BOOK「賭博師は祈らない 5」

賭博師は祈らない(第5巻)
周藤蓮著
イラスト:ニッツ
(電撃文庫:amazon:690円)
※Kindle版を購入

前巻・・・帝都の裏社会を牛耳るジョナサン・ワイルド・ジュニアと、警察組織ボウ・ストリート・ランナーズの親玉ルロイ・フィールディングの対立に巻き込まれ・・・なぜか最後、ラザルスとフランセスが結婚した。そんなタイミングで、ラザルスはリーラに渡していたインド行きの乗船券の存在を示してしまった。やさぐれた賭博師とはいえ、さすがにラノベの主人公といったところ。
ジョナサン・ワイルド・ジュニアが進める「整理整頓」・・・悪い政策ではないようにも思うけど、賭場の側から見れば、賭場が殺伐としていくような気もする。ある意味、ジョナサン・ワイルド・ジュニアは、治安判事に向いているような気もする。そうはいいながら、ボウ・ストリート・ランナーズ側のラザルスは、ジョナサンに挑む・・・。そして、思わぬジョナサン・ワイルド・ジュニアとの決着・・・。
「カルゥガシュ・シャイフラムス」・・・やっと判明したリーラの本当の名前。名前を取り戻し、独立した人格を取り戻したということだろう。結局、リーラは故郷に旅立っていった。まあ、これもひとつの結末だ。
そもそも、形式的にとはいえフランセスと結婚してしまったラザルスが、リーラと最終的に結ばれるという線はなくなっていた。リーラが再び戻ってきたとしても。当時の英国国教会の規則では・・・離婚しても、その配偶者が死ななないかぎり、再婚は認められない。つまり、フランセスが死なない限りは・・・。そもそも英国で暮らしていこうとすれば、リーラは奴隷だし、異人種だし、差別と偏見からは逃げようもない。もしあり得るとしたら、ラザルスと二人でインドや南アフリカあたりに渡って、名前を変えて、改宗するという手はあるけど・・・。
<完結>

BOOK「賭博師は祈らない 4」

賭博師は祈らない(第4巻)
周藤蓮著
イラスト:ニッツ
(電撃文庫:amazon:630円)
※Kindle版を購入

この巻はラザルスとフランセスのむかし話から・・・。フランセス・・・通称“ヴァージン”ブラドック・・・ラザルスの元恋人で、なかなか怖い女。元カノだから怖いのではなく、怖い女とむかし付き合っていただけということ^^;
ラザルスとリーラがロンドンに帰ってきた。エディスとフィリーまでついてきた。ロンドンでのラザルスは、以前のポリシーを忘れてしまったかのような賭博を続けていた。リーラとの暮らしで、ラザルスの歯車が狂いはじめているらしい。そもそも、一度有名になってしまうと、元の生活には戻ることができないわけで・・・。
今回は、帝都の裏社会を牛耳るジョナサン・ワイルド・ジュニアと、警察組織ボウ・ストリート・ランナーズの親玉ルロイ・フィールディングの対立に巻き込まれるお話。その過程で、リーラは中央アジア出身だと判明した。ラザルスの巻き込まれ方・・・本当に逃げ道がないな。
あわや、ラザルスが死んでバッドエンドじゃないかと思うくらいまで行ったけど・・・まだ続く。でも、ある意味では、フランセスとの因縁はバッドエンドじゃないんだろうか?^^;; 次の巻が怖い。

