BOOK「本好きの下剋上 3 司書になるためには手段を選んでいられません 第一部 兵士の娘 III 」

本好きの下剋上
司書になるためには手段を選んでいられません
第一部 兵士の娘 III

香月美夜著
イラスト:椎名優
(TOブックスラノベ:amazon:940円)
※Kindle版を購入

マインには「身食い」という致命的で不治の病がある。魔力に関係した病気。現実の世界にも治療法が確立されていない難病があるけど、具体的に何の病気をイメージすれば良いか判然としない。でも、身食いには魔道具という対処法はある。これが、本作り以外の伏線になっていくんだろうけど、お金で対処しようという方向には行かないらしい。
商業を描いているから、既得権益との衝突は避けられない。特にマインのように、新技術で新しい価値を創造する場合は尚更。紙の普及は世の中に大きな影響を与える。そういう意味では、火薬とダイナマイトを作れば、魔道具くらい欲しいだけ手に入るくらいのお金は稼げるだろう。
マインが洗礼式を迎えた。そして盛大にやらかした。神殿で図書館を見つけたときのマインは、そういう設定だから仕方がないけど異常すぎる。改めて22才のいい年こいた麗乃の異常人格を再認識した。まあ、結果的に、有利な条件で神官見習いになることが決まったけど、マインの異常人格では平穏無事とはいかないだろう。
ギルドカードって、こっちの世界より便利だな。

BOOK「本好きの下剋上 2 司書になるためには手段を選んでいられません 第一部 兵士の娘 II 」

本好きの下剋上
司書になるためには手段を選んでいられません
第一部 兵士の娘 II

香月美夜著
イラスト:椎名優
(TOブックスラノベ:amazon:940円)
※Kindle版を購入

ようやく紙の試作に取りかかるメドが立った。作中では「和紙」となっていて、作り方も和紙を意識した記述。だけど、原料が異なるから、ここは単に「手漉き紙」とするべきだろう。繊維が長く密度が低いのは和紙の特徴だけど・・・葦ペンとインクで筆記するのには向かない。マインは、繊維を短くして密度を高めた西洋式の手漉き紙を目指すべきなんだが・・・。
将来的に、マインは印刷まで意識しているようだから、紙質にはもっとこだわるべきだ。最初は活版印刷だろうから、和紙でもどうにかなるだろうけど。
冬支度も終わり、冬の手仕事で作る髪飾りを家族で作りはじめ、この巻はマインが身食いで倒れたところまで。アニメ化されたのは「第一部」3巻までらしく、このあたりはアニメで見たばかり。マインが助かるためには高額のお金が必要だ。マインの頭の中にあるものの製造法と利権を適当に売って、とりあえず生存に関わるお金を調達するしかない。

BOOK「本好きの下剋上 1 司書になるためには手段を選んでいられません 第一部 兵士の娘 I 」

本好きの下剋上
司書になるためには手段を選んでいられません
第一部 兵士の娘 I

香月美夜著
イラスト:椎名優
(TOブックスラノベ:amazon:0円)
※amazonプライム会員特典

昨年の秋アニメとしてアニメ化されたばかり。マイン(本須麗乃)の、本好きという設定を超えた異常人格がすごい。原作ではもう少し納得のいく描かれ方をしているのだろうと、まず第1巻だけ読んでみた。Amazonプライム特典で、この巻だけ無料だったし。
本須麗乃は周囲から変人と認識されるレベルには本を読み、本を愛していたようだ。母親は、麗乃が引きこもって本ばかり読むようになると思っていたけど、図書館の司書として就職が決まっていた。汗水流して働きたくはないから、お客が来ない古本屋の店員にでもなって、本を読んでお気楽に生きていきたい、という感じで「司書」を選んだのだろう。
アニメを見たとき、モヤモヤと納得がいかなかった点・・・マイン(麗乃)には「著者」という発想がない。自分で書くとしても・・・わたしの場合は自分の能力や発想とは異なる書き手によって書かれた場合を「読書」と呼び、自分の書いた文章を読むのは「推敲」であり「文字校」に過ぎない。たとえ本の形をしていても。マインには、本に対して面白いとか感動するとか、役に立つ知識や情報が欲しいとか、具体的な要求が見えない。本なら何でもよくて、「本」という概念を欲しているようだ。
ファンタジー世界のトイレ事情、識字率の低さ、食肉加工の実態など、普通は描かれない部分を描いたのは面白い。でも、マイン・・・豚の解体で気を失ったりしてたけど、羊皮紙づくりのチャンスを失ったことに気づいていない。

アニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」


本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません
(全14話/2019年)
異常人格レベルにこころの底から本が大好きな女子大生が、本のない世界の少女マインとして転生した。
「本がないなら自分で作ろう」という発想は解らなくもないけど、かなり異常な執着だ。読んだ本に囲まれていたいという心情は、かつてのわたしもそうだったから理解できなくはないけど、本なら何でもいいというマインの姿勢はやっぱり異常だ。マインは転生前、平気で「積ん読」していたんじゃないだろうか?
マインは粘土板とパピルスづくりに失敗した後、木簡を作りに挑む。せっかく作った木簡を母親が薪にしてしまう・・・母親というのは、確かにそういうところがあるよな、経験的にひどく納得できるエピソードだった。
マインはちびっ子で病弱、「身喰い」という命に関わる特殊な体質を身に宿している。制度も技術も流通も遅れている社会で、いろんな困難に立ち向かいながら、まずは紙づくりからスタート。でも、なにぶん、病弱なちびっ子なので、なかなか思うように進まない。ふだんは、本須麗乃という大学生の意識でいながら、本に関しての行動だけが6才児の子供になってしまい、ちょっと苛つく。