雑誌「milsil ミルシル ふしぎで多彩な変形菌の世界」(2018年No.5 通巻65号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌(隔月年6回発行。税込定価420円)。
今回の特集は「ふしぎで多彩な変形菌の世界」。この「ミルシル」の特集記事は、科博が予定している企画展のテーマと微妙に関連していることが多いのではないかと思っているけど、今回の「変形菌」は、関連している気配がない。昨年末から今年のはじめにかけて、「南方熊楠」の企画展をやったばかりだし。「変形菌」は地味な存在ではあるけど・・・わたしは熊楠ファンなので、嫌いな存在ではない。
この号で気になったのは巻頭のインタビュー記事。リチウムイオン二次電池を開発した吉野彰氏(旭化成名誉フェロー)・・・ノーベル賞候補の呼び声も高いので、名前だけは知っていた。モバイルだ、ウェアラブルだと身の回りの電子機器の進化にはついていけない勢いがあるけど、それもこれもこの電池があってこそのこと。いくら感謝してもバチは当たらないはず。

雑誌「milsil ミルシル 広がる「地図」の世界」(2018年No.4 通巻64号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「広がる「地図」の世界」。国土地理院の先生方が測地系の歴史、スマート社会の新しい地図像を紹介している。
似たようなテーマで、かなり以前に国土地理院を取材したことがあるけど、あのころはスマート社会なんていう単語のスの字もなかったので、いろいろ新しいことが紹介されていた。いまではカーナビどころか、歩くための日常的な地図までデジタル化されている。近い将来には、クルマの自動運転やらドローンの宅配便などもこうした地図インフラの上で動くわけだけど・・・歩きスマホする人が邪魔でぶつかりそうになるのが当たり前の時代、本当に安全なサービスが実現するのか、地図とは別の次元で、内心、ちょっと心配ではある^^;
サブ特集は「カタツムリ」。カタツムリが左巻きなのか右巻きなのか、気にもしたことがなかったけど・・・世の中のたいていのことには専門家がいて、一見、どうでも良いことを研究していたりするので、別に驚かないんだけど・・・「ヘビ仮説」か、ちょっと驚いた。

雑誌「milsil ミルシル 樹木の科学」(2018年No.3 通巻63号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「樹木の科学 ~木の形はどのように決まるのか~」。
樹木の形なんて、いままで気にしたこともなかった。盆栽でもやっていれば別なんだろうけど、街中で暮らしていると、樹木と接する機会なんてまずないから。公園の木々や街路樹など、身近に樹木がないわけではない。でも、お花見では花ばかり見ているし、落ち葉の季節には枯れ葉が邪魔くさいと思うだけで・・・樹木そのものを意識することはない。いつもミルシルで驚かされるのは、こういうことを研究している人がいるという事実。
その他主だった記事は、アリと共生している「ハネカクシ」という昆虫と、屋久島国立公園。ニュース記事の中で気になったのは、宇宙が誕生した直後に生まれた最古の星「ファーストスター」由来の電波を捉えたという記事。・・・この号は今までにも増して地味な内容だったな。

雑誌「milsil ミルシル 人工知能と人間」(2018年No.2 通巻62号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「人工知能と人間」。
Milsilとしては珍しく旬な話題なんだけど、まあ、やっぱりこういう切り口になるのかという構成で、捉えどころがないというか・・・ちょっと難解。
いま世間で話題の人工知能は、囲碁の世界チャンピオンに勝ったとか、株式取引で大もうけしているとか、経営戦略に役に立つといった御利益にスポットを当てたものだけど・・・その原理は「ディープラーニング」という単語ひとつで説明しているようなしていないようなという感じが多い。それに対して、「知能」とはなにか?といった、根本的なところから突き詰めていくとこうなってしまうわけだけど・・・。そういう意味では、この記事に書かれていることの大半は「人間」についてであって、「人工知能」について書かれている部分は意外と少ない。実際、人間の「知能」の仕組みとか、はっきり分かっていることって少ないだろうからなぁ。