BOOK「賭博師は祈らない 3」

賭博師は祈らない(第3巻)
周藤蓮著
イラスト:ニッツ
(電撃文庫:690円+税)
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地主代理の仕事から解放されたエディスとメイドのフィリーも加わり、温泉地バースでの温泉回なんだけど・・・口絵は湯着姿で肌色ではない。一応、混浴ではあるんだけど・・・。
バースに到着してすぐ、ラザルスは儀典長ウェブスターと副儀典長ナッシュとのトラブルに巻き込まれる警告を受けた。そして、何者かから、ボコボコにされた瀕死の少女ジュリアナを押しつけられた。ラザルスはバースの街に閉じ込められた状況で、意に反して深みにはまっていく・・・。
リーラはかなり人間性を取り戻したけれど・・・奴隷であること、今後の生き方などなど、悩むことも増えてきた。たぶんこれがメインストーリーだろうけど、常識の範囲で進展はしているようだ。ラザルスは完全にデレてしまったし^^;;
なんとなく、3巻で完結しているつもりで買ったけど、完結していなかったし、あとがきの予告通りに第4巻が出ている。これだけラザルスが真人間に近づき、リーラも変わってきたから、そう長くは続かないと思うけど・・・いつになったらラザルスのほとぼりが冷め、帝都に戻れるのだろうか?

BOOK「賭博師は祈らない 2」

賭博師は祈らない(第2巻)
周藤蓮著
イラスト:ニッツ
(電撃文庫:650円+税)
※古書を購入

前巻、リーラを取り戻すために悪目立ちしてしまったラザルスは、帝都中の賭場から目をつけられ、受け入れてもらえなくなってしまった。仕方なく、ほとぼりが冷めるまでの間、田舎の温泉地バースへ旅行することになった。もちろん、リーラを連れて。道中、馬車が盗賊に襲われ、街道を外れた農村にたどり着いた。そこで自殺しようとしていた少女エディスと出会う。
帝都を出ると、異人種と奴隷に対する偏見と差別という現実に直面した。奴隷制がある18世紀末のお話だから、そういう感じなのだろう。そして同時に、リーラの持つハンディキャップがいかにラザルスに迷惑をかけているかにも気がついてしまった。リーラ自身の気持ちとかいろいろウジウジ・・・。ヒロインの魅力が少し不足していたけど、フィリーはちょっと良い感じ。脇役ではあるけど。
リーラは少し人間性を取り戻し、笑顔を見せはじめるくらいにはなってきた。そして、自分の意思を持ちはじめたけど・・・眠れる獅子を起こしてしまったのかも。なぜなら、賭博師であっても、惚れた女には勝てないから^^;;
結局、問題が解決したとはいえ、また今回も強力な敵に恨みを買ってしまったのではないか? この先、ラザルスはまた帝都に戻ってやっていけるんだろうか? ・・・この巻では温泉地バースにはたどり着けなかった。でも、たぶん次巻こそは温泉回。しかも、ヒロインが増えた状態で。

BOOK「賭博師は祈らない」

賭博師は祈らない
周藤蓮著
イラスト:ニッツ
(電撃文庫:630円+税)
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いつもとは毛色の違うジャンルのラノベを読もうと思い、この小説に行き当たった。あまり暗いお話でなければ良いのだけど・・・。第23回電撃小説大賞《金賞》受賞作。
18世紀末のロンドン。賭博師ラザルスは『勝たない』『負けない』という養父の教えを守り、ほどほどに小銭を稼いで生きていくことを信条にしていた。ある日、ラザルスは必要以上に大勝ちしてしまい賭場に目をつけられそうな危機に陥った。そこで、賭場に利益を還元しようと高価な買い物をした。・・・一人の奴隷少女・リーラ。異国から連れてこられた褐色の肌。従順になることだけを身体に染み込まされた奴隷。のどを焼かれ言葉を失い、文字の読み書きもできない。無表情でおびえてばかりいる。「どうでもいい」が口癖で、だらしのない生活をしているラザルス・・・奴隷が欲しくて買ったわけではなかったが、メイドとして雇い、なんとなく一緒に暮らすことになった。
犬や猫だって、三日飼えば情が移る。安心して暮らせる場所を手に入れた奴隷なら尚更のこと。こういう心を病んだ少女が回復していくというお話はよく描かれるテーマだけど・・・その上、ラザルスの出自が捨て子で、賭博師という真人間ではない存在なので、いろいろ感じることはラザルス側にもあるし変わりもする。『なるべく抱え込むな』・・・養父の教えをないがしろにしたバチが当たったんだろうな・・・。
フランセス・・・ラザルスの元カノ。・・・やっぱり、むかしの女って怖い^^;;