節介。誘拐された女児・紅口孔雀、その義姉の雲雀・・・阿良々木くんの好みそうなキャラだけど、こちらも再登場はあるんだろうか?
このシリーズには破綻した家庭が良く出てくる。戦場ヶ原家、羽川家、老倉家・・・そして紅口家。ある意味、神原家と千石家も破綻といえば破綻している。そういう過程で、歪んでいった人間性の歪みが怪異との接点になってしまうのか・・・。
次は千石撫子のターンらしい。

アニメ「暦物語(コヨミモノガタリ)」


暦物語(コヨミモノガタリ)
(全12話/2018年)
原作の「物語シリーズ」は好きなシリーズものラノベのひとつではあるれど・・・この「暦物語(コヨミモノガタリ)」だけは、中身のない短編集として最低の評価をしていた。だから、その存在すらほとんど忘れていた。まさかこれまでアニメ化されるとは思わなかった。
各話15分もので、キャラが一通り出てくるので、さらっと見ている分には酷評するほどではないけど・・・でも、中身の全くない小ネタばかりなのは、原作から変わりはない。アニメの制作サイドもそのへんは自覚しているのか、タイトル曲が以前のシリーズからの使い回しだった。

BOOK「物語シリーズ 23 忍物語(シノブモノガタリ)」

物語シリーズ 23
忍物語(シノブモノガタリ)
西尾維新著
イラスト:VOFAN
(講談社BOX:1,300円+税)

この巻は、大学生の阿良々木くん。物語シリーズの新シーズン「モンスターシーズン」のはじまりとのこと。ということは、大学四年間を描いて、阿良々木くんが警察官になるところまですべて書くつもりだろうか? この場合の警察官は、怪異の専門家ということだろうけど。
臥煙伊豆湖のおねーさんに、吸血鬼がらみの事件で引っ張り出された阿良々木くん・・・今回は推理小説仕立てで事件に関わっていく構成になっていた。
被害者の女の子たち・・・タイプミスしてめちゃくちゃに漢字変換されたようなモブキャラが何人も出てきて、一瞬、作風が変わったのかと思ってしまった。「禁書目録」とか「一方通行」といった名前ではないけれど。神原のバスケ部仲間の日傘ちゃんというのが、ちょっと気になる^^;;
決死にして必死にして万死の吸血鬼デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター・・・忍ちゃんの血を吸い、吸血鬼にした大元の吸血鬼が登場。・・・そう言えば、前に業物語で予告されていたっけ。日本の女子高生の血を吸い、食中毒で死んでしまう伝説の吸血鬼って・・・^^;;
西尾維新は、老倉育が出てきたあたりから数学に凝りはじめたらしく、今回は序盤で暗号解読のお話が出てくる。高校卒業後、阿良々木くんが老倉育と友だち付き合いをしているとは驚きだ。大学進学時に家を出たはずなのに、自宅で暮らしている設定になっていたり、細々いろいろツッコミどころがあるけど・・・このシリーズでは、西尾維新はあまり気にしていないんだろう。

BOOK「物語シリーズ 22 結物語(ムスビモノガタリ)」

物語シリーズ 22
結物語(ムスビモノガタリ)
西尾維新著
イラスト:VOFAN
(講談社BOX:1,200円+税)

なんと! 阿良々木くんが戻ってきた。しかも、社会人、警察官として、警部補のキャリア官僚として。・・・直江津署風説課での研修中のエピソードをまとめた短編集だけど、いろいろ懐かしい顔ぶれが登場して、4年ぶりに実家に戻った阿良々木くんの同窓会のような雰囲気^^;;
読んでいて感じる阿良々木くんの違和感・・・公僕である警察官としての職務意識なのか、少しは大人になったのか・・・若かりし日の阿良々木くんなら、突っ走っていたはずなのに・・・行動が常識的すぎる。かつての無鉄砲さがぜんぜんない。・・・そういう意味では、風説課のメンバ-、人魚の周防全歌さん、ゴーレムの兆間臨警部、人狼の末裔の再埼みとめさんなんかの方がずっと無鉄砲で、正直に行動していて主人公的に思える。
羽川翼には一編を割いていたけど・・・もう、全く別世界の存在になってしまった。女の方が強いというか、想い人をあっさり忘れられるというし。久しぶりに登場したガハラさんは、完全にデレ切っていて・・・老倉育の方が阿良々木くん好みなんじゃないかと思ってしまった。
完結巻の後の後日談のようなお話だったけど、阿良々木くんのオフシーズン最終巻。表紙イラストでは、ガハラさんが白無垢の花嫁衣装を着ているし・・・。でも、まだなにかが続くらしい・・・。

BOOK「物語シリーズ 21 撫物語(ナデモノガタリ)」

nademonogatari物語シリーズ 21
撫物語(ナデモノガタリ)
西尾維新著
イラスト:VOFAN
(講談社BOX:1,200円+税)

いつまで、どこまで続くのかわからないけど・・・今回はタイトル通りに千石撫子のお話。冒頭で、キャラが変わっているのは気にしないようにと撫子自身が、作者自身が釘を刺しているので、撫子のキャラがどう変わっていようとも気にしないことに・・・。というのが前振りで、斧乃木ちゃんが各時代の千石撫子を式神として分身させてしまい・・・名付けて、おと撫子、媚び撫子、逆撫子、神撫子。そしていま現在の今撫子を加えて5人の撫子が入り乱れて^^;;
まあ、みんな並べてみると、結局はどれも皆が撫子で、ある意味ではなにひとつキャラがぶれていないという感じもする。なんにせよ、全バージョンの撫子が楽しめる仕掛け。
斧乃木ちゃんと忍野扇はすっかり主役級のレギュラーになってしまった。忍野扇って、阿良々木くんが生みだした怪異だから、阿良々木くんの代わりに登場しているというわけではないんだろうけど、阿良々木くんがいなくなったこの街でどういう人間関係が築かれているんだろうか? 撫子と接点はあるにせよ、老倉育まで出てくるし・・・。
もはや、阿良々木くんは作中で『あの男』呼ばわり^^;; でも、この話は千石撫子の成長をまとめたお話であり、失恋悲話でもあるわけで・・・なんか、作者・西尾維新の千石撫子に対する愛を感じさせるな^^
でも、これだけは言える。ここまで来ると、誰一人としてまっとうな人間は登場していなくて、登場人物のすべてがみんな怪異ばかりになってしまった。シリーズを通して、そんなつまらないオチではないだろうけど・・・。