雑誌「milsil ミルシル サンゴの知られざる世界」(2018年No.1 通巻61号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「サンゴ」。
北海道に生まれ、東京に住んでいると、日常生活でサンゴを見かけることはない。食品としてスーパーに並ぶこともないし、工芸美術品としてのサンゴにも縁がない。それでも、昨年宮古島に行って、伊良部大橋から珊瑚礁の海を眺めたので、遠くからは見たことはある。
でも、サンゴについて日常生活で耳にするのは、テレビニュースで白化が進んでいるという気候変動がらみの報道だろう。サンゴは環境の変化に弱い生物で、気候変動で危機的状況にある云々といった内容が多くを占めている。あるいは、どこぞの国の密漁船が赤珊瑚を狙って領海侵犯を繰り返しているといったニュースもあった。
でも結局、わたしにとってサンゴは身近な存在ではないということだな。記事を読んでも、イソギンチャクなどの仲間だということ以外なにも残らなかった^^;;
あくまでも個人的な興味関心ということだけど・・・興味のないテーマが特集されている号は、やっぱり読んでいて面白くないな。博物館で展示を見るのは、たいていのものが面白いと感じるんだけど・・・。

雑誌「milsil ミルシル 博物館とコレクション」(2017年No.6 通巻60号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「博物館とコレクション」。博物館が発行する雑誌なので本筋のテーマだろうけど、過去に取り上げていなかったのが不思議。まあ、ある種の内輪ネタだろうけど、興味のある読者は多いと思う。しかも、この巻がすべてこの大特集ネタ。サブの特集もコラムもなく、博物館におけるコレクションの意義について紹介している。
DNA解析のような新しい研究手法が確立されて、生物関係の標本コレクションはさらなる存在意義ができた。そして、データベース&インターネットという情報の共有化技術によって、コレクション情報の利用法も広がっている。前向きな動きではこのふたつが大きな流れだろうけど、もうひとつ、この特集が組まれた理由がありそうだ。
ひとつは博物館の経営的な問題。特に地方の博物館、企業博物館は苦しい状況が続き、コレクションの維持が困難になってきているという実情があるのだろう。
もうひとつ、この特集では理工系の分野でのはなしも大きめに扱われているけど、理工系博物館は企業博物館が多いので、一部の景気の良い大企業は除いて、博物館の存続が危ぶまれる状況が続いている。深読みすると、独法になった国立の博物館すら、予算減が続いているのが実情で・・・。日本の技術立国、科学立国などといったお題目も、お寒い状況が続いているのも事実。予算獲得のためにも、国民の理解を前提としている以上、こういうPRは不可欠なんだろうな。

雑誌「milsil ミルシル ようこそ!コケの世界へ」(2017年No.5 通巻59号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「コケ」。
いつものことだけど地味なテーマ^^; 最近は、どこにでもマニアックな女性がいるらしく、「コケじょ」「コケガール」などという呼び名もあるくらいなので、地味なテーマなどというと叱られるかも知れない。でも、「コケ」と「地衣類」は別物だけど^^;;
わたしも若かりし頃、わびさびの世界に関心があったので、それなりに見慣れた存在ではあるけれど、でも、正直いうとあまり興味がない。「万葉集」や「古今和歌集」などの歌に詠まれたコケの話などは、面白く読んだ。
この号の記事で他に気になったのは、「斎藤報恩会貝類コレクション」に関するもの。現在、科博にあるとは知らなかった。というか、仙台の斎藤報恩会自然史博物館は閉館してしまったのか・・・。かつて20代の頃、仙台に遊びに行ったときに見に行こうとしたものの、同行者の反対で見に行けなかった博物館。地味な博物館だから仕方がないという気もするけど・・・そういうことが何度か重なり、以降、興味関心の異なる人間とはなるべく一緒に行動しないことにしている。

雑誌「milsil ミルシル 太陽フレア」(2017年No.4 通巻58号)

国立科学博物館が発行している自然と科学の情報誌。(隔月年6回発行。税込定価420円)
今回の特集は「太陽フレア」。
太陽の表面で起きる爆発(フレア)から、太陽風や放射線などが放出され、地球の極地で見られるオーロラの原因となる云々はよく知られたこと。この特集のメインは、そのフレアの大型版「スーパーフレア」。大量の放射線が地球に到達し、上空を飛ぶ飛行機では致死量に達するかも知れないという予測も・・・。地表では大丈夫らしいけど・・・。同時に、宇宙空間にある人工衛星をはじめ、地球上のエレクトロニクス製品が大ダメージを受け、情報インフラや電力などの生活インフラが壊滅するなど、恐ろしい影響があるらしい。
地震や台風といった、地球が引き起こす自然災害にすら対応できていないのに、太陽が引き起こす文字通りの天災にどう備えるか? まあ、いまのところ、太陽を観測して予測できるようになることを目指す・・・とのことだけど、予測できてからどうするんだろうか? 根本的な対策はあるんだろうか?^^;;